「アールルッ、もう生理終わったか?」  
「…うん」  
シェゾが妙に猫なで声でじゃれついてくる。ちょっとキモイ。  
「じゃあ今日は久しぶりにたっぷりかわいがってやるぞ!」  
「う、うん」  
シェゾはテンションの落差が激しい人だ。  
普通の時はいつも落ち着いてて誠実で、安らぎや幸福感を与えてくれる。  
ハイテンション時のヘンタイモードになるととたんに自惚れ屋で意地悪になるんだけど、  
彼にいじめられるのもけっこう刺激的で、なんだかんだ言ってアルルはどっちのシェゾも好きだ。  
 
でも、今日のヘンタイモードはちょっと度を越していた。  
 
「ふあぁ……あ、だ、め…あ…ああッ!!」  
両手をベッドの支柱に縛り付けられて、アルルはろれつの回らない舌で泣いて懇願した。  
下半身は大きく開脚させられて、シェゾがその中心に顔をうずめている。  
「だーめーだ」  
シェゾは膣口に指をほんの少し差し入れて、入口だけを執拗にいじくる。  
剥き出しにしたクリトリスも舌で激しくこする。お尻の穴にも指を入れられた。  
アルルはさっきからずっとそうやって攻め続けられている。  
「ひ!ひゃ!あああぁ!ああぁーッ!!」  
びくん!びくん!  
拘束されたまま体が跳ねて、アルルは無理矢理いかされた。  
これで今日シェゾにぶっ通し3回連続でいかされてしまった。  
しかもまだ彼は1回も射精どころか、挿入もしていない。  
「はああー、はあー…、も……だめぇ…ゆ、ゆるして……」  
「だめだって。まだまだじゃないか。あと3回はいってみようぜ」  
「いやぁ……」  
 
今までアルルは一晩で最高で5回いったことがあるんだけど、  
彼は今日は記録更新しようと言ってきた。  
そんなのいやだよって言ったけど、一度いかされた時に抵抗できないよう縛られて、  
あとは彼のなすがままにされてしまった。  
前はコンディションがいい時にゆっくり何回も間を空けて何度もいったんだけど、  
今はほとんど休みなく連続で強制的にいかされ続けていた。  
 
「……よし、そろそろ入れてやろうか」  
今日はシェゾが絶好調のようで、彼は最高に張り詰めた勃起を見せつけてきた。  
アルルはぼやけた目でそれを見る。  
いつも立派だけど今日のそれはさらに充実してるように見えた。  
たぶん、いつまでも暴れ続けられるし何度でも射精できる状態に違いない。  
「い、いやぁ……」  
アルルはその快感の拷問を想像してちょっと怯えた。  
でもシェゾは容赦せず、嬉しそうに、ペニスを膣口に押し当てた。  
「いくぜ」  
「ひ……ひっ」  
いかされ続けて敏感になりすぎている入口部分を突き抜けて、  
ペニスが一番奥に届いた感覚が全身を伝わって、頭の奥も痺れさせた。  
シェゾがゆっくりと動き始めた。  
アルルは全身がまたがくがくしてくる。  
「ひ、いっ、いや、いやぁ……!」  
なにがなんだか分からなくなっていった。  
 
結局アルルはその夜7回いかされてしまった。  
途中で気絶しても起こされて攻め続けられた。  
 
最後にまた気絶させられたアルルは翌朝になってもずっと目が覚めなくて、  
起きてもしばらく足腰が立たない状態が続いた。  
 
「ひどいよ!ひどすぎるよ!シェゾ!」  
午後前になってようやくまともに体が動くようになって、アルルはシェゾを非難した。  
アルルはシェゾとセックスするのは大好きだけど、昨日のはあんまりだと思った。  
今までは了解の上の趣向でオモチャにされることはあったけど、  
自分の意志を無視されて犯されたのは初めてだった。  
「……」  
シェゾは真顔で無言。すっかり通常モードに戻っている。  
昨日のことも反省してるっぽい。  
「……すまなかった」  
素直に謝ってきた。  
「そ、そんな簡単に謝るけどさ!」  
でもアルルはあんまり素直に謝罪を受ける気になれない。  
「キミ、心のどっかではボクのことなんかどうでもいいって思ってるんじゃないの!?」  
「それはない…!」  
「そんなのわかんない。キミ、優しくなったりヘンタイになったり、ころころ変わるもん」  
「……な、なら」  
「ならなによう」  
「しばらくセックスはしない」  
「そんなのできるの?」  
アルルはもう当分セックスなんてしたくもないって気分だから、そうしてもらいたいけど。  
……正直あそこだって今じんじんひりひりして痛いし。  
「ああ。肉体的欲求抜きでもお前のことを愛してると証明してみせるさ」  
「ほんとに〜?」  
「本当だ」  
「じゃあ当分えっち禁止ねっ」  
「……ああ」  
 
