『Serenade bizarre』  
 
夜の帳が降りた頃。  
アカデミー旧校舎の屋上に、シャロンは独り降り立つ。  
誰もいないことを確認すると―人がいるはずもないが―、携えたヴァイオリンケースからストラディヴァリを出す。  
しばらく指を切った後、調律を済ませた名器をそっと構える。  
G線に載せられた弓が、低く豊かな音を紡ぐ。  
曲はわからない。 しかし、ゆったりとしながらも、誰かに甘く囁くような曲。  
『愛想曲』の一つだろう。  
名器がすすり泣くように震える。  
まるで、そこにいない恋人に告白するかのように。  
一心不乱に演奏するシャロンにも、少しずつ変化が訪れる。  
上品で美しい貌が紅潮しだし、碧い瞳も心なしか潤み始めている。  
正確に旋律を紡ぐしなやかな指は、まるで違う何かを求めるようにも見える。  
曲調が転換するとともに、音色も変化する。  
静かに愛を囁いていた音が、にわかに艶を増す。  
まるで、褥で愛の交歓を求めるように。  
シャロンの様子がさらに変化する。  
潤んだ瞳は既に焦点を失い、自らが甘い吐息を漏らし始めている。  
指は、ヴァイオリンと弓をかき抱き、愛撫するかのようである。  
よく見ると、両脚に細かい震えが走っている。  
その震えが指に及び、曲を揺らすが、曲を乱すこともなく、むしろ、艶っぽさを増す結果となっている。  
最後の一音を結んだ瞬間、高らかな吐息を名器が吐き出し、シャロンの体が、電流に撃たれたように軽く痙攣する。  
そして、ゆっくりと、屋上の床にへたりこむ。  
…背後から、乾いた拍手が聞こえる。  
「素晴しい」  
静かな声が投げかけられる。  
シャロンは振り向かない。 いや、振り向くまでもない。  
恋焦がれ、待ち焦がれた相手。  
銀髪の少年―セリオスがそこにいる。  
 
「どうしたんだい? 座り込んだまま?」  
セリオスの言葉は静かなままだ。  
シャロンは弛緩した体に力を込め、ようやく立ち上がり、セリオスを見る。  
「セ、リオス…」  
貌を紅潮させ、ようやく彼の名前を絞り出す。  
その様子に薄い笑みを浮かべて、セリオスはシャロンの間近まで歩み寄る。  
「いい曲だったよ。 …でも、何を考えて演奏していたんだい? 前に聴いた時よりも…」  
一旦言葉を切る。  
「…淫らに絡みつく音色だったけど?」  
そのセリフにシャロンがピクリと体を震わせる。  
「…そ、そんなこと…あ、ありませんわ…」  
強がってみるが、どうにも言葉に力はない。  
その言葉を無視するかのように、セリオスはシャロンの背後に回る。  
「でも」  
言って、顔を耳元に寄せ、こう囁く。  
「そんなもの欲しそうな音で僕を呼んだのは、どこの誰かな?」  
耳とうなじにセリオスの吐息がかかり、シャロンはまたピクリと震える。  
「そ、それは……」  
シャロンが口ごもる。  
「僕に、こうしてもらいたんだろ?」  
後ろから胸に触れられる。  
「あうっ!」  
シャロンが鋭い悲鳴を挙げる。 しかし、抵抗はない。  
「だって、そういう合図だよね、この曲を奏でるのは。 そう決めたんだよね」  
服越しに乳房をまさぐりながら、セリオスが詰める。  
「………えぇ、その通りです…私は…」  
快感に体を再び震わせ、シャロンが途切れ途切れに言う。  
「じゃあさ」  
セリオスは体から手を離す。  
「…自分で脱げるよね」  
シャロンの瞳が大きく見開かれる。 縋るような瞳。 セリオスの表情は変わらない。  
「……はい」  
わかっている。  
セリオスには逆らえない。 そう、体に刻み込まれているから。  
ゆっくりと、制服のリボンをほどき、ボタンに手をかける。  
 
