「あっ!あぁっ!レオン!いっちゃうよぉ!」
「くぅ…。ルキアっ!俺も…」
「…ああああっ!」
体中からがくりと力が抜け、ベッドに倒れ、 息を繋ぐように浅い呼吸を忙しなく繰り返す。
甘えるようにレオンに抱きつき、唇を求める。
「…はぁ」
「明日は授業無いから一日中一緒にいられるな」
唇を離すと、確かにレオンは笑っていた。
「うん、そうだね」
私も微笑んで相槌を打つ。
「おやすみ…」
「あぁ、おやすみ」
この時、レオンがニヤリと不吉な笑いを浮かべていることをルキアは気付いていなかった。
「…ん」
目を細く開くと、眩しい朝の光が飛び込んでくる。目が覚めたようで、目蓋が次第に軽くなってゆく。
横をみると、レオンはベッドにいなかった。どこだろう、と起きあがろうとすると、腕と脚が上手く動かせないことに漸く気がついた。
「あ!何、これ!?」
目の前の自分の有り得ない状況に思わず声が出た。
手首と足首に、鎖のような銀色の枷ががっちりと取り付けられている。どう藻掻いても外れそうにない。
…レオン!
尚もがちゃがちゃと藻掻いていると、どこにも錠前が無いことに気がつく。どうやら魔法で取り付けられているようだ。
漸くレオンが現れた。枷をつけられた私を見てニヤニヤとほくそ笑んでいる。
「お、やっとお目覚め?おはよ」
「おはよ、じゃないよ!さっさとこれ外して!」
「…たまにはさ、こうゆうプレイもいいじゃん」
「きゃっ…!ちょ、ちょっと…」
拘束された身体では何の抵抗も出来ず、口付けられながら押し倒された。いつものように、レオンの舌が口の中で小気味よく動き、舌裏、歯茎、奥歯と舐め上げられる。
何度も重ね合わせている行為なのに、こんな状況でも良いと感じてしまう自分が恨めしかった。
「…ぷはっ、レオン…!」
「ん?何?色っぽい声出しちゃって…」
「そ、そんなんじゃ…」
必死に弁解する自分を余所にし、レオンは徐に黒い布を取り出し、私の目を覆うように巻き付けてゆく。
「な、何するの…?やめてよぉ…」
「視界が暗転するとさ、感じやすくなるっていうじゃん。ルキアの可愛い顔を見られないのは残念だけど」
そう言ってまたとろとろと甘い口付けを貰う。視界を完全に塞がれ、感じるのは彼に抱き締められ、口付けられていることだけ。自分から抱くことも出来ず、ただレオンの唇を吸うことしかできなかった。
乳房を握られた時びくんと身体が震えた。視界が0なので、これから何をされるのか見当もつかない。
ゆっくりと彼の手が動き始め、私の身体に火をつけてゆく。
「はぁ…はぁ…レ、オン…」
「柔らかいな。ずるいよ、ルキア。こんなおっぱいしてたら興奮するに決まってる」
「そんなぁ…、あぅっ…!」
五感がひとつ遮断されているせいか、本当にいつもより少し敏感になってしまう。暫くすると彼の手と口が私の乳房から離れた。
何をしてくるのだろう、と思っているとレオンが乳房に何か巻き付け始めた。
「な、何してるの!?」
「…ロープ」
「ちょっ…そんな…」
最初は両手で巻いているようだったが、縄が巻き付くにつれて空いた片手でまた私の乳房を弄び始めた。触れられる度に口から甘い吐息が洩れ、身体の力が抜けてゆき、抵抗のしようがなかった。
ルキアの豊かな乳房に、きつめに縄が巻いてある。それによってルキアの乳房は更に妖しく、際立って見えた。
「…うわー。ルキア、エロい格好…」
「誰がしてるのよぉ…。あんっ」
「でも、凄く綺麗だ」
乳首を口に含まれ、舌でころりと転がされる。左手はもう片方の乳首を愛撫し、右手は私のお腹から太股のあたりを行き来している。
