長かった夏休みも終わりに近づき、アカデミーの生徒の大半はどっさりと残った宿題に追われている。  
勿論それは無計画にだらだらと遊び続けてしまった当然の代償である。  
行為には、全てそれ相応の代償という物がある。  
 
当初は立派な賢者を夢見てアカデミーに編入してきた女子生徒、ユリも例外なくその1人だった。  
気の合う仲間達との楽しい一時に時間の流れを忘れて遊びほうけてしまった彼女は1人、自室で頭を抱えていた。  
 
「困ったなぁ・・・どうしよう。まだこんなにたくさん残ってるよぉ・・・。」  
私の目の前に広がる白紙のままのレポート用紙。  
「他の皆はどうしてるのかなぁ。もしかしてこんなにやばいのって私だけ!?」  
割と得意分野のレポートはそこそこ完成してはいるものの、  
苦手分野の、特に学問のレポートに関しては全くの手付かずだった。  
「こうなったら誰かのレポートを写させてもらうしかないよね。うん、私って頭いい!」  
うん、ちょっとお願いすれば写させてくれるよね?  
代わりに私のレポートを見せてあげれば問題なし!  
 
「えーっと・・・学問と言ったらやっぱりマラリヤだよね。」  
彼女の学問の知識は相当な物だと聞いている。  
時にはロマノフ先生ですらびっくりさせちゃうほどのレベルだとか!  
「でも・・・マラリヤってちょっと苦手なんだよね。」  
苦手とはいっても、決して嫌いというわけじゃない。  
私がマラリヤに抱いている感情・・・。  
それはなんだかよくわからない。  
初めてマラリヤと会ったのは私がアカデミーに編入してきた直後。  
物憂げで、神秘的な雰囲気を漂わせている彼女に私の心はすぐさま釘付けになってしまった。  
話しかけたい、仲良くなりたい・・・と何度も思った。  
でも、いざ話そうとすると胸がドキドキして・・・。今までまともに話すことが出来なかった。  
こういうのって・・・恋・・・なんていうのかな。  
女の子が女の子に恋しちゃうなんて・・・やっぱ変だよね・・・?  
でも、それでも・・・やっぱりこの気持ちは止められないよ・・・。  
 
よーし、今日こそは!レポートを見せてもらうことをきっかけに仲良くなっちゃうんだから!  
うん、レポートもばっちり、マラリヤとも仲良しになれちゃう!ナイスアイディアだね!  
「えーっと、マラリヤはロマノフ寮だったよね。」  
他の寮を尋ねるなんて事は初めてなので緊張しちゃう。  
でも、別にけんかを売りに行くとかやましいことをしに行くわけじゃないから背筋を伸ばして堂々としていよう!  
マラリヤに会ったらまず何て声をかけようか・・・?  
「おーっす!レポート写させてちょんまげー!」  
って、これじゃ馴れ馴れしすぎだよね・・・。  
「こんちあー!あのさ、学問のレポート写させてくれない?お願いっ!」  
うーん、一番私らしくて無難かな?よし、これにしよう!  
 
コンコン、とマラリヤの部屋のドアをノックする。  
ドキドキして待つこと数刻。  
しかし中から反応は返ってこない。  
「あれ・・・留守なのかなぁ?」  
もう一度コンコン、とドアをノックしてみる。  
「・・・。」  
やっぱり返事は返ってこなかった。  
「折角勇気を出してきたのに留守なんてついてないなぁ・・・。」  
このままここで引き返してしまったらもう駄目な気がする。  
私は、意を決してドアノブをつかんでまわしてみた。  
「・・・!」  
キィィィ、と木製のドアは鈍い音を立てて開いた。  
「カギ・・・かけ忘れたのかな・・・?」  
部屋の中は明かりが灯されたままだ。  
つい先ほどまでマラリヤがここにいたような空気が漂っている。  
「あのー・・・ユリだけど・・・マラリヤ?居ないの?」  
やはりそれでも返事はない。  
・・・ここでよせば良いのに生まれ持った好奇心の強さからか、私は部屋の中へ吸い込まれるようにして入って行った。  
 
