「ぐすっ、ひっく…」
ユウは、自室のベッドに顔を埋めて泣いていました。
傍らには姉サツキの姿がありますが、敢えて何も言わずに見守っているようです。
別に誰かにいじめられたわけでも、悲しいことがあったわけでもありません。
ただ、悔しさに涙を流す。言わば男泣きというモノでしょう。
事の始まりは数分前、購買部。いつものようにユウは、お昼ご飯を買いにここを訪れました。
そこで、リエルが何気なく口走った一言がユウの心に刺さったのです。
「…サツキちゃん、元気にしてますか?最近見てないから心配で…」
賢者になれたのに、姉は霊体のまま。いわく「賢者の位は目安でしかない」とのことですが、
姉の体を取り戻す使命があるユウにとって、それは自分が未熟であるという証に他なりません。
こんなに元気なのに、その姿を友達にすら見せてあげられない。それが悔しかったのです。
自分がもっとしっかりしていたら、姉はこうはならなかった。今もこうはなっていない。
どうしても怒りの矛先は自身に向きます。サツキも、こればっかりはどうにもできません。
心の問題には初めから答が存在しないから、ヒントも出せるわけがないんですね。
さて、いたたまれなくなり部屋を出たサツキでしたが、ユウなしではあまり遠くまで行けません。
せいぜい部屋の前の廊下を、弟のことを心配しながらうろうろするくらいが関の山です。
(何て言葉をかけたらいいだろう…)
ユウも多感なお年頃、無遠慮な言葉はかけられません。さて困った。
「霊体を見るコツ?」
「ええ、リディア先生ならばご存知かなと思いまして」
同時刻、図書室。シャロンは、書類の山を携えてリディア先生と顔を突き合わせていました。
書類に見え隠れする生物関係の文面…特に視覚に関連する事項が事細かに記されています。
実はシャロン、ユウが何か性質の悪いモノに取り付かれているのではと疑っていたのです。
(まあ実際取り付いてはおりますが…)それを何とかして見られないかというわけでして。
ロマノフ先生には聞きづらい、ガルーダ先生には「気合い」の一言で片付けられてしまいそう、
ということで分野的に合っておりエルフでというリディア先生を当たってみたのですが…
「ん〜、分かんないですね」
やっぱりダメでした。
「う…これはロマノフ先生を当たるしかないのかしら…」
「私は一応霊体も見えますけど、意識して見たことはありませんから」
意識しないとモノに焦点が合わない人間というのは、こういうとき不便なようです。
「そうですか…」
シャロンはため息まじりに席を立ちます。考えてばかりでは埒があきません。
目の前でたゆんたゆんするおっぱいの秘訣もついでに聞きたいところでしたが、それは後回し。
「タイガさんにできて、わたくしにできないはずはありませんわ!