で、その日シェゾは反省の態度を示してか、体がつらいアルルを優しくいたわってくれた。  
いたわりながらも、あまりベタベタしてこなくて、ストレスを感じない絶妙な程度で。  
でもアルルはその時点ではそんなご機嫌取りなんか無駄だよって思っていた。  
 
そして翌朝。二人は学校と仕事に。  
アルルは怒りそのものはずいぶんおさまった。不満は消えてないわけじゃないけど。  
「なあ、キスするくらいなら、違反にはならないか?」  
「んーまあそれくらいなら」  
「そうか、じゃあ」  
ちゅ…  
シェゾは優しくキスしてくれて、仕事に行った。  
「……やれやれだよ」  
 
学校に行って、アルルは友だちに愚痴を言ってみた。  
さすがに事細かには話せないので、彼氏が時々すごく横暴になって困る、って程度で。  
そしたら惚気てるようにしか聞こえないと言われてしまった。  
 
なんか釈然としないアルル。  
親しいクラスメートはまだ彼氏もいなくて男を全く知らない子が大半なので、  
(男性経験がすごく豊富な子もいるけど、そういうことを話すきっかけもあんまりない)  
詳しく語れないし、よく理解してもらえないのかもしれない。  
ならちゃんと彼氏もいてセックスも知ってる気の知れた友だちなら分かってくれるだろうと  
放課後、ドラコが働いてるレストランに寄り道してみることにした。  
 
「え〜っと、ねえドラコ」  
「なによ」  
バイトがあがったドラコとそのまま席で話し込む。  
さりげない話題から振ってみることにした。  
「えっちって一日最高何回したことある?」  
「ぶっ」  
全然さりげなくなかった。  
うろたえまくるドラコに構わずアルルは話を続ける。  
「彼にえっちばっかりされて、いやになったことってない?」  
「なっ、な……」  
 
「ね、こっちは真剣に悩んで聞いてんだから、教えてよう。  
ボク昨日いやだって言ったのに何度もされちゃってさ、もうやんなっちゃった」  
アルルはいつもドラコが恥ずかしがってもセックスの話題をよく持ちかけている。  
でもそのおかげでお互い相談相手になったりして、より信頼が強くなってる面もある。  
ドラコもそれは分かっているので、結局話に乗ってきてくれた。  
「…………ないわよ」  
「え」  
「だ、だから、その、いやになったことはないわ」  
「…そう?」  
「何回もされて、へなへなになっちゃうことも、確かによくあるけど、  
あたしは、その、彼にしてもらうんならいつも幸せよ」  
ドラコは恥じらいながらも、そう断言した。  
「……でも、体がもたないってこと、ない?」  
「それもとくにないわね」  
「そうなの……」  
実際にはドラコは人間と比べて体が丈夫な種族だからそうなんだけど。  
アルルは愚痴って同情してもらうはずが、逆に妙に説得された気分になっていた。  
やっぱり、大好きな相手とだったら、許せちゃうもんなのかな?  
 
そしてそうこうしてるうちに、アルルの体もいつの間にかすっかり回復していた。  
若さと健康優良少女っぷり全開。  
 
家に帰って、しばらくしたらシェゾが仕事から帰ってきた。  
「今日は俺の家に泊まりに来いよ。もちろん約束は守る」  
「う、うん」  
一日たってまた彼の顔を見たら、なんだかえっち禁止とか、  
ちょっと言い過ぎたかなって気分になってしまった。  
昨日さんざんやりすぎなくらいやった(やられた)っていうのに  
アルルはもう、今日もやろうと思えばできそうなくらい、体は完全回復していた。  
で、そんなことを思いながら、アルルはカーバンクルを連れてシェゾの家に泊まりに行った。  
 
