肩で切り揃えた茶髪にブルーの瞳の少女―アルルは暗い廊下を歩いていた。  
暗いといっても彼女の右手に浮かんでいるライトの光に照らされてはいるのだが、  
光の届いていない場所は黒い絵の具か何かで塗りつぶしたように何も見えない。  
今アルルが居る場所は昔に放棄された廃城らしく、壁には所々裂け目があり、  
元から採光が悪い為に何処かの国の国王の城というより悪魔の住み着く城と言う  
表現のほうが適切かもしれない。  
アルルがこんな不気味な場所にいるのは彼の黄色いペットがここで目撃されたと  
ラフィーナから聞いたからである。  
蜘蛛の巣を腕で振り払いつつ城内を探索し続けているが、まだ見つかっていない。  
「カーくん、何処にいるんだよ〜?ボクの声が聞こえてるなら返事して〜。」  
アルルは大声で呼びかけてみるが、彼女の声が廊下に反響するだけであった。  
「もう、ここにはいないのかなぁ。」  
ガックリと肩をすくめて見ると、アルルの耳に微かな物音が聞こえてきた。  
「・・・・ぅ〜、ぐ・・・ぐぅ〜。」  
あまりハッキリとは聞こえないもののこの泣き声はカーバンクルの物だ、アルルは  
声のしたと思う方向に走り出す。  
やがて彼女は広間に出た、ここは何故か光で照らされている、恐らくライトの魔法  
の類なのだろう。  
彼女は息を整えながら広間を見回すと、広間の中央に一人の女性に抱かれている  
カーバンクルの姿を見た。  
 
カーバンクルを抱いている女性は同姓のアルルでさえ魅惑的な物を感じた。  
紫色のウェーブのかかった髪をしていて、袖の広いローブを優雅に着こなしている。  
その顔は子供っぽい笑顔を浮かべていたが、雰囲気は大人の女性のそれだった。  
その女性―アコール先生はアルルが広間に入ってきたのに気が付くと、ゆっくりと  
立ち上がった。  
胸の部分が肌蹴たローブを調えカーバンクルを腕に抱えるとアコール先生はアルル  
の方へと向き直る、カーバンクルの口にミルクらしき液体が付いているのを見ると  
カーバンクルを抱きしめ授乳をしていたのが想像できた。  
「あなたが、アルルさんですね?」  
アルルは驚いた、まだ名乗っても無いのにアコール先生は自分の名前を言い当てた。  
「鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をせずにこっちにいらして下さい。」  
別に断る理由も無いのでアルルは手招きをしているアコール先生の方に歩く。  
アルルがアコール先生の目の前に来るとカーバンクルはピョコ、と片手を上げて、  
一声鳴いた。  
これを訳すと「お久しぶり。」と言った感じになる。  
カーバンクルは器用にアコール先生の腕からすり抜けるとアルルに飛びいた。  
 
「さて、アルルさん、お話があるのですが・・・。」  
アコール先生はアルルの左肩のパットで踊り狂っているカーバンクルを見ると声を  
詰まらせる。  
「カーバンクルくんがもう我慢できなさそうですし、後にしましょうか。」  
殆ど独り言でしか無いアコール先生の発言の意味が分からずアルルは立ち尽くしていた。  
そんなアルルの前にアコール先生は立つと、唇をぽそぽそと動かして呪文を唱えると、  
飛翔の杖を振った。  
「いやぁぁぁ!!」  
飛翔の杖から音符が放たれてアルルに着弾すると、弾けてキィーンと言う甲高く耳障り  
な音を立てた。  
そして、ガクリと膝をつくと、両手を地面につく事も無く大理石の床に倒れこむ。  
「ウフフ、ごめんなさいねぇ。今のは運動神経に作用する音でしてね、抵抗されると  
 面倒くさいですから動きを封じさせてもらいました。」  
アコール先生はアルルを抱き起こすと、手際よくアルルのスカートと下着を取り去り  
アルルの秘所を露にする。  
「さぁ、カーバンクルさん。準備はできましたよ。」  
アコール先生はそう言いながらアルルの背後に回ると、服の上からアルルの胸を弄る。  
「ぐっぐっぐっぐぐ〜。」  
カーバンクルは徐々に湿り気を帯びているアルルの秘所に蹲ると舌で舐め始めた。  
ピチャ、ペチャと淫らな音が聞こえ始める。  
アルルは抵抗しようとするが、先ほどの音のせいで口以外がまったく動かない。  
「やだぁ、カーくん。そんなに音を立てないでぇ。」  
カーバンクルが我慢していた事の意味をアルルは感じ取ったような気がした。  
 
