「……ふぅ…っ」  
 その日の夜。  
 つまり、レオンがクララを背負って保健室に駆け込んだ日の夜。  
 レオンは、タイガから借りたばかりのDVDをまさに使い終わったばかりだった。  
 タイトルは『天使の妄想』とか、そんな感じだっただろうか。  
「タイガの野郎、なかなかいいモン持ってんじゃねーか……へへっ」  
 今終わったばかりの行為への自嘲を込めてか、言葉に薄ら笑いが混じる。  
 タイガから借りた新作を見終わった直後だというのに、レオンの脳裏にリピートされるのは昼間の光景だった。  
 
 昼間の光景―――。  
 クララ。  
 瞼からは、涙の筋。  
 スカートから露出する白い太腿。  
 股間に食い込み、水分で変色したブルマ。  
 横たわるクララの傍に立っている自分。  
 
 ―――違うって。  
 
 レオンの意識は否定する。  
 あの時、俺はクララの近くで起き上がっただけだ。  
 それでも、脳裏に浮かぶ風景は変わらない。  
 レオンはクララの脇に座り込み、クララの制服に手を掛ける。  
 次の瞬間、白いボタンは弾け飛び、黒い制服は紙のように引き裂かれていた。  
 
「違う違う! 何でクララに……」  
 レオンの脳裏に残った昼間の光景は、先程まで見ていたDVDの内容に上書きされてしまったようだ。  
 
 ―――クララにそんな事なんかできるかってーの。  
 
 クララ。教室ではいつも隣の席にいる女子生徒。  
 自分の肩ほどの背丈しかない小さな子だ。  
 席順の関係で、授業では今までにもペアを組む事が多かった。  
 クララから話し掛けてくることはあまりなかったが、こちらから話し掛ければいつでも応じてくれる。  
 そんな子だ。  
 
 運動神経がよくないのか、箒を乗りこなせるようになるまで結構かかったようだし、何もない所でつまずいている姿を何度も目にした。  
 そんな事もあって、女子の中で何となく目の離せない存在になっていた。  
 
 ―――だけど、違う。  
 
 目が離せない、といっても、それは好きだから、というのではなかったはずだ。  
 つまり、恋してるとか、愛してるとか、ましてや肉体関係を持ちたいというのとは違う。  
 一言で言えば、庇護欲をそそられるのだ。  
 例えば、目の前で年端も行かない女の子が泣いていたら、頭を撫でてやって、キャンディのひとつでも渡してやりたいと思うだろう。  
 それと同じだ。  
 
 ―――同じはずだ。  
 
 くそっ。  
 
 考えれば考えるほど、訳がわからなくなる。  
 とりあえず、この場の後始末をしてしまおう。  
 
 それにしても、昼間の光景のことが気に掛かる。  
 
 ―――何だったんだ。あれは。  
 
 
 話は数刻前にさかのぼる。  
 
 保健室から出たクララは、寮の自分の部屋までの道を歩いていた。  
 
 ―――恥ずかしくて死にそうだ。  
 
 保健のミランダ先生には仕方なく訳を話した。恥ずかしくて死にそうだ。  
 レオンさんに背負われて、その背中で達してしまったのを思い出した。恥ずかしくて死にそうだ。  
「レオン君、全然気付いてなかったみたいだけどね」と教えてくれた、ミランダ先生の言葉だけが救いだった。  
 レオンさんが血相を変えて保健室に飛び込んで来た、という事も。  
「あの慌てふためきぶりは見ものだったわよ」  
 
 そして冗談気味にこうも言った。  
「レオン君があんなにあたふたするなんてね」ミランダ先生は、意味ありげに微笑んで続けた。「あの子、あなたにぞっこんだったりするんじゃないの?」  
「や、やめてください……」  
 真っ赤になってうつむくだけで精一杯だった。恥ずかしくて死にそうだ。  
 ふふっ、と軽く笑うと、ミランダ先生はこう言った。  
「それはともかく、今日の事はお礼を言っておいたほうがいいと思うわ」  
 言われるまでもない。お礼は絶対にしなきゃいけない。お礼を考えよう。  
 
 それにしても、スカートの中が涼しい。  
 クララを災難に導いたアロエのブルマは、袋に入れて手から下げている。  
 今、スカートの下に穿いているのは、ミランダ先生が貸してくれたショーツだ。  
 黒。レース。圧倒的に少ない布面積。  
 恥ずかしくて死にそうだ。  
 
 ―――願わくば、今だけはスカートめくりに遭いませんように。  
 
 レオンが発電によって発生した廃棄物の処理を終え、後片付けもあらかた済んだちょうどその時、部屋のドアをノックする音が室内に響いた。  
「ちょ、ちょっと待って」  
 部屋の中を見回す。  
 雑誌、よし。DVD、よし。ごみ箱、よし。  
 テレビに付けているヘッドホンも外しておこう。―――よし。  
「オーケー。入って」  
 扉はガタガタと音を立てるが、開かない。  
 あわててドアに寄ると鍵を外し、内側から扉を開ける。  
「悪い、鍵掛けてたの忘れ……」  
 そこで言葉が途切れる。  
 外にいたのが、クララだったからだ。  
 クララは両手で風呂敷を被せたトレーを持っている。この状態で扉を開けようとするのは大変だっただろう。  
「あっあの……いいですか?」  
「お、おう。入れよ」  
「失礼します……」  
 クララがしずしずと部屋の中に入ってくる。  
「ちょっと置かして下さいね」  
 そう言ってクララは、レオンの部屋にある円卓に、持ってきたトレーを置いた。  
 その間に、レオンは部屋の扉を閉める。  
 クララは、レオンに向かって頭を下げた。  
「あっ……あのっ、今日は、ありがとうございましたっ」  
「あ、ああ。気にすんな。別にどうってことねえよ」  
 レオンは脳裏に昼間の光景が浮かぶのを必死で振り払いながら、微笑んで応じる。  
「それで、具合はもういいのか?」  
「はい、あの、保健室で休んだらよくなりました。ミランダ先生も問題ないって……」  
「そうか」レオンは安堵した。「ならいいんだ」  
「それで、蒸しパンを作ってきたので……冷えてもおいしいから、明日の朝ご飯にでもしてもらったら、と思って……」  
 クララがトレーを包んでいる風呂敷を解くと、中からはえもいわれぬ匂いを放つ蒸しパンが姿をあらわした。  
 
