ユリ「実はちょっと、恋愛って苦手〜。」
ルキア「私もよくわかんないけど、
今はやりの草食系男子とかで練習したらどお?」
ユリ「草食系男子!それいいかも!」
さっそく放課後に雑誌an○nを購入するユリ。
ユリ「今時の男性を興奮させるには
女性からバンバンボディタッチをして、
特に内股へ軽く手を添えたり耳元でささやくとよし…
大胆に肉食っぽくアピールすると良いです…なるほど。」
翌日…
夏の暑い日差しの中、
庭園で野菜を愛でる一人の男がいた。
それを遠くから見つめるユリ。
ユリ(やっぱり野菜作ってるし!
あれこそまさしくa○anに載っていた草食系男子ね!)
これは女を磨く大チャンス!
と思ったユリは内股でターゲットに走りだした。
ユリ「キャッ!いったぁ〜い!
転んじゃったぁ!助けて!」
カイル「…!?あ、ユリさん。
大丈夫ですか?」
大げさに転ぶユリに振り向くカイル。
ユリ(ふふ、こちらを向いた今がチャ〜ンス!
胸を寄せて上目遣いで、愛されポーズよ!)
カイル「え…えっと、
す、すみません、、」
ユリ「(照れてるのね!)別にいいって!」
カイル「何か悪いことしましたか…?それでしたら謝ります…」
ユリ「えっ?」
カイル「あ、あの…、さっきすごい剣幕で僕のこと睨んでましたから…その…」
ユリ「あは、あはは、、睨んでなんかないって!
あはは!うぅ(涙)」
カイル「そうですか。僕の勘違いでしたか。
あっ、これでよかったら膝を拭いてください。」
ユリ「ん?あ、ありがと。(気がきくじゃん…)」
カイル「他に怪我はありませんか…?」
ユリ「えっ、大丈夫!このくらい、気合いで…」
ちらっと見ると、手の甲から血がでている。
転ぶさい落ちていた木の枝で引っ掻いたのだ。
カイル「だめです!
きちんと洗って消毒しないと、
傷口からバイ菌が入ってしまいますよ」
ユリ「えぇ〜、だ、大丈夫だよ〜!」
ルキア「やばい。このままじゃ完全に草食のターンね。
もぅユリったら、全然練習とかになってないじゃない。」
遠くの木陰から顔を覗かせるルキア。
マラ「そうね。
これはもうカンペを出すしかないわね…」
ルキア「うわっ、いつの間にいたの!?」
マラ「ふふふ」
カイル「手を怪我していますね。ちょっと見せてください」
ユリ「わぁ〜ちょっ
(向こうからボディタッチなんて作戦にないよ〜。
どうすれば…)
あ!!!なるほどね〜!!!」
カイル「わっ、いきなり大声出して…どうしたんですか…?」
少し遠くを見たユリは目線を戻すと
おもむろに近くのゴーヤを掴んでこすりはじめた。
ユリ「やだ〜!このゴーヤ、とってもおっきい!
スリスリしちゃう!ゴツゴツするけど!」
ルキア(そっかぁ〜、男は視覚で興奮させればいいのね。)
マラ(まぁ…薬飲ますほうが手っ取り早いけど…)
ルキア(さすがマラリヤ。これなら草食もイチコロかもね!)
ユリ「このゴーヤ、おっきくていいかんじじゃん!
でしょ?どうどう?スリスリ…」
カイル「ユリさん…。
何か悩みがあるのですね…。
…僕で良かったら相談してください。
あと、ここの野菜で良かったら持っていってください。
栄養が足りないと夏場はいけませんから…」