「……豊胸剤?何に使うの?」  
「えぇ、なんとしてもあの小娘よりも早くラスクの心を確保しなければ!!  
 だったら小娘にない魅力で落とせばいいのです!!」  
「……それで胸を大きくしよう、と言うわけね、なるほど……」  
 マラリヤの部屋に訪れたシャロンは開口一番、豊胸剤は無いかとマラリヤに尋ねた。  
 その理由を問いただすとこんな問答が行われたのである。  
「でも、私は胸の事には興味が無いから、そんな薬の研究はしてないわよ?」  
「そこをなんとか……」  
「もう……しょうがないわね……研究はするけど、貴方も手伝うのよ?」  
「ありがと〜!!」  
 マラリヤの協力を得られた事により、シャロンは嬉しくなり友人に抱きつく。  
 相変わらずこの友人に甘いと思いつつ、マラリヤはシャロンの申し出を承諾した。  
 
 目的の薬を作るのにそれほど時間はかからなかった。  
 単に女性ホルモンを大量に含んだ薬剤に数種の薬草を混ぜ、マラリヤが服用した結果、マラリヤの胸が見る見る内に膨らんで行った。  
 後は好みの大きさに調整できるようにシャロンが試行錯誤をしつつ女性ホルモンの量を徐々に増やしながら服用していき、ついにシャロンの胸はミランダ並の大きさにする事に成功した。  
「やった〜!!マラリヤありがと〜!!」  
「お礼は良いわよ、ただ副作用がどうなるかわからないから注意してね。」  
「もちろん!!このお礼は必ずするわ!!  
 それじゃ、早速ラスクの所に行って来る!!」  
 友人にお礼を言いつつ、ダッシュでマラリヤの居るリディア寮のラスクの部屋へと駆け出して言った。  
 途中でマラリヤの恋人のセリオスともすれ違ったが、今はラスクを落とす算段しか頭に無かったので素通りして行った。  
 
 コンッコンッ  
「マラリヤ?さっきシャロンが走っていったけどどうかしたのかい?」  
 マラリヤの部屋をノックしつつセリオスはそう呼びかける。  
 しかし、部屋から返事は無い。  
「……マラリヤ?」  
 再び声をかけノックをしてみる。が、やはり反応が無い。  
 しかたなしにノブを回してみる。  
 部屋を覗き込むと、マラリヤが息を荒くしながら倒れていた。  
「マラリヤ!!」  
 その様子を見つけたセリオスはマラリヤに駆け寄り、マラリヤの肩を掴んで上半身を起こす。  
「マラリヤ!!しっかり……むぐっ!!??」  
 しかし、マラリヤは薄く目を開けたかと思うと、おもむろに腕を伸ばしてセリオスと唇を重ね合わせる。  
 女性の力とは思えない程の力で強く抱きしめられ、しばらくするとセリオスは呼吸困難に陥り始める。  
 と、しばらくしてようやくマラリヤが唇を開放する。  
「ぷはぁ……マラリヤ!!一体どうしたんだ!!??」  
「……セリオスぅ……」  
 しかし、マラリヤはそのままセリオスを押し倒すと、自らのアソコをセリオスの腰にこすりつけはじめる。  
「うぁ!!ま、マラリヤ……」  
「セリオスぅ、私、もう我慢できないのぉ!!」  
 しばらくマラリヤは自らのアソコを擦り付けていたが、パンティという布越しなので思うような刺激には至らなかった。  
 そこで、その邪魔な布を一気に脱ぐと、セリオスのズボンにも手をかける。  
「ま、待ってくれ!!マラリヤ!!」  
「セリオスぅ……私と一緒にヤろうよぉ……」  
 マラリヤの手はセリオスのズボンのベルトを素早く外すと、セリオスの抵抗空しくパンツごと一気に引きずり下ろす。  
 勢い良く飛び出たセリオスのペニスをうっとりとした目で見つめると、腰を上げ、セリオスと結合せんと腰を下ろしていく。  
「う……うわあぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!」  
 
