「『世界で五番目に広い国は、オーストラリアである』」  
「当然、バツだ」  
「せいかーい!」  
答えるレオンの前で、ちっちゃい女の子──アロエが、にぱーっと笑った。  
ここはリディア寮にあるアロエの部屋だ。ルキアとシャロンの部屋に挟まれた、  
いわゆる女の園という奴である。  
そのせいで、ベッドに腰かけるレオンの様子は、なんだかそわそわと落ち着きがない。  
「なあアロエ、十問連続で正解したんだし、俺、そろそろ帰ってもいいだろ?」  
「えー? まだ早いよ、レオンお兄ちゃん」  
ぶっきらぼうなレオンに、アロエが非常に悲しげな顔をする。  
『お兄ちゃん』と呼ばれて、レオンの顔が少しだけ赤くなった。  
 
…さて、なぜレオンがアロエの部屋にいるのか、事情の原因と結果だけを語ろう。  
アカデミーが誇るロリコン問題児・タイガが、アロエをストーキングし続けたのが原因。  
半月前、そのタイガをレオンがぶっ飛ばし、アロエになつかれてしまったのが結果。  
かくして、レオンの放課後はアロエと一緒の時間が多くなり、放課後はアロエの部屋に  
連れこまれるパターンが完成したわけだ。  
おまけに、アロエは人前でも「お兄ちゃん」と呼ぶものだから、猛烈に恥ずかしい。  
『あいつもタイガの同類だったか…』  
などと陰口を叩かれるのは、熱血硬派を自認するレオンにとって、あまりに辛いことだ。  
思わず頭を抱えるレオンに、猫耳リボンをふりふりしたアロエが、ぴょこんと近寄った。  
「…ねえ、お兄ちゃん?」  
「な、なんだよ」  
 
いきなりアロエが顔をのぞきこんできて、レオンの胸がどきりとする。  
「…レオンお兄ちゃんは、アロエのこと、嫌い?」  
「なっ……!」  
唐突すぎる問いかけ。レオンの顔が耳まで赤くなった。  
「アロエは、レオンお兄ちゃんのことが好き。大好き。お兄ちゃんと一緒に、賢者さんに  
なりたいの。お兄ちゃんの…恋人に、なりたいの」  
ちっちゃな拳を握りしめて、ほっぺを真っ赤にして、両目を潤ませながら、アロエがレオンを  
見つめる。  
小さな身体に精一杯の勇気を詰めこんだ、想いの告白。  
 
…レオンは、アロエが自分を好きなのではないかと、以前から思っていた。  
自意識過剰じゃないかと、今まで確認してこなかったのだが──。  
こうやって現実に告白されると、頭の温度が急上昇して、冷静な考えなど吹っ飛んでしまう。  
 
──俺は、アロエのことが好きなのか?  
 
そう自問し、次に、返事を待つアロエを見つめる。  
不安そうな、泣きだしそうな、女の子の顔。  
レオンは胸が締めつけられて、自分でも知らないうちにアロエを抱きしめていた。  
 
「お…お兄ちゃん?」  
びっくりするアロエに、レオンは優しく答える。  
「俺も…俺だって、アロエのことが好きだ」  
言いながら、レオンは自分自身に苦笑を向ける。  
どうしてアロエの部屋に通っているのか。どうしてクイズの予習を一緒にやっているのか。  
…どうして、あのときタイガをぶっ飛ばしたのか。  
今、やっとわかった。  
何のことはない。自分は、ずっと前から惹かれていたのだ。  
腕の中にいる、ちっちゃくて可愛い、賢者志願の女の子に。  
レオンの告白に、アロエも抱き返すことで答える。二人の身体が、制服越しに密着する。  
 
──とくん、とくん、とくん……。  
 
「あっ…。お兄ちゃん、胸、どきどきしてる…」  
「アロエも、同じだろ…」  
あとはもう、言葉など必要なかった。  
レオンとアロエは見つめあい、目を閉じて。  
初めての、恋人どうしのキスをした。  
 
まず、唇を触れあわせるフレンチキス。  
それから、舌を絡めあい、お互いの唾液を飲ませあう、激しいディープキス。  
後頭部を走る、熱くて甘い電流のような快感。  
うなじの辺りが、蜂蜜の塊にでもなったかのような悦び。  
ぷはぁ…と唇を離したとき、二人の口の間を、銀色に光る唾液の糸が伝った。  
「お兄ちゃん…大好き…」  
ぽーっとした表情で、アロエがうっとりと呟く。そして、気づいた。  
レオンのズボンを押し上げる、堅く膨張した分身。  
「す、すごいね…。お兄ちゃん、それって、苦しい…?」  
「そりゃ、ま、まあな」  
正直者の自己主張を目撃された恥ずかしさに、レオンがそっぽを向く。  
その様子がどうしようもなく可愛くて、アロエは自然と提案していた。  
「ねえ、お兄ちゃん…。最後まで…しよ?」  
「なっ……! い、いいのかよ!?」  
「うん…苦しそうなお兄ちゃんを、アロエが楽にしてあげるね…」  
 