ううん、できなければおかしい!見てなさい、いずれ追い越してやるんだから…!」
さすがに昼休みの図書室で高笑いはまずいので、そのままきびすを返します。
「…やっぱり、サツキちゃんのことかしら。変なことにならなきゃいいけど」
そう呟く声は、当然ながらシャロンの背中には届きませんでした。
そしてリディア先生の危惧は、当たらずとも遠からずな結果になってしまうのです。
「あの…ユウ?鍵開けてくれない?」
声に反応し、ユウは顔を上げます。ノックと一緒に、シャロンの声が聞こえてきました。
ですが、少しピッチが変です。まるでサツキの声が重なって…
「お姉ちゃんの、声!?」
霊体の声は、意図しなければ空気を伝わりませんし、話したい相手にしか聞こえません。
つまりサツキの声は、普段はユウ以外には聞こえないはずなのです。
それがシャロン(?)の口から聞こえてくるというのは、例え音程だけでも変。
泣き腫らして真っ赤な目もそのままに、ユウは扉を開けました。
果たして、そこに立っていたのは。
「…シャロン、さん?どうしたの?」
「いや、それが…」
「霊媒体質じゃないのに依代なしで無理矢理口寄せしちゃったわけね…」
とりあえず駆け込んだのは保健室。ミランダ先生も苦笑い。
どうやら妖精を呼ぶ魔法の詠唱中に舌がもつれ、口寄せに化けてしまったようです。
呼ぶ対象を特定していなかったため、すぐ近くにいたサツキを強引に呼び寄せる結果に。
しかもぶっつけ本番だったのが災いし、サツキがシャロンの体を乗っ取る形になっています。
サツキによれば"中"のシャロンは気絶しているとのこと。
口寄せは呼んだ者でなければ解けないため、シャロンが目覚めないとどうにもなりません。
「まあ、しばらく休んでいれば何とかなるでしょう。
次の授業はアメリアよね?あたしから連絡しておくわ」
「あ、ありがとうございます…」
ユウはどうしても胸に目が行ってしまうのを何とか抑えます。
サツキ―と言っても体はシャロンですが―は、そんなユウの横顔を見てニヤニヤしていました。
ミランダ先生が出ていった後、ユウは思いっきり赤面しました。
「なぁに、そんなにおっぱいが好きなの?」
姉だということは分かっているのですが、今の体でそんなことを言われると変な気分です。
「別に、そんなわけじゃない、けど…」
否定の言葉も尻すぼみ。何だかシャロンに誘われているような、そんな錯覚に襲われます。
「わたしはこういうスレンダーなの、好きだなー…胸が軽いけど」
品定めをするかのごとく、体をあちこち動かします。すらりとした足が印象的です。
サツキ自身はやはりぺったんこな胸が気になるようで、胸板をしきりにぱたぱた叩いています。
「うーん、ユウの胸板触ってるみたい」
「僕の?」
「……触ってみる?」
「え……」
「大丈夫よ、今の間のことはシャロンちゃんは覚えていないから」
一人でもしっかりと立っていられるシャロンに、ユウは前から憧れていました。
でも、今まではどうしても話し掛けるその最初の一歩が踏み出せずにいました。
何だか自分が話し掛けるには高貴過ぎるような、そんな印象があったのです。
だから、サツキのこの誘いにユウはぐらりときました。…今なら、シャロンさんに触れられる…
「いや、だめだ、よ…」
否定の言葉はやっぱり尻すぼみ。頭の中のヒューズが、すごい勢いで飛んでいきます。
やはり年頃の男の子、女の子にこんなこと言われたら我慢しきれません。
半ば強引に、ユウはシャロンの体を押し倒していました。
「え、ちょっと!」
火事場の馬鹿力…とでも形容すればいいのでしょうか。
いつものおどおどしたユウからは想像もつかない力にサツキは、目を白黒させました。
「ごめんね。でも、何か変なんだよ…」
そのままきつくシャロンの体を抱き締めるユウ。サツキはそんな姿を見て、ふっと微笑みます。
自分に触れられるとは言っても、霊体に温度はありません。むしろ冷たく感じるものです。
人肌の温もりに触れたい、人が恋しい―そんな衝動も一緒に溢れて来てごちゃまぜになり、
ユウ自身も理解できない状態に陥っている…彼女はそう理解しました。
「んもう、しょうがないんだから…いいよ。もっといっぱい触って?」
