「珍しいこともあるもんだなぁ……まさかマラリヤさんに呼び出されるなんて」
ユウは頭の後ろに両手を組んで、空を見上げながら歩いていた。ユウが言っているように、珍しくユウがマラリヤの家に呼ばれたのだ。ユウにとってマラリヤはあまり社交的ではなく、暗く少し苦手なタイプでもある。それが今回呼び出されたことに関しての、少しの疑問だった。
やがてマラリヤの家に着くと、ユウは呼び鈴を鳴らした。
「マラリヤさん、ユウです。開けてもらえませんか?」
「……入って」
素っ気ない返事に、ユウは自分はやはりマラリヤは少し苦手であることを再確認して家に入った。まだ真昼であるにも関わらず、カーテンを締め切り窓を締め切っているマラリヤの部屋は暗い。その中心には、膝を抱えてチョコンと座るマラリヤの姿があった。
ぼんやりと闇に浮かび上がる姿は言っては難だが、本当に魔女の家の雰囲気を醸し出している。ユウは軽く自分の顔の前を扇ぐ仕草を見せて、マラリヤにいった。
「マラリヤさん、こんな暗い部屋で何の用ですか? それと……変な臭いもしますよ?」
「カーテンは開けないで……ユウ、待ってたわ」
ユウは先程から少しずつ、自分の体に力が抜けていくのを感じていたが、マラリヤの薬のせいだろうとあまり気にせずにいた。しかし、すぐにユウの体には力が入らなくなり、ついには立っていることも困難になったユウ。
マラリヤはそんなユウを見て、闇の中にクスッと小さく笑いを浮かべるとゆっくりと立ち上がりユウの背後に回り支えてささやいた。
「ユウ……どうしたの? 突然ふらついて、危ないじゃない?」
「マラリヤさん、とぼけないで下さい……痺れ薬ですか?」
ユウは痺れる体に何とかムチ打って立つ。しかし歩くことはおろか、マラリヤの方を向くことも出来ずにいた。マラリヤはユウを抱き寄せ、先程よりも近くで呼吸が耳をかすめるほどの位置でもう一度ささやいた。
「痺れ薬なんて人聞き悪い……臭いで堕とす最新の媚薬。痺れ薬のように動けなくなって……ココはすっごく元気になるの。少し……実験」
そう言っている間に、マラリヤの手はユウのズボンのチャックを開けてユウのモノに触れていた。
「ま、マラリヤさん。何やってるんですかぁ!?」
「言ったわよ? 実験ってね。しばらく……付き合って」
マラリヤはそれだけ言うと、抵抗のままならないユウを支えながらモノを弄んだ。ユウはもがくことも出来ずに、ただ喘ぎ声を我慢するしか出来なかった。
「んふ、くっ、ぅ、んぅ」
「フフフ、ユウ? 相当効いてるみたい……こっちももうカチカチよ? ほら」
そう言って、マラリヤはユウのモノを引き出した。ユウは思わずグッと目をつぶり、背ける。しかしマラリヤの手は止まらず、弄び続ける。
「んふぅ、ん、マラ、リヤ……さん、ダメですよ……あ」
「だんだん……我慢できなくなってきたみたいね? 少し先っぽからぬるぬるしてるのが出てきた……感じてるのね。ほら、ほら。まだイっちゃダメよ?」
それからマラリヤは、ユウのモノに限らず太ももの内側や下の袋をくすぐる。そしてユウが汗だくになり、ついに膝が笑い始めた頃……
「うぁ、あ! マラリヤさん! ダメ、ダメです! 出ちゃいます!」
「あら? そう?」
「えっ?」
マラリヤはユウの希望を受け入れ、すんなりと手を離した。ユウは今にも、膝から崩れ落ちそうなほどに膝を笑わせ汗をかいている。ユウは泣きそうな声で、マラリヤに懇願した。
「ま、マラリヤさぁん。何で出させてくれないんですかぁ?」
「嫌ね……ユウがダメって言ったのよ? アタシはそれに従ったまで……」
「そんなぁ……ぅあ」
ユウはビクッと思い出したように痙攣した。今にもイキそう、と言うところで止められたユウのモノは赤く充血し、ビクビクと痙攣を続けてユウを絶頂へ誘おうとする。しかし今一歩さわられない限り、ユウはイケない。すんどめと言うやつだ。
「んんっ、くぅ……はぁ……」
「苦しそうねユウ……いいわよ? イカせてあげても……」
マラリヤは、軽くユウの耳に息を吹き掛けながら言った。ユウは、その度にビクビク震え限界に近づいていく。
「ぅあっ! あふぅ、マラリヤ……さぁん」
「お願いします……マラリヤ様、イカせて下さいって懇願したら……イカせてあげる」
ユウの表情は見えないものの、マラリヤにはユウが絶望したのが手に取るように分かった。しかしマラリヤ本人、一度言ってみたかっただけで決してSな訳ではない。それでもマラリヤは、ユウなら簡単に言うであろうと予測はしていた。すると……
「イ……イカせて下さい、ま……マラリヤ様ぁ。お願いします、ふぁあ……ん」