 
「んっ…んっ…ちゅぱっ……」  
ベッドの上。  
生まれたままの姿で、四つん這いのアロエがレオンの分身をしゃぶる。  
根元から先端を、つつーっと舌でなぞる。  
尿道口をちろちろと舐められた瞬間、  
「ううっ……」  
レオンは思わず呻き声をあげた。  
「レオンお兄ちゃん、可愛い…」  
とろんとした目で、アロエが熱っぽく囁く。  
 
──や、やばい。これじゃ、すぐに出しちまうかも……。  
 
元気いっぱいな、ちっちゃい女の子が見せる、淫らなオトナの表情。  
えっちなオトナと純真なコドモ、そのギャップがレオンを興奮させた。  
分身がさらに大きく、熱くたぎって、アロエが「わあ……」と驚く。  
 
──そ…そんなに見つめないでくれ。  
 
悶えるレオンの顔をじーっと見ると、アロエはそそり立つ肉の棒を、ためらいなく口の中に  
含んだ。  
収まりきらない根元は、指で小刻みにしごく。  
「う、うあっ!? ア、アロエっ…!」  
固い上あごと柔らかい舌、左右の熱い粘膜に包まれて、レオンの声が裏返った。細い指先が  
与えてくれる刺激は、自分でするより何倍も気持ちいい。  
「んっ、んっ、んっ……」  
アロエの頭が上下に動く。指が袋をたぷたぷと揺らす。  
最愛の女の子からの、精一杯のご奉仕。アロエは一旦、肉棒から唇を離すと、上目づかいで  
レオンを見た。  
「レオンお兄ちゃん…気持ちいい? アロエの口、気持ちいい?」  
 
仔猫を思わせる仕草で、大胆なことを口にするアロエ。  
大好きなお兄ちゃんを気持ちよくしてあげたい…そんな想いが、痛いくらい伝わってくる。  
愛おしさがこみあげて、レオンは右手を伸ばした。  
アロエの頭を、優しく撫で撫でする。  
「ああ、気持ちいいよ…。だから、もっと続けてくれないか…」  
「えへへ…、嬉しい…。アロエ、いっぱい頑張るからね。いっぱい、気持ちよくなってね」  
あどけない口調でものすごいことを言って、アロエは口淫を再開した。  
先走りの汁を、尿道口を押し開くように、小さな舌先で舐めとる。  
「うっ! くあっ……!」  
「あっ…、我慢するお兄ちゃん、すごくえっち…」  
アロエの繰りだす、無邪気でナチュラルな責め言葉。レオンの背筋をゾクゾクと快感が駆けぬけた。  
そして、ふたたび肉棒が熱くて柔らかい粘膜に包まれる。ねっとりと唾液が絡んでくる。  
とどめに、根元をいじる十本の指。  
「んっ、ぢゅっ、ぢゅっ、んんんっ…。んっ、んっ、んっ…」  
頑張り屋さんなアロエの口撃が、レオンの理性をドロドロにとろけさせてゆく。  
 
──いまなら、タイガの野郎の気持ち…わかるかもっ…。  
 
気持ちよすぎて、レオンは思わずバカなことを考えた。  
直後、アロエが一気に肉棒を奥まで飲みこむ。ぞぞぞぞっ、と強烈な刺激を受けて、レオンは思いきり  
のけぞった。  
 
──駄目だっ、もう、限界…!  
 
「うああっ!? ア、アロエっ!」  
「うんっ、うんっ、お兄ちゃん、出してっ、いっぱい、アロエの口にっ!」  
そんな意味の言葉が聞こえるのと同時に。  
「ご、ごめん、アロエ…出るっ…で、出るっ!!」  
レオンの下半身が震えて、大量の精液がほとばしった。自分でも信じられないくらいの量と勢いだった。  
 
──びゅっ! びゅっ、びゅびゅびゅっ!  
 
「んんっ!? あむっ、んっ…!」  
白濁液の塊を何度も喉の奥に打ちこまれ、アロエが苦しげな表情をする。  
目に涙を浮かべながらも、アロエはむせんだりせず、レオンの精液を余さず飲みこんだ。  
こくっこくっと喉を動かすアロエの頭を、レオンはまた撫で撫でする。  
「ほ、ほんとに、ご…ごめんな、アロエ。こんなの…飲ませちまって…」  
快感が強かった分、レオンの胸に深い罪悪感が広がる。  
大好きな女の子だからこそ、無理はしたくなかった。させたくなかった。  
なのに、一人だけ気持ちよくなって…。  
すると…アロエは、撫でるレオンの手をとって、自分の頬に添えさせた。  
「いいの。レオンお兄ちゃんが気持ちよかった証拠だもん。アロエ、嬉しかったよ?」  
幸せそうに、にぱっと微笑む。  
 
それから、  
「あ…また…」  
肉棒から流れ出る残りの精液を見ると、迷わず舌を伸ばしてきれいにした。  
イッたばかりで敏感なモノに刺激を受けて、レオンが身体を震わせる。  
「ア…、アロエ…」  
あえぎながら、レオンが後始末をするアロエに目を向けたとき。  
「ん……?」  
レオンは、四つん這いのアロエが内股をもじもじさせているのを見た。  
 