その微妙な快感と胸への愛撫に、私は声をあげて噎いだ。乳房には絶えず小さな痛みが続き、それすらも何故か良いと感じるようだった。
「うぅ…。んあっ…!あん…」
「ルキア、気持ちいいの?」
「そ、そんなこと…。んっ!あぁっ…」
「…身体は素直なのになぁ。なぁ、声に出して言ってよ。気持ちいいんだろ?」
執拗に言葉を浴びせてくるレオン。耳元でそっと囁かれるその言葉に私はぞくぞくと身震いした。
「ここもこんなに濡らしちゃってるじゃん…」
彼が私の密壷に触れた途端、腰が動いてしまった。やはり、レオンの言う通り身体は何の恥じらいもなく、快感を受け入れてしまっている。自分の意志とは無関係に、甘い蜜が次々と溢れてくる。
蜜壷を詰られ、私は震える声で言った。
「ああん…!うんっ、気持ち、いい…の…!」
「よし、じゃあロープ取るな」
言葉通りにするすると縄がほどけてゆく。結ばれていた箇所が少し痛む。きっと跡がついているだろう。
呆気なく胸元が自由になり、漸く羞恥から解放された、というルキアの解釈は実は大きな間違いだった。
「ちょっと待ってて」
「あ…うん」
何かを取りにいったのか、彼の足音が聞こえていった。何を持ってくるのか見当もつかずじっとしていると、また足音が戻ってきて、ふわりと口付けられた。
「ただいま。これからもっといいことしてやるからな」
「え…いいことって…」
「今にわかるよ。じゃ、いくぞ」
真っ暗な中、少し不安な気持ちでいると、乳首の先に暖かい何かがとろりと垂れ落ちてきた。
「あ…、レオン…?」
判別する間もなく、もう片方の乳首にも液体が垂れてくる。その暖かさが私を何とも言えぬ気分にさせていった。
「…目隠しも取ったほうがいいか」
するりと布も取られ、視界が露わになった。…そこに見えたものは。
「レ、レオン…!」
レオンが蝋燭を持って悪戯に微笑んでいた。先ほど自分の乳房の先端に垂れたのはロウだったのだ。
「こんな…酷いよぉ…」
「そうか?白いおっぱいも綺麗だけどな」
といって片手で乳房を揉みほぐしながら、今度は蝋燭を更に近づけてくる。枷で自由を阻まれた身体では、抵抗できるはずもなかった。
「あんっ、ちょ、ちょっと…、んっ、熱い…よぉ…」
そんな言葉は無惨にも聞き流され、レオンはロウと一緒に乳首をくりくりとこね回してくる。いつもの愛撫に加えて蝋燭の暖かさに、新たな快感を感じてしまった。不意に暖かさが退いたと思うと、今度は蝋燭の尻で乳房を刺激される。
「うぁっ…。いっ…、あぁぁ…」
揺らめく蝋燭の火の向こうで、レオンは薄く笑みを浮かべている。成すがままにもう片方の乳房も同じように愛され、どんどん自分が壊れてゆくばかりだった。涙が頬を流れ落ちてゆく。
「…っ!あ、熱い!あんっ、レオン、熱いよぉ…!お願い、やめて…」
「…ルキア、可愛いなぁ。どんどん虐めたくなっちゃうな…」
ぽたりぽたりと、お腹にもロウが落ち、蝋燭を当てられ、火傷のような感覚が部位を襲った。
「あぁ…!レオン…やめてぇ…」
ロウと一緒に行われる愛撫は、いつもとまるで違う感覚だった。こんなに酷いことをされているのに、自分はレオンを受け入れてしまっている。
「あ、あぅ…」
「…よく頑張ったな。ご褒美やるよ」
蝋燭が離れ、レオンがそれを吹き消した。見ると、自分の胸から太股のあたりにかけて、ロウが白い飛沫をいくつも作っていた。
サイドテーブルに蝋燭を置いたレオンの手も、ロウでまみれていた。
ふと、サイドテーブルには今置いた蝋燭以外にも何かが置いてあった。さっきは蝋燭を持ってきたのだと思っていたけど、レオンが持ってきたのは蝋燭だけではなかった。
目に入ったのはコップだった。…氷が入っている。