「でかっ!」  
 その蒸しパンの大きさにレオンはのけぞった。  
 厚さ5センチはいいとして、直径が30センチ近くある。  
「す、すみません……」クララがうつむく。少し頑張りすぎたようだ。  
「いや」レオンは慌てて取り繕った。「クララが作ったのか? これ。すげえな……」  
 そこでレオンの腹の虫が、かなり盛大な鳴き声を上げた。  
 
 ―――そう言えば晩飯がまだだった。  
 
 きょとんとするクララに、レオンは苦笑いしながら言った。  
「まだ晩飯食ってなくってさ」  
「あっ、じゃあ何か作りましょうか?」クララの顔がぱっと明るくなる。  
 クララは本当に人に尽くすのが好きなんだな。そうレオンは思った。  
 自分の能力で人の役に立てるのが、たまらなく好きなんだろう。  
 
 ―――だが。  
 
「悪い、もう腹が減っちまって我慢できないんだ。これも暖かいうちに食べた方がうまいんだろ?」  
「え、ええ、まあ」  
「じゃあ、折角だし一緒に食べようぜ。俺、お茶淹れてくるから」  
「あっ、私がやります」  
 そのまま、ぱたぱたと台所へ向かうクララ。  
 レオンはその好意に甘える事を決め、ベッドに倒れ込む。  
 クララならおいしいお茶を淹れてくれることだろう。  
 ベッドの上から台所に目を移すと、湯を沸かす準備をしているクララの後姿が目に入る。  
 
 アカデミーの黒い制服は、色気もへったくれもあったものじゃない。タイガから借りたDVDを見る度に、そう思っていた。  
 その色気のない制服のスカートからのぞく脚が、目の前で忙しく動き回っている。  
 ここからは膝上くらいまでしか見えないが、昼間には、もっと上まで目撃したのだ。  
 ほっそりとした上半身とは裏腹に、意外と肉付きのよい太腿。その付け根。  
 思わずベッドから立ち上がり、クララの後姿に向かって、一歩二歩と近づいてゆく。  
 視線を上に移す。首筋。お下げ。頬。眼鏡。  
 いつもはレンズの向こうにクララがいるのに、今はクララと同じ側からレンズを覗いている不思議。  
 飲み掛けだったお茶が残ったティーポットをゆすぐクララ。  
 
 ―――なあ、そろそろ認めようぜ。  
 
 昨日―――いや、今日の昼まで恋愛の対象外だと思っていたはずの女子生徒が、自分の部屋にいる。  
 恋愛の対象外だと『思っていた』―――じゃあ今はどうなんだ?  
 レオンは自問する。  
 答は―――わかりきったことだ。そんな疑問を持つこと自体、今のクララが恋愛対象だということだ。  
 
 ―――だが。  
 
 恋愛対象外―――より正確に言えば、まるで妹のような存在だったクララ。  
 それが急に恋愛対象になったきっかけは、昼のあの光景だ。  
 そう、あの光景で、自分は気付いてしまったのだ。  
 クララは『女』であり、自分はクララの体に欲情し得るということに。  
 
 自分が今感じているこの感情は、本当に恋愛感情なんだろうか。  
 本当は誰でもよくて、たまたま手に届く距離にクララがいるからそう思っているだけなんじゃないのか。  
 今、この場でクララを押し倒し、例えばタイガから借りたDVDのように制服を剥ぎ取って、クララを無理やり犯したとしても、その後にはいつものような、あの倦怠感だけが残るだけなんじゃないのか。  
 考えれば考えるほど分からなくなってくる。  
 
「―――なあ、クララ」  
「ひゃっ!?」  
 突然、近くから声を掛けられ、クララは驚いた。  
 振り向くと、いつの間にかレオンがすぐそばにいた。  
 あまりの距離の近さに、胸が高鳴る。  
「なあ、クララ……俺、わからない事があるんだ」  
 レオンの真剣な眼差しに、少々気圧されるクララ。  
「あの、私……が、聞いてもいいことですか……?」  
「ああ」レオンは頷いた。「クララにこそ、聞いて欲しい」  
「ど、どうぞ」手ぬぐいで手を拭きながら、レオンの次の言葉を促す。  
「俺、お前が隣の席になってからずっと、お前の事を何かほっとけないやつだと思ってたんだ」  
 突如、話題が自分の事に及び、驚くクララ。  
「俺がずっとそばで見ててやらないと不安だっていうか、ちっちゃい妹を見てるような感じでいたんだよ……一人で勝手にだけどな」  
 クララはそれにまったく気付いていなかった。  
 思えば、いつも本を読む事、そして書く事ばかり考えていて、クラスメイトの事を―――というよりも、他の人の様子を窺うことに鈍感でいすぎたのかもしれない。  
 反省しなくちゃ……。  
 
 ……というクララの考えは、次のレオンの言葉で吹き飛んだ。  
「そういう気持ちが一日で変わっちまったんだ。―――お前を抱きしめてみたい、って気持ちに」  
 
 ―――!?  
 