シャロンは上着を脱ぎ、床に落とす。 そしてブラウスのボタンに手をかけて、ゆっくりと脱ぎ進める。  
セリオスが、後ろから胸元に手を当てる。 その刺激に、  
「うんっ…」  
思わず反応してしまう。  
しかし、セリオスの手は、乳房の敏感な箇所へ進むこともなく、スルリと離れる。  
そして、その手は、シャロンの頭のリボンを解いただけだった。  
「…まだ、何もしないよ」  
シャロンの反応を嘲笑うようにセリオスが言う。  
シャロンは思わず振り返り、涙ぐんでセリオスを見据える。  
「まだ、ね」  
その反応に満足げにセリオスが言う。  
「さ、脱ぐんじゃなかったのか?」  
「う……」  
シャロンは何も言えずに、脱ぎ続けるしかなかった。  
…わかっている。 自分も、セリオスも。  
乳首は既にこれ以上ないくらいに尖り、スカートの奥は既に熱く濡れていることを。  
シャロン自身がその恥辱を期待している、ということを。  
ブラウスのボタンを全て外して、肩から滑らせるように落とす。  
袖を抜こうとすると、いきなりセリオスの手がシャロンの両手を後ろ手に取る。  
そして、先ほど解いたリボンで縛る。  
「あっ!? な、何を…」  
「さっき、勝手に感じただろう? 僕の許しもなしに。 これは罰さ」  
うろたえるシャロンに、セリオスが冷たく言い放つ。  
「…ひ、ひどい…ですわ」  
シャロンの訴えを聞きながら、セリオスはブラウスを脱がせた。  
抜けるような白い肌が露わになる。  
「でも、こうされて、本当はもっと感じてるんだろう?」  
言って、ブラの上から正確に尖った乳首を押す。  
「はうんっ!」  
強い刺激にシャロンが嬌声をあげ、セリオスの貌に嗜虐的な表情が浮かぶ。  
 
「はぁ…はぁん……」  
「ほら、もうそんな声をあげて。 もの欲しそうに…」  
言いながらも、セリオスの攻めは止まらない。 両方の乳首を的確に抉る。  
「き、気持ち、いいですぅ…も、もっと…」  
そう言うシャロンの声は、既に普段とはかけ離れたものだった。  
「もっと欲しいなら、言葉と態度で示しなよ」  
セリオスが静かに言い放つ。  
シャロンは直接弄られたい欲望にもう勝てない。  
「…うっ…も、もっと触って、気持ちよくしてくださ…い…」  
そう言って、後ろ手にされた手を器用に動かし、ブラのホックを外す。 支えをなくしてブラが滑り落ちる。  
大きさは控えめながら、女として成熟しつつある乳房が露わになる。  
その中心でピンク色の乳首がこれ以上なく存在を主張している。  
「そんな恰好で脱ぐなんて…いやらしい娘なんだな、シャロンは」  
セリオスは意地悪く言い、直接シャロンの乳首を嬲る。  
「あっ、あああっ!」  
堪えきれず、シャロンが高く喘ぐ。  
こねるように、つまむように弄ばれる乳首から全身へと激しく快感が駆け巡る。  
全身の震えが止まらず、膝から崩れそうになる。  
シャロンのわななく姿を満足げに堪能しながら、セリオスの手が乳首を離れてスカートへ潜り込む。  
「ふうん、紐留めかい、いやらしい下着を選んでるんだね」  
「あん、い、言わないで…」  
「…もう、今は必要ないだろう、外すね」  
言うが早いか、セリオスの指は紐の結び目を解いている。  
右側、そして左側と解くと、そのまま床へショーツは落ちた。  
既に大量の蜜を含んでいる布は、湿った音を鳴らす。  
「…お漏らしでもしてるのかい?」  
「…ち、違いますっ…うんっ…」  
度重なる言葉での攻めにシャロンの理性は耗弱してきている。  
「じゃあ、これは何だい?」  
セリオスの指が内腿をさする。  
溢れた蜜が内腿までをべっとりと濡らしているのがわかる。  
「あん!」  
熱いむず痒さにまた嬌声があがった。  
 
