夏の恒例怪談大会。
夜中の教室にみんなで集まり怪談話で盛り上がる企画だ。
始めのうちはタイガやヤンヤンのネタ怪談で和やかなムードだったが、サンダースの軍人仕込みの怪談やマラリヤの素で怖い話が続くと皆が青くなっていく。
そして今…
「もうやめてくれ〜っ!!」
「どうした?まだまだ続くけど」
「あ…あひ…きゅ〜。」
「わ〜っ!?クララっ!!」
「ぼ…ぼくもうだめ…」
「も〜あたしトイレいけな〜いっ!」
セリオスが呪詛を唱えるが如く怪談を続けて皆が阿鼻叫喚の渦に巻き込まれていた…。そんな中…。
「ふ…ふん。まだ序の口ですわ。」
明らかに体を凍り付かせながら余裕を装うお嬢様がいた。しかしこのお嬢様そんなにタフではなく…
「で…ですが私はそろそろ眠くなってしまいましたわ。残念ですけど…先に失礼させていただきますわ。」
完全に逃げ腰。強がっても耐えられないと判断したらしい。全く素直じゃない。
「…もう寝るんか?ほな気ぃつけや…」
「え…ええ」
そそくさと退散したシャロン。それと同時にセリオスが…
「じゃあ続きを…」
「休憩!!休憩しよ!!うん意義なし!!」
話す前にルキアが強引に流れを切った。
(ナイスルキア!)
皆同時にそう思った。
「ひぃ…なぁ」
休憩という名の安息。タイガはレオンに声をかける。
「ん?」
「シャロン…1人で大丈夫か?」
レオンは少し考える。
あの言動にしては明らかにおびえている挙動。強がってはいるがすぐ折れる。そんな状態だった。
「まぁ心配ではあるけどな…」
「せやろ?誰か部屋まで連れ添ったった方ええんちゃうか?」
「今からか?…じゃお前がいけよ」
ぶんぶんと首を振るタイガ。
「すまん…さっき俺情けないけど腰抜けてもうたわ。」
「お前…怖いのだめだっけ?」
「あ…あれは特別や!ほれ、行ったれや!!」
理不尽に感じながら半ば強引に追い出されるレオン。
「はぁ…俺…フられてもうたもんなぁ。」
レオンを見送りタイガがポツリと言った。
「昔惚れた男のおせっかいやけど。シャロン…お膳立てぐらいはさせてや?」
夜中の学校。月明かりがぼんやりと光る廊下。張りつめた空気。妙に響く足音…。
「うぅ…こ…怖いですわね…」
やっぱり怖かった。このお嬢様素直じゃない。
「…やっぱり、戻ろうかしら?」
しかし今戻ったところでセリオスの怪談が待っている。それは嫌だ。
「…思い出すだけで、うぅぅ…」
ふらふらとした足取りで部屋へ向かう。そんな時…
カツ…カツ…
(…え?)
立ち止まる。急に足音が増えた。
カツ…カツ…
(こっちに…来る?)
もはや恐怖に囚われて足が動かない。足音はすぐ近くまで来ている。
そして。
ポンポン
「よぉシャロ…」
「ひっ…きゃあぁぁぁぁぁっ!!」
「い゛っ!?」
予想外のことに驚く声の主。それは紛れもなく…レオンであった。
「おいっ!オレだよオレ!!」
「あっ…あぁ…ぅ…」
その場にへたり込むシャロン。そして…水の音。
シャアァァァァ…
「…え?」
「うぅっ…ひっく…ぐす…ふぇ…」
安堵のあまり泣き出したと同時に失禁してしまったらしい。
レオンは更に焦ってしまう。
「あっ…いや…その…ごめん!」
「ふぇぇん…ひっ…ひっく…」
「…こりゃ参ったな。」
レオンとしては完全にタイガに厄介を押しつけられた気分だ。とりあえず後で殴っておこうか?
