アリスが目覚めたのは体の疼きからだった。  
体中が熱く息は荒くて自分でも鼓動が早いのがわかる。  
(…私は…?体が何か…熱い…)  
よく覚えてなくて薄く眼を開ける。  
眼を開けると自分は裸で、柔らかな見知らぬ褥の上にいた。  
「…!?ッ」  
熱に浮いた頭で一瞬で先刻の事を思い出す。  
 
舞踏会に出席した時に偶然レオニールに会い  
レオニールからグラスを渡されたのだ。  
「いや、アルコールはちょっと。」  
いつも通りにアリスが断るとレオニールは  
「今日は只のジュースですよ。姫君。」と笑う。  
やっとアルコールを諦めてくれたのかとアリスは思い。  
礼を言ってグラスを受け取り口元へ運ぶ。  
大丈夫。アルコールの香りはしない。  
そう思って中のジュースを一口。  
と、意識が朦朧として意識が途切れ途切れになる。  
「こうでもしないといつまでたっても僕のモノにならないからね…。」  
耳にかかる吐息とそのセリフに夢うつつのアリスの頭がヒヤリとする。  
が、もう意識は薄らぎ、傍から見ればアルコールに弱いアリスが寝てしまったように写る。  
レオニールは口元に笑みを浮かべながら適当に係に口実をつけて客室にアリスを運んだ。  
 
そこまでを思い出しアリスは血の気が引く。  
(まさか私は…)  
知らない間に犯されていたのだろうか?  
結婚前に純潔を散らされてしまったのだろうか?  
それも婚約破棄を考えていた相手に…  
嫌な想像が頭を支配する。  
しかしそれも考えられないくらいの情火がアリスを襲った。  
「な!?…んッ…!あぁ…!!」  
体がすぐに火照り、下腹部が熱いのが自分でもわかる。  
とその時。「眼が覚めましたか?」  
レオニールが隣に居てアリスに微笑みかけていた。  
いつここに?それとも気が付かなかっただけだろうか?  
アリスは火照り続ける自分の体を抱きしめて上体を起こす。  
「はぁッ…!!一体どういうつもりですか…っ!はぁっ、んっ!何、故…!」  
荒い吐息が自分の胸にかかるのにすら肌が粟立ってしまう。  
これは情事の後の感じでは無い、無理やり欲情させられてしまったのだ。  
多分、いや、絶対にあのジュースの中には媚薬か何かが入っていた。それもかなりの量が。  
「何故も何も姫君をモノにしたかっただけですよ。」  
しれっとレオニールは答えてアリスを押し倒す  
「こんなふうに、ね。」  
「!!んん…っ!!」  
アリスの唇を奪ったレオニールはそのままアリスの口腔内を犯す。  
歯列をなぞり、舌を絡め、吸い上げる度にアリスは声にならない声で抵抗する。  
「んっ!ふむっ…ぅん!」  
手がレオニールの胸を押し返そうとするが脇をなぞられて力が抜ける。  
アリスは今自分がどうしようもなくそれこそ発情期のように欲情させられてることに気が付いた。  
レオニールはそんなことにかまいもせずに唇を移動して首筋に舌を這わして吸いあげる。  
「!!や…あッ!ぁ、んッ!」  
アリスは抵抗しようとしても力が入らなくなる。  
レオニールの舌で力が首筋から抜けていくような感覚だった。  
レオニールが桃色の耳朶を舐め上げ、甘噛みをする。  
「ひぅっ…!!やぁ…っ、ぁあぁんっ!」  
つい嬌声を上げてしまう。  
自分の立てた声に一瞬おどろいて羞恥が襲う。  
その羞恥がいっそうアリスの体を火照らせる。  
 