「…ほら、こんなに。 シャロンが溢れさせたんだよ」  
指に絡みついたシャロンの秘蜜を見せつけながらセリオスが囁く。  
あまりの恥辱にシャロンは正視できない。 思わず顔を背ける。  
しかし、逃げようとするシャロンの視線を執拗に追うように、セリオスは続ける。  
「そうか、もう夜だから暗くて見えないのかな」  
言って、短く詠唱する。 途端に2人の周りの半径3メートル程度が明るくなる。  
「い、いやっ!」  
昼のような明るさに肢体を晒され、シャロンは身を竦ませる。  
すかさずセリオスは、乳首を捏ね上げ、内腿を柔らかく撫で上げる。  
「ああ…ぅんっ…」  
快感にシャロンの体が弛緩する。  
抵抗がなくなったのを見計らって、セリオスは再び、蜜に濡れた指をシャロンの眼前に示す。  
「こんなに濡らして…」  
ほら、というように指をさらに差し出すと、貌を紅潮させたシャロンは、自らの吐き出した蜜にまみれた指をしゃぶった。  
「…どうだい、自分の味は…?」  
「ぁはぁ…セリオスさんの指…甘いです…はぁ…」  
陶然と言うシャロンにクスクスと嗤い、  
「じゃ、ここも…」  
と再びスカートに手を潜り込ませて、しとどに濡れたスリットを撫でる。  
「きゃうっ!」  
シャロンが電撃に撃たれたように体を硬直させる。  
「全く、はしたなくできてるもんだな…」  
スリットを撫でる指が中心で止まる。 そして、指が2本、一息にヴァギナへ潜り込む。  
「あんっ!」  
またしても鋭い嬌声で反応するシャロン。  
「さっきから悲鳴ばかりかい? こうされてどうなの…?」  
セリオスは言葉を紡ぎながら、襞を指で緩やかに蹂躙する。  
「あふぅ…と、とっても…あん、…気持ちいい…ですぅ…」  
シャロンは甘く啼く。   
「もっと声あげなよ。 さっきのストラディヴァリの方がもっと素直に訴えてたよ、気持ちいい、ってさ」  
ヴァギナに挿さった指の動きを激しくする。  
にちゃり、ぐちゅり、とくぐもった水音が響く。  
「ああああんっ! 気持ちいいのぉ! もっと…!」  
しどけない表情に貌を蕩けさせてシャロンが痴態を晒す。  
指がヴァギナの浅い位置にあるツボを刺激すると、  
「あぁ…はぁん…もっと…もっとぉ…!」  
と、溶け落ちそうな声をあげて啼く。  
そして、セリオスは親指を駆使して、クリトリスをすり潰すように捏ねる。  
「……あ、い、いやぁっ!」  
シャロンは高い悲鳴をあげるように絶叫し、上体を痙攣させる。  
その瞬間をセリオスは逃さず、快感を送り込んでいた指を全て外す。  
 
「あ…あ、ど、どうして…?」  
絶頂を目前に攻めを中断され、空ろに潤んだ瞳でシャロンがセリオスに縋る。  
「だって、『いや』って言っただろう? だから止めたんだけど?」  
空々しくセリオスが言う。  
「あうっ…」  
シャロンが口ごもるのを後目にかけ、セリオスは意地悪く、  
「それでは、これでおしまいにするか。 嫌々じゃしょうがないからね」  
そう言って、クィディッチ用の箒を出し、その場を立ち去ろうとする。  
「あ…そ、そんな…」  
「そんな、ではわからないな。 どうして欲しいのか、はっきり言ってごらん」  
すぐにでも飛び去る姿勢でセリオスが突き放す。  
シャロンは恥辱で顔どころか、体まで赤くしながらも、声を絞り出す。  
「わ、わた…くしを、もっと、弄って…気持ちよくさせ…させてください…私を……い…イカせて…く、ください…」  
シャロンは両目から涙をこぼし懇願する。 既に平生のプライドはなかった。  
想定通りの展開に内心得心しながらも、セリオスはやれやれ、といったポーズを取って箒から降りる。  
そして、後ろ手に縛ったリボンを解いて、  
「よく聞こえなかったな…もう一回、言ってごらん」  
「えっ…」  
何度も、恥辱にまみれたセリフを言わされる状況にシャロンの脳裏が白くなる。  
しかし、恥ずかしさと、好きな男が与える悦楽とを秤にかけるまでもなかった。  
自然と、シャロンはスカートを捲り上げ、自らの秘部を晒す。  
そうしておいて、  
「私を…もっといじめて、気持ちよくしてください……淫らに浅ましくイク姿を見てください…っ!」  
再びねだる。  
言う傍から、新たな蜜をこぼし、床に染みを作る。  
セリオスの笑みがさらに意地悪くなる。  
「最初からそう素直に言うんだね…」  
恥ずかしい姿勢のシャロンをそのままに、セリオスは放り出されたままのストラディヴァリと弓をケースにしまい、シャロンの上着を拾う。  
「じゃあ、このまま、君の部屋へ行こう。 そこで続きとしよう」  
言うが早いか、シャロンを抱き上げ短く詠唱する。  
箒がひとりでに動き、飛ぶ準備を済ませる。  
セリオスは横乗りすると、そのまま寮へと向かった。  
魔法光も消えた屋上に、重く湿ったショーツと染みだけが残された。  
 
「さて、どうして欲しいんだっけ?」  
シャロンの部屋に着くなり、セリオスがまたしても同じ問いをぶつける。  
「………」  
シャロンは涙ぐみ、うまく言葉を継げない。  
「…冗談だよ」  
そう言いながらも、セリオスはシャロンを放ったまま、ステレオコンポに向かう。  
そして、目当てのディスクを見つけるとデッキにセットして、静かに流す。  
それは、先ほどシャロンが演奏した曲であった。  
「じゃ、全部脱いで」  
セリオスが促すと、シャロンは脱ぐ時間ももどかしい、とばかりに一糸纏わぬ姿となった。  
滑らかな肢体に内心舌を巻きながら、セリオスは床に落ちている制服のリボンを手に取る。  
そして、シャロンの両手を再び後ろ手に縛る。  
「あ、そ、そんな…」  
弱々しくシャロンは言うがされるがままである。  
セリオスはそのまま、シャロンをベッドに横たえる。  
緩く開いた脚の付け根からは、相変わらず蜜が吐き出され、シーツにじわじわと染みを広げていく。  
「…まだ濡れるんだね。 何もしてないのに」  
「…そんなに見ないで…ください」  
「駄目だね。 …そうか、こうすればこぼれないかな」  
セリオスはシャロンの両足を持ち上げ、体操の後転の要領で倒す。  
両足は、寝ているシャロンの頭の上となり、後ろ手の姿勢と相俟って、窮屈さにシャロンが呻く。  
「…これで良し、と。 これならこぼれないし、よく見えるからね」  
「あ……くっ…」  
天井に向かって秘部を晒す恰好にシャロンが身悶える。  
足を軽く押さえつけ、内腿をさらりと掃くように撫でながら、  
「見えるかい? シャロンの恥ずかしい部分が」  
「う…は、はい…」  
目を背けたくても、この姿勢では無理である。  
「シャロンの望みは、弄ってもらってイクことだったよね。 じゃ、こうしてあげる」  
そう言って、無防備に開いたヴァギナに指を挿れる。  
「んんっ…!」  
窮屈な姿勢のまま快楽を与えられ、シャロンの声がくぐもる。  
「こんなにきつく締め付けてくるなんて…本当、いやらしいね」  
しばらく指を単純に出し挿れするだけの動作だったが、それでもシャロンのヴァギナは敏感に反応して蜜を吐く。  
「ああ…はぁ…」  
体の下から甘い啼き声が聞こえる。  
 
セリオスは指を一旦抜いて、顔をヴァギナに寄せる。  
そして、まるで、接吻するかのように口で激しく啜る。  
「ああっ…うんっ!」  
シャロンが鋭い嬌声をあげて喘ぐ。  
セリオスは、ディープキスを模したように激しく深く舌を差し出し、ヴァギナを攻める。  
舌の代わりに、熱く溶けた襞が、舌の動きに合わせて絡み付いてくる。  
ぴちゃっ、ずずっ、と殊更に大きな音を立てて啜り、蹂躙する。  
「は…は…はぅんっ…あっ…!」  
シャロンの声が小刻みに震える。  
セリオスは口を離した。  
刺激を止められたラビアがひくひくと痙攣している。 鮮やかなピンク色に染まり、更なる快感を欲している。  
「…目を閉じずに見るんだ」  
セリオスが言うと、シャロンは弾かれたように強く瞑った瞳を開く。  
シャロンは既に快楽の海に溺れている。  
セリオスの巧み、かつ嗜虐的な愛撫に反応し、また、あのBGMが心の奥の色情をくすぐっている。  
何故だろう。  
ほんの一片だけ残された理性が問う。 あの曲を聴くと、何故、私はこうなってしまうのか。  
確かに、セリオスを愛しているからこそ、このような恥辱にも耐えられる。  
しかし、この曲に出会うまでは、ごく普通の付き合いだった筈だ。  
この曲は、一体…?  
しかし、そんなシャロンの思考を消し飛ばすように、セリオスの指が2本ヴァギナの奥底へ鋭く潜む。  
「きゃうっ!」  
思わず、また目を瞑ってしまうが、何とかまた目を開ける。  
「すごいな、こんなにきつく締め付けるなんて…」  
セリオスが嗤い、屋上での行為と同じように、ヴァギナを掻き回し、紅く膨らんだクリトリスを抉る。  
「どうなんだい?」  
「…ああ…はぁ…ク…クリトリスが…んっ…気持ちいい…っ!」  
激しい攻めに、ストレートに応える。  
無理やりに開いた目に、自分の恥部を自在に蹂躙する指が踊るさまが見える。  
「じゃ、もっとこうしてみるかな」  
セリオスの指の動きが変わる。  
往復していた動きを止め、深く突き立てる。 そしてそのまま右へ、左へ捻りこむように動かす。  
「いいっ! それ、気持ちいいっ! ああああっ…!」  
全身をわななかせ、シャロンが絶叫する。 もう絶頂は目前である。  
しかし。  
そこで、セリオスは指を抜く。  
快感で限界まで熟れたシャロンのヴァギナは奥まで開き、挿れるべきものを求めてぱくぱくと蠢いている。  
「…え…?」  
寸止めを食らってシャロンが戸惑う。  
 
「ど、どうして…? お願い、もう…イカせて…ください…」  
シャロンにとっては、今日何回目かになる恥ずかしいおねだりのセリフを言う。  
しかし、セリオスは何も言わない。  
薄く笑ったまま、窮屈な姿勢を解き、後ろ手に縛ったリボンも解く。  
そして、シャロンの上体を起こし、後ろから両腿を抱え上げ、その姿勢でベッドから離れる。  
まるで、幼児の放尿のような姿勢に固定されてシャロンがまた身悶える。  
「ど、どこへ…?」  
その質問を無視したまま、セリオスはリビングのテーブルまでたどり着くと、テーブルにシャロンを  
座らせる。  
Mの字に足を開いたしどけない恰好だが、快楽に痺れたシャロンは姿勢を正せない。  
「…さて、そろそろ、欲しいんだろう? もう一度、おねだりしてごらん。 僕がすぐにでも挿れたくなるように、ね」  
薄く張り付いた笑みと裏腹に、セリオスの目は変わらない。  
言いようのない恥ずかしさにシャロンはしばらく動けない。  
しかし、限界までたわめられた快感を開放したい、その欲望にはもはや勝てなかった。  
おずおずと、両手を充血した秘部に当てる。  
そして、指で、自らのラビアを開いて、奥を見せ付ける。  
「…お願いします。 淫らなわ、私に、貴方の…貴方の熱くて大きいお…お…おちんちんを、挿れて…ください…」  
浅ましい姿で、ついに言わされる。  
「全く、ただのメス犬だな」  
淡々とセリオスが言う。  
「はい…私は淫らな、メ…メスです…いっぱい、いっぱい…イカせてください…」  
もはや、うわごとのようにシャロンはおねだりを繰り返す。  
セリオスがズボンと下着を下ろす。 バネ仕掛けのように屹立したペニスが晒される。  
「…では、メス犬のシャロンには、躾とごほうび、だ」  
言い捨てて、一息に貫いた。  
「あああああっ!」  
激しく侵入したペニスが子宮口を叩き、今まで昂められていたシャロンは一瞬で昇りつめた。  
全身を痙攣させ、涙と涎を流して、体の奥からの快楽に酔う。  
「…もうイったのかい? 全く、自分勝手だな…」  
シャロンをあっさり絶頂に導いた満足感を味わいながらも、セリオスは口撃を止めない。  
「さあ、まだ足りないんだろ?」  
言いながら、一旦ゆるやかにペニスを抜く。 そして、再び、根元まで押し込む。  
「あんっ!」  
シャロンの体がまた快感で跳ねる。  
 
「あ…あはぁ…ふとい…おっきいのが…いっぱい…」  
恍惚とした表情でシャロンが快感を訴える。  
セリオスはそれを見ながら、ひたすら突き上げる。  
溶けるような感触の襞が、ペニスにまとわりついて離れない。  
セリオスにしても、さすがに、こみ上げるものを抑えきれない。  
「…いやらしい眺めだ」  
言いながら、シャロンの乳首を攻めながら抽送を早めると、  
「ああっ、ま、またいっちゃううっ!」  
完全に感度が上がりきっているのだろう、いくばくも動かないうちにまたしてもシャロンが昇りつめた。  
絶頂の瞬間の激しい締め付けに内心酔いながらも、  
「ほら、僕を満足させてみろ!」  
と、息つく間も与えず攻め続ける。  
シャロンはひたすら啼きながら、上体を、腰を淫らにくねらす。  
…そうか。  
激しく突きたてていたペニスを唐突に抜いた。  
「あん、いや…お願い…もっと…」  
途中でペニスを抜かれて、シャロンがいやいやをするようにねだる。  
「…だったら、メス犬らしい浅ましい姿で犯してあげるよ」  
言って、テーブルから彼女を降ろす。  
快感で息の乱れたシャロンは立っていられず、床にへたりこむ。  
セリオスは、再びリボンを拾い、後ろ手に縛る。  
そして、シャロンを立たせて、ソファーに行き、自分は浅く腰掛ける。  
そして、背面座位の恰好で、真下から彼女を犯した。  
「あうんっ! お、奥まで当たってるぅ!」  
「ほら、もっと動いてみせろよ、ほら!」  
セリオスの言葉遣いが荒くなる。 彼女の足の間に自分の足を入れて、大きく開かせる。  
そして、奥まで貫いた状態でぐりぐりとせり上げる。  
「こんなのって…こんなのって…いい! あっ、すごくいいっ!」  
シャロンも不自由な姿勢ながら、欲望のままに腰を激しくグラインドさせる。  
密着した2人の秘部からは蜜の飛沫があがり、淫猥な音を立てる。  
「くっ…!」  
セリオスが不意に呻く。 シャロンの締め付けと変わった角度での動きにつり込まれる。  
「はぁ、はぁ、はぁあん! ま、またイっちゃうううっ!」  
ひときわ高い声をあげてシャロンが絶頂を告げる。  
その瞬間、彼女のヴァギナが激しく収縮し、限界まで膨れ上がったペニスをこれ以上なく甘く絞る。  
「ああああああっ!」  
「ううっ…!」  
絶叫と共にシャロンが達し、セリオスも激しく射精した。  
意識が白くなる感覚に、シャロンは失神した。  
 
今なお繰り返し流れるあのメロディにセリオスは確かに聞いた。  
『周りには奇異に映ろうとも、それが真実の愛』  
(シャロン…こんなでも…君のことは…本当に…愛…し…)  
言えなかったセリフが頭を過ぎり、そして、セリオスも意識を落とす。  
 
― Fin.―  
 

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