みんなで温泉旅行に来たシェゾとアルル。
大宴会が終わって、夜中シェゾはふと目が覚めてなんとなく露天風呂に向かった。
するとそこには先客が。
「……アルル?」
「きゃ、シェゾ!?」
実は混浴だった。
「す、すまん、邪魔したな…」
「……別に、邪魔じゃないよ。あんまりこっち見ないなら、入ってきてもいいよ……」
「あ、ああ……」
ちゃぷん。
「……しかし、なんだ。きゃー痴漢とか、怒らないんだな……」
「そういえば、そうだね。…………ボク、まだ、酔ってるのかも」
しーん。
「…………静かだね」
「ああ」
いっしょに湯につかっててもほとんど会話をしないシェゾとアルル。
二人はずっと雲間から出たり隠れたりを繰り返す月を眺めていた。
「きれいだねえ……」
「ああ」
露天風呂には二人以外は誰も入ってこなかった。
「……おまえいつから入ってるんだ?」
「んー。わかんない」
「あんまり長風呂するなよ」
「そっか、そだね。もうそろそろ出るね。出るとこ見ちゃだめだよ」
ざば……。
よそを向くシェゾ。でも月明かりに照らされたアルルの裸身が視界のすみにちらりと入った。
「ととっと……」
そのときアルルの変な声が聞こえたので、思わず振り返るシェゾ。
アルルはふらふらだった。シェゾも慌ててあがって彼女の体を支えた。
「おい、だいじょうぶか」
「ちょ、ちょっとのぼせちゃったあ」
二人とも体にはなにひとつ身につけていない。肌と肌が密着する。
「…………ねえ、シェゾ」
「ん?」
「なんか、あたってるよ……」
「……」
「これって、男の人って……」
「これは……俺も、のぼせたんだ……」
シェゾはアルルをその場で横たわらせた。
そしてゆっくりと顔を近付ける。アルルはぽーっとした様子で大人しくしている。
「ん……っ」
唇が重なった。
「ん、んぅ……んっ」
シェゾは夢中になってキスを続けた。そのままアルルの体中を撫でていく。
「んう、んあ……あつい……」
火照った体をますます火照らせるアルル。
シェゾはアルルの一番秘密の部分に手を差し入れる。
「あ、だめ……」
「ほら、足の力抜けよ……」
シェゾが乳房やお腹に舌を這わせながら命令して、アルルは大人しく従う。
ゆっくりと開かれたアルルのそこを、シェゾは目と指と舌でたっぷり味わう。
そこは無垢で瑞々しく、シェゾは自分自身のもので味わわないと気がすまなくなってきた。
アルルの体もすでに充分にほぐれている。
「アルル……」
「シェ、シェゾ……」
体はぐにゃぐにゃで意識も半ば朦朧のアルル。
でもシェゾの呼び掛けにははっきり応える。
「いくぞ……」
ゆっくりと、シェゾはアルルの中に入っていった。
「ん、んくぅ……たぁ……」
一番奥まで届いてシェゾは一旦じっとする。
「アルル、平気か……」
「んう……ん……うん……」
繋がったままで、またキスをする。
シェゾは絶妙な加減で、できるだけアルルが苦痛を感じないようゆっくりゆっくりと動き始めた。
「んん……んあ、あ、あっ、シェ、ゾォ……」
「……アルル」
アルルの反応は、初めてにしてはかなりいい。
でもさすがに苦痛がなくなることはなさそうだった。
シェゾはやろうと思えばずっとこのままでもいられたけど、早めに限界に達することにした。
「……っ」
「ああああん!」
シェゾはアルルから引き抜いて、彼女の全身に大量の精を浴びせた。
真っ白なそれには、鮮血の赤がかすかに混じっていた。
「シェゾ……シェゾ、なんだか、ふわふわ、するよ……」
「アルル……」
結局、アルルはふらふらしたままだったので、シェゾが介抱してあげた。
彼女の体を流してあげて、タオルで拭いて、浴衣も着せてあげた。
「……立てない」
さらには抱っこして彼女の部屋まで連れてってあげた。
「ほら、もうゆっくり休め」
「うん…………あ、待って」
「ん」
「もっかい、キスして」
「はいはい」
「……………………えへ。じゃ、おやすみ、シェゾ」
そして翌朝。旅館のロビーに集まって帰り支度をするぷよぷよファミリー一行。
昨夜の狂乱の大宴会がたたったか、みんなやけにけだるそうだった。
あとはアルルがくれば全員集合。シェゾはソファーでぼーっとしていた。
「あ、きたきた」
アルルが妙に慌てた様子で登場。
「おそいよー」「なにやってんのー」
みんなの文句を無視して、アルルはシェゾのところへ直行!
「シェゾオオ!!」
「おう、おはよう、アルル」
「おはようじゃないよ!キミ!きのう……!!」
「ん?」
「あ……!う……!」
顔を真っ赤にさせてなにやらわたわたと激高するアルル。
「え、あ……ゆ、夢!?」
「いや、現実だぞ」
「んなっ!!」
さらに真っ赤になって暴れるアルル。
「なにやってんの」「どうせいつものけんかでしょ」「もうバス来てるよ」「じゃあ帰るぞー」
ぞろぞろと旅館を引き払う一行。
「アルル、帰るぞ」
「シェゾ!ちょっと待ってよお!」
アルル必死についてきながらヒソヒソ声でなおも慌てふためき続けた。
「ひどいよシェゾ、ボク、そ、その……初めて……酔ってるところを……ああもう!」
支離滅裂で言葉にならない模様。
シェゾは一言だけアルルに返した。
「……後悔してるのか?」
「あう…………!」
なぜか言葉を返せないアルル。
「くっ……もう!シェゾなんかだいっきらい!!」
アルルは旅行かばんでシェゾの頭を思いっきり殴った。
小気味いい音が旅館の爽やかな朝にこだましたという。