レオンはコップから氷を一つつまみ、こちらに寄ってきた。
「レ、レオン…」
「さっきは熱かっただろ?今度は涼しくしてやるから」
ぴたりと、お腹に氷をあてがわれ、声を出さずにはいられなかった。
「…あぁっ!」
氷が滑らかに自分の身体を滑ってゆく。味わったことのない感覚を次から次へと与えられ、頭がぼうっとなった。
乳房を揉まれながら、ゆっくりと氷も近づいてくる。乳首に氷を当てられて、瞬間私は仰け反った。
「……っ!!」
そしてレオンの手から2つ目の氷が現れ、もう片方の乳房にも快感をもたらす。
彼の手と自分の胸の間に氷を隔て、強く揉みしだかれた。更に冷たさを増した感覚が私を襲ってくる。触れられている胸だけが、酷くリアルに感じられた。
「…ひぁっ!レオン、冷たい、よぉ…!」
「…気持ちいいだろ?」
「あっ!うんっ…気持ち、いいよぉ…」
ほとんど胸だけしか攻められていないのに、自分の秘所はもうぐっしょりと、先ほどよりも潤っていた。
そして首筋、脇腹と、冷たい氷が休まずに襲ってくる。コントロールを失ってしまった身体は、もうレオンにされるがままだった。
自分自身も、今それを望んでいる。
「お願い…。レオンの、ちょうだい…」
「…わかった」
「ねぇ、それから…、これ、外して欲しいな」
手と脚の枷を示す。
「最後は…やっぱりレオンのこと、抱きたいから…」
涙で潤んだ瞳で訴えると、レオンが枕元から杖を取り出し、一振りして枷を取り去った。
「…ごめんな」
「…ほんとだよ、馬鹿」
涙を拭きながら笑うと、甘く口付けられ、押し倒された。
「…いくぞ」
「うん。来て…」
彼の先端が、秘所に触れる。これからレオンが膣に入ってくることが待ち遠しくて堪らない。
「力抜いて、ルキア…」
「あっ、う、うん…!あぁっ!」
彼のものが全て収まりきると、私は思いきりレオンを抱き締めた。彼の顔が近くにある。優しく微笑んだその顔を見て、私は心から嬉しくなった。触れあうだけのキスを重ね、暫くするとレオンがゆっくりと動き出した。
「…んんっ!あう…」
「…ルキアの膣、暖かくて…ぬるぬるしてる」
「レオンが…やったんでしょぉ…!あっ、あぁっ!」
早急に奥を突かれ、声が出た。止まらない彼の攻撃が私を絶頂へと導いてゆく。
「あっ!あぁっ!あんっ、レオン!」
「あぁ…。ルキア…、愛してる…!」
「うんっ、あたしもだよ!…んっ!もっと、もっとちょうだい!」
腰を掴まれ、激しいテンポで突き上げられる。何度も、何度も。
最奥部にまで届き、一定の間隔で続く快感にもう何も考えられなくなった。
「あぁ!もう、だめぇっ!あ、あぁぁぁ…!」
「ルキア、ルキアっ!」
「レオンっ!いっ、いっちゃう!いっちゃうよぉぉぉ!」
「…あぁっ!」
「いくぅぅ!あぁぁぁぁ!!」
レオンの温もりを確かに感じながら、私は静かに眠りに落ちていった。
「…もう絶対あんなことしないでねっ!」
「え?でも気持ちよかっただろ?」
顔を真っ赤にして怒鳴っても、目の前の恋人はヘラヘラと笑ってばかり。まるで反省の色がないその顔に、私は枕を投げつけた。
「うるさーいっ!」
「わかったよ、もうしませんってば…」
もう一度枕を投げようとした腕の動きを止める。
本当は嬉しかった。心地よくて、壊れそうだった。でも、そんなことを言える筈もなく。
「ほんとに?」
「ほんとだよ」
「…じゃあ、今度は普通にエッチしたい」
「…はい」
レオンは素直に頷く。その笑顔が、何より大好きで。どうしようもなくて。
すっぽりと彼にくるまれたまま、私はまたレオンに愛される悦びを期待した。これから先もずっと、繰り返されるであろう、その愛の行為に。