ミランダ「エロパロスレの象徴、ミランダが当スレをスウィートにほっしゅーーーとっ!」  
 
 
マロン「……ミランダ先生、いつエロパロの象徴になったの?」  
ミランダ「ん?保健の先生って、エロの代名詞じゃないかしら?」  
マロン「……。まぁ、若くて人妻で保険医なら、ストライクゾーン三つ位貫いてるけど。自分で言うほど、エロパロにされてないのだ」  
ミランダ「それはアレね。余りにもエロ向きなキャラ設定且つエロい立ちグラの為に、みんなドキドキして遠慮してるのね」  
マロン「……ただ単に扱いづらいだけじゃn  
ミランダ「ほっしゅーーーーーとっ!(ごちん」  
マロン「ん”に”ゃっ! せっ扇子で殴るとわっ!? っていうか鉄扇!? それ鉄扇!?」  
ミランダ「うふふ、頭部に未知なる衝撃でしょう?」  
マロン「未知なる世界に旅立ちそうになったのだ……。不意打ちとは卑怯ナリ」  
 
ミランダ「さて、という事でよく見ると、貴女もあまりネタにされてないのではなくて?マロン先生」  
マロン「……わたしは別に……。エロはエロゲだけで充分なの。わたし自身は、そういうのはいらないから……」  
ミランダ「あらあら。ずいぶんと弱気ね。貴女も魅力的なんだから、ちょっと頑張れば、男の子の一人や二人」  
マロン「いらないの! ……わたしはどうせ、年増とかババアとか言われて、そういう対象になんて入ってないから……」  
ミランダ「あらあらあら。まぁ確かに殺人鬼的立ち位置に定着しつつあるけど、貴女も女の子なのにねぇ〜」  
マロン「女の子って歳でもないけどね」  
 
ミランダ「あ。丁度いいところにレオン君が。おーい、レオンくーん」  
レオン「何スか、おっぱいせんs  
ミランダ「ほっしゅーーーーーとっ!(ざくくっ」  
レオン「ひぁうぇぁっっ! チっチクチク!? 扇子の先端のフサフサがチクチク!? ってか先端のそれ針金!?」  
ミランダ「うふふ、お顔に未知なる衝撃でしょう?」  
レオン「……お顔が傷モノになりました。もうお嫁に逝けません」  
ミランダ「んふふふ、そうね。でも、このマロン先生がレオン君をお嫁に貰ってくれるって」  
マロン「に”ょわっ!?」  
レオン「……。え〜…、だってマロン先生、殺人鬼且つ鬼婆じゃn(バール  
マロン「いいのだ!! もういいのだっ!! どうせわたしは殺人鬼でババアなのだ!! もうそれでいいのだっ! うええぇぇーーーーんっ!!」  
ミランダ「あ〜らあら。癇癪起こしちゃってもー。……レオンくーん、生きてる?大流血で保健室一帯が雛見沢ゾーンよ?」  
レオン「先生……保健担当なら観察してないで助けて……あぁ…体力ゲージが……もう…」  
ミランダ「あら。まだおしゃべりする元気があるのね。えいっ☆えいっ☆(げしげしげし」  
マロン「ああっもっもうやめて! とっくに彼のヒットポイントはゼロよっ!」  
レオン「ふ……、まだ……俺のバトルフェイズは……終了していないぜ……」  
ミランダ「この虫野郎がっ!(げしっ」  
レオン「……ぐふっ」  
マロン「ミランダ先生! もう色々やめて! ネタ丸パクリよっ!」  
 
ミランダ「さて。完全に息の根を止めたところで、本題に入ります」  
マロン「今まで前座だったんだ……」  
ミランダ「マロン先生、瀕死のレオン君を介抱してあげて」  
マロン「………ぇ……?」  
ミランダ「うふふ。ここいらで、男の子に女性らしい良い所を見せて、鬼婆の汚名を払拭してしまいなさいな」  
マロン「えっ、えっ!? 何それっ!? てってかわたし、今までアニゲーばっかりで治療とか応急処置とか何も……!」  
ミランダ「あ、あー、あれね。もう文字数足りないから。続きはWEBで。」  
マロン「うぇっWEBって何さ!? てかいまここまさにWEBだよっ!?」  
ミランダ「じゃ私行くから。颯爽と帰宅するから。帰ってポリフォニカ観るから。がーんばってねーーーん……」  
マロン「なっ何そのマニアックチョイスの深夜アニメ! てかあああ行っちゃった! ホントに行っちゃった! 何これ! どうすんのこれ! どーすんのっ!? 続くぅぅっ!」  
 
 
 
 
「あーぁ……ほんとに続いちゃったよ…」  
 
 保健室の天井を仰いで、ため息を一つ。  
 両腕の中には、血まみれぐったりのレオン。  
 また一つ、私のため息が保健室に響く。  
「ぴーんち。わたし、ぴーんち」  
 呟くが、それで何がどうなるわけでもない。  
 
 どうにかせねば。  
 私が、どうにかせねば。  
 私も彼を殴ってしまったから。私にはこの子を介抱する責任が、ある。  
 ……ってかあの保健婦め。ほんとに放置していくなんて。  
 
