おずおずと寝間着を脱ぎながら、リエルは小さく微笑む。
恋人になったその日の夜に、こうやって抱き合うことになるとは、と。
しかし、それはきっと幸せなことなのだろうと、頭のどこかでは理解しているのだ。
「あの・・」
「・・・綺麗・・だな」
「そうですか?」
リエルがサンダースに生肌を晒すのと同時に、リエルはサンダースの裸体をその目にして、また微笑む。
傷だらけの、凡そ同年代としては考えられないほどに鍛えられた体。
成程あんな体で抱きしめられていたのだ、なんて思ったりして。
「サンダースさんの体は・・凄くカッコいいですね?」
「・・・・・・・驚いたな。少々ヒくとも思っていたのだが」
「人の体は、千差万別。そうじゃないですか?」
「確かにそうだが、過程ももあるだろうに」
「私には、サンダースさんっていうだけで十分ですよぅ」
サンダースのいう過程とは、きっと苛烈なほどの戦いの中で幾つも刻まれた傷跡のことなのだろうとリエルは思う。
そしてそれは間違いないであろうという、意味も理由もない確信と。
「傷があっても、悪者でも、サンダースさんはサンダースさんですから」
「っ!」
サンダースの顔が、不意に歪む。
辛いのでも苦しいのでもない、嬉しさで、喜びで。
何よりも欲しかった言葉を、恋人である少女が伝えてくれたから。
「つくづく、君が相手でよかったと思う」
「?」
「なんでもない。・・さぁ、始めようではないか」
「はい!」
リエルの裸体を抱きしめながら、サンダースは思案を始める。
さて、性交の前には何をするべきかと。
いきなり挿入というのは、まず考えられないし。
「最初は、私の・・・・を濡らすんですよ〜?」
「・・・そうなのか」
「はい、最初はきちんと愛撫して濡らさないと、死ぬほど痛いらしいですよ?・・主に私が、ですが」
「そうなのか・・・」
「私もルキアちゃんに聞いたんですけどね」
――奴め、失敗したな。
呆れたような顔をしながら、しかしその失敗の二の舞にならぬようにと頭を巡らせ。
「では、わがは・・・俺がリエルの秘部を舐めたりすればいいのだな」
「え?舐めちゃきたな・・・ひゃぁ!?」
リエルの股間に顔を埋め、サンダースはその割れ目に舌を這わせる。
未だ男を知らぬソコは、鮮やかな桃色で。
「(むぅ・・・少し甘い・・のか)」
「だ、駄目ですよぅ・・そこはおしっこする穴だから、汚いですってばぁ!」
口では否定的なことを言っているが、しかしリエルの割れ目は甘い蜜を少しずつではあるが分泌しており。
サンダースは敢えて確認したりはしないが、リエルの頬も紅潮している。
ハァハァと息を荒げるリエルと、彼女にクンニリングスをしているサンダースの夜は、まだ始まったばかりだった。