アナタだけには。  
   
 コンコン、と自分の部屋をノックする音が聞こえた。その瞬間を待ち望んでいたように、マラリヤは  
立ち上がった。  
 …セリオスだ。  
 扉を開けると、そこにはサラサラの銀髪をもつ同級生(恋人と言ったほうが正しいだろうけど)セリ  
オスが立っていた。  
 「…入って」  
 「うん」  
 セリオスを招き入れて一緒にソファーに座った。そっと身を寄せると、彼も優しく抱き締めてくれて  
髪を撫でてくれた。  
 「マラリヤ、どうしたの?」  
 我慢していた涙が溢れ出す。普段は少し自己主張の強い彼だけど、自分にだけ向けてくれる温かい言  
葉。  
 尚も無言のマラリヤに、セリオスは顎に手をやって自分の方を向かせた。  
 涙で目が潤んでいて彼の顔がよく見えない。堪えようとすればするほど、次から次へと涙が頬を伝う。  
 「セリオス…」  
 そのまま彼に口吻た。触れた唇がとても温かくて、目眩がした。そっと舌を差し入れると、彼の舌と  
絡みあって何ともいえぬ快感がマラリヤの中を駆け抜けていった。   
 唇が離れると、セリオスはマラリヤの涙を拭いながら尋ねた。  
 「マラリヤ、何があったのか、話して」  
 勿論、涙には理由があった。  
   
今日の午後の学問の天体の授業。前回のペーパーテストの結果が返ってくる授業だった。学問は自分  
の領域と言ってもいい程の教科。100点も容易に取れる。…筈だった。  
 「マラリヤ」  
 ロマノフ先生が自分の名前を呼びあげた。解答用紙を受け取る。しかし、席に戻って結果を見たマラ  
リヤは愕然とした。  
 結果は、満点からはほど遠い73点。アカデミーでも(学問では)今まで取ったことのない点数。  
 予想外の出来事に、しばらくどこで間違えたのかも解らなかった。完璧に解答した筈なのに。  
 落ち着いて解答用紙を眺めてみると、惑星の名前を内から順に答えるという、実に単純な問題を、解  
答用紙に1つズレて記入してしまったらしい。後半の問題にじっくりと取り組みすぎたせいか、全く視  
野に入っていなかった。こんな単純ミスをするなんて、自分自身に腹が立った。(レオンやタイガまで正解していた、ということもあるかもしれないが)  
 その日の午後の授業は全く頭に入らなかった。こんなこと、誰にも言い出せる筈もなく。  
 …惟一人、こんなことを打ち明けられるのは、愛すべき人、セリオスだけ。  
 彼に全て打ち明けて、そして甘えさせて欲しかった。  
 
 「そう…そんなことがあったんだ」  
 涙声で話し終えると、セリオスは優しく髪を撫でてくれた。  
 「だから…セリオスに…縋りたくて…」  
 こんな一面を見せたのも、きっと今日が初めて。いつも皆の前では冷静な自分を演じているけど、本  
当はいつも彼に頼りたくてしょうがなかった。  
 「マラリヤ、よく聞いて」  
 そっと顔を上げると、涙の向こうでセリオスは微笑んでいた。  
 「完璧な人なんて、この世にいないよ。人は誰だって失敗したり、躓いたりするんだから。マラリヤ  
の気持ちもよくわかる。得意な教科だもんね。でも、その失敗をいつまでも引きずるのは駄目。たまた  
まなんだから、気にしてたらもっと続いちゃうよ。だから、元気出して。いつもクールなマラリ  
ヤでいてよ。ね?」  
 「セリオス…」  
 彼の言葉に、また涙がぽろぽろと零れる。  
 「…ありがとう」  
 「ううん。なんか偉そうなこと言ってごめん。…でも、マラリヤの泣いたところ、初めて  
見たかも」  
 「…余計なこと…言わないで」  
 ふふっとお互いに笑って、啄むようなキスを交わす。  
 「セリオス…ベッド…行こう」  
 「うん。…立てる?」  
 彼の手を握って立ち上がった。1人部屋にしては大きすぎるベッドに、マラリヤは自分から仰向けに  
倒れ込んだ。  
 
「今日のこと…全部、忘れたいの。だから…」  
 セリオスも上から覆い被さってくる。  
 「滅茶苦茶に、して…」  
 「マラリヤ…」  
 その言葉に完全にセリオスの理性は溶けてしまった。先刻よりも激しく口吻て、マラリヤの胸をカー  
ディガンの上からまさぐる。そこまで大きくはないが、綺麗な形をしたマラリヤの胸にセリオスはいつ  
も狂わされる。  
 「ん、んぅ…。あ…はぁ…」  
 唇を離すと、マラリヤが遠い目でセリオスを見つめていた。  
 「全部…脱がせて…」  
 「ちょっと急ぎすぎたね、ごめん」  
 カーディガンのボタンを外し、ハーフパンツを降ろす。そして薄手の長袖も剥ぎ取る。下着に包まれた  
形の良い胸が姿を現した。マラリヤもセリオスの服を脱がせ、2人はほぼ全裸に近くなった。  
 「体、起こせる?」  
 「ええ…」  
 ブラのホックを外すと、マラリヤの形の良い胸が露わになった。その胸にセリオスは手を伸ばす。  
 「あぁ…ん」  
 軽く触れられただけなのに、体中を電流が通り抜けて行ったようだった。次第に強みを増していくセ  
リオスの愛撫がとても心地よかった。抑えようもなく甘い言葉が流れる。  
 「くぅ…。セリオス…気持ち、いい…。あぁんっ」  
 「マラリヤ、すごく綺麗。ね、もっと可愛い声聞かせて」  
 首筋に温かいものが触れる。またゾクリとして、セリオスの背中に爪を立てた。いつもより酷く敏感  
に感じる愛撫に悶えた。  
 
