「シェゾ、今日はホワイトデーだよ(にっこりと極上の笑顔で)」  
シェゾは最近自宅にこもりきりで、デスクワークばっかりしている。  
忘れてないかちょっと心配になって、アルルは確認してみた。  
「………………………………………………………………………………………………」  
「なにそのおっそろしく長い沈黙」  
「そのことなんだが、アルル(硬直した表情で)」  
「なあに?」  
アルルはまだ笑顔。でもこの時点で確認の成否は出てるも同然っぽいけど。  
「そのあとにすぐ俺の誕生日があるだろ」  
「うん」  
「お前のことだから、祝ってくれるつもりなんだろ」  
「うんうん」  
「それでだな、それはもう祝ってくれなくてもいいから、そのかわりに、な、  
ホワイトデーもなしってことで両方帳消しにするというのはどうだ?」  
「あのねシェゾ」  
「な、なんだ」  
「忘れてたんならもう正直にそう言ってくれたら怒らないから、  
そういうわけわかんない理屈でごまかすのはやめようね(にっこり〜)」  
「すまん忘れてた」  
 
「まったくそんなこったろーと思ってたよ」  
「いや、決してホワイトデーとかをないがしろにしようなんてつもりはなかったんだ。  
お前そういう年中行事好きだもんな。その気持ちを尊重したいとは思ってるんだぞ」  
「だったら誕生日も無しとかひとの楽しみをさらに奪う提案なんかしないでよう」  
「う。ほんとにごめん……」  
シェゾしょんぼり。  
忘れたことと、とっさに変な言い訳したことを本当にすまないと思ってくれてるようだった。  
アルルもまあそんなに怒るつもりもないし、許してあげることにした。  
 
「まっ、これからホワイトデーしたらいいだけのことだし」  
「でもなにも用意してないぞ」  
「じゃあ〜、今はキミの気持ちをお返しに貰いたいなあ」  
「気持ち?」  
「うん。それでプレゼントはまた今度買ってねっ」  
「結局買うのかよ……で、気持ちってのは、どうしたらいいんだ?」  
「それは〜…自分で考えて!」  
アルルはシェゾにぴょこんと抱きついて甘え始めた。  
シェゾは一瞬驚いたけど、すぐに”なるほどね”って顔になって、抱きとめてくれた。  
抱いてくれる手付きもえっちっぽくなってきて、彼もその気になったみたいだった。  
シェゾはこういう年中イベント系には実際忘れたりもしてあんまり興味はないようだけど、  
アルルがしたいっていう時には意外と快くつきあってくれている。  
シェゾのそういうところ、実はけっこう好きだ。  
 
「アルル。バレンタインの時はチョコと、お前、ありがとうな」  
耳元で囁かれる。  
「うん……」  
「お返しは、まあ限度はあるけど好きなもの買ってやるよ。  
それにこれから俺の気持ちも受け取ってくれ……」  
アルルは自分の頬がぽっと熱くなるのを感じながら、嬉しそうに答えた。  
「うんっ」  
「…………と、こんな感じでいいか?」  
「あはは…そだね、いい感じだよ」  
ちょっと苦笑しながら、唇を交わした。  
 
裸にされてベッドに押し倒されて、シェゾがぴったり寄り添ってきて、またキスされる。  
「んっ、んっ…んく、んんぅん……」  
唇を何度もつけたり離したり、あるいは長い時間重ね合わせたままじっとしたり、  
上下の唇を彼の唇がむにむにと挟んできたり、彼の舌が腔内を出たり入ったりしたり、  
ありとあらゆるやり方のキスをされた。  
 
ちゅ、ちゅっ…にゅるにゅる……  
アルルもシェゾのいろんなキスに上手に応える。  
ファーストキスをシェゾに奪われてから全部彼だけに教え込まれたものだ。  
キスしながらお互いの全身をぎゅっと密着させ合って、手をぎゅっと握り合って、  
ものすごい一体感がしてカラダの奥がどんどん熱くなっていく。  
シェゾもペニスをすでに完全に勃起させてアルルのお腹にぐりぐり押し付けていた。  
「んふ、んぅッ……んはぁっ」  
アルルは大きく吐息を漏らした。  
「はあ、はあ……す、ごいキス、だね……」  
「そうか……でもまだまだ、もっと、キスしようぜ…」  
「え……んッ」  
もうかなりの間キスし続けたのに、シェゾはまだ唇を重ねてきた。  
またアルルの口の中に舌を差し込んで、れろれろと動き回った。  
くらくらしてきて受け身一方になっても構わずに彼の舌が攻めてくる。  
口と口でセックスしてるみたいだった。  
お互いの唾液が混ざり合って、飲み切れなかったよだれが垂れた。  
 