いや今はそれより…
「とりあえず、誰か呼んで…」
来ようとしたが脚を捕まれた。
「おいて…いかないで…」
「………」
「ひとりにしないで…おねがい…ぐすっ…ですわっ…」
涙ながらの素直な懇願に流石に置いていくわけにはいかなくなってしまった。
「とりあえず…立てるか?」
立ってもらわなくてはどうしようもない。しかし…
「………」
無言で首を振る。腰を抜かしたのか。
「…ああっ、しょうがねえっ!!シャロン、少し我慢してくれよっ!」
「えっ…ひゃっ!?」
宙に浮くシャロンの身体。レオンが抱きかかえる形、俗に言うお姫様だっこである。
彼自身女性の身体に触るのには慣れていないのだが…そんな事言っている場合ではない。
「ひとまず女子トイレに行くぞ。そのままじゃ気持ち悪いだろ?」
「えっ…ええ…」
「うっし、飛ばすぞ!!」
シャロンを抱きかかえたまま走り出す。
廊下の水たまりは…後で何とかしよう。それより今は…
「大丈夫か?」
「………ええ。」
この儚い少女をなんとかせねば。
女子トイレに着くなりハァーッと息を吐くレオン。
「もう…立てそうか?」
「あ…ええ。」
既に泣き止んだシャロンはレオンに抱かれた余韻でまだポーッとしている。そのせいか返答がさっきから一本調子である。
「…ソックスとパンツ脱いで。それでだいぶ変わるだろ。」
「えっ…!?」
「あっ!いや、流石に後ろ向いてるから安心してくれ!」
「あっ…そっ、そうですわよね…」
気まずい。目を堅く閉じるレオンの後ろからパサッと布地が落ちる音がする。
「もう…いいか?」
「…いいですわ。」
振り向くと生足を露わにしたシャロン。その側には湿ったニーソックスとショーツが…
(…いかんいかん)
ついつい下着にまで目が行っていた。悲しき男の性である。
「じゃあ、部屋まで歩いていけるか?」
「………」
しかしシャロンは下を向いてもじもじしている。
「…どした?」
「…ですわ」
「え?」
「脚…ベタベタして気持ち悪いですわ…」
レオンは呆れてしまう。このお嬢様、予想以上に繊細だ。
「じゃあ拭けばいいだろ…」
「…誰のせいでこうなってしまったのかしら?」
「それは怪談に怯えトイレに行ける状況じゃないのにさっき麦茶をガバガバ飲んでたシャロ…」
しかし続きは咳払いに止められる。
「…俺だ。」
「なら…責任を取って下さる?」
断ってもややこしくなりそうなので素直に従う事にする。
「あぁ…どうやって…?」
「…拭いて」
「…へ?」
「ですから、拭いて下さるかしら…?」
…マジ?
この娘は自分が何を言っているかわかっているのだろうか?
「ちょっ…待て!それってつまり…」
「早く…してくださるかしら…?」
「で…でもよ…」
レオンは流石にたじろいだ。拭くのは尿。つまり…
「み…見ちまうぞ…?」
ただでさえ下着を付けていないのにいいのか?
こんな行きずりのクラスメートに…
「……構いませんわ」
「ほんとに…俺で…?」
いまいち踏ん切りがつかないレオンにしびれを切らしシャロンはポソリと呟いた
「好きでもない方に…こんな事…頼みませんわ…」
「えっ…」
間接的な告白。
突然のことにレオンの頭の中は真っ白になった。「…あぁ。そう…か。」
そう答えるのがやっと。
「………」
それきりシャロンは黙ってしまった。
改めて向かい合う。
黒の制服のスカートから白い脚がのびる。まだ少し湿り気を帯びたそこはなかなか扇情的である。
「じゃあ…拭くぞ?」
トイレットペーパーを適当に丸めてそっと脚に当てる。
「んっ…」
「ん?」
「…何でも、ないですわ。」
乱暴にせぬよう柔らかく当てゆっくりと滑らせながら水分を取っていく。
最初は気が気でなかったレオンも慣れてしまえば集中してくる。
「んふ…はぁ…」
「…大丈夫か?」
「えっ!?…平気ですわ。続けて…」
だが気づいていた。拭く場所が上の方に近づくにつれ明らかにシャロンの息が乱れてきている。
