アカデミーが地上に降り、早数ヶ月。  
当初は天空の大陸とまったく違う様相の場に困惑していた生徒たちも、次第に慣れてきていた。  
そして、これはとある日のこと。  
 
 
愛用の箒と小さな手提げ鞄を持って、クララがある森の中へと入っていく。  
近くに民家もなく、冒険者の中では『禁じられた森』と呼ばれるそこに。  
理由は明瞭、この森に魔力が増幅されるとされる果実があるからだ。  
卑怯かも知れないが、アロエやラスク、マラリヤにまで負けてしまった先日のテストを思い出すと、手段を選んでいる暇などないと決意を固める。  
『禁じられた森』と呼ばれていることなど知らないクララは、ただ漆黒の闇に閉ざされた森を一歩ずつ進んでいく。  
落ち葉でいっぱいの道、鳥どころか獣の一匹さえ見当たらない。  
異常といえば異常だが、クララは恐怖を覆い隠すように強く箒を握る。  
 
大丈夫。私は、たくさんの魔法を覚えている。火も風も起こせる力を持っているもの。  
 
賢者に到った多くのものが抱いた過ちを、魔導師である彼女も例外なく抱く。  
自分に対する自信はあった。人一倍の努力という裏づけがあったから。  
・・・彼女がそれを過ちと知るには、少し遅すぎたが。  
 
 
クララが歩いていた道が、突如にして途切れる。  
眼前には、2、3個程の実を付けている木があった。  
 
「あった・・・えっと、・・・これがあの果実みたいですね」  
 
手の届く場所にあったひとつをもぎ取り、クララは微笑む。  
躊躇うこともせずに、それを一口かじると。  
 
「・・・美味しい!」  
 
思わず叫んでしまうほどに、その果実は美味だった。  
他の如何なる果実さえ霞むほどに、その果実は甘く、瑞々しく、そしてクララの躊躇を思考の中から消してしまった。  
一つ目を食べ終えたクララは、二つ目ももぎ取り、あっという間に食べてしまう。  
 
目的を果たし、クララが帰路につこうとした瞬間、異変は起こった。  
肢体が熱い。燃え上がるように熱い。  
魔力が急激に増幅した故の異常、ではない。  
クララは肢体中から魔力が抜け出ていくのを知覚した。  
立ち上がれないほどの倦怠感。  
異常はそれだけではなかった。  
ただ横に倒れ、体の熱が引くまで休もうと思ったクララの体に、いくつもの蔦のような物が襲い掛かる。  
 
「これ・・・・何なんですか・・・・?」  
 
言葉にさえ力が入らない。  
逃げたくても、体が、脳が、動くことを拒否している。  
必死であがこうとして、しかしクララは蔦に捕らえられる。  
数十本の蔦。大の字にされ、宙に浮いている。  
両腕、両足に蔦が幾重も絡みつき、魔法の印を刻むことさえできない。  
 
「ひぁ!?だめ、やめて、変なことしないでください・・・」  
 
ぼろぼろと涙が零れる。  
しかし蔦はそんなことを気にしない。  
クララの肢体をアカデミーの制服の上から締め付け、彼女の口に数本の蔦を挿す。  
 
「!?」  
 
予想もしていなかった蔦の行動に、クララが目を見開く。  
声は出せない。噛み切ろうとしても、あまりに一本一本の弾力がありすぎて、噛み切れない。  
植物にあるまじき弾力。  
・・・それが、これの正体が触手だとクララに教えた。  
首を左右に振ることで拒否の意を示していたクララの口内に、触手の先端からドロリとした液体が流し込まれる。  
吐き出したくても吐き出せない。  
甘く、苦い液体を、クララは仕方なく嚥下する。  
 
次の瞬間、果実を食べたときとは比べ物にならない程に肢体の中が熱くなった。  
欲情。  
その感情を知らないクララは、ただ異変を誤魔化そうと首を振る作業を再び繰り返す。  
股間が湿ってくる。パンツやスカートなど、穿いているものを濡らすほどに。  
クララがそれに気づく一瞬前に、触手がクララのスカート、パンツを破り捨てる。  
異変に次ぐ異変に、クララの感覚は麻痺しつつあった。  
 
つまり。  
 
抵抗を、あきらめた。  
 
暴れることを諦めたクララの秘部を、彼女の愛液が濡らす。  
太腿を伝い、足の指先から愛液が地面に滴り落ちる。  
未だに口内に注がれる液体を嚥下することも忘れない。  
ぼぅっとする意識と、敏感になりつつある秘部だけが、今の彼女のすべてだった。  
 
さて、抵抗を諦めたクララを知ってかしらずか、触手はアカデミーの制服の胸部分だけを噛み、破り捨てる。  
まだ未熟な成長しかしていないその胸の中心の乳首を、触手が齧る。  
例外なく敏感になっている肢体の、女性としては特に敏感なそこを攻められて、クララは絶頂した。  
 
