「はあ・・・」  
教何度ついたかとも知れないため息をつきながら、シェゾ・ウィグィィは椅子に座り込んでいた。  
アルルがこの家に来ている・・・それが一番の悩みの原因なのだが。  
アイツのことを考えると、鼓動が止まらない。  
今すぐ、アイツが欲しい。抱いてしまいたい。  
欲求不満・・と言う奴なのかも知れない。  
最近ここにはよく来るのだから、機会が無かったわけではない。しかし、その度にかわされてしまう。  
このままでは───いつか───弾けてしまいそうな───  
「シェゾ!洗濯終わったから。」  
アイツの声がする。  
「───っ」  
そのとき、溢れてくるものを抑えきれずに、アルルを床に押し倒した。しかし───  
「どうしたの?」  
こう笑顔で問われて、何か白けてしまった。と同時に、胸の疼きがいっそう耐えがたくなったのも感じる。  
「あ!ちょっと用事があったから、また今度ね。」  
アルルが立ち上がり、元気そうにかけてゆく。解ってやってるんなら、一発殴ってやるぞ。くそっ。  
このままの生活を続けていたら、俺は壊れてしまうかもしれない。  
投げやりな調子で舌打ちをすると、部屋の方に振り返った。  
 
部屋の中に誰かいる・・・?  
「大変だね、君も。」  
「誰だ!どこから入った?」  
アルル?いや、違う。赤紫のアーマーを身に付けている。  
「あんな鈍い人間は見たこと無いな。しかも、あれでボクの"本体"だなんて・・・」  
「ドッペルゲンガーか。」  
「そう。」  
アルルのドッペルが、こちらに向き直る。  
その暗い瞳に引き込まれそうになり、シェゾは慌てて目をそらした。  
「・・・・・・何をしに来た。」  
「君の不満を解消してあげようと思ってね。」  
「あ?」  
「君が変になっちゃったら、"アルル"も悲しむだろうしね。」  
何を・・・とシェゾが問い掛けるより早く、アルルはシェゾを押し倒していた。  
 
アルルは、手早くシェゾの服を脱がせてゆく。  
シェゾの裸体が、空気に晒された。  
「なっ・・やめろ・・・・」  
「どうして?これは君が望んでいたことでしょ?」  
アルルはシェゾのモノを手にとり、優しく撫で擦った。  
「うっ・・・」  
性器が急に大きさを増し、ビクンっと跳ね上がる。  
アルルはくすりと笑うと、それを口に含んだ。  
そして、口の中で丹念に舐めまわす。  
「うあぁぁっ!」  
このようなことは何も知らないはずの親しい少女が、自分にフェラをしている。  
そう錯覚をさせるこの状況に、シェゾは異常な興奮を覚えていた。  
「・・・───んっ!」  
ッビク ビク ビク。  
放たれた精液をそのまま口で受け止めて、ようやくアルルは口を離した。  
「・・・結構早かった方じゃない?」  
シェゾは何も答えない。床にへたり込んだまま放心している。  
「でも、君もこれで満足したわけじゃないんでしょ?」  
その言葉の通り、シェゾのそれはまた大きさを取り戻しつつある。  
「じゃ、今度はちゃんとベッドに行ってしようよ。」  
言われてシェゾは、ゆっくりと立ち上がり、操られているかのように歩き出した。  
 
シェゾの前に、全裸のアルルが立っていた。  
その姿はどこと無く恥ずかしそうにも見える。  
「ん・・・妊娠しないから、中に出してもいいからね。」  
照れ隠しのように落ち着かず、彼女が言う。  
「あ、ああ・・・」  
アルルをベッドの上に軽く押し倒す。  
アルルは、心なしか怯えているように見えた。  
「どうしたんだ?大口叩いたわりに震えてるじゃないか。」  
耳元で囁くと、アルルは裏返った声を出した。  
「ひゃぅっ、だって初めてなんだからしょうがないじゃないかぁ。  
 き、君はどうなのさ!」  
それには答えず、その代わり口を塞ぐ。  
舌は入れずに唇の感触だけを存分に味わってから、唇を離した。  
「はぐらかそうったってそうは・・・」  
「うるさい。」  
ペニスを膣の入り口にあてがうと、何も言わなくなった。不安げな瞳がシェゾを見上げている。  
「本当に・・・いいのか?お前は」  
「・・・いいよ。」  
それを聞いてシェゾは、ゆっくりと腰を落としはじめた。  
 