シェゾの家でアルルが一番気にいっているのは風呂だ。  
自分の家のあまりに小さいユニットバスとは比較にならないほど立派で、  
アルルは今日も思いっきりのんびり入浴できた。  
彼は約束を守って、いっしょに風呂に入ってきたりしないで、  
その間カーバンクルの相手をしてくれたり、かなり気を使ってくれてる様子だった。  
彼の優しさが嬉しい反面、やっぱりなんだか恐縮というか、変な感じ。  
「シェゾ、えっち、したい?」  
「そりゃ、したいさ」  
「やっぱり?」  
「でも約束は守れる」  
シェゾはアルルをきゅっと抱き寄せた。  
「ちなみにこういうのも違反か?」  
「……んーん」  
「じゃあ遠慮なく」  
眠ってるカーバンクルを膝に乗せて、隣にシェゾがいて、幸せなアルル。  
確かに、えっちしなくても、愛されてるっていうのは、感じる。  
 
夜はさっさと寝てしまった。  
幸せだけど、アルルはなんだか物足りないような気がした。  
 
それからも、シェゾはアルルにカラダを求めてくることはなかった。  
でもキスやハグはたくさんしてきて、愛情表現は欠かさない。  
 
そんな日が2、3日過ぎただけで、アルルはすでに物足りなさ感じまくりだった。  
だいたい、シェゾと初めて結ばれてから、どうしても会えない日や生理の時以外、  
今までセックスは3日と空けたことはない。  
いつの間にか、するのが当たり前になっていたみたいで。  
なんだか、えっち禁止のルールが彼にじゃなくて自分に課せられてるような気すらしてきた。  
かといって、自分のほうからえっちしてって言ってしまうのは、  
”負け”って感じがして、なんかいやだった。  
 
そのくせ最近のシェゾはとっても優しい。  
ちゅーされたりだっこされたりすると、体の奥がきゅうんってなったりする。  
そんな時にセックスになだれ込んだらすごくいい感じになるんだけど、やっぱりしてこない。  
「今日でやっと4日目だな」  
「……ねえ。キミ、いつもすぐヨッキューフマンになるくせに、平気なの?」  
「ああ」  
「なんで?」  
「どうしようもない時は、こっそり自分で処理してるからな」  
シェゾはにやって微笑みながらそう言った。  
「え……」  
「だから、お前のことを想ってオナニーしてるんだよ」  
彼の下品で卑猥な言葉に、不覚にもまたきゅうんとなった。  
変なこと言わないでって怒る前に、もったいないって思ってしまった。  
無駄に射精するくらいなら、自分のカラダの中に注ぎ込んで欲しいって思ってしまった。  
「顔が赤いぞ」  
「そ、んなことないもん…!」  
とっさに取り繕ったけど、アルルは確実に飢え始めていた。  
でも、シェゾはまだまだ全然平気そう。  
現に今はヘンタイモードになってるというのに、ちゃんと約束は守ってるし。  
 
「今日はこっちに泊まってくぞ」  
「うん……」  
シェゾはベッドの隣に入ってきて、早々に眠ってしまう。  
 
真っ暗で静かな部屋ですぐ隣にシェゾが寝息を立てている。  
いつもならここで彼に抱かれてるのに、今夜もなんにもなし。  
すぐそばの彼のぬくもりを意識しながら悶々としていると、どうしようもなくなってきた。  
(ああ、どうしよう……。こんなんじゃ、もう、たまんないよう……)  
さっき彼が俺はオナニーをしてるって言葉も思い出したりして、  
アルルは、眠っているシェゾのすぐ隣で、ついにオナニーを始めてしまった。  
 
仰向けでぐっすり眠っているシェゾに背を向けて、アルルは横寝で体を丸くした。  
(こ、こんなこと……ボク、どうかしてる……。でも、おさまらない……)  
動かないように、音を立てないように、声を出さないようにもぞもぞする。  
そっと右手をパジャマズボンの中につっこんで、パンツの上から自分の股間を撫でる。  
全体的にもう熱く柔らかくなってるけど、一点だけ堅く尖った部分を確認する。  
すでに勃起しているクリトリスをパンツの上からそーっとそーっと擦った。  
「……ふ…………」  
……そういえば、オナニーするのなんて久しぶりだ。  
アルルは処女だったころはオナニーなんてほとんどしなかったし、  
シェゾに抱かれるようになってからは、する必要もなかったわけだし。  
「……んっ」  
微かに吐息を漏らしてしまう。  
(いけない……シェゾに、気付かれちゃう……)  
彼に見つかったら、恥ずかしくて死んでしまう。  
でもやめられそうになかった。  
 
