「う〜〜飛翔の杖〜」  
今飛翔の杖を求めて全力疾走しているあたしは  
魔導学校に通うごく一般的な女の子  
強いて違うところをあげるとすれば  
前世が女神ってとこかナー  
名前はアミティ  
そんなわけで帰り道にある校門前にやって来たのだ  
ふと見ると通学路に一人の若い女が突っ立っていた  
ウホッ!(自称)いい女…  
 
ハッ  
そう思ってると  
突然その女はあたしの見ている目の前で  
スカートをしゃくり上げはじめたのだ・・・!  
 
「(ぷよぷよ勝負)やらないか」  
 
そういえばこの通学路は  
ぷよらーの勝負場があることで  
有名なところだった  
(自称)いい女に弱いあたしは誘われるまま  
ホイホイと勝負場に  
ついて行っちゃったのだ  
彼女――  
ちょっとイジワルっぽい同級生で  
ラフィーナと名乗った  
ぷよぷよ勝負もやりなれてるらしく  
勝負場にはいるなり  
あたしは帽子をむかれてしまった  
 
「よかったのか  
ホイホイついてきて  
俺はタマネギだって  
かまわないで食っちまう  
人間なんだぜ」  
 
「こんなこと初めてだけどいいんです…  
あたし…ラフィーナみたいな人 好きですから… 」  
 
「うれしいこと言ってくれるじゃないの  
それじゃあとことんたのしませてやるからな」  
 
言葉どおりに  
彼女はすばらしいテクニシャンだった  
あたしはというと  
陣地に与えられるおじゃまぷよの波に  
身をふるわせてもだえていた  
 
しかしその時、予期せぬ出来事が…  
「うっ…」  
「ん?もうかい?意外に早いんだな」  
「ち、違う、さっきから本線を発火したかったんです  
連鎖を組んでたのもそのためで…」  
「そうか…」  
 
「いいこと思いついた  
お前、俺が耐えてる間に第二波も組んでみろ」  
「えーっ!?  
耐えてる間に組むんですかァ?」  
「女は度胸!何でもためしてみるのさ  
きっといいスコアが出せるぜ」  
 
「ほら、遠慮しないで撃ってみろよ」  
 
彼はそういうと次々とフィールドにぷよを落とし、  
単発相殺用の3個組みを作り出した  
 
先に大連鎖を撃たせるなんて なんて人だろう…  
しかし、彼女の綺麗にまとめられた3個組みぷよを見ているうちに  
そんな変態じみたことをためしてみたい欲望が…  
 
「それじゃ…撃ちます…」  
 
アクシル!アクシル!フェ・フェ・フェ・フェアリーフェアー!!  
 
「う…撃ちました…」  
「あぁ…次は第二波だ」  
 
セーノ!ライトニングボルトォッ!!  
 
「いいぞ 頭上にお邪魔ぷよがどんどん入ってくるのがわかるよ」  
 
「くうっ!気持ちいい…」  
この初めての体験は、普通のプレイでは出ることの無かったハイスコアを  
あたしにもたらした。  
あまりに激しい連鎖に、第二波を撃ちきると同時に  
あたしのフィールドはぷよがすっかり無くなってしまった  
 
「この分だと相当組んでたみたいだな  
頭上が王冠でパンパンだぜ」  
「ハッ…ハッ…」  
「どうしたい」  
「あんまり気持ちよくて…  
こんなことしたの初めてだから…」  
 
「だろうな、俺も初めてだよ  
ところで俺のフィーバーゲージをみてくれ  
こいつをどう思う?」  
「すごく…光ってます…」  
 
「光ってるのはいいからさ  
このままじゃおさまりがつかないんだよな」  
「あっ…」  
 
オーッホッホッホッホッ!!  
 
「こんどは俺の番だろ?」  
「あぁっ!!」  
「いいぞ・・・プレイ時間が長引いてマージンが切れてやがる…!」  
 
「う…撃つ…」  
「なんだァ?今撃ったばっかなのにもう撃てるってか?  
組むの早いんだな」  
「ちっちがう…!!」  
 
「なにイ?今度はごみぷよを消すゥ?  
お前、俺をサンドバックCPUキャラとまちがえてんじゃねぇのか!?」  
「しーましェーン!!」  
「しょうがねぇなあ  
いいよ、いいよ  
俺がフィーバー中に潰れないよう耐えてやるからこのまま撃っちゃえ  
フィバ潰しに怯えながらやりまくるのもいいかもしれないしな!」  
「えーっ!?」  
 
──と  
こんなわけであたしの初めてのぷよぷよフィーバーは  
フィバ潰し狙いな結果に終わったのでした…  
 
 

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