「少尉、朝ですよ」  
凄まじく、けだるい朝  
騒がしい声を止めようと、枕元の継承器を探す  
「継承器ならそこに」  
張り付く瞼を引きはがすと、遥か向こうのテーブルに置いてある宝物が見えた  
「さあ、起きて下さい  
風呂に入りましょう」  
こっちの宝物がいつもの笑顔で言った  
「ムリだ、体が動かない」  
枕から頭が上がらない  
腰から下の感触がない  
あちこち痛む体をどうにか動かし、伍長に背を向ける  
「しょうがないですね」  
伍長は背中と膝の裏に手を懸けた  
「軽いですね」  
「止めんか、バカモノ」  
横抱きに抱き上げられる  
逞しい巨体に  
 
「綺麗にしないと外に出られませんよ」  
「汚したのは誰だというのだ」  
汚物扱いにふて腐れた  
「ああ、だから俺が綺麗にします」  
伍長は、いつもどうり穏やかに、しかし不穏なことを言う  
「オイ、伍長、まさか…」  
「責任持って、隅々まで」「ふっ、ふざけるな、馬鹿モノ」  
抗議するが、腰の抜け切った体には抵抗の術はなかった  
ソープを入れた湯をはったバスに身を委ねる  
子供の頃から、風呂は大好きだった  
香料を入れたヌルイ湯の中で、ゆるゆると体を暖めるのがお気に入りだ  
疲れ切った体へのマッサージも…  
 
…しかし、  
「こら伍長、貴様まだ足りないというのか!」  
伍長が後ろから廻した手で、モゾモゾと身体をまさぐり続ける  
「心外です、俺は少尉のお世話をしてるだけですから」  
しれっとぬかした  
「自分で出来るから、出て行け!」  
「そんな訳にはいきません」  
スウッ  
「ヒッ!」  
髪からうなじを撫で下ろされた  
「この髪を汚したのは俺ですから」  
バリバリに固まった精液がこびりついていた  
ヤツは、指で丁寧に解しながら、少しづつ水をかけて落としていく  
「すみません、少尉があんまり綺麗だから、つい汚したくなって」  
 
『どの面下げて申しているか』  
心の中で毒づいたが、口には出さない  
実際求めたのは自分からだった  
   
口でたっぷり吸いあげた後、出すところが見たくて、擦りながら発射を待った  
飛び出てきた分身を無駄にしたくなくって  
「頼む、かけてくれ!」  
伍長の熱い精液を顔に、髪に受けた…  
 
「こんなに跡が付いて  
消えますか、コレ」  
胸元に無数に残っているキスマークや歯型をさすりながら、伍長は言った  
   
胸に縋り付くような愛撫を繰り返す伍長を見て、ヤツの印が欲しくなった  
私の要求に気遣いながらも、無数の印を…  
 

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