ズボンとパンツを少しずり下ろして、自分のあそこを直に触る。  
いつもシェゾがやってる感じを思い出しながら。  
彼はいろんな触り方をするけど、周りからじらすように触ることが多い。  
もどかしいけど、それを真似するように触っていった。  
(シェゾは……よくこんな風にボクをいじめるんだ……)  
ちゅ…ちゅく……  
クリトリスの茎の根元と膣口の周囲を指でなぞる。  
しばらくそうやって自分をじらした。  
(それでボクはじらさないでって、シェゾにお願いするの……。  
でもシェゾはいじわるしてなかなか触ってくれないの。  
それで泣いておねだりしたら、やっと触ってくれるんだ……)  
クリトリスの核をきゅっとつまむ。  
びりびりと快感が走った。  
「……っ」  
 
クリトリスをいじってみたらなんだかいつもより快感が強くって  
すぐいっちゃいそうだったので、触るのをいったんやめた。  
それで膣口に指を挿入していく。  
状況を考えたらオナニーそのものをやめたほうがいいのに、  
アルルは快感を長く味わっていたいって思ってしまっていた。  
右手の中指が全部膣内に埋まる。  
 
アルルは処女だったころは膣に指を入れることにものすごく抵抗を感じていた。  
タンポンを使おうとしても、どうしても膣に入れられなかったこともある。  
でも今は難なく指を突っ込めるようになっている。  
それどころか膣の中を開いたり締めたり自在に動かせたりなんかする。  
 
ああ……。気持ち、いい……。  
ボク、ここの中、こんなに気持ちよくなっちゃってるんだ……。  
えっちなことって、なんでこんなに気持ちいいの……?  
シェゾ……キミがボクをこんなにしちゃったんだよ…………?  
 
膣の中にこするとたまらないポイントがあって、そこで指を動かす。  
にゅる、にゅる、にゅく……  
でも、膣内をいじってもクリトリスほど快感は得られない。  
やっぱり膣は、シェゾのペニスでいっぱいにされた時と、  
奥の子宮口をずんずん突かれた時が一番気持ちいい。  
物足りなくなってきて、またクリトリスをいじり始めた。  
アルルは貪欲に快感をむさぼっていった。  
 
(ああ、シェゾ……シェゾ……)  
「うー…………」  
「ッ!」  
その時隣で眠っていたそのシェゾが寝返りを打った。  
オナニーに没頭していたアルルは心臓が止まるほど驚いた。  
「ひ……ッ」  
 
びくんっ  
そのショックでアルルはいってしまった。  
がく、がくがく……  
(ボ、ボク……ボク……)  
「ふー、ふーっ……」  
(ボク……すっごいあぶないこと、しちゃった……)  
冷静になって、アルルはちょっと後悔した。  
でも、シェゾはオナニーしたら気は紛れるみたいに言ってたけど、  
結局あんまりすっきりしなくて、ますますえっちしたいって気持ちが強くなった気がした。  
それにしても、なんだか悔しい。  
アルルは眠っているシェゾの唇に自分の指についた愛液をそっとなすりつけてやった。  
 
翌朝はシェゾと顔を合わすのがちょっとバツが悪かった。  
「俺はしばらく休みだー。ゆっくり論文でも書くかな」  
「そ、そうなんだ」  
「お前はがんばって学校行け」  
「言われなくたって行くよ…」  
学校に行ってもシェゾのことばっかり頭に浮かんだ。  
学校から帰っても、彼は自分の家でデスクワークに集中している。  
そして相変わらず、とってもやさしいのにカラダは求めてこない。  
アルルはここ2、3日オナニーばかりしていた。  
ひどい時には授業中に欲情して、学校の休み時間にトイレでしてしまった。  
 
「禁欲して今日で何日だったか?」  
「……一週間だよ」  
アルルは、もう限界だった。毎日焦がれて日にちをカウントしている。  
「一週間かあ。どうだアルル。俺の誠意が分かってもらえたか?」  
「……」  
てゆうか、自分はこんなに飢えてるのに、シェゾはなんでそんなに平気そうなんだろう?  
もしかして、自分以外の女と浮気して発散しているとか…なんて一瞬疑ってしまう。  
 