「へぇ・・・これがマラリヤの部屋なんだ・・・。」  
みるからに怪しい実験器具がずらーっと並んでいる。  
理科室でよくみるようなホルマリン漬けも・・・。  
「うあぁ!」  
人の生首みたいな物が目に入った。  
「つ、作り物だよね。驚かさないでよ・・・もう・・・。」  
一方反対側には可愛らしい人形やぬいぐるみが所狭しと並べられている。  
「あ、そういえばマラリヤってアロエと同室なんだっけ・・・。」  
前に一度、アロエと手を繋いで歩いているマラリヤの姿を見かけたことがある。  
そのときの彼女はこれがあのマラリヤなのか、と疑ってしまうほど優しく微笑んでいた。  
アロエだけに向けられるその笑顔。  
私は何故かそのとき無性にアロエに対して攻撃的な衝動を覚えた。  
自分にも、あんな風に優しく微笑んで欲しい。そして・・・  
「って、ああ。私は何を考えてるんだろ・・・。」  
ぶんぶん、と今考えていたことを振り払う。  
「そうだ、この部屋に来た目的・・・。」  
マラリヤのレポートを写させてもらおう!  
別に盗むわけじゃないし大丈夫だよね?減るもんでもないしね!  
そっと、マラリヤの物であろう机に近づく。  
その机の上に無造作に並べられたいくつかのレポート用紙。  
「やったぁ!ビンゴっ!」  
つい先ほどまで執筆をしていたのか、表面のインクがまだ完全に乾ききっておらず光沢を帯びていた。  
「えっへっへ〜♪大量大量♪」  
早速持ち込んだ自分のレポートにマラリヤのレポートを書き写す。  
「うわぁ、難しいことがびっちり書いてある・・・。やっぱマラリヤって頭いいんだなぁ・・・。」  
細かく、そして丁寧なマラリヤの書いた文字。  
雑でお世辞にも綺麗とは言えない自分の字と比べると本当に美しい。  
「マラリヤの書いた字・・・綺麗だな・・・。」  
ってぇぇ、私はなんで文字にすらドキドキしちゃってるの!?  
でもでも、あのマラリヤが書いた文字だと思うとそれだけで・・・。  
 
こつん。  
「・・・ん?」  
不意に、足元で何かがぶつかった。  
「なんだろ・・・これ。」  
私は机の下に落ちていた円筒形の物を拾い上げた。  
「え・・・これって・・・?」  
その形はどこかで見たことがあるものだった。  
そう、秋になるとよく八百屋さんでべらぼうな値段で売られている・・・  
「マツタケ・・・?じゃないよね・・・。」  
黒くて、てらてらと光り輝くそれは明らかに食物ではない。  
「も・・・もしかして・・・これって・・・!」  
地上にいるときに読んだことのある少しえっちな本に載っていたこれって・・・!  
「男の人の・・・あそこの形をした・・・おもちゃ・・・?」  
本物の男性器なんて生で見たことはない。  
だけど今この手にあるそれはあまりにも生々しくて、まるで本物の男性器を握っているよう・・・。  
そしてなによりも・・・  
「これ・・・マラリヤが使ってるのかな・・・。」  
そう考えると下腹部の辺りがじんじんと熱を帯びてきた。  
 
「すごい・・・こんな大きいの、体の中に入っちゃうんだ・・・。」  
どくん、どくん、どくん。  
心臓が鳴っているのが自分でも理解できる。  
「これが、マラリヤの中に入って・・・そして・・・ああ・・・。」  
かぷっ、とそれをくわえてみる。  
「ああ・・・私、マラリヤの中に入ったものをくわえてるんだ・・・。」  
すっと、手が自然にスカートの中へと伸びた。  
伸ばした指にぬちゅり、とした音とともに感触が伝わった。  
こんな風にして下着をすぐに汚してしまい、今日は最後の一枚を洗濯籠に放り込んでしまったためぱんつは穿いてない。  
「ぁ・・・」  
いつも部屋で独り慰めているときよりも気持ちいい・・・。  
「ねぇ・・・マラリヤ、これ、私の中に入るかな・・・?」  
妄想の中のマラリヤは私に優しく微笑みかける。  
ちゅぷっ、ちゅぷっと模造男根を舐めまわして唾液でぬるぬるにする。  
「うん・・・。怖いけど・・・入れてみるね・・・。」  
ぴちゅっ、と先端を膣口にあてがった。  
「ゆっくり・・・腰を下ろして・・・。」  
まだ穢れを知らない膣の入り口が、それを飲み込もうと懸命に広がる・・・。  
 