 さて、一方のシャロンはと言うと、ラスクの部屋に入るや否や、マラリヤ同様すぐにラスクを押し倒していた。  
「ちょ!!どうしちゃったの!?部屋に来るなりいきなりこんな事をするなんて、シャロンらしくないよ!!」  
「私はいつもの私よ?ただ、今日はラスクと久々にしたい気分になっちゃってね♪」  
「いや、いつものシャロンなら絶対こんな事しない!!現に今までもこんな事ってあの媚薬を使わないと……って、まさか!!??」  
「残念だけど、今日はあれを使っては居ないわよ?私だってあれに頼らずともしたい気分にはなるのよ♪」  
「じゃぁ、一体なんだって……って、そう言えばその胸、どうしたの?」  
 自分のズボンを着々と下ろしていくシャロンの揺れる乳房にラスクは違和感を覚える。  
 確か、自分が以前揉んだそれはもっと小さい印象があった。が、今は制服がはちきれんばかりの大きさになっていた。  
「ん?ラスクに喜んでもらおうと思って豊胸剤を作ったの。  
 胸が大きい私とあの小娘、どっちが好き?」  
「小娘って……アロエのこと?  
 どっちって言われても、選べないかなぁ……」  
 その言葉を聞くと、シャロンは動きを止め、ラスクを冷ややかな目で見つめる。  
「ふぅん……私はあの貧乳小娘と同じ扱いなんだ……?」  
「え?あぁ……多分そうなるかな……?」  
「……わかったわ、それなら今から貴方が私にしか振り向けないように、徹底的に犯してあげるわ……」  
 そう言うと、下ろしかけのズボンやパンツの間から無理矢理ラスクのペニスを掴んで引っ張り出す。  
「うわわっ!!」  
「もう逃がさないわ……ラスクはあの小娘なんかにくれてやるものですか!!」  
 と言いつつ、ラスクのペニスを乱暴に自分のアソコへと突っ込む。  
「うわあぁ!!」  
 シャロンの中にペニスが飲み込まれる。いつもと違う乱暴な挿入に、その直後に射精しそうになるのを堪える。  
「ラスクは渡さないわ……ラスクは私の大切な人だから!!」  
 と、ラスクの頭を自らの谷間にうずめさせるようにシャロンは抱きつく。  
 ラスクは乳房の隙間から必死に空気を取り入れようともがくが、思うように呼吸ができずやがて頭が酸欠状態となり呆然とし始める。  
 当然、そうなると踏ん張りが利かなくなり、ラスクのペニスは少しずつ射精の脈動を始める。  
(まずい、このまま出しちゃうと意識が……保て…な…い……)  
 
「はいそこまで。」  
 絶体絶命のその時、シャロンの後方からミランダの声が聞こえたかと思うと、シャロンを通して衝撃が走る。  
 ふっと抱きしめられる力が弱まったのを感じた時、ラスクは素早くシャロンから離れる事に成功した。  
「久々に盗聴してたら只ならぬ会話が聞こえてきたから急いで駆けつけたけど……大丈夫だった?」  
「え、えぇ……助かりました……」  
 ラスクは呼吸を整えながら、パンツとズボンを直す。  
「所でどうしたの?これ……シャロンちゃんの胸が大きくなってるみたいだけど……」  
「それが、僕の部屋に入るなりすぐに押し倒されて……」  
「ふぅん……あ、もしかして……」  
 ミランダがラスクの話を聞いて思案していると、思い当たる節があった。  
「何かわかったんですか?」  
「えぇ、恐らくは。  
 多分私の考えてる通りなら、すぐ治せるから私の部屋まで運んでくれる?」  
「はい!!分かりました!!」  
 廊下からミランダの鍵でミランダの部屋へと直行した  
 