「う、うん…」
文字通り他人の褌で相撲をとっている格好ですが、シャロンの自業自得と理性をなだめます。
それにしても、外見はシャロンですが中身は姉…なかなか倒錯的です。
しかし既に理性が麻痺しかけているユウには、そんなことを考えている余裕はありません。
感情の濁流に押し流されるまま、恐る恐る唇を寄せます。
心と体がちぐはぐになったようで、思う通りに体が動きません。
「……ん……」
初めて自分からするキスは、軽く触れ合わせる。ただそれだけでした。
そして自分からしたはずなのに、ユウは怯えた子犬のように顔を引っ込めてしまいます。
「?」
「…………」
そのまま自分の唇に手をゆっくりとのばして、今のキスの感触を確かめます。
「…どうだった?」
「何て言うか、こう…」
他人からキスされたことは何度かありました。しかし自分から求めると、また違った感触です。
「…あったかい」
「そう」
ユウの表情は、戸惑いと多幸感の入り混じった色に染まっています。
とても初々しいその顔に、サツキは愛おしさを覚えました。
「ふふっ…」
身体をゆっくりと起こしてユウを抱き留め、今度はサツキからキスをします。
体が他人のモノであるせいか、感触がいつもと違いました。
「んふっ…」
「んん…」
どこか他人事のような感覚に戸惑いながら、ゆっくり舌を差し入れていきます。
ユウはディープキスは初めてですが、そっと触れてくる舌を拙いながらも受け止めて絡ませます。
ユウはそのまま手を胸にのばし、遠慮がちに触れます。
シャロンの身体なのでぺったんこなのですが、それでもちゃんとおっぱいの感触はありました。
「んっ…!」
電気のような感覚に驚いて、サツキは唇を離します。目の前には戸惑うユウの顔。
「い、痛い?」
「う、ううん。いつもより、何か敏感なだけ…っ!」
安心したようにゆっくりと、卵を扱うような丁寧な手つきで胸をいじるユウ。
サツキは自分が自分でなくなっていくような錯覚と快感で正常な思考をストップさせてしまいます。
「はぁ、はぁ…もう、じれったい…!」
関節でも外しているのではないかというスピードで上着を下着ごと一気に脱ぎ捨てます。
「ねぇ、直接いじって…?」
ユウはサツキの豹変に戸惑いながらも、自分を求める潤んだ瞳に吸い寄せられ、胸に顔を埋めます。
埋められるほどの量はありませんが、やっぱりおっぱいはちゃんとありました。
「あったかい…」
「んんっ…!」
ユウの息がかかるだけで、シャロンの体は反応してしまいます。
貧乳なだけで、感度は非常によいようです。
「あ、あ、あ、あ…!」
おっぱいを弄っているだけなのに、エロエロモード全開なサツキはまともに声も出せません。
肉体の感覚を久しく忘れていたせいもあってか、胸だけで達しそうな勢いです。
「かわいい…」
熱に浮かされたようなユウの声がした次の瞬間、両の乳首から腰の骨が外れるような衝撃を感じました。
「ひああぁぁぁああぁああぁあぁああぁああぁああぁぁ!!」
「っ!?」
絶頂の叫び声。しかし、ユウはそこで我に返ります。…トーンが、元に戻っていたからです。
もしかしたら、ショックで意識が霧散してしまったかもしれない。心配になり、呼びかけます。
「お姉ちゃん!?大丈夫お姉ちゃん!?」
「ぁ……ユウ…?」
夢うつつのような表情で答えるサツキ。ユウはほっと息をつきました。…大丈夫だった。
そのままそっと服を戻し、シャロンの体をベッドに横たえます。
これまた、いつものユウからは想像もつかない力でした。
「ごめんね、お姉ちゃん…我慢できなくて」
「いいよ。男の子なら当然だから。わたしも、気が変になってたし」
言いながら、サツキは少し心配になりました。今回は快感だったからよかったけれど、と。
肉体を取り戻すということは、慣れるまではこの感覚と向き合わなければいけないわけです。
例えば転んだ痛み。普通の人なら笑って済ませる痛みですが、これだけ敏感だと…と思います。
「わたし…本当に元に戻っていいのかなぁ…」
「そんなこと言わないでよ!!」
ぽろりと漏れたサツキの言葉に、ユウは語気を荒げました。
「僕は、ぼくは…お姉ちゃんをみんなに自慢したいんだから…!!