「ただいま〜♪」  
「・・・!」  
そのとき、少女の嬉しそうな声がドアのほうから聞こえた。  
「アロエ、外から帰ったらまず手洗いうがいよ。」  
「はーい♪」  
続いて自分が強く想いを寄せるこの部屋の主、マラリヤの声も聞こえた。  
 
ど、ど、ど、ど、どうしようぅぅぅ!!!  
こんな現場見つかったら・・・もう口利いてもらえないかも!  
ううん、それどころで済めば良いけど・・・  
下手したら・・・マラリヤに・・・こ、殺されちゃうかも・・・!  
もやもやしていた気分はサーッと引いて急に現実に引き戻される。  
とにかくどこかに隠れなきゃ!  
「あ!」  
すぐそばに丁度身を隠すことの出来そうな大きさのクローゼットが目に入った。  
私はとっさにクローゼットを開け放ち、その中へ身を隠した。  
遅れること数秒、マラリヤたちが部屋にやってきた。  
「鍵をかけ忘れていたみたいだけど・・・特に泥棒に荒らされたりとかはないみたいね。よかった。」  
「もーう、マラリヤお姉ちゃんは心配性なんだからぁ。」  
「ふふふ・・・ここには二人の秘密が沢山あるから・・・。」  
「も、もう!恥ずかしいよ・・・マラリヤお姉ちゃん・・・。」  
「アロエ・・・。」  
「んっ・・・。」  
 
・・・!  
忍び込んだクローゼットの隙間から覗いた光景に思わず絶句する。  
二人は抱き合って口付けを交わしていた。  
初めは静かだったが次第に激しさを増してお互いの舌をねちょねちょと貪りあいはじめた。  
「お姉ちゃぁ・・・ん・・・。」  
「はぁ・・・アロエ・・・。」  
 
あ、あ、あ、ありえなーい!  
何なのあの二人!こんな・・・こんな・・・  
「キス・・・なんてしてるとこ初めて見ちゃった・・・。」  
心拍数が再び上がっていく。  
そして股間の辺りにとろっとした感触が走る。  
「や・・・なんで・・・私、女の子同士のキスで興奮しちゃってる・・・?」  
私もあんな風にマラリヤに口の中を蹂躙されたい・・・。  
「あ・・・。」  
つーっと、愛液が太ももを伝わって流れ落ちた。  
「だ、駄目・・・我慢できないよ・・・!」  
慎重に、音を立てないようにして手を湿ったあそこへと伸ばす。  
 
「ねぇ・・・マラリヤお姉ちゃん・・・そろそろ・・・。」  
「ええ・・・脱がせてあげるわ・・・。」  
慣れた手つきでアロエの服をするすると脱がしていくマラリヤ。  
傍から見るとお母さんが娘をお風呂に入れる直前のようだ。  
「あっ・・・!」  
膨らみかけたアロエの胸にマラリヤがしゃぶりついた。  
「駄目だよお姉ちゃん・・・!ああっ!」  
「アロエはいつも私の胸を吸っているでしょう?だからたまには私にも吸わせて・・・」  
 
ああ・・・アロエの奴・・・羨ましいよぉ・・・  
私も・・・私もあんな風にマラリヤに吸ってもらいたい・・・  
 
「アロエ変になっちゃうよ!やめてやめて!」  
「アロエはおっぱい大きくなりたくないの・・・?吸われると大きくなるのよ。だから我慢しなさい・・・」  
「えっ・・・?マラリヤお姉ちゃんみたいに大きくなれる・・・?」  
「ええ、きっとなれるわ。私の胸だってアロエに吸われて大きくなったでしょう?ほら・・・。」  
「うん・・・アロエ我慢するね・・・♪」  
 