──もしかして。  
 
ピンと来るものがあって、レオンはアロエに両手を伸ばす。  
「きゃっ!? お、お兄ちゃんっ!?」  
いやに動揺した声を無視すると、ころん、とベッドの上で転がした。  
「や、やだっ…! お兄ちゃん、見ちゃ駄目えぇぇっ…!」  
 
あお向け、しかも両足がMの字に開脚した体勢。  
アロエは慌てて大事なところを隠したが、もう遅い。  
レオンは、ばっちり見てしまった。  
自分を絶頂に導いた女の子が、股間をぐっしょりと濡らしているのを。  
中心が両手で隠されていても、太股を伝う液体の筋までは隠せない。  
レオンの中に、意地悪でヨコシマな気持ちがむくむくと湧いてくる。  
「へえ…。アロエって、悪い子だったんだな」  
「ち、違うもん。これは、あ…汗だもん…」  
弱々しい言い訳。アロエは顔を真っ赤にして、顔をそむけた。  
レオンの右手が、愛液に濡れた太股をツツッ…となぞる。とたんに、アロエの身体がびくびくと  
震えて、サーッと鳥肌を立たせた。よほど感じたらしい。  
レオンは軽い征服感を自覚しながら、愛液で濡れた指先をアロエに見せつける。  
人さし指と中指を開くと、その間に糸の橋ができた。  
「これ…汗なのか? アロエって、こんな汗をかいちゃうのか。知らなかったな」  
「や、やだやだ、レオンお兄ちゃんの意地悪ぅ…」  
アロエがいやいやと首を振る。  
可愛らしい仕草の数々が、レオンの股間をさっき以上の大きさに膨張させた。  
 
今度は、左手をぺったんこの胸に伸ばす。  
「ひ、ひうっ! そ、そこっ!?」  
ピンク色の乳首をつままれて、アロエが軽くのけぞった。  
そこはもう、とっくに固くしこっていた。  
「気持ちよくなってるアロエ、可愛い。すごく、えっちだ…」  
「んんんっ…、違うもん…。アロエ、えっちな子じゃ──はうんっ!」  
乳首を指先で甘く転がされ、アロエがはしたない声をあげる。  
レオンは右手も使って、両方の乳首を責めた。  
アロエの長い髪が、シーツの上で乱れる。熱くとろけた声が、部屋の中に響く。  
しかし、それも一分くらいのことで、レオンは手を離すと攻撃を中断した。  
「え…ど、どうして…?」  
ぽーっと頬を染めたアロエが、たどたどしくレオンに訊く。  
するとレオンは、左手をアロエの頬にそっと触れさせた。  
 
「…駄目だ。俺、意地悪なだけじゃ、全然気持ちよくなれない」  
「…………?」  
「俺さ、アロエの全部を見ながら気持ちよくなりたいんだ。できれば、二人で一緒に、  
えっちな気持ちになりたい」  
「お、お兄ちゃん……」  
レオンの優しい言葉に、アロエの目が熱っぽく潤んでいく。  
相手を好きな気持ちが、どんどん湧いて止まらない。  
レオンも同じだ。  
身体の下にいるちっちゃい女の子が、どうしようもなく好きだ。  
だから、気持ちよくなりたい。気持ちよくしてあげたい。できれば、最後まで。  
けれど…、一方的なのは駄目だ。一緒じゃなきゃ、嫌だ。  
そうでないと、恋人になった意味が無いじゃないか。  
レオンの気持ちが、頬を通じてアロエの中に染みとおる。  
それから、アロエは恥ずかしそうに微笑むと、  
「お兄ちゃん。き、嫌いに…ならないでね」  
M字型に開脚したまま、ずっと隠してきた大事な場所を、レオンに見せた。  
 
アロエのそこは、洪水状態だった。  
薄い産毛しかない、つるつるの恥丘。割れ目はふっくらと盛りあがって、中心に見えるピンク色の  
襞が、ひくひくと動いているのがわかる。  
快楽にとろけきったことを教えてくる、アロエの、女の子の部分。  
割れ目の中からあふれる愛液は、シーツに大きな染みを作っていた。  
「す…すご。ぐしょぐしょだ…」  
ごくりと唾を飲みこんで、レオンが正直に指摘した。  
「や…やだっ、お兄ちゃん…言わないでよぉ」  
アロエが真っ赤になって顔を押さえる。  
そのくせ、アロエの女の子からは恥ずかしい体液がじわっとあふれてきた。  
幼女にイタズラしているような後ろめたさを覚えつつも、レオンは迷わず行動に出る。  
アロエの両足をさらに広げ、逃げられないようにして──  
 
──ちゅうううぅっ。  
 
「ひ──ひあっ!? お兄ちゃ…ああああっ…!」  
レオンの口が、アロエの女の子にキスをした。  
 
キスをして、舌を差しこみ、かき回しながら吸い上げる。  
「だ、だめっ、お兄ちゃん、そこっ、汚い…」  
「アロエに、汚いところなんかない」  
断言して、レオンが行為を激しく続行する。  
唇でクリトリスを包皮ごと優しく挟み、ときどき方向を変えて、舌先で尿道口をつつく。  
ずずずっ…と、聞こえるように愛液を吸う。  
ドロドロになった襞の中へ、思いきり舌を突き入れる。そして、抜き差しをくり返しながら  
ねっとりとかき回す…。  
「そっ、そんなっ、お兄ちゃんっ! アロエっ、アロエぇぇっ、おかしくなっちゃううぅ…」  
あまりの快感に、アロエが悩ましげに腰をうねらせた。  
もしかすると、レオンの舌から逃れようとしたのかもしれない。  
けれど、その動きは弱々しくて、レオンの顔から離れる結果には繋がらなかった。むしろ、  
快楽を求めておねだりしているようにさえ見える。  
 