「…そうか」
今ちょうど内腿の辺り。シャロンの反応を見たレオンはだんだんシャロンを愛おしく思うと同時に強い悪戯心を抱いてきた。
黙々と拭き続けるレオン。しかしさっきまでと違い動きに緩急をつけたり刺激を与えたりと少し反応を楽しみ始めた。
「…ここだな……よし。」
しかも彼は集中してるためシャロンとしては何と言うべきかわからない。
「んっ…あ…れ…レオンさん…?」
「ん…どした?」
「そ…そこはもう…」
「…そっか。じゃあ…オシマイっと。」
急に拭くのを止めペーパーをゴミ箱に投げ捨てる。
「えっ…!?」
「もう大丈夫だろ?」
レオンはニヤリと笑い言った。
「しっかり感じちゃう余裕もあるみたいだしな?」
「っ………!?」
バレてないと思ってたのか。ピクッと身を震わせる。そこにつけ込み少し意地悪に問いただす。
「それとも…もっとフキフキして欲しいのかな?シャロンお嬢様?」
「うっ…ぅぅ……」
図星。みるみる赤くなるシャロンの顔。そのまま黙って俯いてしまう。
暫く顔を赤くしたまま俯いていたシャロンが顔を上げた。まだ赤い。
「ま…まだ全部拭き終わってませんわ…」
「あれ…そうだったかなぁ?」
わざとらしくすっとぼける。もちろんわざと。
「そ…その…す…スカートの…中…とか……」
「…拭いて欲しいのか?」
意地悪な質問。シャロンはそれに対しゆっくり頷く。
「そうそう、人間素直が一番…っと」
「ひゃっ!?」
急にスカートをめくり上げられる。濡れた秘所が外気に触れてひんやりとした。
レオンは思わず生唾を飲み込んだ。
「………」
「いっ…いきなりなんて…」
「…スカート押さえててくれよ」
生で見るそこは予想以上に興奮する。レオンは必死に本能を押し殺していたが限界が近い。油断すると今すぐにでも目の前の少女を押し倒してしまう…
「…綺麗、だな。」
「ぅ…そんなこと…言わなくても…」
目の前の女性器は毛が薄くまだ幼さが残る。だが返ってそれがシャロンらしいと思った。
新しくペーパーを適当に丸めて優しく押し当てる。
「んっ…ふぁ……」
「じゃあ…早いところ終わらせるぜ?」
レオンとしては大変な事態になる前に早く終わらせたい。そのため迅速に事を済ませたい。
しかしその手は意志に反しまるでじらすかのように秘部を避けてしまう。
「ひっ…、あ…あぁん……」
「………っ!」
下唇を噛みしめ本能を抑える。いよいよレオンの手は恥丘へと向かう。
すっかり濡れ雄を受け入れる状態となったそこは彼の自制心を狂わせる。
「くっ……!」
黙って唇に力を込めそこにペーパーを当てる。そしてゆっくりと拭きながら刺激していく。
「ひゃんっ!?あ…そこ…だめっ!」
自制心が揺らぐ。
もっと聞きたい。
もっと喘がせたい。
そして手がクリトリスに伸び、先端に触れた。
「やっ…もう……んぅっ!?あ…あぁぁぁぁんっ!!」
シャロンは絶頂に達した。だがレオンはまだ満足しない。じかに触りたい…欲望が更に深まっていく。
シャロンが、欲しい。
「はぁぁ…ふぅ、あぅ…」
脚に力が入らずへたり込むシャロン。目の前ではレオンが息を荒くしていた…
「なぁ、シャロン…」
「…な、何かしら…?」
「ごめん、俺…もう我慢できねぇ。シャロンが…欲しい。」
「えっ…!?」
自分が慕う人が欲情している。自分に。断る理由はなかった。
「…ど、どうぞ…受け取って…下さい…」
「…サンキュな」
先ほどまで自分が拭いていた所に顔を潜り込ませる。間近で見る女性器からは頭をくらくらさせる臭い。
そこに舌を這わせる。
「ひぁあっ!舌っ…した、きもちいいっ!」
せっかく拭いた所は愛液と唾液ですぐにビチャビチャになる。だが今は関係ない。ただ感じる。それだけでいい。
「レオンさんっ!もっと…もっとメチャクチャにしてぇっ……!」
寝乱れるシャロンは普段より一層官能的だった。