 レオンさんが私を抱きしめたい、って……。  
「なあ、こんなのってありなのか?」  
 レオンの眼差しがまっすぐにクララを見つめる。  
「俺はこんなんでお前のことを『好きだ』って言ってもいいのか? クララに彼女になってくれって言っていいのか? ―――お前、本とかいっぱい読んでるからわかるだろ?」  
 
 クララの頬が、かあっ、と紅に染まる。  
 
 ―――レオンさんが、私の事を好きだ、って……。  
 
「……そうですね……」  
 慎重に言葉を紡ぎ出そうとするクララ。  
 しかし、既に頭はパンク寸前だった。  
 クララの脳裏に、新聞の一面トップの見出しのようなゴチック文字の群れが踊る。  
 
 『抱きしめたい』  
 
 『好きだ』  
 
 『彼女になってくれ』  
 
 ―――レオンさんが私に、そう言っている。  
 
 その事実に対して、どんな言葉を投げかけろと言うのか。  
「たぶん、いわゆるアガペーと、……リビドーの違いなんじゃないかと、思います」  
 何か違う。そんな事を言いたいんじゃない。  
「精神的な愛と、その、肉体的な……肉体的な愛について、私たちの年齢で区別ができるかということなんですけど」  
 そんな事を言って何になるのか。私が言いたいのはもっと他の事。  
「そんなの、区別できたって仕方ないと思うんです……」  
 早く言わなくちゃ。  
 
 早く言わなくちゃ!  
 
「だってそのふたつを切り離したら、愛し合ってないのに肉体関係を持つ人達が出てきちゃいますし……」  
 好きです、レオンさん。って。  
「大好きな人と肉体関係を持てなくなっちゃいますっ!」  
 目の前のレオンにすがりつくクララ。  
 支離滅裂だ。  
 どうしてそんな事を私に聞くんですか、レオンさん。  
 どうしてきちんと「好きです」って言えないんだろう、私。  
 
 レオンの手が、クララの背中に回される。  
 その手に押されて、クララの体はぐっとレオンに押しつけられる。  
 もう片方の手は、クララの頭をレオンの胸に押し付け、髪の毛を優しく撫でる。  
 こんなことになったら、恥ずかしくて気絶してしまうかもしれない。  
 そう思っていたシチュエーションだった。  
 実際にレオンに抱きしめられている今、クララは照れくささ以前に不思議な充足感に満たされていた。  
 
 ―――アメリア先生に抱きしめられてるような気分……。  
 
 クララを抱き寄せたレオンは、もう自分の悩みに見切りをつけていた。  
 昨日まで、護ってやりたいとだけ思っていた存在のクララ。  
 だが、今は違う。  
 だからといって、クララが、ただ性欲の対象になっただけというわけでは決してない。  
 このふたつは、相反する要素ではないのだ。  
 
 身長差のせいで、レオンの胸よりかなり下にではあるが、クララの胸が押し付けられている感触が伝わってくる。  
 そういえば、マロン先生の授業で習ったな。  
 
 ♪ふたつの胸のふくらみは……  
 
 何てアニメだったっけ。  
 
 クララはクララで、圧迫される乳房に体の高揚感を覚えていた。  
 レオンはクララを抱きしめたまま、キッチンを離れようとするが、やかんの湯の沸騰する音がクララを呼び止める。  
「……ま、待ってください」クララがレオンを止める。  
「火、消さないと……」  
「そうだな」  
 
 ガスコンロの火を消し、レオンはクララの肩に手を掛けて、寄り添うように誘導してゆく。  
 クララはレオンに促されるままに、ぽつぽつと歩く。  
 ベッドの脇まで着いたところで、レオンは今一度クララをぎゅっと抱きしめる。  
 そのままゆっくりと、自分が下になるようにベッドに倒れ込んだ。  
 視線を下ろすと、胸の上にクララの上目遣いの瞳がある。  
「重くないですか……?」と問うクララに、言葉ではなく頭を撫でる事で応じる。  
 
 ―――重くなんかないさ。  
 
 そして不意に半回転し、今度はレオンが上になる。  
 もちろん自分の体重がクララに掛からないよう、肘と膝で身を支える。  
「きゃっ」  
 少し驚いたクララだったが、自分に体重がかからないようにしてくれているレオンの優しさに感謝しつつ、レオンの背中に腕を回す。  
 レオンは考えていた―――さて、これからどうしよう。  
 このまま抱き合いつづけるのも心地よかったが、レオンの陽物はクララが来る前に第一斉射を済ませた事をすっかり忘れたかのように、その硬度を増していた。  
 体の位置を後退させるレオン。クララの顔がちょうど目の前だ。  
 その頬は火照っている。―――少し怯えているようにも見える。  
 レオンはクララを安心させる為に微笑みかける。クララも釣られたかのように微笑み返す。  
 そのかすかな紅色の唇に、レオンは自分の唇を重ねた。  
 不意打ちを受けたクララは一瞬目を見開いたが、その瞼はゆっくりと閉じられてゆく。  
 レオンの頬に、クララの眼鏡のひんやりとした感触が染み入ってくる。  
 自分の唇でクララの唇の上を撫でまわすように動かし、クララの柔らかい唇の感触を味わいながら、レオンはこれからするべき事を考えていた。  
 
 ―――クララの裸が見たい。  
 
 だが、アカデミーのこの制服、実は脱がせにくい。生徒同士がまぐわる事まで考えて制服をデザインする学校はないだろうが……。  
 時間をかけずに脱がそうとすれば、それこそタイガから借りたDVDよろしくボタンごと引き裂いてしまうしかない。  
 いくらなんでもクララにそれは出来ない。  
 よし、目標変更。レオンはクララの唇から離れると、耳元に唇を近づけ、問い掛けた。  
「クララ、……ここ、見ていいか」  
 そう言いながら、片方の掌でクララの太腿に触れる。  
「ひゃっ……あ、はい」  
 レオンが何かする都度、少し怯えるかのような挙動をするクララに、レオンは思う。  
 