この二人は・・・部屋が同じなのを良い事に毎日こんな・・・こんな事を・・・?  
このことが教師達に知られたら一発退学で寮も追い出されるんじゃ・・・?  
「ああ・・・。」  
とろとろと愛液が溢れてきてとまらない・・・。  
狭いクローゼットの中は既に私のかいた汗と愛液の匂いで充満しているのがわかる。  
この匂いが外に漏れちゃってないかな・・・。  
ああ・・・でも・・・気持ち良いよ・・・。  
指が止まらない・・・クリトリスをぬるぬると包皮の上からこすっていると足の土踏まずの辺りがとても熱くなって気持ちが良い・・・  
 
「ねぇ、お姉ちゃん・・・そろそろあれ・・・欲しいな・・・。」  
「アロエはいやらしい子ね・・・いいわ、あれをあげるわね・・・。」  
 
つかつか、とマラリヤがこちらへ向かって歩き出した。  
 
「机の下においてあったはずだけど・・・あら?」  
いや!こないで!見つかっちゃう!  
「何かしら、私のレポートの横に誰かのレポートが・・・。」  
「・・・!」  
しまった!  
どどど、どうしよう!  
私が書き写していたレポートは机の上に置きっぱなしだったよぉぉ!  
「これは・・・私のを書き写そうとしたのかしら?」  
「・・・お姉ちゃん?どうしたの・・・?」  
「アロエ・・・服を着なさい。どうやら子猫が迷い込んだみたいよ。」  
クローゼットの隙間越しに、にやりと妖艶な笑みを浮かべるマラリヤの横顔が見えた。  
 
「・・・!!!」  
声にならない悲鳴をあげた。  
叫び声をあげられるのなら大声で叫んで逃げ出したかった。  
でも今の私はそれすら出来ない。  
マラリヤに、私という侵入者がいることを気付かれてしまった。  
「さて・・・子猫ちゃんはどこに隠れているのかしらね・・・。」  
アロエがもぞもぞと服を着てマラリヤの元へやってきた。  
「ねぇ、気のせいじゃない?それかもう帰っちゃったとかさぁ。アロエ早く続きしたいな・・・。」  
「駄目よ・・・。私たちの秘密を知った人間は生きて返さないわ。」  
アロエには優しく語り掛けてはいる物の、その言葉に込められた意味は・・・本物だ。  
「・・・!!!」  
見つかったらどんなことをされるんだろう・・・  
全身の体液を抜かれたり、おなかを裂かれて内蔵を取り出されたりしちゃうのかなぁ・・・。  
私の首もあのホルマリン漬けのコレクションにくわえられちゃうのかなぁ・・・。  
想像しただけでがたがた震えが止まらない・・・。  
鏡がないからわからないけど多分今の私の顔は涙と汗と鼻水でぐちゃぐちゃだ・・・。  
 
「さて・・・アロエは玄関の前に立っていて。迷い込んだ子猫を見つけたら私に教えて。・・・ふふふ。」  
「はーい♪」  
ぱたぱたと玄関へと走っていくアロエ。  
これで万一にも私が逃げ出せる希望がなくなってしまった。  
「見つけたら・・・どう料理してあげましょうか・・・。ふふふふふ・・・。」  
 
「ひ、ひぃぃぃ・・・!」  
もう私が見つかってしまうのは時間の問題だ!  
ああ、神様!なんでもしますから私をここから助けてください!  
人のレポートを写そうと勝手に部屋に忍び込んだことは謝ります!  
宿題も自分一人で真面目にやりますからぁ・・・!  
 
「ベッドの下・・・はないわね。流石に。ふふふ・・・。」  
ベッドの下を覗き込んでそうつぶやくマラリヤ。  
まるで隠れている自分にわざと聞かせているようだ。  
本当はもうマラリヤは私がここに隠れていることを知っていてそれで楽しんでいるの・・・!?  
 