何でも知ってて、優しくて、僕を何度も助けてくれて、そんなお姉ちゃんを…
それに、リエルさんだって…しんぱいしてるんだから…!」
鳴咽が次第に強くなりますが、それでもユウは言います。
「僕がいるんだから、一緒に、がんばろうよ!そんなうしろ向きに、ならないでよ…!
だって、だって…」
―確かに、わたくしの人生は後悔だらけですわ―
「?」
脳裏に声がしました。シャロンの記憶が、サツキに流れ込んでいるようです。
夢を見ているのと同じ状態ですから、シャロンの"目覚め"も近いのでしょう。
ユウを優しく抱きしめながら、サツキは声に耳を傾けます。
『何でもかんでも反抗して、父親とは絶縁寸前で家を出て…
これはもう愚の骨頂ですわ。今思い返しても悔やまれますもの』
『大変やな。でもそのハングリー精神っちゅうの?おとんを見返したるー言うんは尊敬するわ』
『ありがとう。でも…』
『でも…何や?』
『事ある毎にこれでよかったのかしらと思ってしまうのよ…』
『まあなぁ。なんだかんだ言って家族やもんなぁ。喧嘩別れじゃあ尾を引くわ。
そのまま何かの拍子にぽっくり逝かれてもうたらもう一生の後悔やし』
『縁起でもないことを…』
『けどな。もしやぞ。もし今ここにいなくても、そのぶんだと後悔しはったと思う』
『え?』
『そういう時はどのみちどっかで後悔するはずなんや。あれや、後悔する地点みたいな』
『イヤな中継点ですわね…』
『ま、平たく言えばジャンクションやな。あれは色んな道に別れるけど、後戻りはきかん。
要はそういうことや。後ろ向くのは結構、でもシフトはバックに入れたらあかん』
『退けないって、不便ではなくて?』
『でもそれが人生や。どうせならこうアクセルベタ踏みで一気に突っ走りたいな』
『事故りますわよ?』
『そこが悩みどころなんやけどな。…おお、本題忘れとった。ユウについての相談って、何や?』
「…………」
目覚めたときに見えたのは、白い天井とオレンジの髪。そして、ふよふよと浮く有象無象の何か。
わけのわからないものがいきなり視界に飛び込んで来た衝撃で、シャロンの意識は一気に覚醒しました。
「何、これ?」
銀色の髪の毛のように見えますが、髪の毛にしては希薄。さらさらした冷たさが心地よい。
シャロンは試しにそれを握り、ちょっと引っ張ってみました。
「いっ、痛い痛い痛い!引っ張っちゃダメだって!」
…突然の痛さに驚く声がします。ゆっくり視線を上にやると…
「もう、目覚めて早々変なことしないでよ…」
ベタベタな三角巾なんぞを頭に付けて制服を着た幽霊がいました。
「ちょっと、シャロンちゃんしっかり!シャロンちゃーん!!」
…シャロン、あえなく再び激沈。
四月一日。
今日はエイプリルフールということで、授業は基本的に自習。
皆誰かをいたずらでかつぐことに鎬を削っています。
かつがれた側―四月バカが誰にどうかつがれたかを報告するルールなので、皆俄然やる気です。
アメリア先生が何故か混じっていますが、気にしないことにいたしましょう。
「ええと…」
サンドイッチをくわえながら、ユウは真新しい地図を広げます。
シャロンから落ち合おうと言われていた場所を探しているのです。
「ここかな…」
「うん、間違いないわね。…何か仕掛けてたりして」
「え〜、何かヤだなぁそういうの」
「大丈夫よ。こっちにも考えがあるから」
おやおや、何やら作戦会議を始めてしまいました。一体どんな策があると言うのでしょう?
