朝。  
サンダースが目を覚ますと、隣にはクラスメイトの少女が眠っている。  
一糸すら纏わぬ姿が、やけにエロティックで。  
昨夜も自分の劣情を受け止めた、赤髪の美少女―ルキアを、サンダースは優しく見つめていた。  
 
サンダースが見つめている間、この少女は実に愛らしい寝言ばかりを口にしながら、サンダースにすりよって来たりしていた。  
 
例えば、「明日はデートぉ・・」とか、「ずっと隣ぃ・・・」とか。  
不意に抱き締めたい衝動に駆られたサンダースは、しかし寸でのところで思い止まる。  
 
今日は休日のはず。  
だからこそ昨夜の情事があり、こんな形での就寝だったわけで。  
 
「もう一眠り・・するか」  
 
短い赤毛を二度ほど撫でてから、サンダースは再度布団に潜り込む。  
抱き枕扱いなのか、ぎゅうっと抱き締めてくる少女の寝顔を見ながら。  
サンダースは生まれて初めての二度寝をした。  
 
ルキアが目を覚ました時、隣に寝ているサンダースは、まだ夢の中にいた。  
これは二度寝したためなのだが、ルキアはそんなことを気にしない。  
サンダースと夜を共にするのは何度も経験したが、サンダースより早く起きたのは初めてなのだ。  
 
「サンダースって、結構可愛い顔なんだよねぇ♪」  
 
じぃっとサンダースの寝顔を見つめると、昨夜散々なまでにイカされ、甘えて、そして優しく抱き締められた記憶が蘇る。  
 
(飽きないんだもん。何回エッチしても、何回射精されても、体がサンダースといたがるんだもん)  
 
サンダースに淫乱と言われそうな考えだが、間違いない。  
サンダースといるだけで、ルキアは幸せになれるのだ。  
 
(今日は、昼からデートだもん。いっぱい一緒にいられるよね、サンダース?)  
 
寝返り一つしない恋人の頬に、優しいキスの雨を降らせて。  
ルキアは、ほんの少しだけ、サンダースに悪戯しようと思い付いたのだ。  
 
サンダースの意識が混濁する。  
妙に股間がむず痒く、そして気持ちいい。  
ルキアと交わり、何か移されたのではと考えて――その考えをすぐに捨て去る。  
何度も交わっているのだ、今更だ。  
ならばこの感触は何か、サンダースは無理矢理に意識を覚醒させて。  
 
 
股間のペニスを頬張ったルキアがいた。  
 
サンダースが目覚めた事にも気付かず、割と大きいらしいペニスを、一生懸命に舐め、扱いているルキアが、そこにいた。  
 
「んふ、サンダースが起きたら驚いちゃうかなぁ♪」  
「じ、充分に驚いて・・くッ!」  
「ひゃ、あつぅい・・・♪」  
 
サンダースのペニスが脈動し、ルキアの赤髪や顔に白濁をぶちまける。  
ルキアはどうやらサンダースが目覚める前から口で奉仕していたらしい。  
 
「全く、何をやっているのだ貴様は?」  
「朝フェラ」  
 
ニコリと、柔らかな笑みを見せるルキアに、サンダースは頭を抱える。  
最初の性行為で処女を失った時の彼女は可愛い、純情だったのに――。  
 
「貴様は・・何故そこまで淫乱になった」  
「サンダースのせいだよ?」  
「は?」  
 
ルキアは、顔にかかった白濁を指でなぞり、口に運びながら、上目遣いでサンダースに訴える。  
 
「サンダースといっぱいいっぱいエッチな事してね?私もどんどんエッチになっちゃったんだよ?」  
「あぁ、そういうことか」  
 
原因は自分にあったのだと、サンダースは理解して、溜め息を一つだけ盛大に。  
 
「貴様は――ルキアは、そんな我輩を嫌う事が出来るだろう?決別を告げられる覚悟はいつでも出来ているぞ?」  
 
 
決別を告げられる覚悟はいつでも出来ているぞ、とサンダースの言葉を聞いた瞬間、ルキアは頭が沸騰しそうな怒りを覚えた。  
 
「言えるわけ、ないじゃない!?」  
 
どうしようもなくイラついて、目尻から涙が溢れて、それでも眼前の男が好きだと痛感しながら、ルキアは悲鳴のような声で訴えている。  
 
「確かに鈍感で、意地悪で、エッチだけど、でも大好きなんだよ!?・・お別れ・・・なんて、言えないよぉ・・・」  
「それは・・・我輩の失言だったな。許せとは言わん。・・・ルキアは、我輩が守ると約束したものな」  
 
ルキアの声に、サンダースは頭を殴られたようなショックを受けながら。  
しかし、白濁がかかったルキアの頭を優しく撫でて。  
自分が如何に愚かな言動をしたか、痛感していた。  
 
さて。  
そんな顛末はさておき・・・。  
 
「今日は、デートなんだよね?」  
「あぁ。確かにそう約束したな」  
「だったら、早くシャワー浴びて、着替えて、行こうよっ」  
 
ね、とウインクするルキアの頭に、サンダースは手を乗せる。  
ぽんぽんと、軽く、はたくように。  
 
「慌てるな。まだ時間はたっぷりあるだろう?」  
 
サンダースが不敵に笑うと、ルキアは逆に顔をしかめる。  
 
「子供扱いしないでよぅ。立派なサンダースの恋人なんだから」  
 
既に聞き慣れたセリフ。  
 
「それはすまなかったな。じゃあ、用意をするか」  
 
既に慣れた笑顔。  
 
結局、サンダースはルキアから離れなくなっているのだ。  
眼前の恋人に溺れた自分に内心苦笑しつつ、取り敢えずはシャワーを浴びようとベッドから立ち上がるサンダースだった。  
 
 

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