レオンはもはや本能を抑えようとはしなかった。この声を、この味を、心行くまで堪能したかった。
クリトリスを舌でつつく様に刺激する。ピリピリと刺激が伝わってくる。
「はぁんっ…レオンさん、もう…もうっ!」
「いいぜ…イっちゃえよ。」
舌の中で転がすと今までよりも強い刺激がシャロンに襲いかかる。
「んふっ…んっ…ふあぁぁぁぁっ!!」
二度目の頂点。もはやシャロンの頭の中はとろけきっていた。
「ぷはっ…可愛い顔するんだな。」
シャロンは紅潮したまま照れくさそうにポツリと呟く。
「………わ」
「ん?」
「こんな顔…レオンさんにしか見せてあげませんわ…」
その言葉に胸を締め付けられたレオン。そろそろ狂ってしまいそうだ。
「シャロン…その、もう大丈夫か?」
レオンの股間を見て次の展開が容易に想像できた。むろん男を迎え入れるのは初めてである。
だがシャロンは拒まない。愛しい人に全て捧げると決めたから。
「…ええ。心も…身体も…あなたに捧げますわ。」
恥ずかしそうに制服をゆっくり脱ぐ。その光景はレオンを更に高ぶらせた。
「じゃあ…痛かったら言ってくれよ?」
「………」
無言で頷く。シャロンは緊張していた。脚を少し広げ迎え入れる。
その中にレオンが少しずつ入ってくる。
「んっ…くうぅ…!」
「だ、大丈夫か?」
初めての痛み…それは生やさしいものではない。
「平気…ですわ、最後まで…入って…」
うっすら涙を浮かべ痛みに耐えるシャロン。奥へ入る度痛みが強くなる。
そして身が裂けるような激痛。悲鳴が口から出てくる。
「くぁっ…あうぅぅぅっ!!」
「っ!?」
心配になり動きが止まるレオン。しかしシャロンの手が彼に触れた。
「へ…平気…わたくしは平気ですから…最後まで…」
「…そうだったな。」
そのままゆっくりと挿れていき更に奥、子宮壁に到達する。荒かったシャロンの息も少し落ち着いた。
「はぁっ…はぁ…」
「動いていいか…?俺…もう我慢できない…!」
「えっ…ぁ…あうっ!」
シャロンの中で再び動き出すレオン。さっきよりも激しく…
「いっ…あぁっ!いつ…んっ……ふぁっ…」
「くっ…!すげぇ…!」
喘ぎ声に甘さが混ざってくる。徐々に快楽を感じる余裕が生じてきたシャロンは身体をレオンに委ね必死に絡みつく。ニチャニチャと結合部からいやらしい音が響く。
「はぁっ…!もう…もうっ…らめぇ…レオンさぁん……!!」
「うっ…俺も…そろそろ…!」
度重なる絶頂に感じやすくなったシャロンと堪え続けていたレオン。二人とも絶頂が近い。
「一緒に…一緒にイこうな?」
「ええっ!レオンさんっ……最初は…最初は中にっ……!!」
「あ…ああっ…出る!」
シャロンの膣でレオンがビクンと震え、熱いたぎりを打ちつける。
「ひぁっ…ぁ……ふぁぁぁぁぁんっ!」
激しい前後運動を繰り返し、二人はほぼ同時にイった。
結合を解くと膣から血と精液が混ざって垂れて出てきた…
「うぅ……まだ痛いですわ。」
「だからごめんって言ってるだろ…」
「レオンさんが乱暴にするからですわ!女性はデリケートなんですから…」
月明かりが輝く廊下。しかしシャロンの恐れていた気配はもうない。
股の痛みで歩けそうもないシャロンを抱え二人先ほどのことを語り合う。
「…でも、そんな俺を好きになったのお前だろ?」
「うっ…!うぅ…」
反論できない。真実だからだ。
「ま…俺も、シャロン好きになっちまったから…」
「っ…、卑怯ですわ…」
ぷいとそっぽを向いてしまう。
「…あ、いけねっ、忘れてた!!」
「え?何を…んむっ…」
二人は唇を重ねる。思えば行為中一度もこうしてなかった。改めて恋人同士になった証として…二人はその感触に酔いしれる。
「へへっ、これからも…よろしくな?」
「は……はい…。」
シャロンは顔を真っ赤にして静かに頷いた。
一夏のある夜の出来事。淡い月明かりが一組の新しい恋人たちを祝福していた…
おわり