頭の中が真っ白になる感覚。  
快楽だけがクララを満たした感覚。  
はしたなく小水を漏らし、それを秘部のまん前に陣取っていた触手に飲み干された痴情。  
全てがクララの思考を焼きつくし、スパークさせる。  
 
グボ、という鈍い音を立てて、口内を犯していた触手が抜け出ていく。  
白い糸を引きながら抜けていくそれを、クララは空ろに見ていた。  
 
「・・・あ・・・」  
 
クララが小さくつぶやく。  
彼女を締め付けていた触手が、徐々に緩みだす。  
同時に秘部を嬲るかのような動きを見せていた触手たちも、徐々に退こうとしている。  
 
「だ、だめ・・・」  
 
ゆるゆると地面に下ろされたクララは、泣きはらした顔を拭いながら、触手を見つめ続ける。  
地面に転がる手提げカバンと杖には、今しがた漏らした小水がかかっていた。  
一度の絶頂を知って、クララは・・・・・今度は、更なる絶頂を知りたいと願い始めていた。  
だからこそ、力の入らない、弛緩しきった体を必死で動かして、触手の先端に縋る。  
 
 
「もっと、もっといっぱい、おっぱいかんでください、」  
 
あのスパークする感覚を味わいたいとばかりに、  
 
「もっといっぱい、きもちよくしてください、」  
 
あの凄惨な陵辱さえ、今なら快楽として受け入れられるから、  
 
「わたしを、あなたのものにしてください」  
 
クララの声を聞いたのか、想いが届いたのかは判らないが、触手が再びクララの周りに集まりだす。  
シュルシュルと足を、腕を、再び触手たちが纏わり、絡み、縛る。  
ただし、先ほどのような厳しい拘束ではない。  
クララの口内に注ぎ、内臓から犯したあの粘液をクララの肢体中にかけ、滑りやすくもされている。  
触手が、クララの体を這いずり回る。  
それだけでクララの秘部は愛液を溢れさせていた。  
 
「くちで、かわいがってほしいんですね?」  
 
細い触手たちが、まずクララの口内に殺到する。  
先ほどのように噛み切ろうとはしない。  
ひとつずつ、優しく、まるで親猫が子猫を愛するかのように舐めて、液体を飲み干してあげる。  
無論、ほかの触手たちとてクララを犯すことを止めたわけではない。  
秘部の愛液を舐め続けるもの、乳首を噛み、乳房を絞り上げるもの、すべてが愛おしく思えるようにもなる。  
クララの精神にダメージを与えないための、微弱な快楽の供給。  
クララが呼吸をしたくなるたびに口内から出て、彼女の呼吸が安定するのをみてから、再度口内に侵入する触手たち。  
今、クララは触手たちと、間違いなく愛し合っていた。  
 
口内を犯しつくした触手たちは、当然のごとく秘部に殺到する。  
後ろの穴を濡らし、舐めるものまでいる有様に、しかしクララは喜ぶ。  
これほどまでに、自分を愛してくれる存在があったのだと。  
当然のごとく、クララは言う。  
 
「わたしのしょじょ、おしりのはじめて、りょうほうともあなたたちにあげますね?」  
 
瞬間、クララの秘部と菊穴に触手が殺到する。  
菊穴は濡らされていたし、秘部とて彼女の愛液が滴っている。  
膣穴を貫く触手たちは、彼女の処女膜さえもを突き破り、子宮口の入り口にまで達する。  
 
「もう、そんなにがっついちゃダメですよ」  
 
ぽたり、ぽたりと鮮やかな血が滴る。  
 
「わたしは、みんながまんぞくするまで、いっしょにいますから」  
 
膣穴が触手で埋まり、隙間のひとつもなくなったのを確認したクララは、優しく微笑む。  
 
「いっぱいだしてくださいね?」  
 
途端、クララの膣に粘液を吐き出す触手。  
菊門を犯す触手たちは、粘液ではない、もっと水っぽい何かを注ぎ込む。  
 
「ふふ、いっぱい、わたしのおなか、あなたたちのでいっぱいです・・」  
 
傷ついた膣に、触手たちの粘液が滲みる。  
菊門を犯していた触手たちが、さらに手を伸ばし、人間の手では到底入りえぬ場、つまりは腸内にまで入り込む。  
そこでも触手たちは粘液を思い切り吐き出し、そして抜けていく。  
 
「おしりのなかにも、いっぱいいっぱいだしましたね?」  
 
クララが優しくつぶやくと、一斉に細い触手たちが抜け出ていく。  
 
「みなさん、なんでにげちゃうんですか・・・・・!??」  
 
クララの悲痛な声が、森に響く。  
一瞬の静寂の後、クララの四肢を触手たちが再度絡めとる。  
ひぁっ!?っとクララが叫ぶ間も無く、膣穴からアナル、口腔、鼻腔、耳朶に至るまで穴という穴を犯されながら。  
クララは、触手たちの慰み者として触手の塒で、その命を使い果たすことになる。  
 
その瞳に、聡明だった彼女は、もうない。  
触手に犯され、孕まされるだけの母体として、虚ろな微笑みを見せるだけだった。  
 
 
 

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