ラスク「ふぅ…」
ラスクが何やら沈痛な表情で溜息をつく。どうやら悩み事があるらしい。
ライオ「ん?どうした?」
隣にいた友人が反応する。彼はラスクがこの学校に転校してから初めて出来た友人である。
ラスク「あ…別に何でもないよ。気にしないで」
クライフ「ふむ…チェックメイトだ」
ライオ「そっか。まあ何か悩み事があるなら何時でも聞いてやるぜ?」
ナディア「え…ちょっ、ちょっと待って」
ラスク「うん有難う。ところでさっきから気になってたんだけど…」
クライフ「待たない」
ライオ「…何だ?」
ラスク「…みんな僕の部屋で何してるの?」
ライオ「漫画を読んでる」
クライフ「チェスをしているな」
ナディア「そうね」
ラスク「そうじゃなくて!何で自分の部屋じゃなくて僕の部屋に集まってやってるのか!」
…そう。ここはラスクの部屋である。ラスクはいつもならこの時間は宿題をしたり予習したりしているのだが、何故かチェスや漫画を持ち込んで遊んでいる友人のせいで集中できなかったのだ。
ライオ
「ん…そろそろ良いか…」
クライフ「そうだな…」
遊び道具を端に寄せる。
ライオ「ラスク…単刀直入に言うぜ…」
ラスク「う…うん」
緊張した空気が流れる。
ライオ「ラスク…お前さ…」
ラスク「…(ゴクリ)…」
ライオ「………………アロエと最近進んでるのか?」
ラスク「…!(ブッ)」
突然の一言に飲んでる紅茶を吹きかけてしまった。
ラスク「い…いきなり何を言い出すんだライオ!」
ライオ「いきなりでも無いだろ…お前がアロエを好きな事なんてこの学園じゃみんな知ってるぜ」
ラスク「な…何を…」
…そう…この3人は正にその話をする為にこの部屋に来ていたのであった。
この学校にアロエとラスクが転校してきたのはもう半年以上前になる。
アロエは自然医学・錬金術を、ラスクは歴史学・考古学を専攻する為にこの学校に転校して来たのだが、周りには、ラスクがアロエを追って転校してきたという風に見られていた…というより明白であった。
ライオ「まあ面倒な話は抜きだ。お前アロエが好きなんだろ」
ラスク「……」
ライオ「…もう気持ちは伝えたのか?」
ラスク「…まだ……です…」
敬語になってしまった
ライオ「やっぱりか…全く…」
ラスク「…て、そんなことライオに関係無いでしょ!」
ラスクが叫ぶ。