「冷蔵庫の中・・・だったらカチンコチンよね。くすくす・・・。」  
冗談なのか本気なのか真意がつかめない・・・!  
いやいや!お願いだからこっちへ来ないで!諦めて帰ってよ!  
迷い込んだ子猫はもうとっくに出て行ったことにしてよ!  
 
「机の下・・・だったらすぐに気付くわよね・・・。くすくす・・・。」  
遠ざかっていったマラリヤがどんどん私が隠れているクローゼットに近づいてくる・・・!  
神様ぁ!本当にお願い!いるならこの哀れな子羊を助けてください・・・っ!  
ああ、どうしてこんなことになっちゃったんだろう!  
こんなこっそり部屋に忍び込むつもりなんてなかった!  
ただちょっとレポートを写させてもらって、それでマラリヤと仲良くなりたかっただけなのにぃぃぃ・・・!  
 
「さて・・・後はこのクローゼットだけね・・・。」  
やだぁ!やだやだやだやだやだ!!  
開けないで!お願い!イヤだってば!  
もう絶対駄目!開けないで!  
「あら・・・何か匂うわね・・・ふふ・・・。」  
「マラリヤお姉ちゃん?見つかったのー?」  
「いえ、まだよ。でもクローゼットの中からいやらしい匂いがするのよね・・・。くすくす。」  
「えーっ?アロエがおねしょしちゃったシーツかなぁ?」  
「あら・・・駄目でしょう。そんなのを隠してちゃ・・・ちゃんと洗いなさい。」  
「・・・はーい。だって恥ずかしかったんだもん・・・。」  
「それは置いておいて・・・アロエの匂いならわかるわ。でも別の匂いがするのよね。・・・雌の匂いが。」  
大声で叫びだしたい衝動を必死で抑える。  
もう言葉を発しなくても心臓の音が向こうにまで聞こえてるかもしれない・・・。  
どうせばれているのなら不意を付いて飛び出して一気に部屋から逃げ出す?  
「そうだわ・・・ドアは魔法で開かないようにしておきましょう。逃げ出されたら困るしね・・・。」  
そんな・・・!私の考えていることが読まれているの・・・っ!?  
だったらもうこんないたぶるような真似はしないで早く見つけてっ!  
 
すぅっと息を飲み込んでマラリヤはゆっくりとつぶやいた。  
「クローゼットから貴女の綺麗な髪がはみ出ているわよ・・・ユリ・・・。」  
 
「あ・・・!」  
名前を呼ばれた瞬間、頭の中が真っ白になった。  
初めから、ばれていたのだ。  
マラリヤはそれを知っていて、わざと楽しんでいたんだ・・・!  
 
がちゃり、と隠れていたクローゼットのトが開けられ、まぶしい光が差し込んだ。  
 
「あ・・・あ・・・あ・・・あああ・・・。」  
目の前に、私が想いを寄せる人が立っていた。  
こんなにも愛しくて・・・そして恐ろしい人・・・。  
「あらあら・・・凄い匂い。この中で何をしていたの?」  
「あ・・・あああ・・・。」  
ふるふる、と顔を横に振ることしか出来ない。  
殺される・・・。私は間違いなく殺される。  
本能でそう感じ取っていた。  
「私たちの部屋に勝手に忍び込んで・・・あまつさえ秘密を知ってしまったからには・・・。」  
「・・ごご、ご、ごめんな・・・さい・・・。」  
嗚咽まじりで必死で紡ぎだした謝罪の言葉。  
 