 ―――大事にしてあげなくちゃな。  
 
 レオンは起き上がり、横からクララの背中まで手を回して少し持ち上げると、ベッドの上を少し移動させた。あまり広くないベッドをうまく活用する為だ。  
 そして、クララの膝を屈めさせる。  
 制服のスカートの裾が太股をずり落ちてゆく感触が、クララの敏感な太股を刺激的なほどやさしく撫でてゆく。  
 これからどんな事をされるのか、不安でどきどきするクララ。  
 レオンから見たら、下着も丸見えだろう。  
 脚を閉じ、これからに備えるクララの太股に、レオンの指先が触れた。  
「ん……っ」  
 その指先は一箇所に留まってさわさわと動き、太股の感触を楽しんだかと思うと、次の瞬間にはつつつっ、と移動し、太腿の別の部分の感触を楽しむ。  
「あ……くすぐったい、です……」  
 クララの太股の感触を繰り返し楽しみながら、レオンの指先は次第にクララの太股の奥まった部分へ近づいてゆく。  
 
 ―――やだ……来ないで……。  
 
 クララの緊張が高まる。  
 
 レオンは、クララのスカートの裾を、へそのすぐ下あたりまでたくし上げた。  
 ふくよかな白い太股と、白いショーツがその姿を表す。  
 腰のくびれはスカートで隠されているが、そこから太股へ到る曲線と、内腿の曲線、そしてショーツに隠されている部分が描き出すやわらかい曲線は、クララがレオンに隠し持っていた秘密の宝物のように思えた。  
「かわいいな」  
 レオンが思わず口にする。  
「恥ずかしい……です……」  
 レオンの視線が、クララの曲線に沿って移動する。  
「ん……」  
 クララは、まるでレオンの視線で撫でられているかのような感覚に陥った。  
 その恥ずかしさに、思わず瞼を閉じる。  
 
 ―――これが……視姦……?  
 
 昼間のお礼にとレオンに蒸しパンを持ってくるだけのつもりが、まさかこんな事になるとまでは思っていなかったクララだったが、ミランダ先生から借りた下着を早々に穿き替えた自分に感謝していた。  
 
 ―――あれを穿いてるのを見られたら、レオンさんはどう思ったかしら……?  
 
 と、レオンの指が、ショーツの生地の上から、クララの敏感な部分に触れた。  
「んっ」  
 瞼を閉じていてレオンの様子を見ていなかったクララは、思わず脚をすくめる。  
 レオンは構わず、指を往復させ始めた。  
 最初はゆるく、次に少し力を込めて。  
「ん……ああ……っ」  
 レオンの人差し指が、ショーツの生地の感触を楽しみながら、クララの渓谷を往復する。  
 その都度、クララの息遣いが少しずつ激しくなっていくのがわかる。  
 すでに沁み出しはじめていたクララの愛液が、ショーツの溝に沿って染みを作る。  
 片手で渓谷を往復しながら、片手で太股の内側を優しく撫で、時にはつねる。  
「う、はぁぁ……」  
 クララの呼吸は乱れ、唇からは声とも吐息ともつかないものが漏れる。  
 ショーツの染みは刻一刻と大きくなり、クララの谷間から股間全体に広がってゆく。  
 人差し指と中指を、クララの秘唇に沿うように並べ、それぞれの指でクララの、膣口と尿道口の辺りを刺激する。  
 一度だけではなく、何度も何度もそれを繰り返す。  
 
「ううぅ……んっ……んっ……んぁ……」  
 刺激のリズムとともに、クララの可愛い口から切ない声が漏れる。  
「ああ……っ!」  
 呼吸を荒げるクララに、レオンが言う。  
「脱がすぞ……」  
 そう言って、両手をクララの濡れそぼったショーツに掛ける。  
 ぎゅっ、と両目をつぶるクララ。  
 ぐしょぐしょに濡れたショーツは、クララの秘部との間に名残惜しげに糸を引き、その生地に含まれた蜜が、白い太腿にてらてらと光る跡を残してゆく。  
 やがてショーツは、クララの足首まで到達した。  
 クララの片脚を持ち上げ、ショーツから引き抜く。  
 濡れそぼったショーツがクララの片方の足首に残り、今はもう隠すもののない、濡れた秘部が、レオンの眼前に露わとなった。  
 恥ずかしい部分をレオンに晒され、クララは両手で顔を覆った。  
 レオンはクララの脚を開かせると、その間に入り込み、クララの秘唇と対面する。  
 ごく薄い体毛がまばらに生え始めたばかりの部分の下あたりにある、未成熟の、しかし成長期の少女であるがゆえに肉付きがよくなり始めた大陰唇は、クララの内気さを代弁するように閉じていたが、今までの愛撫によって、てらてらと濡れている。  
 まるでクララの、内に秘めた情欲を表すかのように。  
 レオンは両手の指でそこに触れた。  
 
 ―――柔らかい。  
 
 そのまま、押し広げた。  
 クララの桃色を、半ば感心しながら見つめる。  
「クララのここ、可愛いな……」  
 恥ずかしさに言葉も出ないクララ。  
 レオンは蜜まみれのクララの小陰唇に沿って、舌先を滑らした。  
「ひゃっ」  
 そのままぺろぺろと、渓谷を満たす蜜を舐め取る。  
「ひぁ……ぁ……」  
 クララの蜜が、レオンの喉を潤してゆく。  
 