ぐちゃ、ぺちゃ、と言う音がライトに照らされたこの広間に響き渡る。  
「カーくん、そんな汚い所を舐めちゃ駄目。」  
カーバンクルは今アルルの尻を舐めていた、舌は既に直腸の近くに入り込んでいる。  
まだ誰にも触れられた事も無ければ、自分でだって身体を洗うときにスポンジで触れる  
程度でしかない、そんなアルルにとっては今舐められている所は汚い所でしか無い。  
「あぁ、気持ちいいよぉ、カーくん。」  
アルルは甘ったるい吐息を吐き出しながら言った。  
「ウフフ、犯されて感じるなんて、アルルさんって淫乱なんですのね。」  
先ほどから豊満な胸に自分の顔を押し付け抱きしめながら秘所を愛撫しているアコール  
先生は相変わらずニッコリとした笑顔で言った。  
「あふぅ・・、駄目・・・そろそろいきそう・・。」  
前から後ろから犯されアルルはもはや絶頂寸前、アコール先生とカーバンクルは最後の  
一押しとばかりに動作を激しくした。  
「ああ〜、気持ちいいよぉ〜。いっちゃう〜。」  
アルルは絶頂を迎えるとガックリと倒れた、アコール先生は飛翔の杖をアルルの秘所  
から抜き取り、愛液を舐め取るとカーバンクルの方に向き直る。  
「カーバンクルさん、満足しましたか?」  
カーバンクルは一声鳴いてピョコっと手を上げた、どうやら満足したらしい。  
「それにしても、アルルさんってどうしてこんなに可愛いんでしょうかねぇ。」  
アミティやラフィーナと同じ感想をアコール先生は呟いた。  
そして同時にアミティやラフィーナが彼女にそそられるのも無理はないと思った。  
 
城内にある一室、恐らく城の主のプライベートルームであろう部屋にアルルと  
アコール先生はいた。  
「概ね事情は理解しましたよ。」  
アルルはやや不機嫌そうに言い放つと、紅茶を啜った。  
カーバンクルとアコール先生に犯された後、アルルはこの部屋に招き入れられて、  
自分がこの世界に飛ばされることとなった原因を聞かされていたのがこの状況の  
大まかな顛末である。  
本来カーバンクルのみがこの世界に来るはずだった、しかし、アコール先生が召喚  
の儀式を行っているのと同時にアルルがぷよぷよ勝負をしていた為にカーバンクル  
のみに干渉するはずの魔導力がアルルにも干渉し、結果としてカーバンクルと一緒  
にこの世界に飛ばされた。  
これがアルルがこの世界にやって来た理由、そしてアルルがやや不機嫌な理由でも  
あった。  
突然訳の分からない世界に呼び込まれ、オニオンの群れに襲われ酷い目にあったり  
したのだから無理も無いのだが。  
「まぁ、お詫びといっては何ですが、生活の場を提供します。元の世界に戻る時が  
 来るまで魔導学校で過ごしませんか?アミティさん達とも毎日会えますし。」  
魔導学校の話はアミティの家で養生していた時に何度も聞かされていた。  
だからこの世界の魔導学校がどんな物か知っているし、正直悪い話でもなかったので  
アルルはその申し出を受けることにした。  
Fin  
 

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