「お兄ちゃん、お兄ちゃんっ、お願い…、もう…やめ、て…」  
本当は、キモチイイ口撃をもっといっぱい続けて欲しいくせに、アロエはそんな嘘を言う。  
もちろんレオンは全部お見通しで、だから速攻で却下した。  
「だーめ。俺の恥ずかしい瞬間を観察したんだから、アロエも恥ずかしい瞬間を見せてくれないと、  
絶対に不公平だろ?」  
「い、いじわるぅ…」  
恥ずかしい瞬間、という責め言葉に、アロエの背筋をゾクゾクと快感が駆けぬける。  
レオンの口撃が再開された。  
細長く伸ばした舌を奥まで入れて、激しくかき回す。右手の人さし指と中指で、クリトリスを包皮から  
完全に解放する。そうして、剥き出しになった芯の部分をきゅ、きゅっとしごいた。  
「あああっ…! お兄ちゃん、それ、いいっ…!」  
アロエが悩ましげな悲鳴をあげる。レオンはそれが嬉しくて、同じ責めを続けた。  
ふと視線を上げれば、大きく勃起したクリトリスの向こうで、首を振ってはのけぞるアロエの顔が見えた。  
 
なんて可愛いんだ。  
アロエの愛液を音を立てながらすすり、芯をしごく速度をさらに上げる。  
 
ぢゅうっ、ぢゅ、ぢゅぢゅぢゅ、ぢゅっ……!  
 
きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ、きゅっ……!  
 
「お、お兄ちゃんっ! アロエ、そんらの、らめえっ、らめらめらめ、らめえぇっ…!」  
甘い悦びで舌足らずになるアロエの柔肉が、レオンの舌をきゅっと締めた。  
絶頂が近いことがわかって、レオンは責めるスピードをさらにアップする。  
「ああああぁぁっ!?」  
乳首を痛いくらいに勃起させたアロエが、シーツをぎゅうっと掴んだ。  
「ら、らめっ! 来ちゃうのっ、アロエ、来ちゃって、来ちゃって、出ちゃうのおぉぉっ!」  
レオンが、その悲鳴にさらなる責めで応えた瞬間──。  
「お、おにい…あ、ああっ…あああああぁぁぁぁぁぁぁーっ!!!」  
アロエの両足がぴんと突っ張り、レオンの舌を引きちぎるように、あそこがきゅきゅっと締まる。  
両目を思いきりつむって、舌を突きだした、アロエの淫らな絶頂の表情。  
それをレオンがばっちり目に焼きつけたとき、舌を締めつける力が弛緩して──  
 
「あっ、やっ、出ちゃうっ! 出ちゃううぅぅっ…!」  
「っ!?」  
いきなり、アロエの女の子…その一番上の穴から、黄金色の液体が噴き出した。  
 
──ぷしゃあああぁぁぁぁ……。  
 
「やだ、止まらない…止まらないよぉっ…。お兄ちゃん、ダメ、見ちゃダメぇぇぇ…」  
顔を離して呆然とするレオンの前で、アロエが弱々しくいやいやする。  
おもらしだ。  
アロエは、レオンの責めがあまりにも気持ちよすぎて、おしっこを漏らしてしまったのだ。  
黄金色のはしたない放物線、糸をよじりあわせたような液体の放出は、なかなか止まらなかった。  
レオンは、おもらしのアーチに見とれてしまっていた。  
 
──可愛い…。  
 
純粋にそう思っていると、アロエの失禁はようやくおさまった。  
 
「うっ…ひっく…ご、ごめんなさい……」  
大きな目からぽろぽろと涙をこぼして、アロエが謝る。  
「な、なんで謝るんだよ?」  
「だ、だって、ぐすっ…、おもらしなんか…。レオンお兄ちゃんに、嫌われちゃう…」  
「き、嫌われる?」  
「お…お願い、アロエのこと、汚い子だって嫌いにならないで…。アロエ、レオンお兄ちゃんが  
大好きなの。だから…だから…」  
このときになって、ようやくレオンはアロエが泣く理由に気づいた。  
失禁という恥ずかしい排泄行為を見て、レオンの気持ちが冷めると思ったのだ。  
「…ばかだな、アロエは」  
優しく呟くと、レオンはアロエのほっぺにキスをする。涙をすくうように、二度。  
「お…お兄ちゃん?」  
「俺が、アロエを嫌いになるわけないだろ。おもらしするアロエが可愛すぎて、今もいろんなトコが  
ドキドキしてるんだからな」  
「え…う、嘘。アロエみたいな、変態さんでも…?」  
「あれで変態だったら、俺も変態だ。…ほら」  
アロエの右手を掴んで、レオンはそのまま自分の股間に持っていった。  
「ああっ…、お兄ちゃん、熱い…。ビクビクしてる…」  
ぼうっとなった声で、アロエが言う。  
 