 クララが恥ずかしがって脚を閉じようとしても、レオンの体を挟み込んでいる脚は、閉じることができない。  
 秘裂を何度もしゃぶられ、クララの体は熱を帯びてくる。  
「あっ……はっ、はああぁん……」  
 思いがけず漏らした自分の声に、クララは思わず両手で口を押さえる。  
 これならもう少し激しくしても、クララの声が外に漏れる心配はないだろう。  
 そう思ったレオンは、クララの小さな陰核の近くに舌先を沿わせる。  
「んっ……んうぅ……っ」  
 口を押さえて耐えているクララの様子に、レオンは嗜虐心を刺激され、クララがいつまで口を押さえたままで耐えられるかを試してみたくなる。  
 レオンは両親指に力を入れ直し、クララの大陰唇をしっかりと開かせる。  
 そして、クララの膣口を舌先でこじ開け、その中へ侵入を試みる。  
「ううん……んぁ……」  
 舌先がわずかにクララの内側に触れる。  
 そこはすぼまり、舌先を追い出そうとするが、レオンは構わずクララの膣の浅い部分に舌を沿わせ、味わう。  
「んんっ、んうううっ」  
 自分の内側をレオンが舌先で舐めているという事実に、クララの心は翻弄される。  
 レオンは舌先を引っ込めると、今度は露出しかけている陰核を優しく舐め、しゃぶる。  
「んあぁ……あああっ」  
 クララの口を押さえている手が緩み、可愛らしい喘ぎ声を漏らしてしまう。  
「あのっ、レオンさん……ちょ、ちょっと待って……」  
 クララがレオンを制止する。  
「あの、本当に……」  
 
 ―――どうやら本当に止めて欲しいらしい。  
 
「どうした? 怖いか?」  
「いえ、ちょっと……」  
 そう言うとクララは、制服のポケットから棒杖を取り出した。  
「あー、そんなの入ってたら危ないもんな」  
「それもあるんですけど……」  
 クララは呪文を唱え、棒杖を振った。  
「リテラルマジカル……ビットブロック・トランスファ」  
 その瞬間、窓の外でまたたいていた星々の明かりが消えた。  
 星だけではない。見慣れたアカデミーの風景はそこにはなく、ただ夜明け前のような薄明かりだけが存在している。  
「この部屋だけ亜空間に飛ばしました……」  
 なるほど、これならいくら騒いでも大丈夫というわけだ。  
 さすがは優等生、やる事が違う。そうレオンは思った。  
「じゃあさ、クララの可愛い声、もっと聞かせて欲しいな」  
 そう言うと、舌先でクララの蕾を愛撫し、接吻し、そして吸う。  
「ああぁ……んっ、あぁあん」  
 先程までより大きな喘ぎ声を漏らすクララの手から、棒杖が床に落ちた。  
 
 レオンはしばらくクララをしゃぶっていた舌を引っ込めると、人差し指でクララの入口の周囲をつつく。  
 そして、おもむろに力をこめて指先を侵入させる。  
 とろとろに蕩けたクララのそこに、にゅぷっ、と淫らな音を立てて、第一関節までが入り込む。  
「ひああっ!」  
 クララの内側がぎゅっと縮まり、まるで指を追い出そうとしているかの様に強く締め付ける。  
「レオンさんだめっ、そこはぁ……!」  
 クララの抗議を無視し、そのまま指先を左右にひねる。  
 指の動きと同期して、声と共にクララが上体をひねる。  
 感じているのだ。  
 眼をぎゅっとつぶり、襲い来る快感に必死で耐えるクララ。  
 この先どこまで耐えられるんだろうかという恐怖感と、もっとレオンに触られたいという欲求の葛藤に苛まれる。  
「もっとよくしてやるよ」  
 クララの心を読んだのか、レオンはそう言うと、指をもっと奥まで挿れ、何かを探すようにクララの内側をさぐる。  
「ああぁ……あぁ……」  
 そしてレオンはその場所を探り当てた。  
 指先をその場所で微妙に動かす。  
「ふあっ、ああっ!」  
 その少しの指の動きさえ、クララにとっては衝撃だった。  
「ここがクララの弱点か……!」  
 そこはクララの内に隠された急所だった。  
 クララが激しく反応する。  
「だめ……だめです……そこはぁ……あぁ……」  
 いやいやをするように首を振り、瞳には涙が滲む。  
 それでもレオンはクララの弱点を責めつづける。  
「あっ、あぁん……レオンさん……あぁあぁぁぁぁ……」  
 人差し指がクララの入口を動く都度、ふじゅっ、ぐじゅっ、といった蜜の音が響く。  
 クララの泉から、淫らな蜜が新たに湧き出してくる。  
 次々に湧き出すそれは、クララの太腿や臀部を流れ落ち、制服のスカートをぐしょぐしょに濡らしてゆく。  
 
「んうっ、んうっ、はあっ、ああっ!」  
 クララの膣口から響く淫猥な音が大きくなるにつれ、クララの喘ぎも次第に大きくなり、両手は襲い来る快感に耐えるようにベッドのシーツをぎゅっと掴む。  
 やわらかいベッドの上で突っ張っている両脚は、レオンを挟んだままベッドへの力を益々強める。  
 レオンによって呼び起こされた、クララの中に生まれた高まりが、レオンによって責め立てられている部分で次第に大きく、強くなる。  
「あ……レオンさん……レオンさぁん……もう、もう……」  
 その高まりが強くなるにつれ、クララの体が次第に反り上がっていく。  
「はっ、あっ……んんっ、くんっ、はぁんっ!」  
 クララの限界が近い事を感じ取ったレオンは、しばらく触れないようにしていたクララの肉芽にキスを繰り返す。  
「ひあっ! ああっ! そんなっ、いやああっ!」  
 クララの可愛いあえぎが高くなり、絶え絶えとなってゆく。  
 体の奥から生まれたクララの高まりが、クララの外に出ようとしていた。  
「あっ! ああっ! レオンさんっ、何かっ、来るっ、来るうっ!!」  
 息も絶え絶えのクララが、その小さな体をのけぞらせる。  
 レオンはクララの膣から指を抜くと、指先でクララの陰核を捻る。  
 同時に、膣口に口づけし、内を力強く吸い出す。  
 クララの幼い内部を熱く濡らす淫液が、奔流となってレオンの口内に流れ込む。  
「うあああっ……やあぁ……にゃあああああぁぁぁああぁぁぁ……っ!!」  
 息も絶え絶えに全身を痙攣させ、体を反り返させる。  
 ベッドからクララのふくよかな臀部が浮き上がる。  
 そして、レオンが指を引き抜いた場所から、透明な液体が勢いよく噴き出した。  
 それは小さな弧を描き、ベッドの上でぼたぼたと音を立てる。  
 すぐにクララの体から力が抜ける。  
「はあっ、はあっ、はぁ……」  
 力尽き、ベッドの上で激しく息をつくクララ。  
 レオンは体を起こし、クララの全身を見回す。  
 制服もスカートも普段のままだが、スカートはへその辺りまでめくれ上がり、液まみれになっている。  
 小さな全身が絶頂感に圧倒され、濡れた太腿は力なく開いている。  
 白い靴下に覆われた足首には、濡れて変色したショーツが残っている。  
 半開きの眼からは、涙の雫が垂れている。  
 まだ落ち着かない呼吸を繰り返す口元からは、わずかな涎が垂れている。  
 
