勇者のラグナスは普段は街の警官を仕事にしてる。  
で、彼の日課には、自分の仕事があがった時間がドラコのバイトあがりの時間に近い日は、  
彼女を迎えに行っていっしょに帰る、というものがあった。  
今夜も彼女のバイト先のレストランに迎えに行こうとしていた。  
 
その途中、アルルとばったり会った。  
「あ、ラグナス〜」  
「やあ、こんばんは」  
「ムーンキャベッジ行くの?」  
ドラコのバイト先のレストランに行くのか尋ねられる。  
「う、うん」  
「へえ〜(にやにや)」  
「な、なんだい?」  
「で〜。いっしょに帰って、いっしょに夜を過ごしちゃうんだ。えっちだね〜」  
「な!そんな風に言わないでくれよ!」  
「でもそうなんでしょ」  
「うぐ……っ」  
アルルはなにかと自分とドラコのことをひやかしてくる。  
「ラブラブのエロエロだね〜」  
「う……ア、アルルだって、あいつとそうなんだろう?」  
「やだ、女の子にそんなこと聞くなんてっ。やっぱりラグナスえっちだ〜!」  
勝てない。  
 
「ねえ、せっかくだから、ボクもついて行っていい?」  
「え」  
「だめ?やっぱり二人っきりの時間をちょっとでも邪魔されるとイヤ?」  
「べ、別に全然構わないさ!」  
「じゃ、いっしょに行こ!あはは!」  
 
二人で店まで行って、中に入ろうとした時、アルルが変なことを言ってきた。  
「ね、ラグナス、腕組んで入ろうよ」  
「ええ!?」  
「ドラコって、ボク達がちょっとでも仲良くしてたら、すぐムキになってやきもち焼くよね。  
 今日もちょっとやきもち焼かせてみようよ」  
「そんなの」  
「いいからいいから。やってみようよう」  
アルルがぎゅっと腕を組んでくる。  
「……ボクさ、キミ達がラブラブなところ見るの、好きなんだ」  
「う」  
一瞬どきっとする。  
でも自分だってもう童貞君でもないし、この少女もちゃんとした恋人がいる女性だ。  
腕を組むくらい、お互いにそれが分かってるからこそできる親しみのしるしに過ぎない。  
こんなことで動揺するところを見せてはいけないと思った。  
「じゃ、入ろう〜」  
結局何食わぬそぶりで腕を組んだまま店内に入るラグナス。  
でも内心では、アルルって背が低いんだな、とか、  
腕を組む感触もやっぱりドラコのほうがいいな、とかいろいろと雑念が湧いた。  
 
かららん、からん  
「いらっしゃいませ〜……」  
店内では、ドラコはそろそろラグナスの迎えが来る時間だと知っていたので、  
彼が来るのがすぐ分かるよう待ち構えていたっぽかった。  
「ド〜ラコッ。こんばんは〜!」  
そこにラグナスがアルルを連れて腕を組んで入ってきたのである。  
ウエイトレス姿で満面の笑顔だったドラコの顔は一瞬でひきつった。  
「……アルル!?なんで……」  
 
ラグナスは、隣のアルルが、ドラコがムキになるのをわくわくと待っているのが分かった。  
もー!なんであんたがラグナスと腕組んでるのよー!がお〜!みたいな。  
彼もそんな風になると予想してた。  
 
でも。  
「う……」  
ぐすっ  
「!?」  
彼女は、泣き出してしまった。  
 
「やだ……アルル…。離れてよう……!」  
ぐすっ、ぐしゅん…  
「え!」  
店内で、他の客や仕事仲間もいるのに、その場で目に涙を滲ませてしゃくり出すドラコ。  
ラグナスとアルルのみならず、そこにいる全員が唖然となった。  
「……………………ごめんね!ドラコ!」  
我にかえってアルルの腕を振りほどいてドラコに駆け寄る。  
「うう……、ラグナスゥ…」  
ドラコはラグナスの胸に顔をうずめて、彼にすがるようにぐずった。  
「ま、まさかそう来るとは…。ドラコ、かわいすぎだよ……」  
アルル、完全に悪者。  
いたずらが過ぎた。  
 
店長に許可を貰って、ドラコをなだめながら奥の控え室にいっしょに入るラグナス。  
アルルは、  
「ボクがここにいたら状況がややこしくなるよね!ごめんねドラコ!ほんの冗談だからね!」  
と謝りながら、すたこらと帰ってしまった…。ラグナスにとっては、かなりの小悪魔だった。  
 
