「ど、ど、どうしたの?…クララちゃん」  
ユウくんの問掛けではっと気が付いた。  
私…何をしているんだろう。  
彼の首に手をかけている。  
でも、絞めていない。  
なのに、不満…。  
「ねぇ…何があったの?」  
眼前のユウくんがおどおどしながら、私の腕を掴む。  
「言って…僕に教えて…クララちゃん‥悲しいことがあったの…?」  
何でかなぁ…。  
ユウくんを好きな子がいるから?  
ユウくんが私から離れることが嫌だから?  
どちらにしても、私には答えが導くことが出来ない。  
「‥…苦しいんだよね」  
────多分、苦しい。  
この気持ちに付ける名前を私は知ってるいるようで知らない。  
「そうだよ…ね‥?」  
「うん……苦しいよ‥」  
私は頷く。  
本当に苦しいから。  
「…クララ‥ちゃ」  
 
何故か涙が溢れる。  
眼鏡が雫で見辛い。  
ユウくんはそっと私の眼鏡を抜き取ってくれた。  
「でも、どうして私が苦しいか解る?」  
やっと、私だけに答えが解った。  
「ユウくんが悪いんだよ‥‥私がこんなに」  
嫉妬している。  
誰に?  
────未だ見ぬ女の子に。  
私の手はユウくんの首を絞めようとしている。  
逆にユウくんはあらがうことをしない。  
いいのかなぁ?  
否定はつまり、肯定。  
ユウくんが暴れないなら、いいよね。  
そうよ…このまま、ユウくんの首を絞めて、私も‥。  
「こんなに──────」  
「‥ぅ…ん!」  
──ユウくんと一緒に…死んでもいい。  
 

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