喘がされる合間熱に浮かされた頭で思う。  
誰かっ助けてっ!ごちょ…っ!!  
しかしその思考はレオニールの指先が下腹部を滑ると同時に弾け飛んだ。  
「え、ちょ、やめてくだっ!!あぁぁッッ!!」  
もはや体全体が敏感に反応するアリスには成す術も無かった。  
レオニールの指がしとどに濡れた其処へ触れてくちゅり、と音がした。  
「ふぁあぁッんっっ!!」  
「触れているだけですよ?」  
びくびくと体全体で感じて頬を羞恥で桃色に染めた様はなんとも嗜虐心をそそられる。  
レオニールは指を淫水が溢れる其処へ押し込んだ。  
ぬちゅりと粘着質な水音が響くと同時にアリスの白い喉から嬌声が出る。  
「!!!んぁぁあぁぁーッ!!はぁっぁんっ!おやめ下さっ、あッ、ん!」  
その制止には答えずレオニールは喉の奥でくつくつと笑って指を動かす。  
「ずいぶんと薬の効きが良いのですね。…それとも元々の淫乱な素質でしょうかね。」  
耳元で囁き、耳朶を甘噛みをする。  
「はぁ、んッ!そ、んな…ッ!違ぁぁっ!!ッッきゃぁあんッ!」  
こんなに体内にぬぷぬぷと指を引き込んでいる癖に。とレオニールは思い、更に指の動きを早める。  
くちゅっくちゅっ  
より大きな淫乱な水音が響き、感覚だけでなく聴覚からもアリスを犯す。  
「!!、あんッはッ!!ひあッ!あぁあぁぁんッッ!!伍長ッ―――ッッ!!、…!!」  
軽くオーガズムを向かえビクビクと背を震わせる。  
一瞬頭の隅が白く光り、少し我に返った瞬間レオニールはひくひくと収縮する膣の中の指の動きを止める。  
その瞬間アリスはしまったと思った。顔の血の気が引く。  
つい部下の名前を呼んでしまった、こんなことをされて、しかも婚約者の前で…  
 
「…ねぇ、姫君。今なんて言いました?」  
ぞくりとするような微笑。指を激しく動かす。  
まだイキたてで敏感なクリトリスが擦られて快感が背筋を貫く。  
「あぁああぁぁんっ!いやっ!ぁ!違いまッ…!そのっ今のはッッ!…………」  
どうしよう、言葉が出てこない。  
『こういう嫌らしい行い』をいつも伍長を意識して自らしていたなんて口が裂けても言えない。  
自分でするよりの快感をレオニールにされた事によってついうっかり伍長の名が出てしまっただけなのだ。  
アリスは自分の迂闊さを呪った。  
はじめて伍長を思って自分を慰めた夜自己嫌悪で一晩中悶々としていた。  
部下に対してこんな思いを抱いてしまった事と初めてこんなふしだらな行いをしてしまったことを恥じた。  
婚約者がいるという立場なのにこんな事をする自分は淫乱なのだろうか。アリスのそんな思いと  
背徳的な立場とがアリスの胸をかきたて、この猥らな行いが病みつきになってしまったのだった。  
 
レオニールは確かにいつもの優しい笑顔だが眼だけは冷え切っていて笑ってはいない。  
アリスは自分の芯が冷え切ってしまったような感覚になった。  
体は火照って欲情しきって熱いのに…  
レオニールは指を乱暴に引き抜く。  
「ふぁぁんッ…!!」  
引き抜かれる感覚にも律儀に体は反応してしまう。  
レオニールは興ざめだと言う様に指を拭う。  
アリスは息を本能的に整えながら複雑な心境でレオニールを見る。  
喩えるなら叱られるのを恐れる子供のような気持ちと他の何かわからない感情がないまぜな気持ち。  
レオニールが押し倒した格好のままアリスの目をまっすぐに見つめる。  
アリスは目をそらす。  
その仕草がなんともレオニールの情を掻き立てられる。  
 