「とりあえず、貴女が大事そうに握り締めているその玩具、返してくれないかしら?それはアロエのよ・・・ふふ。」  
「え・・・あ・・・。」  
さっき拾った男根を模した玩具は・・・マラリヤのではなくて・・・アロエのだったの・・・?  
「唾液でこんなにしちゃって・・・ふふ。あなたアロエの事が好きだったの?」  
「ち・・・ちが・・・!」  
「アロエ、こっちにきなさい。このお姉さんはあなたの事が好きみたいよ?」  
呼ばれててくてくとクローゼットの中で座り込む私の前にくるアロエ。  
「・・・ユリちゃん?」  
「あ・・・ち、違うの・・・!」  
「ごめんね、ユリちゃん。アロエはマラリヤお姉ちゃんのだから・・・。」  
「あらあら・・・振られちゃったわね・・・。アロエが気に入れば許してあげようと思ったけど・・・」  
「ユリちゃん、アロエの玩具でオナニーしようとしたの?変態さんだね♪」  
「・・・あ・・・!」  
変態。  
憎んでいた恋敵に、しかも年下の娘に変態と罵られた。  
「そうね・・・変態ね。変態には変態的なお仕置きが必要ね・・・。」  
「そ、そんな・・・!酷い・・・!」  
想いを寄せていたマラリヤに変態、と罵られて眼から大粒の涙が溢れ出す。  
「あら・・・人の部屋に忍び込んでクローゼットに隠れてオナニーをしちゃうような娘は十分変態じゃない?・・・くすくす。」  
「ぁぁぁっ・・・ああああ・・・うわぁぁぁ・・・」  
恥も外聞も全て捨てて泣きじゃくる・・・。  
もう私はオシマイだ。この恋は完全に潰えてしまった。  
「ねぇマラリヤお姉ちゃん。ユリちゃんのお仕置きはどうするの?クララちゃんみたいにしちゃうの?」  
「そうねぇ・・・。丁度新しい媚薬を調合しようと思っていたところだからこのコを使いましょう。」  
「わぁ♪楽しみだなあ♪もっともっと気持ちよくなれるお薬作ってね〜♪」  
「ふふ・・・さぁ、アロエはもう上に上がっていなさい。」  
「はーーい♪」  
 
「さて・・・と。」  
「!」  
がしっと髪を掴まれてクローゼットから床に叩きつけられる!  
「げほ・・・。」  
おなかを打ち付けてしまい、おもわず咳き込む。  
そしてくいっと、私の顎がマラリヤの細い指によって持ち上げられる。  
「貴女・・・勿論処女よね?」  
マラリヤの冷酷な瞳に見つめられ、何も返事が出来ない。  
「・・・答えなさい。」  
のど元に刃物をつきたてられるような鋭さで言葉をぶつけられる。  
「・・・!」  
私はただ必死に縦にうなずくことしか出来ない。  
「新しい媚薬にね。処女の新鮮な尿が必要だったのよ・・・。」  
そういうとマラリヤはどこからか細いチューブのような物を取り出した。  
「これ・・・なんだかわかる?」  
見た目はゴム製らしい半透明の細長いチューブ。  
そんなのわかるはずもない。一体何に使うの!?  
「これはね・・・導尿カテーテルと言って尿道に差し込んで膀胱から直接尿を採取するための道具なのよ。」  
え・・・?こんな太いチューブが・・・?  
「そうよ、本来は自分でトイレにいけない人の膀胱をスッキリさせるためのものなんだけどね・・・。」  
そ、それを私に入れるの・・・?そんな太いチューブを・・・?おしっこの、穴に・・・?  
「怖がらなくてもいいわ・・・貴女は幸い女の子だし。そんなに深く入れるわけじゃないわ。」  
そう言いながらマラリヤのしなやかな指は私の股間にあてがわれた。  
「もし男の人だったら尿道が長いから大変なのよ。管を入れている途中で勃起してしまう人も多いから痛みも半端じゃないんですって・・・。くすくす。」  
 