レオンの分身は、破裂しそうなほどに熱く、固くたぎっていた。  
あふれる先走りの汁が、アロエの右手をトロトロと汚す。レオンの手が離れても、アロエの手は  
熱い肉棒から離れなかった。  
「だいたいさ、俺…さっきのアロエを見て、嬉しかったんだぜ」  
「え…」  
「だってそうだろ? 俺が気持ちいいと、その…出ちゃうじゃないか。今回は、アロエに全部飲まれたけど」  
「あ、う……」  
レオンの精液を迷わず飲んだことを思い出し、赤面するアロエ。  
その頭を、レオンは優しく撫で撫でする。  
「アロエのも、それと一緒だよ。あれは…、アロエが気持ちよすぎた証拠。…俺、本気で嬉しかったんだぜ。  
大好きな女の子を、そんなに満足させられたんだからな」  
「レオンお兄ちゃんの、い、いじわるっ。しょ、しょーこだなんて…」  
「…で、これが、俺がアロエに興奮してる証拠。嫌いなら、こんなになるわけないだろ」  
アロエの抗議を無視して、レオンが分身をもう一度握らせた。  
火傷しそうな熱さを感じて、ほっぺをぽーっと赤くしながら、アロエがうっとりと呟く。  
「おにいちゃん…、ほんとに、こ…こーふんしてるんだ…?」  
「ああ、めちゃめちゃ興奮してる。大好きなアロエが、あんまりえっちすぎだから」  
「ア、アロエも、いっしょ…。だいすきなおにいちゃんだから、アロエ、こーふんして…いっぱいえっちに、  
なっちゃってる…」  
レオンとアロエはまた見つめあい。  
次のステージへと移った。  
 
「アロエ…。いいよ…な?」  
「う、うん。…レオンお兄ちゃん。アロエのはじめてを…、も、もらってください」  
言うと、アロエが自分から足を開く。  
尿と愛液で充分すぎるほど潤った、アロエの花弁。  
 
──本当に、大丈夫かな…。  
 
いまさらなことを、レオンはつい考えてしまう。アロエのそこは小さくて、自分のものが入るかどうか  
疑問だった。  
が、アロエの不安げなまなざしに気づき、覚悟を決める。  
「俺もはじめてだから、力の加減がよくわからないんだ。…だから、痛いときははっきり言ってくれ。  
アロエの…苦しい顔って、あんまり見たくないからさ」  
「う、うん。…よ、よろしくお願いします…」  
「ああ…」  
レオンは両手を伸ばして、割れ目をゆっくりと押し開く。  
サーモンピンクの襞、その中心に、挿入すべき穴が見えた。濡れた愛液が光って、最高にいやらしい。  
 
アロエの身体が、ぴくんと震える。気持ちいいみたいだ。  
それを確かめてから、レオンは分身の先端を真ん中の穴にあてがった。  
「アロエ…、行くからな…」  
アロエがこくんと頷く。レオンはゆっくりと腰を押し出す。  
亀頭が入る。アロエが、眉間にしわを寄せる。  
シャフトが半分沈む。アロエが、唇を噛んだ。  
「大丈夫か、アロエ…?」  
埒もない質問。痛いに決まっている。当たり前だ。  
なのに、痛みに耐えながら、涙を浮かべながら、アロエはけなげに頷いた。  
「うん…。大丈夫だから、アロエを、最後まで…」  
どうしようもない愛おしさが、レオンの中にこみあげる。  
苦しい時間を、長引かせたくない。  
「ああ…、…行くぞっ…!」  
ずずずっ、と、レオンは腰を突き出した。  
 
一瞬の、肉の抵抗。  
レオンの分身は、それを一気に押し割り、ぷつっと引き裂いた。  
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! ひっ、ぐっ……んんんーっ!!」  
アロエは涙をこぼしながらも、悲鳴を飲みこんで、破瓜の瞬間に耐える。  
直後、レオンの巨大な肉棒は、全部がアロエの中に収まっていた。  
最大の山場を越えて、レオンの両手がアロエの脇につく。  
二人とも、呼吸を荒くしていた。  
「おれたち…ひとつになったな」  
息をととのえながら、レオンが呼びかける。  
「うん…。アロエ、嬉しい…」  
えへへ、と、目尻の涙をぬぐう。それから、  
「お兄ちゃん、動いていいよ…。アロエの中で、気持ちよくなってください」  
と、自分から腰を動かしてきた。  
破瓜の血が、シーツの上に点々と染みを作っている。  
ものすごく痛いだろうに、恋人をいっぱい満足させたくて、無理にそんなことをしているのだ。  
次の瞬間、レオンは思わずアロエを抱きしめていた。  
 
そして、言った。  
「アロエ…、愛してる」  
「お兄ちゃん…」  
腕の力をゆるめると、レオンはゆっくりと分身を出し入れする。  
血と愛液に濡れたシャフトの、カリ首が見えるまでずずずっ…と引く。  
そこから、同じ速度でじりじりと押しこむ。  
そのくり返し。  
単調な作業だというのに、  
「うあっ……!」  
アロエの膣内(なか)は、声が抑えられないくらい気持ちよかった。  
肉の襞がウネウネとペニスに絡みついてくる。押しこめばぐぐっと広がるくせに、抜こうとすると吸いついて  
離さない。  
 
──もっと、速く動きたい…!  
 