と思っていた瞬間、シェゾが冗談っぽくこう言った。  
「ところでお前、禁欲中に他の男に手を出して発散なんかしてないだろうな」  
「……ッ!」  
 
自分の疑念を奇しくも逆撫でしたその言葉に、ついにアルルはきれてしまった。  
「…………ばかあッ!!」  
 
「な…?」  
「そんなこと、するわけないでしょ!」  
「お……」  
「ボクがどんな気持ちでいるか分かってんの!?  
なんでキミって、そう…なんでもかんでも極端なの!?  
ボクだってえっちしたいの!しすぎはいやだけど、しなさすぎもいや!!  
キスとかだっこしてくれるのもいいけど、ボクのこと好きなら、  
もっとまともに、な、なんていうか、極端じゃない態度で証明してよう!」  
「……………………」  
シェゾ、ぽかーん。  
 
「もう!ばか!あほ!シェゾのあほー!」  
「アルル…………お前、もしかして、飢えてるのか?」  
「そうだよっ、悪い?」  
きれまくってるところを、シェゾが両肩に両手を置いて、なだめてくる。  
「ならなんで、言ってくれなかったんだ」  
「な、なんでって」  
「俺は、お前が早く許してくれるのを、ずっと待っていたんだぞ。  
俺だって、今もお前を抱きたくて、たまらなくなってるのに。  
毎日、今日も許してくれなかったな、アルルは意地悪だなって思ってたんだぞ。  
そんなになってるのに、本当になんで許してくれなかったんだ……?」  
「え、えと、それは」  
な、なんでだっけ?  
 
「えーと…」  
あ、そうだ。  
「ボク、自分からえっちはもういやって言ったのに、それなのに、  
また自分からえっちしたいなんて言ったら、なんかかっこ悪いじゃん」  
「そんなこと気にしなくてもいいのに。逆ギレしてるほうがよっぽどかっこ悪いぞ?」  
「ううッ。だ、だから、それはっ、キミがいっつも極端すぎるから、悪いんだよう…」  
「はは。そうか…そうだな。ごめんな、アルル」  
シェゾはまた優しい感じでほっぺにキスしてくれた。  
 
「……じゃあ、お詫びに、今日はなんでもお前の言うこと聞いてやる。  
どうしたいか、言ってくれ、アルル……」  
優しく抱かれてキスされて、全身を包んでいたブチきれオーラが、一気に甘く消えていく。  
「じゃ、じゃあ、じゃあ……」  
「うん」  
「え、えっち、したい……」  
「ああ。お前のこと愛してるって、改めてカラダに証明してやるよ」  
「ボ、ボクも、する……。キミのこと大好きだって、たくさん証明する……」  
そのまま唇を重ねた。  
 
「んふ、んっ、んうぅん……」  
ぎゅ〜っと抱き締められて、激しくキスする。  
(き、気持ちいい……)  
今までに幸せなキスはたくさんしたけど、このキスは一番肉体的に気持ちよかった。  
絡み合う舌と舌がざらざらぬるぬるして、擦れるたびに興奮してくる。  
アルルはシェゾの肩に手をかけて夢中でキスを続けた。  
そしてキスしたまま彼が体のあちこちをまさぐってくる。  
「んうう!」  
背中をからだんだん下に移動してスカートの上からお尻をむにむに触られる。  
アルルの小さなヒップが彼の手に包まれた。  
布越しに彼の体温が伝わってきて、それが久しぶりで、すごく嬉しい。  
 
シェゾはそこからさらに手を下ろしてアルルの膝の裏に回した。  
そのままひょいと抱き上げられる。  
「ひゃぁっ」  
これから彼の寝室に連れていかれるって分かっていたけど、ちょっとびっくりした。  
「もう…」  
アルルはシェゾの首にしがみついて、くすっと笑った。  
 