「・・・ひぃぃ・・・!」  
以前興味本位でお尻の穴に指をいれてみたことがあった。  
その時は小指ですら痛くて全部は入らなかったのに・・・  
それとさしてかわらない大きさのチューブが、おしっこの穴に、尿道に挿入されちゃうの・・・!?  
「大丈夫よ。痛いのは一瞬だから・・・。入っちゃえば楽なのよ。」  
「ん・・・んーっ!んーっ!」  
全身で拒む!いやだ、絶対に嫌だ!やだやだやだやだ!  
「大人しくしなさい・・・。」  
不意に、口がマラリヤの唇によってふさがれた。  
「ぁ・・・。」  
先ほど狂おしいほど求めていたマラリヤの唇が、私の唇と触れている・・・。  
そして乱暴に舌が押し入ってきて  
「んぅぅぅ!」  
ぬろぉっ、と口の中にマラリヤの唾液とまざった何かが流し込まれた。  
あまりの量に反射的にこくん、と嚥下してしまう。  
「あ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」  
「即効性の薬よ・・・良い気持ちでしょう?」  
「あ・・・。」  
言われて全身に力が入らなくなる。  
が、感覚だけは研ぎ澄まされたような感じだ。  
「入れるわよ・・・たっぷり味わいなさい・・・。」  
マラリヤのしなやかな指が私の小陰唇を左右に押し広げた。  
ねちゃぁっと粘質の嫌らしい音がして私の尿道口が外気に晒された。  
 
ずるっ!  
 
「い!・・・あ!ああああああああああああああああ!!」  
 
痛い!やだ、痛い!痛いイタイイタイイタイイタイ!  
針で指されたような、焼きつくような痛みが尿道から全身に巡る!  
 
「そんなに大きな声を出して・・・気持ちよかったの?」  
「ひっぐ・・・痛いよぉ・・・痛いよぉ・・・!」  
痛みのあまりに再び泣きだしてしまう私・・・。  
マラリヤがチューブの反対側の先をビーカーの中に入れた。  
ほどなくしてちょろちょろと、チューブの先から黄金色の液体が流し込まれた。  
「ほら・・・この黄色いの、全部貴女のおしっこよ・・・。」  
え・・・うそ・・・だって私、おしっこなんてもらしてな・・・  
自分の股間に刺さったチューブからどくどくと、黄金色の液体が吸い上げられているのが見えた。  
「ふふふ・・・随分たまっていたのね。こんなにたくさん出しちゃって・・・はしたないコ・・・。」  
「も、もうやだぁぁ・・・死にたい・・・死んじゃいたいよぉぉ・・・ひっぐ・・・」  
「駄目よ。折角新しい実験台が手に入ったんですもの・・・今度は簡単には死なせないわ・・・。」  
え・・・?今度は・・・?マラリヤ、一体何を言っているの・・・?  
「ふふふ・・・これだけ採取できれば十分よ。ユリ、よく頑張ったわね。ご褒美に抜いてあげるわ・・・!」  
え!?ま、待って!入れるときにあれだけ痛かったんだから、抜くときなんて・・・!  
「い・・・いやです・・・抜かないで・・・!ください・・・!」  
「あら?つけたままの方が好きなの?ユリは・・・」  
「そ・・・そういうわけじゃ・・・もう・・・もう許してください・・・帰りたい・・・帰りたいよぉぉ・・・家に・・・家に帰して!」  
「駄目よ・・・。もう貴方はここから逃げられないわ・・・永遠に私の実験台として可愛がってあげる・・・ふふふ・・・。」  
ぺろり、とマラリヤは私の頬を舐め上げた。  
 
当初の私の願いどおり・・・マラリヤに気に入ってもらえたみたいだ。  
きっかけは、本当に些細な事。  
本当に些細なことだったはずなのに、その代償は余りにも大きくて・・・。  
 
夏休みが明け、アカデミーは新学期を迎えた。  
生徒達は目に隈をつくりながら登校して課題を提出していく。  
しかしそこにユリの姿はなかった。  
ユリは夏休みのある日を境に行方をくらましてしまっていた。  
夏休みの課題が出来ずにアカデミーから逃げ出した!という噂が流れてはいるがその真相を知るものはごく僅かであった・・・。  
 
時折マラリヤの部屋から泣き声のようなものが聞こえるが皆どうせ新しい実験だろうと気に留めるものは居なかった・・・。  
 
ーおしまいー  
 
 
 

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