焦げつきそうなほど熱い欲望を、かろうじてこらえる。  
そんなことをしたら、アロエが痛がるだけだ。  
できるなら、このけなげな女の子を、なんとか気持ちよくしてやりたい。  
 
レオンは優しく腰をグラインドする。射精感が、潮が満ちるように迫ってくる。  
どこかもどかしい動きをくり返すうちに、アロエの反応に変化が現れた。  
「おっ、お兄ちゃん…。あ、アロエ、変っ。変なのっ」  
痛がるだけだった声に、甘いものが混ざる。  
 
──ずぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅっ…。  
 
ペニスを通じて、アロエの中が潤ってきたことがわかった。  
「き…気持ちいいのか、アロエ?」  
快感をこらえながらレオンが訊く。  
「うん…うん、うんっ…! アロエっ、なんだかっ、気持ちいいっ…! お兄ちゃんの熱いのが、とっても  
甘いのっ…!」  
まちがいない。  
アロエは、次第に感じてきていた。  
証拠に、膣内の襞が、レオンの動きにあわせてきゅきゅっと蠢く。  
 
「うっ、く…」  
先程までとは比較にならない快楽に、レオンが思わず呻いた。  
すると、アロエから腰を動かしてくる。  
「おっ、お兄ちゃんっ。もっと、動いて…いっぱい、えっちになってっ…!」  
「ああっ…、アロエも、えっちに…!」  
レオンは、腰の動きを一気に速めた。熱く、固く膨張しきった先端が、アロエの内側を開拓する。  
やがて、そりかえった亀頭が、アロエのざらついた天井を思いきり擦りあげたとき。  
「ふああっ!? そっ、そこっ!?」  
アロエがひときわ大きな嬌声をあげた。  
ぎゅぎゅ、とペニスを締めあげられて、レオンは気づいた。  
「そっか…。ここがアロエの弱点なんだな? 責めて欲しい場所なんだな…?」  
「う、うんっ! アロエ、そこがいいのっ…! お兄ちゃん、アロエをっ、アロエをいっぱいいじめてっ…!!」  
快感に従順となった、アロエのはしたないおねだり。  
「アロエの、すけべ」  
わざとストレートな言葉で責めると、レオンは恋人からのえっちなリクエストに応えた。  
 
ざらついた部分に亀頭をこすりつけ、小刻みに腰を動かす。  
強弱をつけたり、緩急を加えたり、ねぶるように責め立てる。  
「ああああっ! お兄ちゃんっ、そこっ、いい…いい、いい、いいっ!!」  
快楽のツボをピンポイントで集中攻撃され、アロエは素直に悦びの悲鳴をあげた。  
あまりの可愛さに、レオンはあやうく射精しそうになる。  
それをなんとかこらえ、グラインドを続行した。  
アロエが感じてくれている。だったら、登りつめるのは一緒に。  
「アロエ…、アロエ、アロエ、アロエ、アロエっ…!」  
「お兄ちゃん…、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃんっ…!!」  
お互いを呼びあう。そうやって、どうしようもなく大好きな気持ちをぶつけあう。  
「あんっ、お兄ちゃあぁん…。アロエ、気持ちよすぎてダメになっちゃう…お空に、お空に飛んじゃうぅっ…!」  
「ああ…おれもっ…!」   
レオンとアロエが、お互いの両手を握る。ぎゅっと握りしめる。  
手のひらの熱さとともに、お互いの愛情が通いあった。  
二人は同時に、絶頂を迎えようとしていた。  
 
「お兄ちゃんっ…! アロエ、頭がまっしろになっちゃう…お空に飛んで、落ちちゃうっ! お、落ちちゃうよ  
おおぉぉぉーっ!!」  
幼くて淫らで色っぽい、アロエの絶叫。  
その膣が、ぎゅぎゅぎゅっ…と締まった。  
絶妙すぎる強さの締めつけは、レオンの限界を突き崩した。  
レオンが、叫んだ。  
「──ア、アロエっ、好きだ…愛してる…!!」  
「うんっ…アロエもっ、大好き!! だから、最初はっ、中に…!」   
アロエの細い足が、レオンの腰に絡む。  
その勢いで、レオンの分身は一気に子宮口まで飲みこまれた。  
今までで一番の快感が、アロエとレオンの全身を甘く貫く。  
そして、ついに──。  
「ふああっ!? あっ…あああっ…あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ────っ!!!」  
「うっ…くっ…!!」  
レオンとアロエは、同時に絶頂を迎えた。  
のけぞるアロエの子宮に、レオンの熱い白濁液が勢いよく叩きつけられる。二度、三度、四度。  
「す、すごい…。お兄ちゃんが、アロエのお腹にいっぱい…嬉しい」  
「ア、アロエ…」  
 
はあはあと荒い息をつきながら、二人は絶頂の余韻に浸った。  
少し経って、レオンがぬるっと肉棒を引き抜く。精液と愛液と尿と…赤い血。  
罪悪感がレオンの胸に湧くが、それを、抱きつくアロエの感触が消した。  
「えへへ、お兄ちゃん…」  
幸せそうな声。にぱーっと明るい笑顔。  
温かいものが、レオンの胸の中を満たす。  
 