「クララ、どうだった?」  
 クララの呼吸が落ち着くのを待って発されたレオンの問いに、クララはためらいがちに答えた。  
「ええとあの……なんか、凄くて……なんて言ったらいいか……」  
 しどろもどろに答える。  
「気持ちよかった?」  
 その言葉に真っ赤になるクララ。  
 消え入りそうな声で答える。  
「……はぃ……」  
 その答えにレオンは満足した。  
 
 ―――次は俺の番だ。  
 
 レオンはクララのスカートを脱がせ、自身も上着を脱ぎ捨てると、制服のズボンのファスナーを下ろし、中からすでに痛いほどに勃起している陰茎を露出させた。  
 先端は既に露気を帯びている。クララへの行為で興奮したせいだ。  
 クララの脚をめいっぱい開かせる。  
 ショーツを脱がせた時には慎ましやかに閉じていたクララの秘唇も、今やとろとろにとろけ、控えめながら口を開いている。  
 その唇にレオンの陰茎を重ね合わせ、前後に擦る。  
「あっ……ぅはぁ……」  
 レオンの暖かな陰茎が敏感な部分に触れ、クララが甘い声を漏らす。  
 それとともに、クララの淫汁がレオン自身に纏わりつく。  
 レオンはその潤滑油を彼の陰茎に満遍なく伸ばす。  
 そして、陰茎の先端をクララの小さな膣口にあてがうと、そのままクララにかぶさり、掌をクララと重ね合わせ、互いの指を絡める。  
 準備は整った。  
「クララ、挿れるぞ」  
「あ、……はい」  
 一瞬躊躇したが、クララはこくりと頷いた。  
 
 クララの内側へ、レオンはゆっくりと腰を沈める。  
 彼自身の先端に、クララの膣内の抵抗が感じられるが、それを押し切ってクララに沈めてゆく。  
「ああっ、くうっ……!」  
 レオンと絡んでいるクララの手に、強い力が加わる。  
 小さなクララの膣がはかなげに抵抗をするも、レオンの剛直の前にあっさりと砕け散ってゆく。  
「うっうっ、痛……ったあっ……」  
 クララは目をぎゅっと閉じ、自分の体内の一部が裂かれてゆく激痛を必死で堪える。  
 目尻からは涙があふれてゆく。  
「クララっ……!」  
 クララのレンズ越しにそれを見たレオンは、クララの中に入ってゆくのを止めた。  
「悪いっ、痛かった……よな?」  
 無我夢中でここまで来たものの、今まで妹のように思っていたクララのつらそうな表情に、思わず腰を引こうとする。  
「だめっ」  
 そのレオンの動きをクララが制止した。  
「だめです……抜かないで……」  
 涙声でクララが続ける。  
「ずっと、ずっとレオンさんに犯して欲しかったのに……」  
「クララ……」  
 レオンは思わず片手でクララの頭を撫でていた。  
「俺、嬉しくて死にそうだ」  
 そして、レオンも覚悟を決めた。  
「じゃあ、ちょっと痛いだろうけど我慢してくれよ」  
「は、はい」  
 レオンは、思い切って腰をクララに打ちつけた。  
 レオンとクララが繋がっている部分から、ぐちゅっ、と音が漏れる。  
 クララの中の最後の抵抗を、力で圧殺する。  
「ひぃ……はあああっ!」  
 クララの悲鳴と共に、レオンはクララの最奥部に到達した。  
「クララ、奥まで入ったぞ。頑張ったな」  
「はい……嬉しい、です……」  
 涙声でそう答えるクララの唇に軽く口付けると、レオンはクララの眼鏡のつるとレンズの間から舌を差し入れ、涙を舐め取る。  
 
 クララの膣内にすべてをうずめたものの、このまま動かしてもクララに苦痛を与えるだけだろう。  
 そう判断したレオンは、クララに挿れたままで、絡めていた手を解き、クララに体重を掛けないように注意しながら、クララの胸元の赤いリボンをほどく。  
 そして、クララの制服のボタンをひとつひとつ、ゆっくりと外してゆく。  
 制服の間から、白いブラジャーがちらりと覗く。  
 胸元を覗き込むレオンの様子に、クララは恥ずかしげに視線を反らせる。  
 既に挿入までされていても、まだ見られぬ肌を見られるのは恥ずかしいようだ。  
 
