ちゅ……ぴちゃ…
しゅるしゅる…ぱさっ…
夜もふけたアカデミー生徒寮内のドア越しに、かすかな衣擦れと水音が聞こえてくる。
薄くない戸や壁を隔てても聞こえるほどの―
「んぅ…はぁ…んっ…ユ……ユリ…だめえ…そんなしたら…ぁっ…」
「ふぁ…んむ……ふふ…そんなこと言って、ホントはしてほしいくせに……ねっ? エッチなルキア?」
深く口付けを交わし、互いの肌に触れ合う、二人の美少女の姿があった
睦言を交わしていたのは、紅いショートの髪に耳元で飾りを着けた、翡翠色の瞳の少女と
透き通るような蒼く長い髪をポニーテールにまとめた少女
学内でも仲良しで有名な活発少女二人組、ルキアとユリであった。
相部屋だから二人っきりになっていても不自然ではないものの、その行為は単に友達同士で嗜む範囲を超えているのも事実である。
「やだ…意地悪……だってだって…ユリが…
大好きなユリがしてくれるんだもん…ふあ…また……んんっ…」
「もう…そんな目で言うの反則だよ? ルキア…
よしよし、いい子……あたしも大好きなルキアをたくさんよくしたげるからねっ…」
制服の布地越しにルキアの胸元に手を伸ばすユリ。
それが合図であるかのように、二人の影がより一層縮まり、重なった
(…いつから、こうなっちゃったかな…)
詮のないことをふと思うユリだったが、すぐにそれは目の前の愛らしい少女の艶かしい吐息にかき消された