──この子を好きになって、良かった。  
 
心の底からそう思った。  
ここで、アロエがおずおずと提案してくる。  
「レオンお兄ちゃん。今日、泊まっていってくれる…?」  
「ああ。リディア先生には見つからないように、な」  
レオンは頷いて、アロエを優しく抱きしめた。  
恋人どうしの甘い時間は、静かに過ぎていった。  
 
 
一ヶ月後。  
「で・す・か・らっ! 早くなんとかして下さいませっ!!」  
放課後、シャロンの怒鳴り声が、職員室の中に響く。  
「そう言われても…困りましたねぇ」  
頬に左手をあてて、リディア先生はのほほんと応じた。  
シャロンがむーっと唸る。  
「困ってるのはこっちですわ! そうでしょ、ルキア!?」  
「…………」  
クラスメイトの視線を受けて、ルキアは無言で頷いた。  
元気ハツラツ、という表現がぴったりと似合うルキアだが、今はなぜだかしおらしくて、  
顔が赤い。  
ついでに言えば、シャロンの目の下にはクマができている。  
それでも気品が失われないあたり、シャロンの美少女度は半端ではない。  
さて、なぜこの二人がアカデミーの職員室、それも男性教師陣のいなくなった職員室に  
いるのか。  
リディア先生は、その理由に目を向けた。  
 
ガラス窓の向こう、校庭側を、「理由」が歩いている。  
レオンとアロエ。校内黙認となった「らぶらぶカップル」だ。  
『レオンお兄ちゃーん、今日もクイズの予習しよっ?』  
『だーっ! アロエ、だから人前で腕を組むのはマズいって!』  
『だってぇ…。こうしないと、他の女の子にとられちゃうもん。お兄ちゃん、すごく  
モテるんだよ?』  
『他の子なんて知るかっ! 俺が好きなのはアロエだけだ!…って、やばっ』  
『……。えへへ、アロエ、嬉しいっ!』  
『ば、ばか、抱きつくなって! 誰が見てるかわからないだろ…?』  
『別に、見られてもいいもん。アロエは、レオンお兄ちゃんが好き。好き。大好き』  
 
…いや、実に素晴らしいバカップルぶりである。  
シャロンの細い肩がワナワナと震えた。  
親の仇でも見るように、リディア先生を睨みつける。  
「とにかくっ! レオン君を立入禁止にしてくださいませっ! このままじゃ、今夜もあんな  
ことやこんなことを…!」  
目を血走らせて、シャロンが拳を握った。  
そう。シャロンとルキアが職員室に来ているのは、それが理由だった。  
この一ヶ月、だいたい二日に一晩のペースで、レオンがアロエの部屋に泊まっていくのである。  
目的はもちろん、恋人として当然の行為──愛の営みだ。  
特に最近四、五回は、最低3ラウンド(注:レオンが射精する回数。アロエの絶頂は、少なくとも  
倍以上)はこなすため、部屋が両隣のシャロンとルキアは、すっかり寝不足ぎみだった。  
 
なにしろ、  
 
『きゃふっ…。お兄ちゃんの舌がっ、アロエの中っ、溶けちゃううぅっ…』  
 
『い、嫌ああぁぁぁっ…。アロエのおもらし、見ないでえぇぇぇ…』  
『アロエは悪い子だな。どんどんえっちになってる』  
『ア、アロエ、すごくえっちだもん。お兄ちゃんとすると、気持ちいいんだもん』  
 
『お、お兄ちゃんっ! お願いっ、そこっ、いいの、いいのっ! アロエっ、アロエぇぇっ……』  
『わかってる…ここ、アロエの弱点だもんな』  
『こんな格好、ダメえぇぇ…。アロエ、お兄ちゃんに犯されてるうぅぅ……』  
 
『お兄ちゃんっ! アロエ、飛んじゃうっ! お空に飛んじゃうっ!!』  
『ああ、俺も…飛びそう…!』  
『外はっ、外はダメなのっ! アロエ、お兄ちゃんを中で感じたいっ…!!』  
 
…などなど、とろけきった声を何度も何度も何度も聞かされているのだ。眠る方が無理というもので  
ある。  
 
そんな事情がこもったシャロンの訴えに、リディア先生は熱っぽく「ほう…」とため息をついた。  
「止めてあげたいのは山々なんですけど、恋人どうしの邪魔をするのも…。ねえ、アメリア先生?」  
「え? は、はいっ」  
いきなり水を向けられて、アメリア先生が反応する。  
ひとつ咳払いをすると、眼鏡をくい、と押し上げて、シャロンとルキアを見た。  
「あなた方の言い分はもっともですが、これといって立入禁止の口実がないんです。レオン君もアロエさんも、  
つきあい始めてから成績がグンと伸びてますし」  
それは事実である。この一ヶ月で、レオンもアロエも、成績はトップに肉薄している。  
だが、事実ゆえに腹が立つということも、世の中にはあるわけで…。  
 