 「だめっ…ああ…はぁ…も、もっと…」  
 「…マラリヤは、ここが一番敏感なんだよね」  
 意地悪な言葉を投げかけ、セリオスはまだ攻められていないのに勃ち上がった乳首をくわえた。  
 「あぅっ…!セ、セリオスっ…。いやっ…」  
 舌先で転がされ、手では揉みしだかれ、どんどん自分が欲情していくのが解る。理性が遠のいていく。  
前戯だけで、こんなに感じてしまうなんて。  
 「あんっ…あぁっ!き、気持ち…いいっ…!はぁん…んぅ…」  
 唇を塞がれ、声にならない声が次々と口から出てくる。もう彼に縋っていないとおかしくなりそうで  
、思い切りセリオスを抱き締めた。下半身に硬い物を感じて、彼も燃え上がっているんだなと感じた。  
 「ひゃぁっ…ん、んん…ああ…」  
 「んっ…マラリヤ…」  
 彼の手がお尻に触れたのを感じた。下着を降ろされる。もう充分に潤ってしまった秘所に、思わず赤  
面した。やがて、そこにセリオスの細い指が入ってきた。  
 「…っ!ああっ!だ、だめよ…あっ、あぁんっ…」  
 「…すごい。まだ触ってないのに、こんなに濡れてる」  
 「だって…気持ち、いいから…」  
 荒い呼吸をつきながらマラリヤは応える。セリオスはもう1度軽く唇と唇を合わせ、指先をくちゅり、  
とマラリヤの中に忍ばせた。  
 「やっ…そんな…ふあっ…」  
 くちゅくちゅと卑猥な音が耳に届く。それを恥ずかしく思う間もなく、快感が体の底から込み上げて  
くる。それはきっと、性的なものだけでなく、セリオスに愛されているという嬉しさからも来ている。  
 
 「中もすごく濡れちゃってる。ね、気持ちいい?」  
 「すごく、すごく気持ちいいっ…!あ、あああっ!」  
 「マラリヤ、入れてもいい?僕も…欲しくて欲しくて堪らないんだ」  
 「ええ、来て、来てっ…!」  
 半分うわごとのように叫ぶと、脚を彼に向かって広げる。もう恥ずかしさなど通り越していた。  
 「…いくよ、マラリヤ」  
 「あっ、ああっ!」  
 ぬるりと彼の物が入ってきて、マラリヤの膣と結びついた。ゆっくりと前後運動を始め、2人は無我  
の境地に入った。  
 「うっ…気持ち、いいよ…」  
 「わ、私もっ…!あっ、あっ、あっ…!」  
 お互いに抱き合い、体を密着させる。彼と1つになっているという実感に、マラリヤは心から打ち震  
えた。セリオスがいて、本当によかった。  
 抜き差しの度に、自分の胸が揺れているのがわかる。それをセリオスの手が捕らえ、強く揉みしだく。  
そして、段々彼の動きが速さを増して行く。  
 普段の生活の中では、こんな一面を自分で見つけることも恐らく出来ないだろう。何も隠さず全てを  
さらけ出せるのは、彼の前だけ。  
 
 「セ、セリオスっ…!気持ちいい、よぉっ…!もっと…激しく、してっ…!」  
 「マラリヤ、エッチだね。でも、すごく綺麗」  
 息を繋ぐのに必死になっていると、背中を支えられてゆっくりと体を起こされた。今度は私が彼の上  
になっている。彼の動きに合わせて、自分も腰をくねらせた。  
 「うっ、ああ…そんなに締めないで、マラリヤ…」  
 「だ、だってっ…!あ、あああっ!わ、私、なんだか…もう…」  
 激しさを増していくピストン運動に、絶頂を迎えようとしていた。このままセリオスと一緒に果てて  
しまいたい。室内は2人の荒い息と耳に残る卑猥な音とで満たされていた。  
 「あんっ、あんっ…!いいわ、セリオス…。好きっ…!」  
 「僕もだよ、マラリヤ…。くっ…」  
 「ねぇ…一緒に、いこう…!んうっ…」  
 「うんっ…!いくよ、マラリヤっ!」  
 「き、来てぇっ!あ、あぁっ!もう、だめっ…!」  
 「マ、マラリヤっ!」  
 「セリオスっ!ああっ!あああぁぁぁっ!!」  
 快楽という深い深い海の中に、2人は落ちていった。聞こえるのは荒い息づかいだけ。漸く落ち着く  
と、マラリヤはセリオスの胸に顔を埋めた。  
 「…ありがとう」  
 「ううん。元気出してね、マラリヤ」  
 「…はい」  
 まだ彼に愛されているという余韻の中で、セリオスの温もりを感じながらそっと目を閉じた。  
   
 これからも、時々は甘えていいですか?  
 

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