タイガ「そんなん言うても例えば、
夜、寮の周りを散歩してたらべろべろに酔うたアメリア先生に会うて、
『ヤッホー。こんな時間に、もしかしてデートの帰り?ひゅーひゅー』
『違いますって。先生は…酔ってますね。またマロン先生達と飲んでたんですか』
『そお。女の先生達から、ねちねちねちねち攻撃されてさあ』
腕を振り上げたはずみでアメリア先生はよろけた。
仕方なく手を貸してやり、手をつないで寮への道を歩く。
『恋人がいなくたっていいじゃないのよー。出会いがないんだもーん。
今は生徒達の方が大事なんだもーん』
『そんなに思っていただいて、生徒としては感激です』
半ばおどけて言うと先生は露骨に口を尖らせて、つないだ手を前後にぶんぶんと振った。
『でも生徒にとっては教師の苦労なんて知ったことじゃないのよね。
雷の恨みの方が大きそうだし。全員と平等に接するのも、これでなかなか大変なのになぁ』
『一クラスって結構人数多いですもんねー』
『特別扱いしたくなる子だっているのになぁ』
『へー、そりゃ成績優秀な生徒は贔屓したくなるでしょうねぇー』
『…放課後何度も練習してた箒の実技試験にやっと合格したり、
グループ発表で人一倍頑張って資料を集めてきた子は、褒めて頭をなでてあげたくなっちゃうし、
かと思うとスピードを出しすぎて箒に振り回されてたり、発表のまとめがあまりに壮大すぎて
班の皆に呆れられてたりする子、馬鹿ねって抱きしめてあげたくなっちゃう…のに』
先生は足を止めてこちらを見る。
いつの間にか、耳まで真っ赤に赤面していた。
『教師になって、あなたと出会えたことが一番嬉しいし、あなたのことが、一番大事よ』
『えっと…』
『だから、寮までおんぶして行きなさ〜い!』
悪戯っぽく目を輝かせて、楽しげに背中に飛び乗ってくるアメリア先生。
なんてことがあったら好きになってまうやろ?」
レオン「ならない」
セリオス「ならんな」
カイル「ならないと思いますねえ」
ラスク「無理」
ユウ「ごめん…あんまり…」
サンダース「馬鹿馬鹿しい」
タイガ「そんな…と思ったけどまぁアメリア先生なら俺もならんわ」