「…………」  
で、ドラコが落ち着いてきた。  
 
ドラコに謝るラグナス。  
「ほんとにごめんよ。アルルが悪ふざけでやったことなんだけど、  
 ちゃんと断わらずに流されてしまった俺が悪いんだ。ごめん、ドラコ」  
「…………」  
「う、腕を組んだのは君をからかおうって……。ほんとに悪かった……」  
ドラコがぽつりと答える。  
「ううん。あたしが悪いの……」  
「ち、違うよ!」  
「ううん…。だって、アルルはからかってるだけだって、すぐ分かったのに…。  
 で、でも、あなたと他の子がくっついてるの見たら、な、涙が出てきちゃって……。  
 腕を組んでるだけで泣いちゃうなんて、あたし、恥ずかしくって、うう」  
彼女の健気な発言を聞いて愛しくて愛しくてたまらなくなって、つい抱き締める。  
「ドラコ…心配しないで。俺、きみだけが大好きだから……愛してるよ」  
「…あたしも好きぃ……。あなたがどうしようもなく好きなのっ」  
ゆっくり顔を寄せて、精一杯愛しさを込めて、キスした。  
 
「ちゅ、ん……んくぅ……ちゅ、ぴ……」  
しばらくじっくりとキスして、ラグナスは唇を離そうとした。  
でもドラコはキスをやめたがらずに、執拗に唇を寄せてくる。  
「んふッ……、ド、ドラコ、どうしたの……?」  
彼女は唇だけじゃなくて全身を彼にすりすりと寄せてきた。  
背中の羽もふるふるさせて、しっぽもくねくねさせてる。  
この世で唯一彼女の全てを知っているラグナスは、どうしたのかすぐ分かった。  
…………発情してる。  
「やぁ……、もっと……」  
ドラコは、本来は、ものすごく恥ずかしがり屋で純情な少女だ。  
前はそうじゃなかったけど、処女喪失してから、そう変化してきた。  
二人で愛し合おうとする時も、彼女はいつも真っ赤になって恥じらっていてばかりいる。  
そんな彼女が自分のほうから求めてくるなんて、よっぽどの発情レベルだ。  
感情が昂ってた直後にキスを与えたから、そのまま発情に繋がってしまったのか。  
 
すりすり……  
これはもう、ドラコを満足させてあげないと治まりそうもない。でも、ここで……?  
よく考えたら、ここはウエイトレスの控え室。つまり、女子更衣室…。  
 
自宅で戯れにウエイトレスの制服を着せて抱くのとは訳が違う。そんなのが許されるのか。  
気分は間男。いや、相手は自分の妻になる少女なんだけど。ってそういう問題じゃない。  
「なんか、変なの……。止まらなく……なっちゃったのう……」  
 
「こんなとこじゃ、ダメだよ……んんッ」  
なんとか制止しようとしても、唇を塞がれた。彼女の小さな舌が侵入してくる。  
にゅ……ぬちゅ、にゅる、れる…ぴちゅ、る……  
ドラコの健気な誘惑に、ラグナスもやばくなってきた。  
自分だって愛しい彼女とくっついてて、唾液の味や甘い匂いを感じていると、  
欲情してくるように条件反射が起きてしまう体になっているから。  
ズボンの中のペニスももうはち切れそうになっていた。  
彼女はそこにも服越しに自分の恥骨を押し付けてくる。  
でもダメだ。こんなところで淫らな行為なんて、しちゃいけない……。  
 
ドラコが耳元に吐息を吹き掛けながら、囁く。  
「ラグナス……だいすき……」  
 
………彼の理性は消失してしまった。  
 
「あ、ああんっ」  
ラグナスは彼女を女子更衣室の、ロッカーと長椅子の間の床に押し倒す。  
「ドラコ……。して欲しい?」  
「うん……。欲しい……」  
「じゃあ、こっちにお尻向けて。羽もたたんで」  
「うん……」  
 
ドラコは従順に、命令通り四つんばいの姿勢になる。  
そしてラグナスは彼女のロングスカートをめくり上げた。  
しっぽのためのスリットの部分までスカートをめくって、お尻だけを出させる。  
清楚なエプロンドレスが乱れて、グレーのパンツが彼の目の前に晒された。  
ラグナスは彼女の下着は全て知ってる。これはスポーツブラとセットになってる下着。  
吸水性の高いこの下着は、濡れている部分がすぐ変色するのでよく目立つ。  
そこを指で押すと、じゅく…と熱い愛液が染み出た。  
「ふあぁっ!」  
ほんの少し下着越しに指で触れただけで、彼女はびくんびくんと喘ぐ。  
「ああ、あ……、ねぇ、おねがい……」  
「…………もう欲しいの?」  
「おねがい、入れてえ……」  
前戯を全くしないで挿入するのは初めてだ。  
でも彼女がそう望んでるし、反応を見る限りもう準備はできてるみたいだし、  
ここで長々と時間をかけるわけにもいかない。  
一気にはめてやることにした。  
 