「あっ、あぁぁっ」  
アルルの表情が苦悶に歪む。  
初めてと言うのは本当のようで、中はかなりきつい。  
まだ半分しか入っていないのに、もう少しでも押し込もうものなら壊れてしまいそうだ。  
「いやならやめるぞ?」  
「だ、だいじょうぶ・・・ぅ」  
明らかに大丈夫ではなさそうな声でアルルが言う。  
「ボクのせいで・・・君が楽しめなかったら意味無いから・・・」  
かといって、泣き叫ぶ少女を抱いて喜ぶほどシェゾはサドではない。  
「しょうがないな・・・まずお前から良くさせなきゃいけないと言うことだな。」  
 
性器でつながったまま、まだ成熟しきっていないふくらみに手をかけ、揉みしだく。  
「ぁん・・・・・・」  
アルルの喉から、小さな声が漏れる。  
小さな唇に口付けして、舌を割り入れる。深い濃厚なキスでアルルの口蓋を犯してゆく。  
シェゾの舌が敏感な場所に触れるたび、アルルの体が小さく震えた。  
ようやく唇を離すと、シェゾはアルルの菊門に人差し指を突き入れた。  
「ひぁっ!?」  
予期していなかった部分を刺激され、アルルは悲鳴を上げた。  
「いやぁ・・・シェゾ、そこはだめ・・・」  
しかし、アルルの言葉も意に介せず、シェゾは内側の粘膜をぐにぐにと刺激する。  
「やぁ・・・はぁん・・・だめぇ・・・」  
性器の結合部からぐちゅぐちゅと卑猥な音が漏れる。  
いつのまにかそこは、アルルの愛液で濡れ、前に比べるとかなり滑りやすい状態になっていた。  
シェゾはそれを確認すると、指の力でペニスを膣の奥に埋め込んだ。  
 
「ふ・・・あ・・・やぁ・・・んんっ」  
一番奥まで到達すると、シェゾはアルルの顔色をうかがったが、  
苦痛も多少残っているものの、前よりかなり軽減されたらしい。  
「もっと動いてもいいか?」  
「うん・・・今度はほんとに大丈夫そう」  
「じゃ、動くぞ。」  
言ってシェゾは、ピストン運動を開始した。  
ずちゅ、ずにゅ  
「ひゃぅっ・・・・やぁん・・・」  
今までずっと締め付けられていた上、前後運動のたびに快感の波が襲ってくる。  
これでは長く持ちそうに無いとシェゾは実感していた。  
しかし、それはアルルの方でも一緒だった。  
アルルは、初めての感覚に当惑していた。  
(突かれるたびにジーンって変な感じがして・・・うう、もっと欲しい・・・)  
しかしその考えも、次の瞬間中断させられた。  
「好きだ・・・・」  
耳元でシェゾに囁かれ、アルルは顔に血が集まるのを感じた。  
他人に「好き」などと言われたことがほとんど無い。それもこんな情事の真っ最中に・・・  
アルルは、自分が達しそうになるのを感じた。  
「シェゾっ!もう・・・だめ───」  
前後運動もいっそう早く、激しくなる。  
「──────っ!」  
ドクドクと、アルルの中に精液が注ぎ込まれる。  
「アルル・・・・・・」  
シェゾのつぶやきが聞こえ、軽い落胆の思いとともに、アルルの意識は薄れていった・・・  
 
アルルが、シャワーからあがってきた。  
シャワーに掛かりながら、昨日のことをいろいろ考えてみたりした。  
シェゾが最後につぶやいた「アルル」とは、自分のことではないだろう。  
「好きだ」と囁いた相手も。  
まあ、「代わりになれる」と自分から言って代わり扱いされて怒っていては、話にならないが。  
でも少し嫉妬を感じる。あの子は何もかも自分の上を行っている。  
と、そのとき不意に声が掛かった。  
「なんだ、もう帰るのか?」  
「うん、"アルル"がここに来ても困るしね。」  
シェゾが「そういえば」と言った顔でこちらを見ている。今更なのに。  
「それから───」  
(───今度は"ボクの名前"も呼んで欲しいね。───なんて)  
「ん?なんだ?」  
「いや、なんでもないよ。」  
(あの子はかなり鈍そうだから、またチャンスがあるかもね)  
それだけを心の中でつぶやいて、アルルは虚空に消えた。  
 
fin  
 

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