 心の中で悪態を吐く。吐いたところで、やっぱりどうにかなるものでもないのに。  
 今ここでレオンを放置して誰かを呼びにいったところで、医学の知識の無い者ばかり。たらい回しにされた挙句、病院に担ぎ込まれるのだろう。  
 それでは、きっと、間に合わない。  
 だって、出血量が半端ない。  
 
 ひょっとしたらこれ、やヴぁいよ。体温低下してってるよ。マジ救命病棟24時だよ。レスキュー911だよ。  
 今更ながら、事が重大な局面あることを認識した。  
 ……まじでー……ほんとー…? ど……ど、どうしよう……あぁぁ〜…  
 
 ―――とっとにかく!   
 途方に暮れていても仕方ない。先ずは頭からぴゅっぴゅ出てる血を止めないと……。  
 
「包帯包帯ぐーるぐる♪ぐーるぐるぐるぐーぐるまっぷ!衛星写真は便利だねーっ♪」  
 陽気に歌いながら、レオンの頭に、包帯を巻いてゆく。  
 そう、陽気に。限りなく陽気に。  
 
 ……だって。  
 陽気にしていないと、潰れてしまう。  
 不安で、潰れてしまう。  
 今、この子の命は、私の掌の上で、陽炎の様におぼろげに彷徨っているから。  
 繋ぎ止めないと。私が、この子の命を。  
 
 レオンの頭を、きゅっと抱く。  
 腕の中から、どんどん抜け落ちてゆく、暖かさ。  
 この子の命の暖かさ。  
 ……失わせるわけには、いかない。  
 
「止血よし……」  
 何とか止まった。命が流れ出るのを防ぐ事が出来た。  
 でも、まだ安心できない。  
 この子の体温が、依然下がったままだから。  
 温めないと。  
 どうすればいいのかわからないけれど、温めないといけないと思った。  
 
 身体が小刻みに震えている。  
 その震えは、彼のもの?  
 それとも、私のもの?  
 ……わからない。それすら、わからない。  
 ええい、落ち着け、私!  
 
 ベッドに寝かせよう。  
 少しでも暖かくできるなら、何でもしなければ。  
   
 そこで、彼の制服が血に濡れている事に気付く。  
 血液は体温と同じだが、体外に出れば、冷えるのではないか?  
 その冷えた血液に塗れた制服は、脱がさなければならないだろう。  
 
 ……え、まぢ、で?  
 自分の辿り着いた結論に、畏怖する。  
 脱がすの?全身に血が付いてるから、全身脱がすの?まっぱ?真っ裸?まぢで?  
 
 ―――ええええい!恐れるな私!  
 今更男の裸が何だ!BL本で見慣れてるじゃないか!エロゲでもたまに描画されてるじゃないか!  
 …………でっでっでも……実物は、おとうちゃんの風呂上がりフ○チンしか見たことがなかったりする。  
 だって、私の見た目がこんなだから、今まで彼氏とかそういうの何も無かったもん!そんなのいないもん!  
 どうせ腐女子だもん!変な趣味の変態しか寄って来なかったんだもん!いいもんいいもん!どらゑもん!  
「のぉ〜び犬くぅ〜ん……」  
 
 ……自分でもパニック状態なのが手に取るようにわかる。というか口と手と脳が上手く連動していない。ばらばら。  
 口で妙なセリフを延々呟きながら、手で制服を一枚一枚剥がしてゆく。  
 脳内では、幼い頃変態おぢさんに声を掛けられて連れ去られそうになった数々の想い出が、甘酸っぱくフラッシュバックする。  
 
 そんなカオスがしばし続き、  
 レオンは、とうとうパンツ一丁になった。純白ブリーフ。まりもっこり。  
 
 ちょっとクラクラする。  
 マンガやエロゲで見るより、実際の男性の肉体は、とても逞しく、思わず縋ってしまいそうになるほど頼り甲斐があった。  
 危機的状況にある事も忘れ、しばし見惚れてしまう。  
 首筋の筋肉。胸筋。腹筋。  
 無意識のうちに、それらに、人差し指を這わせていた。  
 指でなぞる度に、レオンは小さな声で呻く。  
 私の指の動きに合わせて、彼は身じろぎをする。  
 依然体温は低いままだが、多少の動きが見て取れて、少し安心した。  
 同時に、私の身体の奥底が、じん、と火照るのを感じる。  
 今までに経験したことの無い感覚。なんだろう、これは。  
 
 ……いけない。こんな事をしている場合じゃない。この子を温めなければ。  
 我に返り、レオンをベッドへと運ぶ。  
 重くて持ち上がらないので、床をずりずりと引きずりながら運んだ。背中に擦り傷が出来ただろうけど、それはカンベン。  
 
 ベッドに辿り着き、彼の身体を横たえる。  
 すぐさま掛け布団をかけてから、様子を窺った。  
 
 表情は穏やかになったと思う。  
 ―――だが依然、体温が元に戻らない。  
 
 布団を掛けてもダメなら……ダメなら……っ!?  
 ……脳裏に、雪山で遭難した人間の行動がフラッシュバックする。  
 
 …………人肌ですかぁ!?  
 …………人肌で温めるんですかぁぁっ!?   
 

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