まさに予測通り、マラリヤは内心ほくそ笑みユウのモノに触れて言った。
「フフフ、まだまだ懇願じゃないわ……もっと心の底から言わないとイカせてあげない」
マラリヤは、そっとモノの裏筋を指先でなぞった。ユウは今までよりも大きくのけ反り、声もあげた。
「ふああぁ! 何でですかぁ、マラリヤさん。懇願したですよぉ……」
もうユウはいつ泣き出すか分からない幼稚園児のような声で、マラリヤに問い掛ける。しかしマラリヤは、怪しい笑みを浮かべながらユウを見下ろして言う。
「あなたが満足してもダメよ……アタシは満足してないから。でも……一応寝かせてあげる」
マラリヤはそのままユウをベッドに寝かせて、自分も横に座った。相変わらず、ユウは恨めしそうにマラリヤを見るがマラリヤは気にしない。
「マラリヤさぁん、懇願ってどう頼めば良いんですかぁ?」
もうユウは語尾が猫撫で声になっている、むしろ撫でられる猫の声になっている。
「……仕方ない、分かったわ。イカせてあげる、おかしくなるくらいに……ね」
マラリヤは、カチカチになったユウのモノを鷲掴みにしてカリの部分を激しく擦り始めた。
「ぅう! ん、うああ!」
ユウはすぐに果てた、ギリギリまで我慢していたところで一気に絶頂まで引き上げられたのだから無理もない。マラリヤがズボンから引き出した手には、尋常じゃないほどの量の精液がベットリとついていた。
「よっぽど我慢したのね……こんなに出るなんてやらしい子。でもまだ元気ね、まだまだこれからよ」
マラリヤは、ユウの精液を再びユウのモノへ擦り付けた。そしてまた弄び始める。果てたばかりとは到底思えぬユウのそれは、赤く充血していた。
「ちょっとマラリヤさん!? んん、もう出たんだからいいでしょう!? ぅあ、おかしくなっちゃいますよ……」
「ダメ、まだこんなに元気なんだもの……まだまだ出るはず。アタシが全部搾り出してあげる」
それから十分もの間……
「ほら……今からいくらでも出せるのよ? もう少し喜んだら?」
「ぅぐ、で……出る……あぁ!」
「フフ、一回。まだ元気ね」
「んぐぅ〜、う、うぁ……はぁ、あぁ!」
「二回、どこまで持つかしら?」
「はぁ、もうらめぇ。マラリヤさぁ、ん!」
「三回、ダメじゃない。そんな女の子みたいに喘いじゃ……」
「あはぁ! ぐっぅあ、うああ!」
「四回(ちょっと効き目が強すぎたかしら? 最初のと合わせて五回よ?)」
「あぁん、もう……やだぁ。出るぅ!」
「五回、そうね……次はマラリヤ様ぁ、気持ち良いですぅって叫んで?」
再び無理難題を押し付けるマラリヤ、実際にはユウが聞くはずはもないが、すでに自我が半壊しているユウはすんなりと聞いて……
「マラリヤ様ぁ! き、気持ち良いですぅ!」
本当に言った。
「六回、本当に言うとは思わなかったけど。いいわよ、やめてあげる……でもアタシのベッド、ユウの精液だらけじゃない」
マラリヤはシーツを引っ張り、心底困った顔をした。ユウは立ち上がりもせず、肩で息をして涙を流していた。マラリヤは少々やりすぎたと言う罪悪感にさいなまれ、ユウの両頬に手を当てて支えてキスをして丸薬を飲ませた。
「ごめんなさいねユウ、少しやりすぎたわ。もうしないから安心して?」
「う、うぅ〜……うぇぇ〜……」
ユウは突然泣き始めた。泣きながら、マラリヤに焦点の合わない目で無言の文句を唱えていたのは明らかだった。また何か飲まされた、また何か始まるのか……そんな目だった。
しかしマラリヤは、ユウに何かをするでもなく優しく抱えて子供をあやすように頭を撫でながら優しく言った。
「大丈夫よユウ、今のは媚薬の解毒剤だから。実験台にして悪かったわね、もちろん誰にも言わないわよ」
「うぅ〜、うああ〜ん!」
ユウはすすり泣きから声をあげて泣き、マラリヤにすがりついた。マラリヤも最初の魔女のような雰囲気はなく、子供をあやす母親そのものの雰囲気になっていた。そして二十分が経過……
「ユウ、落ち着いた?」
「落ち着いた? じゃないですよ、何て真似させるんですか!?」
ユウはかなり不機嫌な様子で、珍しく腕組みをしてプイッとマラリヤと目を合わせようとしない。マラリヤは困ったように笑いながら言った。
「ごめんなさい、ユウ。悪い事したって思ってるわよ、許して? もう帰って良いから……」
「もう二度と僕を媚薬の実験台にしないで下さいね!?」
ユウはそれだけ思いきり言うと、家から飛び出していった。
「本当に子供なのね、でもそんなところが可愛かったりして……フフ」
マラリヤは小さくなっていくユウの背中を見つめながら、小さく笑っていた。