彼の広いベッドにそっと寝かされて、見つめられた。  
「アルル……かわいいよ」  
優しい表情で優しい言葉なんかかけられちゃって、ますますときめく。  
「ああ、シェゾォ……」  
ほっぺたをなでなでされた。  
「すべすべで気持ちいいな」  
「ボクも…気持ちいい。キミに触ってもらうと、とっても気持ちいいよ」  
「じゃあ、久しぶりだしな、もっともっと触ってやるよ……」  
「うん……いっぱい触って……」  
横たわるアルルをシェゾが服を脱がしていく。  
彼の手付きはかいがいしくて、アルルはお姫様気分。  
たまに素肌に彼の指先が触れると、ぞくぞくってした。  
いつもよりも抜群に感度がよくて、まるで、媚薬を盛られたみたいだった。  
媚薬なんて見たことも飲んだこともないけど。  
 
あぁ……媚薬っていうより、麻薬、かも……。  
えっちって、ほんとに、麻薬かもしれない。  
ボクは、シェゾの麻薬の常習者にされちゃったんだ。  
それでちょっとでも欠かすと、禁断症状がでちゃうんだ。  
キミが欲しくて欲しくて、たまらなくなっちゃうの……。  
もうボクは、キミがいなくちゃ生きてゆけないカラダになっちゃったんだね…。  
キミじゃなきゃだめなんだよ。  
責任取って、たくさんキミをちょうだい、ね……。  
 
ブラとパンツ以外を全部脱がされて、下着姿にされる。  
「やだ……なんでそんなにじっくり見るの?こんなの見慣れてるでしょ……」  
「ん、見られ慣れてるのに、なんでそんなに恥ずかしがるんだ……?」  
「わかんない、けど、なんか、恥ずかしいの……。あはは……」  
子どもっぽい下着でもないけど、かといってあからさまに大人の下着って感じでもない、  
かわいいピンクの下着姿でもじもじする様子をずっと彼に見られていた。  
 
シェゾがあごからのどへを指先を滑らせる。  
首筋や鎖骨をそっと触られてぞくぞくと産毛が逆立つような感じがした。  
そしてブラの上から乳房を両手で掴まれた。  
「んんっ、んぁっ」  
小柄な割りに大きなアルルの乳房が、ブラ越しでも柔らかく弾む。  
背中に手を回されてするりとブラを外されて、さらにふにふにたぷたぷと揺れた。  
固く尖った乳首がまっすぐ上を向いて、呼吸するたびに上下した。  
「は、はずかしい……」  
アルルは思わず手で乳房を隠した。  
「お、おかしいよね。ちょっと久しぶりなだけなのに、なんでこんなにはずかしいんだろ…」  
「……いや、初々しくてかわいいぞ。処女だったころみたいで」  
シェゾはアルルの手をどかせて、乳房を直接揉んできた。  
乳房の根元から乳首へと掌でさすったり、乳首をそっとつまんでひねったりされる。  
「あ、ああんっ」  
「……態度は処女のようでも、カラダのほうは快感を知り尽くしてるよな」  
「ああぁ……ふああ!」  
アルルはもう全身性感帯みたいになってて、彼にどこを触られてもものすごく気持ちいい。  
乳房とかおへそとか特に感じやすいところだと、さらにすごい。  
なんだか自分がインランみたいですごく恥ずかしい。  
いつもみたいに、シェゾに弄ばれて、恥ずかしくて気持ちいいって感覚と全く逆で、  
今は彼に優しく優しく愛撫されて、それが気持ちよくて恥ずかしかった。  
(キミといっしょだと、いろんな種類の気持ちいいが、ボクの中にどんどん生まれてくるよ…)  
 
シェゾは指と舌でアルルの上半身をあちこちいじくり回した。  
「ふあ、ふにゃあん、んあぁ!」  
触れられるたびに、アルルはかわいい悲鳴をあげて悶えた。  
全身の神経から快感が脳髄や子宮に伝わっていく。  
まだ下半身は少しも愛撫されてないのに、パンツの中はもうぐちょぐちょ。  
そしてそこへ少しずつ彼の手が下りていく。  
 