アリスの薄く開く濡れた桃色の唇とまだ朱に染まっている頬。  
濡れた瞳は金の睫に伏せがちにそらされている。  
ふるふると背徳感か恐怖感か、はたまた先刻の余韻か何かで震える様がなんともそそられる。  
そこにあの夜の舞踏会で見せた凛々しいアリスは無く  
褥には小動物のような嗜虐心を感じさせる小娘がいるだけだった。  
それにレオニールはため息をついた。  
アリスなら自分と対等に渡り合えると思っていたのに。  
戦う前からこんなにも屈してしまうなんて。  
「…残念だな。…おしおき、しなくちゃね。」  
「え…?」  
そう、おしおきだ。  
自分以外の男を呼んだ罰と自分をこんなにも失望させた罰だ。  
やっと発せられたレオニールの声にアリスの体が弛緩した隙に自身をあてがい、腰を落とす。  
柔肉を掻き分けながら、純潔を一気に穢してレオニールのモノが奥まで入る。  
「!!ッッあぁぁぁぁあぁッ!いたぁっんあぁぁぁッ!ふぁあぁんッ!」  
アリスの顔が破瓜の痛みに歪む。  
アリスの悲鳴を搾り出すように乱暴に機械的に突き上げる。  
レオニールはアリスの痛みに耐える声に興奮する。  
「いや、だッ…!!いっあぁッ!!抜いッあぁっん!!抜い、てェッ!!はぁぁぁんっ!!」  
ずちゅっずちゅっと腰を動かされて破瓜の痛みとそれ以外の感情でアリスの眼に涙が零れる。  
そこでアリスは初めて気が付いた。  
自分が本当に求めているのはあの傷だらけの大男だと。  
毎晩自分で慰めては「ただの性欲処理だッ!」と自分に言い訳をしていた。  
しかしそれこそが自分の求める男だったのだ。  
 
「ああぁ…あ、あぁ、んんっ!はぁぁん!ひぁぁっんっ!」  
心とは裏腹に体はどんどん感じていく。  
自然と声が淫猥に艶を帯びていく。  
(嫌だっ…!嫌だっ…!私が求めるのは違う男だっ!誰かっ!!伍長、伍長ッッ…!!)  
アリスは声が出ないように抑えようとするがレオニールがそれを許さない。  
桃色に尖った乳首をぐりぐりと攻め、首筋に噛み付くようにキスをする。  
「ひぃっ!あッッ!きゃぅっ!」  
全身が敏感なのに息もつけないくらいに責められて頭がどうにかなりそうだった。  
それと本当に好きな人に抱かれていない事実がアリスの頭をさいなむ。  
そんな状況で淫乱に感じるふしだらに感じてしまう自分の体がアリスの熱をあげ続ける。  
「はぁっ!やだ、ぁっん!!あ、はぁッ!いッ、あぁぁッッ!」  
そしてとうとう乳首を抓り上げられた瞬間アリスは頭が真っ白になった。  
「あぁぁんッッ!!――あ、あああああああぁぁぁ…んっ!!」  
(――――――――――――…伍長――――…)  
ビクっビクッと体とレオニール自身を咥え込んでいる柔肉が痙攣する。  
その急激な締め付けにレオニールもアリスの中でドクッドクッと脈動しながら果てた。  
果てた瞬間の刹那。  
アリスは(あぁ、もう私は、伍長を見れないだろうな。)と真っ白になった頭で思っていた。  
それを思い、レオニールと繋がったまま。溢れた涙が頬を伝う。  
「これで君はっ、僕の…モノだ…っ!」  
そんなアリスに追い討ちをかけるようにレオニールはアリスの耳元で言った。  
「!!…ッ…」  
アリスはそれを聞いて自分の胎に出されたのに気がついてヒヤリと血の気が引く。  
やるせなさに眼をそっと閉じると瞼の裏に愛しい部下の笑顔が浮かんで、また一粒涙が零れた。  
 
 
Fin.  

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル