『SUNSHINE ROMANCE』
「んー、潮風が気持ちいい♪」
ボートの上でルキアはご満悦。 今年流行りの白のビキニが眩しい。
俺はオールを漕ぐ手を休めずに、
「やっぱ、海は最高だな!」
と返す。
アカデミーの『研修旅行』とは名ばかりのバカンス旅行で、俺たちはリゾートビーチに来ている。
しばらくビーチで皆と遊んだ後、自由行動となり、俺はルキアとボートに乗って沖の小島に向かっている。
「…よし、着いた」
小さな砂浜と岩だけの島に到着し、俺はボートを流されないようにもやる。
砂浜にマットを敷き、パラソルを差して2人して座る。
「ねぇ、レオン」
ルキアがビキニトップのストラップをほどいてうつぶせに寝転ぶ。
「オイル塗ってもらっていーい?」
「はいはい」
俺はサンオイルを取り出し、ルキアの腕と背中に丹念に塗りこむ。
「いっぱい焼いちゃうもんねー♪」
「日差し強いからな。 すぐにコンガリ焼けそうだな」
俺もオイルを塗りたくり、一緒にうつぶせる。
まだまだ日は高い。 パラソルの陰にいても、ものの1・2時間で俺たちは真っ黒に焼けるだろう。
「…ねぇ、レオン」
しばらく横になってたら話しかけられた。
「どうした?」
「ううん、2人っきりって久しぶりだよね」
「…2週間でも『久しぶり』なのか?」
「だって、ずっと試験だったし、前に一緒にデートしたのも、この水着買いに行った時だもん」
言って、ビキニのストラップをつまむ。
「そういやそうだな」
その仕草に少しドキリとしながらも、素っ気なさげに俺は返す。
「もう! 嬉しくないの?」
「ち、違うって! その…」
少し機嫌を損ねちまったようだ。 ルキアが頬を膨らませ俺をジトッと睨む。
…恋人同士となっても戸惑い半分、水のように、空気のようにお互いにいて当たり前の感覚半分なんだけど、
これをそのまま言うと、またルキアはムクれるだろうしなぁ…
「…ごめんごめん、嬉しいなんて当たり前だろ。 ほら、機嫌直せよ、可愛い顔が台無しだ」
俺は起き上がり、うつぶせのままのルキアの肩を優しく揉む。
「むー」
ルキアはムクれたままだけど、目はもう笑っている。
「んー、気持ちいい…レオン、背中もマッサージして♪」
「はいよ」
体重をかけないように俺はゆっくりとルキアの体をほぐす。
優しい潮風と相俟ったのか、ものの10分もしないうちにルキアは安らかな寝息を立て始める。
「………」
無邪気な寝顔。 この寝顔を独占している俺は、やっぱ果報者だよな?
起こしてしまわないように頬に軽くキスをして、俺も横になって甲羅干しを始める。
波の音だけが聞こえる。
のろのろと時間が過ぎる。
いつしか俺も微睡みだして…
「ん?」
ふと、体に何かが当たる。 柔らかい感触。
「……ホント、寝相悪いな」
ルキアが寝返りをうったのだろう。 俺は苦笑しながら、姿勢を戻してやろうと向き直る。
「…って、おい!」
俺は慌てた。
ルキアは仰向けになって寝ている。 そこまではいい。
しかし、甲羅干しの際、ビキニのストラップを外していた。 そこに寝返りをうてば…
…つまり、今、ビキニは胸を隠す役割を全く果たしていない。
俺は焦りながら、バスタオルを探し当て、ルキアにかぶせる。
「…まったく…」
なんでこう無防備なんだよ。
俺が内心ボヤいていると、
「……んー……」
バスタオルの感触に気付いたのか、ルキアが目を覚ます。
「あれぇ…? ……って、あーーーーっ!」
自分の状態に気付いて、両手で胸を隠して大声をあげる。
「ひっどーい! 見たなぁー!」
「待てよ! そっちが寝返りうったから見えただけだろ!」
「ウソ! 寝てる間になんて……!」
「おい!」
言いがかりもいいとこだ。 俺は必死に弁明する。
「……えっち」
眉をひそめ、ジト、と俺を睨むルキア。
「……あのなあ、それならバスタオル掛けないだろ、普通…」
いや、内心、しばらくぶりにじっくり眺めたかったとは思うが。
「ほら、早くビキニつけろよ。 後ろ向いとくからさ」
俺はルキアに背を向けてそう促す。
バスタオルがマットに落ちる音がする。
で。
「…まだ着けられないのか?」
とボヤいた俺の背中にふにっ、と柔らかい感触。
「……ねぇ、レオン〜」
クスッと言う小さな笑みと共にルキアが俺に引っ付いてくる。
「うわ、な、何だよ?」
「……ごめんネ、冗談だから」
「いや、もういーからさ。 じゃ、もうひと泳ぎすっか」
と振り向いて、思わずのけぞる。
…脱いでるじゃんかよ! 小麦色に灼けた肌と白いままの乳房のコントラストにクラクラする。
「…ねぇ、私って、そんなに魅力ないの?」
ルキアが上目遣いに甘えるように俺の眼を覗き込む。
そう来られたら…
「んなワケないだろ。 綺麗だよ、ルキア」
無条件降伏。 優しく抱き寄せる。
抱き寄せたまま、俺は素早く視線を走らせる。
近くに他人の気配は…ない。 遥か向こうにヨットが見えるだけだ。
ビーチ側からもこちらに向かうボートもない。 …よし。
俺はルキアの顔を覗き込み…いきなりキスを貪られた。
「ん…ぐ……」
俺は目を白黒させる。 こんな積極的だっけ?
ルキアの柔らかい舌が俺に入り込む。 気を取り直して俺も負けじと舌を絡める。
…そういや、確かにキスするのも『久しぶり』だな…
と思い当たって、一度キスを解いて、
「…『久しぶり』だし、いっぱい、キスしような」
と言って今度は俺がルキアの唇を奪い取る。
深く深く吸い、舌を躍らせる。 上顎を舐めると、
「…ん……はぁ…」
とルキアの口から甘い吐息が聞こえてくる。
キスを続けながら、俺は手を伸ばして、ルキアの豊かな乳房に触れ、ゆっくりと揉み始める。
同年代と比較すると遥かに大きい乳房は、張りがあって俺の手を弾き返すくらいだ。
「や…あん……ふぅ…」
キスの合間に甘い声が漏れる。
俺は手を休めずに首筋にキスを落とし、そのまま乳房に滑らせようとしたが、首にキスした途端、
「ん…ダメ…痕、残っちゃう…」
拒まれる。 ま、真っ昼間にキスマークじゃ恰好つかないしな。
「しょうがないなぁ。 …じゃ、こうだ」
作戦変更。 俺は直接ルキアの乳首を唇で転がす。
「ああっ! んぅ…!」
鋭い嬌声をあげてルキアが悶える。
大きな乳房に不似合いなくらい小振りの乳首が、俺の口の中で硬く大きく育つ。
「やだ、レオン、そんなにしちゃ…あんっ!」
弱々しい抗議はすぐに快感で掻き消えたようだ。
俺は反対側の乳首も同じように愛撫する。
「ルキア、敏感なんだな、ここ」
「やぁん、い、言わないでよぉ…あぁ…」
俺が言うと、恥ずかしそうにルキアが喘ぐ。
「もっと可愛い姿、見せてよ」
もっと乱れる姿が見たい。
俺は両手で激しく乳房を揉む。 揉みながら、切なく尖った乳首を同時に捏ね上げると、
「やっ……! ああんっ! いい、よぉ!」
刺激が強いのか、強く俺にしがみつき、快感を訴える。
一旦揉む手を外し、俺はそのまま許可を取らずにアンダーの紐に手を掛けて解く。
ルキアはされるがまま、快感に溺れている。
手をおずおずと俺の下半身に伸ばして、水着越しに俺のアレをさすっている。
緩やかな刺激に俺はたまらなくなり、アンダーを解き終えると、右手をルキアの後頭部に廻しマットに押し倒す。
絡みついたアンダーを取り去ると、夏の激しい陽光の下、一糸まとわぬルキアの姿がさらけ出される。
快感で張り詰めた乳房は、横になってもほとんど形が崩れずにツンと上を向いている。
そして、まだ淡いヘアの奥は、既に蜜で濡れて光っている。
しげしげと眺めていると、
「お願い…あまり見ないでよぉ…」
顔を赤く染めて、ルキアが懇願する。 本当に恥ずかしいらしく(当たり前か)、内腿を閉じる。
「…しょうがないなぁ」
横になってモジモジしているルキアを可愛いな、と思いつつ、俺は一旦ルキアの唇に軽くキスをする。
そして、一旦体を離すと、
「えっ、ちょっ、やだぁ!」
有無を言わせず、素早く両足を押し開き、秘部に顔を埋める。
「だーめ。 俺、我慢できない。 もっとルキアのエッチなとこ、見たい」
それだけ言って、俺は薄く開いた秘唇に舌を這わせる。
「や、あああんっ!」
ルキアが顔をのけぞらせるのが視界に一瞬入る。
ルキアの甘い蜜の香りに潮の香りが混じっているが、全く気にもならない。
俺は鮮やかなピンク色の秘唇にディープキスの要領で口づけ、舌を入れる。
狭く締め付ける感触が俺の舌を攻撃し、ヌラリと溶けた蜜の感触が俺の舌を酔わせるようだ。
「んぅ! レ、レオン…や、あ…」
ルキアの声が早くも途切れ途切れになる。
俺は、挿し込んだ舌を激しく躍らせてみたり、舌を尖らせストローのように蜜を音を立てて啜る。
「あ……あ…」
静かな波の音に混じり、淫らな吐息と粘った音がかぶさる。
もっと、エッチな声が聞きたい。
俺は、舌を胎内から抜くと、赤く尖った蕾に舌を這わせる。
「あんっ! そこ、弱い、のぉ!」
ルキアの喘ぎ声が甲高くなる。
「ルキア、可愛い」
俺は囁き、さらに舌と唇で可愛がる。
「……もう、レオン、あ……いやぁっ…!」
俺の頭を強く押さえてルキアが体を激しくよじる。
チラリと上目遣いにルキアの乱れた表情を捉えて、俺は、
「ルキアがイク時の可愛い顔、見せて」
とだけ言って、蕾を唇で甘く噛み、はさまれた蕾を舌で啄ばむ。
「レ、レオン……! もうダ、ダメぇっ! イ、イッちゃうっ…!」
ルキアの両手が、俺の頭を激しく自分に押し付ける。
俺は唇に力を込めた。
「ああああ…んっ…!」
高い声を迸らせて、ルキアは絶頂に達した。 強く眼を瞑りながらも、大きく開かれた口から舌が覗く蕩けた表情。
その表情が俺に焼きつき、俺の口を、ルキアが発した一際熱い蜜が満たす。
俺は体を起こし、肩で息を吐いているルキアの体もゆっくりと起こす。
「やっぱり、ルキア可愛い」
座った姿勢で抱き締め、目じりに薄く涙を浮かべたルキアに軽くキスをする。
「レオン、あったかい…」
ルキアもキスに応じて、俺をギュッ、と抱き締める。
しばらくそのままの姿勢で俺はルキアを感じる。
…ほどなく、俺のモノに少しひんやりとした柔らかい感触。
ルキアの手が、既に粘液をこぼしている俺を軽く握っている。 そしてゆるゆるとしごく。
「…手、汚れるぞ」
甘い刺激に俺は疼きながら囁く。
「…熱い。 ねぇ、レオン…欲しいよぉ…」
眼を蕩けさせながら、ルキアがねだる。
「……じゃ、挿れるぞ?」
俺のモノから手を外させて、俺はゆっくり押し倒そうとするが、ルキアがかぶりを振る。
「ギュッ、と抱き締めあいながら…したいの」
「オーケー。 俺もルキアの顔、もっと見たい」
俺は胡坐をかく。 そこにルキアがまたがり、俺のモノに手を添えてゆっくりと腰を沈める。
十分に濡れたルキアの襞はスムーズに俺を飲み込む。
「あああん…っ!」
ルキアが強くしがみつく。
「うっ、ル、ルキア…すごい…気持ちいい!」
熱い潤みに満たされた俺も、強い快感に腰が震える。
いきなり射精したくなる感覚に俺の頭がヒリつくが、何とかこらえる。 イクのは一緒に、だ。
俺はルキアの腰に手を廻して揺さぶるように体を動かす。
「あんっ! レ、レオンのが…いっぱいで…甘いよぉ…!」
開けっ広げに快感を訴えながらルキアが俺にしがみつく。
座ったままだから、突き上げるような動きにはならないけど、それでもルキアの中は狭く締め付けながらもうねうねと襞が蠢き、絡みつく。
「ル、ルキア…俺も、溶けそう…!」
このまま溶け合いたい衝動が俺を襲う。
俺は挿しこむ角度を微妙に浅く変えて、激しく左右に揺する。
「あああん! そこ、そこ擦ったらダメぇっ! そんなの……いいのっ!」
ルキアが激しく体をのけぞらせる。 俺を抱き締める腕に力がこもる。
ルキアの奥からも熱い蜜が新たに迸り、俺たちの動きに合わせて粘った音を発している。
もう、我慢できない。 このまま、一緒に…
俺はさらに激しく動く。 結合部を軸にしてマットの上を独楽のように回りながら淫らに踊る。
「あ、あっ、レオン、またイッちゃうよぉ!」
ルキアの全身がわななく。 俺の胸に体を密着させる。
ルキアの襞が全てを吸い込むように一際甘く締め上げる。
「お、俺ももう…出るっ!」
「わ、私も…あああああっ!」
ルキアの絶頂を告げる声に導かれて、俺も達した。
激しくルキアの奥に打ちつけながら、俺は囁く。
「ルキア…ずっと…愛してる」
しばらくして、俺の胸の中にしなだれかかったルキアの口から、
「私も…ずーっと大好きだから…レオン…」
幸せそうな声。 …絶対、離すもんか。
「なぁ、ルキア」
ビーチに戻るボートの上。
俺はボートを漕ぎながらルキアに尋ねる。
「なぁに?」
俺の胸に頭をあずけた姿勢のまま、ルキアが応える。
「さっきのアレ…タヌキ寝入りだろ?」
「ギク」
…ホント、嘘つけないな。
いくら何でも、あんな寝相はないだろ。
「…だってぇ、しばらく一緒にいれなかったんだもん」
ルキアが甘えた声で言い訳。
「…そうだな。 ああいうのもたまにはいいか、ルキアの可愛い顔いっぱい見れたし」
「あぅ…恥ずかしいからやめてよぉ…」
俺の言葉に、ルキアが顔を染めて少し拗ねた表情をする。
そんな顔も可愛くて。
俺はオールから手を離し、ルキアの髪をクシャリと撫でる。
「くすぐったいよ…」
言いながらも、ルキアは気持ちよさそうだ。
むずがるルキアの額にキスをして、俺はオールに力を込める。
…いつまでも、そばにいるからな、ルキア。
「何や、お前ら表でヤッたんか?」
その日の晩、浴場でタイガに声を掛けられる。
「な、何言ってんだお前は?」
「日焼けの痕でバレるがな」
ボソッと耳元で囁かれる。
……しまった。 でも、ま、いっか。 な、ルキア?