「んやあ、ん、んふぅ!」  
シェゾがまたキスしてきて、唇を塞がれて、こもった喘ぎ声を出すアルル。  
彼の右手がパンツに届いた。  
「んんッ」  
そのまま彼の手がパンツの中に入ってきて、ぐしょ濡れの淡い恥毛をかき分けてくる。  
そして勃起したクリトリスの茎を指で挟んできた。  
「んんう〜ッ!んふぅ!」  
(だ、だめ!すぐいっちゃう!)  
彼は腔内を舌でなぶりながら、クリトリスの茎をそっとしごき始めた。  
くりくり……くちゅ……  
「んううう!んやあああぁん!」  
びくん!  
これだけで軽くいってしまった。  
「……え、もういったのか?」  
シェゾがちょっと驚いた。  
これほどあっけなくいってしまったのは初めてだった。  
「はあ、はあ、だ、だって……すごく、きもちいいんだもん……」  
「…そうか。じゃあ、少し休むか?」  
シェゾがいたわってきた。  
この間は無理矢理連続でいかされ続けて休ませて欲しかったけど、  
アルルは今は全然そうしたいとは思わなかった。むしろ。  
「ん…ううん。こ、このまま、続けて、ほしい……」  
アルルは素直におねだりした。  
恥ずかしいけど、シェゾともっと気持ちよくなりたいって思った。  
 
「……じゃあ、続けるぞ?」  
「うん……」  
シェゾはアルルのパンツに手をかけて、ずり下ろしていく。  
足からそれを抜いて、やっとアルルは彼の前で生まれたままの姿になった。  
(あ……見られてる………)  
アルルは両足を無意識に開いて、なにもかもを彼に晒した。  
見られるのもいつものことだけど、今はことさらに意識してしまう。  
敏感になってる肌は彼の視線すら感じるような気がした。  
「はあぁ……」  
(この世でキミだけにしか許したことのない、ボクの一番大事なところ……)  
「お前のここ、綺麗だよな……」  
「やぁん…」  
彼がうっとりと感嘆の言葉を呟いて、アルルはまた恥ずかしくなる。  
「処女膜がなくなっている以外は、色も形も、本当に処女みたいにいつも綺麗だ……」  
「そ、そんなとこ、褒めないでよう……」  
手で隠そうとしたけど彼に隠すなって言われてしまった。  
仕方ないので、アルルは自分の顔を覆って、少しでも恥ずかしさに耐えた。  
「中もピンク色だしな……」  
彼が指で陰唇を開いた。  
「いやぁっ」  
いやいやって顔を振ったけど、膣口は彼に見られて嬉しそうに濃い愛液を垂らした。  
「俺のと全然違う……」  
「え?」  
「ほら見ろよ。俺のは随分黒くなったと思わないか」  
彼が服を手早く脱ぎ去って、自分のペニスをアルルに見せてきた。  
「あ……」  
「もう数えきれないほどお前を抱いたのに、俺のは黒ずんできても  
お前のはずっと綺麗なままなんだよなあ……」  
そう言われても、アルルにはそれはよく分からなかったけど。  
 
「で、でも……」  
「ん」  
「ボクは、かっこいいと…思う。ほ、他の男の人のなんて、見たことないけどさ。  
シェゾは…全部、かっこいいよ。顔もカラダも…そ、それも、ぜーんぶ、だいすきだよ…」  
「おっ、お前、そんな褒め方があるか?」  
「お互いさまだよう」  
「そ、そうか。はは」  
「あははっ」  
 
「さて、俺もそろそろお前が欲しいよ…」  
シェゾが上から覆い被さってきた。  
腰をアルルの両足の間に割り入れて、ベッドに両手をつく。  
アルルも下から彼のカラダに抱きついた。  
「んあ、ひあぁん」  
シェゾはペニスの先端でアルルの性器をつんつんとつついた。  
その拍子でクリトリスの包皮がめくれて、剥き出しの核がペニスと擦れ合う。  
「ひぃ、ひゃああん!」  
それだけで足ががくがく震えそうになって、アルルは両足もシェゾの腰に絡めた。  
お互いの性器が密着しても彼はペニスをぐりぐり押し付けてきた。  
「ああっ…あっ、あひっ。そ、それ、だめ……」  
「……じゃあ、アルル、そろそろ、いれるぞ」  
「うんっ、うん!はやく…きてえっ」  
 
シェゾがぴたっと動きを止めて、ゆっくり膣口に先端をあてがった。  
そして、本当にゆっくりゆっくり膣内にペニスを埋め込んでいく。  
「あ…あっ、あー、あー…」  
それは本当にゆっくりで、内臓全部に彼の巨大なペニスが押し込まれていく気がした。  
それが口から出そうで、アルルは小さな舌を出してぷるぷる震わせた。  
そしてようやく一番奥まで届く。  
「あっ!あ!あああー!」  
 