 部屋に到着するや否や、すぐさまラスクにシャロンをいつものベッドに寝かせるよう指示してから薬の調合に入ると、ものの数分で調合を終えた  
「はい、これを飲ませてあげて。意識を失ってるし、飲めないだろうから口移しでね。」  
 調合した薬をラスクに渡すと、そう指示をだす。  
「え……口移しでですか?」  
「えぇ、そうでもしないとすぐに吐き出しちゃうからね。」  
「わ、わかりました……」  
 ラスクは観念したように薬を受け取り、口に含むとすぐさま眠っているシャロンと唇を重ねる。  
 しばらくもごもごとぎこちなく舌を動かして、なんとかシャロンに薬を飲ませる事に成功する。  
「ん……ぷはぁ、薬を飲ませましたけど……これで大丈夫なんですか?」  
「えぇ、9割方ね。」  
「9割って……」  
「多分この症例だと、女性ホルモンと一緒にアルラウネの葉を混ぜたんだと思うわ。そうじゃなければ私の知らない症状が1割程かも知れないけどね。」  
「へぇ……ちなみに、そのアルラウネて言うのはなんです?」  
「アルラウネって言うのは薬草の一種で、人間の血を吸って成長する植物なの。  
 めしべの辺りが人間の女の姿をしてるのが特徴的でね、葉っぱを煎じて飲むだけでホルモンの働きが活発になるから、結構重宝するのよね〜。」  
「あぁ、そう言えば男を誘っては生血を吸う植物があるってのは聞いてましたけど、もしかしてそれの事かな?」  
「そうね。  
 で、女性ホルモンを混ぜて服用すると、女性特有の特徴の表れが顕著になって性的欲求を求めるようになるのよ。」  
「そうか、それであんな事を……」  
「そういう事ね……さて、頃合的にそろそろかしら?」  
 ミランダは時計を見ると、シャロンの肩を掴んでゆさゆさと揺さぶる。  
「う……んぅん…  
 ……あら?ここはミランダ先生の……私は一体何をしていたのかしら……?」  
「よかった……思った通りみたいね。」  
 シャロンが正気に戻ったのを見て、ミランダとラスクは安堵の溜息をつく。  
 
 しかし、その安心は長くは続かなかった。  
 ミランダがシャロンに飲んだ薬の事を問いただすと、マラリヤも同じ物を飲んでいた事が発覚する。  
 すぐさま確認しにラスクとシャロンが走ると、案の定、部屋の中にはセリオスに馬乗りになったマラリヤが腰を振っていた。  
 弱りかけていたセリオスに薬を渡してマラリヤに飲ませる事で、マラリヤも正気に戻す事に成功した。  
「ふぅ……流石にあそこまでやられたのは初めてだよ……」  
 その後、軽く休みを入れつつ服装を整えたセリオスがそうラスクに零す。  
 ここはロマノフ寮にあるセリオスの部屋。マラリヤはシャロンが介抱する事となり、ラスクはその間にセリオスに肩を貸して部屋まで送り届ける事になったのだ。  
「はは、下手すると僕も同じ状態になってたんだよねぇ……ミランダ先生のお陰でお互いこの程度で済んでよかったけど。」  
「全くだ、俺もセックスで生死の境を彷徨う事になるとは思わなかった。」  
「ま、今日はゆっくり休んでおくといいよ。」  
「あぁそうだな、ゆっくり休ませてもらうとするよ……恐らく明日は授業に出るのは難しいだろうから、欠席届けを出しておいてくれないかい?」  
「うん、いいよ。」  
(事情を聞いたら、半分僕が巻き込んだような感じなんだけど、あえて言わないで置こう……)  
 届けをしたためている新たな親友の横で早速秘密を作っているラスクであった。  
 
 
 後日……  
 薬を服用したマラリヤとシャロンの胸は元のサイズに戻り、シャロンは今だアロエとにらみ合いを続けていたりする。  
 今回の事件で変化した事と言えば……マラリヤとセリオスが以前以上にラブラブ振りを発揮し始めた事位であろう。  
 まぁ、ミランダの策略でこの二人もリディアとカイルの二人を監視する(弄ぶ)メンバーに引き入れる事に成功したようだが……それはまた別の話。  
 
  to be continue?  
 
 
 

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