「納得行きませんわ!」  
シャロンはバン、と机を叩いて猛抗議した。  
「わたくしたち寮生には、共同生活者として安眠の権利があるはずです! あのようにふしだらな会話と行為は、  
迷惑千万ですわ!」  
至極もっともな御発言。顔を赤くしたままのルキアも、無言で同意する。  
すると、リディア先生はくすりと笑った。妙に黒い笑顔だった。  
「迷惑千万──ですか? ふふっ、本当のところはどうなのかしら。まさか、楽しんでたりはしませんよね?」  
「────っ!」  
シャロンとルキアの顔が、同時に真っ赤になる。  
完璧に図星だ。  
シャロンもルキアも、愛しあうレオンとアロエの会話に耳をそばだてて、自慰にふけっていたのだ。  
ふたりとも、レオンに…淡い想いを抱いていたから。  
 
 
シャロンの方は、四つん這いになり、お尻を高々と突き出すような姿勢で。  
 
『タイツははいたままが…、殿方は興奮すると…んああっ!?』  
 
『あっ、はぁっ…ん…。わたくしの胸が好きだなんて、う、嬉しいですわ…』  
 
『あんっ…レオン君、わっ、わたくしっ、そこを摘まれると…いいっ…!』  
 
『そっ、そうですのっ。わたくし、えっちですの。かき回されて…ああっ! ふ、ふしだらな  
女ですの…』  
 
『んああぁぁっ! 弱点だなんてっ…、勃起だなんて、意地悪な言い方…しないで下さいませ…!』  
 
『わたくし…わたくしっ、感じすぎてっ! ああああっ、宙に浮いてしまいます…! レオン君…  
レオンくぅんっ…!』  
 
 
 ルキアの方は、校内一豊かなバストを寄せあげるように揉みしだきながら。  
 
『レオンのばかっ…胸ばかり、いじめないでよぉ』  
 
『あっ、だめっ、だめっ、剥いちゃ…擦っちゃ…あふっ…』  
 
『わたしがえっちなのはっ、全部レオンのせいなんだからっ。レオンが上手な…せいなんだからぁっ…!』  
 
『やあぁぁ…。広げちゃ、いやっ…お尻をいじっちゃ、いや…んんんっ!?』  
 
『言ってっ、もっと言ってっ。ルキアのこと、えっちですけべだって、言ってっ……!』  
 
『そんなに激しく、舐めないでえぇ…。わ、わたし、こんなっ、すぐにっ、飛んでっ!』  
 
アロエほどではなくとも、それに近い回数、オナニーによる絶頂を迎えていたりする。  
「…まあ、自分の胸に手をあててみれば、すぐにわかるでしょうけど」  
相変わらずのほほんとした口調の、リディア先生。  
シャロンもルキアも、どことなーく全てを見透かされているような気がした。  
だから、  
「まあ、もうしばらく様子を見ましょうか。処分は、それからでも遅くはないでしょう?」  
と訊かれると、頷いて退散するしかなかった。  
二人の足音が聞こえなくなってから、リディア先生がアメリア先生に話しかける。  
「青春、ですねえ。ミランダ先生は容認派ですけど、アメリア先生はどうなんです?」  
「えっと…、その、わたしは…」  
口ごもるアメリア先生。  
リディア先生は、さっきとよく似た黒い笑みを浮かべた。  
「アメリア先生は、否定派と推進派の両方かしら? 寮の見回りはありがたいですけど、  
覗きに夢中なのは感心しませんよ。示しがつきませんからね」  
「────!!」  
アメリア先生の頭が、ぼんっと音を立てて真っ赤になる。  
大正解だった。  
 
レオンとアロエの営みも、シャロンとルキアの秘め事も、アメリア先生は一部始終、ぜーんぶ  
覗いていたりする。  
あわあわと両手を振って、アメリア先生は混乱した。  
「ど、どどどっ、どうしてそれをっ!?」  
リディア先生はにこにこと種明かしをした。  
「彼女たちがいるのは、わたしの寮ですよ? 防犯用の監視魔法は、二十四時間休業日なしで  
かけてあります」  
「あ……!」  
「ま、犯罪だとまでは思いませんけどね。でも、教え子の男の子に惹かれるのは、自重した方が  
いいですよ」  
「う、うー……」  
ぐうの音も出ない様子の、アメリア先生。  
もしかすると、自分の部屋でレオンをおかずにイケナイ行為に没頭していたことも、ばれているのかも  
しれない。  
そう思うと、全身がカーッと熱くなる。  
アメリア先生は三歩ばかりあとずさると、  
「そ、そうだ、わたし、校内の見回りに行ってきますっ」  
あからさまに怪しい口調で、そそくさと職員室から退散した。  
 
ぽつんと一人になる、リディア先生。  
ため息をつくと、腕を枕にして机に顔をのせた。  
「はあ…。わたしも、あまり他人のことは言えませんね」  
悲しげな顔で、そっと呟く。  
「レオン君の、ばか。先生の気も知らないで」  
リディア先生の頬が、拗ねたように少しふくれた。  
「ずっと告白できなかったわたしが、一番悪いんだけど…。レオン君……」  
その甘くて切ない言葉は、誰も聞くことはなかった。  
 
レオンとアロエの姿が、リディア寮へと消えていく。  
今日もまた、マジックアカデミーの一日が終わろうとしていた。  
                              
                         
─おしまい─  
 

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