びくびくん!  
その瞬間に膣壁がぎゅっと収縮して、彼のペニスをぐにゅぐにゅと締め付けた。  
「うぁっ…あ、アルル…?」  
「あ、あ。ま、また、いっちゃった…」  
「まだ入れただけだぞ…今日は本当にすごいな」  
「う、うん。ほんと、こんなに気持ちいいの、初めてかも…」  
 
ひとつに繋がった姿勢のままで、しばらくシェゾはじっと静止していた。  
「ね…動いても、いいよ……?」  
「いいのか…。お前、連続でいったばかりだろ。この間はそれで怒ったのに」  
「いいの。ね…おねがい。もっと気持ちよくして……」  
この間は自分の気持ちを無視して無理矢理いかされたから怒ったんだけど、  
今はアルルは自分の意志でもっといきたいと思っているから、だからおねだりした。  
 
ずにゅ……ぬちゅぬちゅ…!  
「ふああ!ああ!ああん!あッ!」  
彼が動くたびに、悲鳴が自然とあがる。  
そんな中アルルは必死にシェゾに呼び掛けた。  
「ね…シェゾ…。シェゾは、気持ちいい?ボクの中、気持ちいい?」  
「ああ、すごく、いい…。アルル…アルル…」  
彼は本当に気持ち良さそうに、夢中で運動を続けていた。  
アルルもそれがとても嬉しくて、また気持ちが高まっていった。  
「うれしい…うれしい…ボクも、気持ちいいようッ!」  
「アルル…かわいい、俺の、アルル…!」  
「シェゾォ…うああぁ!シェ…ゾオ!」  
 
目も耳もかすんできて、頭の中が気持ちよさと幸せでいっぱいになっていった。  
「うああ、ああーッ!」  
「う、うぅ……」  
 
どれだけの間そうしていたか分からない。何十分もそうしていたかもしれない。  
狂ったようにセックスを続けていた二人だけど、ついに限界が近付いた。  
「あー!ああぁん!」  
お互いになんも合図もしなかったけど、二人はぴったり同時にいった。  
「ふああッ!あああぁーッ!!」  
「……!」  
びゅくん!びゅくん!  
「あ、あ…あ……」  
びくん……びくん、とく、とく、ん…  
 
二人でいったあと、これまたどれくらいの間放心していたか分からないけど、  
シェゾがようやく呟いた。  
「…すごかった、な…。俺も、失神するかと思ったよ」  
「ボ、ボク、も…」  
二人が繋がっていた部分から、お互いの混ざり合った体液が溢れてきた。  
「ふう……っ」  
「ね…シェゾ……」  
「ん」  
「ボク、もっと欲しい……。もっと、して……」  
「あ、ああ…」  
(すごい……。ボク、まだまだ欲しいって思ってる……)  
 
その夜はシェゾのほうが先にばてた。  
彼はずっとオナニーして射精してたから、射精力はごく日常レベルだったのである…。  
 
翌朝。  
「シェゾ!おはよーん!」  
アルルは絶好調だった。  
「ああ、おはよう……」  
シェゾは逆になんだかぐったりしてた。  
 
「昨日はすごかったよねー」  
「……」  
「今日もたくさんしようね」  
シェゾはあからさまに狼狽。  
「そ、それは体力的に、無理、だ……」  
「なによう、だらしない」  
「ぐぅ…」  
カーバンクルみたいなうめき声をあげるシェゾ。  
「あ。でも今なら、いやだっていうのにえっちを強要されて、つらい気持ちが分かるでしょ」  
「ああ。わ、分かる……本当にすまなかったよ」  
 
あれ、もしかして結果オーライ?  
なんだかんだあったけど、えっち禁止期間を一時設けたことは、結局、  
シェゾをこらしめたいっていう当初の目的を達成できてしまったみたいだ。  
 
「それじゃあ、まあ、またちょっと休ませてあげてもいっかな。  
休息期間を置いたら、えっちってすっごく気持ちよくなることも発見したしね」  
新たな発見で、自分のセックスのレベルもあがったような気がしたし、  
アルルはますます絶好調。  
「これからもがんばってボクを気持ちよくさせてね♪」  
 
「は、はい……がんばります……」  
シェゾはますますぐったり。  
 
アルルに返事するのもなぜか敬語だった。  
 
おわり。  
 

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