30分以上そうしてたかもしれない。  
セックス1ラウンドぶんくらいの時間、キスだけされ続けた。  
 
「はっ、は、ああ……」  
シェゾがようやく唇を離して解放してくれた。  
アルルは口を開いたまま、舌をふるふるさせて喘ぐ。  
お互いの舌の先端と先端によだれの糸が伸びた。  
「はあ……すごい、よう。こんなの、初めて…」  
今までで一番長い時間キスしたと思う。  
「気持ち、伝わった?」  
「うん……すごく、つたわった、よ……ありがと……」  
すごいお返しを貰ったって感じだった。  
 
アルルは全身の肌を桜色に染めて、股間からとろとろに愛液を垂らして、すでに息も絶え絶え。  
「もういきそうになってるな……ずいぶん感じやすいカラダになったよな」  
「え、そんな……ボク……」  
まさに彼の言う通りで恥ずかしい。  
「これからもっともっと感じるカラダにして、そのうちキスだけでもいけるようにしてやるよ」  
「……そ、そんなこと言っちゃやだよう。今日はいじめちゃ、いや……」  
今日はボクが主役なんだから……いじわるしちゃだめなの。  
「そうか。ごめんな、アルル」  
シェゾもそれを分かってくれて、言葉でいじめるのはやめてくれた。  
 
でもカラダのほうをシェゾに攻められ始める。  
左手で肩をぎゅっと抱き寄せられて、右手がカラダのあちこちをまさぐってきた。  
「んっ、ふやぁ……」  
「なあ、アルル」  
愛撫されながら、彼が耳元で囁きかけてくる。  
「自分で言うのもなんだが、俺、今けっこうまっとうな生活ができてると思わないか…。  
どうしようもない人間だった俺が、こんな幸せな暮らしができるなんて、な。  
それもお前がそばにいてくれるからだ……。本当に感謝している。ありがとう、アルル」  
「あ……シェ、ゾォ」  
「俺にとって、お前は本当に天使だよ……」  
「ああ、シェゾ……はあぁっ」  
カラダをくちゅくちゅいじくられながら、今度は真摯な言葉で心をくすぐられて、もう限界。  
というかさっきから何度も軽くいってしまってる。  
ぴくんぴくんと全身を痙攣させて、彼におねだりした。  
「お…お、ねがい、もう、きてえ……」  
もう、思いっきり彼にいかされたい。  
「ああ。じゃあ、いくぞ……」  
シェゾはアルルの上に覆い被さってきて、ペニスを膣口にあてがった。  
「好きな時にいっていいから、な……」  
そしてシェゾがアルルの中に入っていった。  
 
ずにゅ……ず…にゅる……  
ぐちょぐちょになってひくつく膣内をシェゾのペニスが侵入してくる。  
「あっ、あっ、あ、ひぃん……」  
入れられただけでいきそうになったけど、それはなんとかこらえられた。  
でもやっぱりそう長くはもちそうもなかった。  
彼がゆっくり動き始めて、一番奥をずんずん突かれて、クリトリスが恥骨にこすれて、  
アルルはあまりの気持ち良さにもう頭が真っ白になってきた。  
シェゾは大きく腰をひねって、膣内をペニスでぐりぐりかきまわす。  
「ひっ、ひあぁん!ふあぁ!」  
突きまくったかと思えばぴたっと動きを止めたり、抜いたり入れたりを繰り返したり、  
いろんなやり方で攻められた。  
キスのしかたもセックスの時の動き方もまだ知らない方法がたくさんがあって、  
何度カラダを重ねてもアルルはシェゾに翻弄されっぱなしだった。  
「アルル、愛してる……」  
彼に小刻みに勢いよくこすられている時に、とうとう限界を越えた。  
「あ!あッ!シェ…ゾォ!うああぁぁーッ!!」  
アルルは思い切りいった。  
シェゾはそれを確認したあと、自分も熱い精液を膣奥に注ぎ込んだ。  
びゅくん!びゅく!  
「ふあ、あ…あ、すご、い……流れ込んで、くる、よ……」  
 
「あは…とってもすてきだったよ……」  
「満足した?」  
「うん、とってもまんぞくー」  
ことが終わって、アルルはシェゾにごろごろ甘えた。  
「…って、あっ……」  
でもその時、膣奥の精液がとくんと溢れ出てきた。アルルはそれを指にすくい取った。  
「シェゾほら、ホワイトデー♪」  
「殴るぞ」  
 
おわり。  
 

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