「おはよー!」
「おはよう、ユウくんにサツキさん」
「ええ、おはようシャロンちゃん」
口寄せを経験したせいか、シャロンは霊体に焦点が合うようになりました。
ただ、ユウのようにサツキだけが見えるわけではなく、全部見えてしまいます。
そのため、毎日のように「わたくしの妖精のイメージが…」と頭を抱えているのだとか。
見えるというのも、いいことばかりではありませんね。
「どうしたの?こんな場所なんか選んで…」
ユウも、あれから少しだけ明るくなりました。
おどおどした所は相変わらずですが、間違いそうになった経験は少なからず影響しています。
「別に何もありませんわ。ただ、この場所を教えてあげたくて…」
「ふーん…」
シャロンの言葉に偽りはないようです。吹き抜ける風が心地よく体をすりぬけていきます。
「…ねえ、シャロンちゃん」
「何でしょう?」
「おっぱいが大きくなる体操を聞き付けたんだけど、試してみる気はないかしら?」
「べ、別にそんなもの…」
そっぽを向いてそう言いながらも、シャロンちらちらとサツキの胸を見ています。
サツキがニヤニヤ笑いであることには気付かないまま…
「まず足は肩幅、背筋は真っ直ぐ胸を張る」
「こうでよろしい?」
「うんうん。で、右手を腰に当てて、左腕を吊り上げる」
「こうかしら?」
「そうそう。そうしたら、勢いよく( ゚∀゚)彡゚おっ!」
「( ゚∀゚)彡゚おっ!」
「そうしたら腕をびしっと振り下ろして( ゚∀゚)o彡ぱい!」
「( ゚∀゚)o彡ぱい!」
「以下リズミカルに繰り返す。( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい!」
「( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!」
「これを一日百回繰り返せば、いずれは巨乳間違いなしよ」
「おー、珍しい組合せやな。三人揃って何腕振ってんのや?」
そこにタイガがやってきました。ユウとサツキは、揃って驚いた顔をします。
「見えるの?」
「おう、バリバリや。教室じゃ見えないヤツが多数なんでそっちに合わせとった。すまんな」
ユウの質問にも何でもないかのように答え、屈託ない笑顔。
それは、外見のとっつきにくそうなイメージとは大分掛け離れていました。
「そうならそうと言ってくれれば…」
「ユウがいつも一人で思いつめた顔してたさかい、声をかけづらかったんや。
ワイ、こう見えて結構気ィ小さいんやで。幽霊なんか全然ダメや」
はっはっは、と今度は豪快に笑います。これならば見える、そんな説得力がある笑顔です。
「で、それは何や?」
「何でも、これを一日百回繰り返せば胸が大きくなるらしいんですのよ。( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!」
言われた通りに腕を振り続けるシャロン。タイガは、ぽかんと口を開けて見ていましたが…
「ぷっ、くくく…おっぱいね、おっぱい…ぶはははははははははっ!」
まさに大爆笑。腹を抱えて呼吸困難にならんばかりの勢いで笑い出しました。
「な、何がおかしいんですの?」
「ああ、それは確かにおっぱい体操や。でも、それでおっぱい大きくなったら世話ないわ」
「言われてみれば、確かに…」
「あとシャロン、お前日付忘れとる…ダメだ、ぶりかえしてきた」
あとは笑いで言葉になりませんでしたが、シャロンにはそれで充分でした。
「今日は、四月一日…あー!サツキさん、謀りましたわね!!」
「四月バカ〜♪」
「あっ、逃げた!この、お待ちなさーい!!むきー!!」
空高くを逃げるサツキを全力疾走で追い掛けるシャロン。今ならユリすら抜き去れそうです。
取り残された男二人は顔を見合わせ、その光景に笑い転げます。
「はっはっは、あっさり引っ掛かりはったわ。あれの報告は赤面ものやでー」
「あははははは、そうだね…」
いつものシャロンとの落差が激しいことも、二人の笑いを加速させています。
「…………ユウ、頑張りや」
そして少々乱暴にユウの頭をわしわしと撫でながら、タイガはそんなことを言いました。
このあとユウがサツキの体を取り戻せたかは、各人のご想像にお任せすることに致しましょう。
今回のお話は、これにておひらき。