 ―――クララの胸を、もっとよく見たい。  
 
 レオンは、クララの制服を肩まで、ついで二の腕までずらした。  
 クララの上半身を覆うものは、今や白いブラジャーだけだ。  
 首筋から胸元のふくらみ、そしてなだらかな腹部と二人が繋がっている場所までがほぼ一望できる。  
 レオンは姿勢を変えると、クララのブラジャーを上にずらす。  
 歳相応の大きさ。しかし形のいいクララの乳房。  
 それが外気に晒される。  
 今までの行為によって、その薄桃色の先端はぴんと突っ立っている。  
 レオンはクララの腹部に手を置き、撫でるように乳房へ向かって移動させた。  
 もともとは巨乳趣味であったレオンは、今までクララを性欲の対象として見ていなかったこともあり、クララの胸は小ぶりだとは思っていた。  
 そんなレオンが初めて見た、衣服の上からではない素のクララの乳房は、発達著しい他の女子生徒と比較すると控えめといえるものだったが、制服の上から見るよりはひとまわり大きかった。  
 レオンの掌がクララの腹部から乳房に差し掛かった途端、そこからは明らかに段差がついていて、そこを過ぎると不思議な弾力を持つ柔らかな感触に触れられる。  
 まるで、発達途上の乳房がレオンに自己主張をしているかのようだ。  
 
 ―――ここに私はちゃんと居るんです!  
 
 レオンは、心のどこかでクララの胸をないがしろにしていた事に反省しつつ、掌でクララの乳房を撫でる。  
 
「ん……あぁ……」  
 撫でられているだけでも気持ちがいいのか、クララの口から声が漏れる。  
 レオンはクララの胸の感触をもっと味わう為、背を屈めると、下乳の辺りをゆっくりとまさぐりつつ、もう一方の乳房に舌を這わせ、先端を口に含む。  
「ひゃ……あ……」  
 すでに堅くなっているクララの乳首の上で、舌先を何度も往復させ、唇で挟み込む。  
 そして口全体で吸引しつつ、口を乳首から離してゆく。  
 レオンの唾液にまみれたクララの乳首は、ちゅぱっ、という音を立ててレオンの口から解放されるが、その都度レオンはクララの乳首を咥え、また同じ行為を繰り返す。  
 そうしている間にも、もう片方の乳房は掌全体で揉みしだき続け、時には指先で堅い先端をコリコリと刺激する。  
「レオン……さんっ、そこ……熱ぅ……」  
 クララが乳房への刺激から逃げるように体をうねらせるが、それにともなってレオンに挿れられたままの膣にも刺激が加えられる。  
「ひゃ……んっ……ぅううっ!」  
 びくびくとクララの体がのけ反る。軽く達したのだろうか。  
「クララ、大丈夫か?」  
「はい、あの、レオンさん……」  
 レオンの顔をまっすぐ見つめ、クララが言う。  
「もう、大丈夫ですから……」  
 少しためらい、そして続ける。  
「大丈夫ですから、私で……私の膣内で気持ちよくなってください……」  
「そうか」  
 レオンはクララの唇に口を付け、そのままクララの唇の全体を味わうかのように、自らの唇を滑らせる。  
 そして、舌先をクララの唇の間に割り込ませ、口内に侵入させる。  
「ぁむぅ……」  
 クララも舌先を使い、侵入してきたレオンの舌を迎え撃とうとするが、レオンの舌使いにたちまち丸め込まれ、舌に舌が絡ませられる。  
 下腹部ではくさびのような剛直を膣内に打ち込まれ、上では軟体動物のような舌に口腔内を蹂躙され、同時に二箇所を犯される感触にクララの被虐心が高まってゆく。  
 
 レオンはクララの口を塞いだまま、腰の動きを再開した。  
 ゆっくりと、ただ前後に動かす。  
「んむう……んんっ」  
 それだけでも、クララには刺激的だ。  
 クララの膣がきゅんっ、と収縮をはじめ、レオンを包み込む。  
 
 ―――クララが、こんな小さな体で俺のを受け入れようと頑張っている。  
 
 それが、レオンには嬉しかった。  
 レオンはクララから口を離す。  
 唾液の糸が、二人の間に名残惜しげに残り、はかなく消えてゆく。  
 クララの首筋を舐め、断続的に吸い付きながら、腰の動きを次第に大胆にしてゆく。  
 レオンに解放されたクララの唇からは、体内を貪られる苦痛の呻きとは明らかに違う声が漏れ出しつつあった。  
 レオンを受け入れているクララの部分からは、クララの膣液が溢れ出している。  
 それはレオンの陰茎によって空気と混じり合わされ、じゅぶぶっ、と淫らな音を立てる。  
「ひゃ……はあぁっ……!」  
 艶めかしいクララの声が漏れる。  
 レオンは腰を打ち込む度に向きを微妙に変化させ、クララの膣内の少しずつ別の場所を刺激した。  
「あっ、ふあっ、あはぁ……ああっ!」  
 クララの声は、今や性の快感に取り込まれた雌のものになっていた。  
 レオンは思った―――もう少し激しくしても大丈夫そうだ。  
 クララの中でピストン運動をしていた自らの陽物を、勢いよく引き抜く。  
「ああぁっ……」  
 その衝撃に、クララが悲鳴をあげる。  
「クララ、うつ伏せになって」  
 レオンは肩で荒く息をするクララの体をひっくり返し、うつ伏せにさせる。  
 そして、クララの後ろに回りこむと、尻を持ち上げさせる。  
 布団に顔をうずめ荒く息をするクララの表情はレオンからは見えなかったが、長い二本のお下げがベッドの上を艶めかしくのたうっている。  
 持ち上げた尻の下の辺り―――クララの女の部分からは、僅かに出血の混じったクララ自身の淫液がとめどなくあふれ、白い内股を伝ってベッドへと垂れていた。  
 レオンはまるで引き込まれるかのように、レオン自身をクララのその部分に衝き立てる。  
 