ドラコのパンツを膝までずり下ろして、自分もズボンの前を開いてペニスを出す。  
「ドラコのいやらしいおまんこに、今すぐ入れてあげるよ」  
「は、はやく……ラグナスのおちんちん、入れて……」  
感度はすごくいいのに、処女のような恥じらいを決して忘れないいつもの彼女もいいけど、  
こんなにも欲望に忠実になるくらい発情してる淫乱な彼女も、すごくいい。  
「しっぽ、あげて……」  
自分も興奮してる。感激しながら彼女の体に覆い被さり、ペニスの先端を膣口にあてがった。  
そしてゆっくりと中をかき分けるように挿入していく。  
「あっ、あ、あ……」  
いつもよりきつい。でも抵抗はそんなになくてスムーズに入っていく。  
全部入って一番奥に当たる。でも彼女の腰をつかんでさらにめりこませてやった。  
「あッ、あ!い…ッ!」  
さっそくドラコはそれだけでちょっとだけいったみたいだ。  
 
でもこれからが本番。ラグナスは容赦なく運動を開始した。  
ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅん!ぶちゅ!  
粘膜と液体の卑猥な音が女子更衣室の中に響く。  
「……っ、ふ…、はぁ…!」  
ドラコは息も絶え絶えにかすれた悲鳴を漏らす。これは極限まで感じてるときの声だ。  
そして、ラグナスも腰が抜けそうな快感を味わっていた。  
 
ドラコは極上の名器の持ち主だ。  
入れるときは柔かく締め付けてペニスに心地よい肉圧を与え、膣口が根元をしぼる。  
抜くときには、膣壁の無数のひだが亀頭部分をぬるぬると徹底的にこすってくれる。  
ひだのひとつひとつが舌のように蠢いて、一斉にペニスを舐め上げてくれてるみたいだ。  
二人はお互い以外の相手とのセックスの経験がなくて、  
ラグナスはドラコの中が特別に素晴らしいモノであることを実感できない。  
でも他の女と浮気して比較してみたいという気はなぜか微塵も湧かなかった。  
たぶん自分は彼女と彼女のここに完全に魅了されているんだ、と思った。  
それに、この子は自分が他の女とくっついてるだけで泣いてしまうくらいなのに、  
そんなことして彼女を悲しませることなんて絶対したくない。  
 
ラグナスは、そんな彼女の名器で鍛えあげられた自分のペニスを夢中で動かした。  
今では彼女を何度もいかせるくらいの耐久力を身につけているけど、  
実際にはペニスを運動させながらも彼女の膣内で精液をよく漏らしている。  
そして彼は膣壁をあらゆる角度をつけてねじり込んだり、  
最奥まで思いきり突き入れたりしながら、膣内で漏れた精液を子宮の方へ押し込んでいった。  
 
「ひぅ……う!ふあぁ…………ッ」  
ドラコもさっきから何度もいきまくってるが、そろそろ本気の絶頂が近付いてきてた。  
「ドラ、コッ、そろそろ、いくよッ」  
ラグナスはペニスを奥まで突っ込んで、亀頭で彼女の子宮口を小刻みに突いた。  
そしてそこで爆発させる。  
びゅく!びゅくん!どくん!どくッ!  
 
「…………ッ!!」  
絶頂の瞬間、ドラコは声にならない悲鳴をあげて、ラグナスも虚脱した。  
二人は控え室の隅の床でうずくまりながら、しばしの余韻に浸った。  
 
でも我にかえったら、ちょっと焦った。  
こんなところでいきなり発情してしまって、やたら濃縮したセックスをしてしまった。  
慌てて後始末をする。ドラコもわたわたと着替えた。  
後始末が終わって、おそるおそる控え室を出て、スタッフに挨拶して帰ろうとする。  
「さっきは失礼しましたー。それじゃ、お先に」  
「あ。ラグナスくん、ちょっと」  
「な、んですか、副店長さん」  
と思ったら、ラグナスは副店長、店長の奥さんに呼び止められた。  
「いくら婚約者だからって、店内でのセックスは控えてね」  
「…………ッ!!」  
ラグナスはあまりの恥ずかしさに死ぬかと思った。  
 
翌日。ラグナスは、店内でセックスしてしまったのは自分達の責任だとしても、  
そもそもの元凶はアルルにあると考え、彼女に勝負を挑みにいった。  
そうでなくても彼女にはいつもからかわれてばかりで、なんとかしなくちゃいけない。  
「アルル、いざ、正々堂々と勝負!」  
「あ……。ごめんね。昨日はやっぱまずかったかなあ」  
「と、とにかく勝負だ!」  
「え、あ。わ、分かったよ……」  
 
「ばっよえ〜ん!」  
 
そしてラグナス返り討ち。  
しまった。アルルはぷよぷよ最強だったんだ。  
 
おわり。  
 

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