「ぁはあああああっ!!」  
 見えない場所からいきなり挿入され、クララは息も絶えそうな声を上げる。  
 レオンは手加減せず、両手でクララの腰を動かし、自らの腰も動かしてクララの最奥に自らをぶつける。  
「ぃやああああああっ! あああぁぁぁああああぁっ!」  
 子宮口の辺りを何度もコツコツと刺激され、その度にクララは悶え、女の本能でレオンを締め付ける。  
 何度も、何度も。  
「あぁん! ああっあっ! ふああああんっ!」  
 クララの顔は見えなくとも、怒涛の快感に耐えようと必死な顔をしている事がレオンには想像できた。  
「レ、レオン……さん……っ! あはぁっ!」  
 クララが息も絶え絶えに話し掛ける。  
「どうした……! クララ……!」  
 レオンは腰の動きを緩めることなく応じる。  
「あの……私……もうっ……!」  
 
 ―――もう、駄目そうです……。  
 
「私……私、レオンさんの顔を見ながらがいいですぅっ……!」  
 クララの言葉に、レオンは思わず動きを緩める。  
 そしてクララから一度離れると、クララの耳元で囁く。  
「クララ……」  
 レオンはクララの耳をぺろりと舐めると、枕に突っ伏したままのクララの頭を撫でる。  
「レオンさん……」  
「ありがとうな」  
 クララが自分の事を欲しがってくれるのが、レオンにはたまらなく嬉しかった。  
 レオンはクララの体を起こしてベッドの上に座らせ、自らもクララの前に座る。  
 ここに至って、レオンはクララの制服を肩から脱がせる。  
 制服は、そのままするするとクララの細い腕を落ちていった。  
 もはや乳房を覆い隠していないブラジャーも外す。  
 クララが身に付けている衣類は、もはや短い靴下のみだ。  
 
「おいで、クララ」  
「……はい……」  
 レオンとクララは向かい合ったまま、互いの背中に腕を回し、抱きしめあう。  
 クララは、レオンの屹立する陰茎の上に、ゆっくりと腰を下ろしてゆく。  
 レオンの陰茎がクララの膣口に当たり、そのままかすかな水音と共に膣内へ入ってゆく。  
「はあぁぁぁぁ……っ」  
 互いに密着している状態で、レオンは腰だけを動かしてクララの奥を刺激する。  
「んっ、んんっ、んああっ!」  
 クララの小さな膣なら、後背位ではなくともクララの最奥までは届く。  
 密着しているから、制服をずらされたクララの乳房がレオンの胸板に押し付けられ、興奮して硬くなったクララのふたつの乳頭がレオンの胸をなぞってゆく。  
「ふあっ、あっあああっ!」  
 密着したレオンの体に秘芯を擦られ、クララを高みへと誘う。  
 ときおり体の密着を緩め、クララの顔を覗き込む。  
 クララ。  
 普段は控えめな優等生の少女。  
 それが今では快感に体の芯を襲われ、なりふり構わず淫らな声を上げている。  
 普段なら彼女の清楚さの代名詞ですらある、眼鏡とお下げ。  
 クララの激しい動きにより、眼鏡はずり下がり、控えめな乳房は体の動きに遅延して揺れ、二本の長いお下げは、快感にのた打ち回るように空中を踊る。  
 股間では膣口が、じゅぶっ、ぐじゅっ、じゅぼっ、と音を立てている。  
「あぁぁ……うううんっ……!」  
 頬を紅潮させ、レンズの奥の瞳には涙を、口元には快感から来る唾液を垂らしている。  
 ―――クララも、エッチの時はこんな顔をするんだな……。  
 
 クララのその姿が、たまらなく可愛らしく、いとおしい。  
 限界が近づくレオンの頭の隅に、こんな愚にもつかない考えが浮かぶ。  
 
 ―――もう限界だ。  
 
「レオンさんもうっ……! く、くるううううっ!!」  
 クララは限界に達していた。  
「ふああっ、う、うあ、ああっ、あああああああああああああぁぁぁぁ───……っ!!」  
 全身をびくびくと波打たせながら、クララは小さな体をのけぞらせる。  
 それと共に、クララの柔肉がレオン自身を締め上げ、吸い出そうとする。  
「クララ、出……っ!」  
 クララを欲望のままにむさぼり続けた中でかすかに残っていた理性が、このままクララの中で果てたいという気持ちを抑え込み、レオンはクララの腰を持ち上げることで彼自身をクララから抜き出そうとした。  
 しかし。  
 クララの全身がレオンを絡め取った。  
 両腕はレオンの背中を捕らえ、レオンの腰に絡み付いていた両脚はその締め付けを強める。  
 ―――しまった!!  
 そう思ったのも束の間、次の瞬間にはレオンの射精感は頂点に達していた。  
 今まで射精を我慢していた多量の精液を、クララの狭い膣内に、どぷどぷと流し込む。  
 何度も、何度も。  
「あっ……熱いのぉっ……あああああっ……!!」  
 クララが再び呻き、小さな体を波打たせた。膣内に流し込まれた精液によって二度目の絶頂を迎えたらしい。  
「あっ……あ……っ……ふぅ……」  
 静かになった部屋の中には、二人の熱い呼吸だけが響いていた。  
 
 レオンは、発射によって役目を終えたと言わんばかりの陰茎を、クララの膣から引きずり出した。  
 激しく愛し合った余韻の荒い呼吸を繰り返すクララ。  
 クララの膣口からは、血の混じりあった精液がゆっくりと流れ落ちてゆく。  
 その光景に、あらためてクララの膣内に射精してしまったことを思い起こす。  
「クララ……ごめん、膣内で出しちゃったな」  
 クララの耳元で囁くレオン。  
「はぁ……はぁ……すみません……レオンさん、せっかく外に出そうとしてくれたのに……」  
 荒い呼吸を繰り返しながら、クララが応える。  
「痛く……ないか?」  
「ええと……まだレオンさんのが挟まってるような、そんな感じです……」  
 クララは股間に残る異物感を、そう表現した。  
「でも幸せです……レオンさんのが、中に……うれしい……」  
 その言葉に、レオンは思わずクララを抱きしめていた。  
 クララも、優しく抱きしめ返す。  
 レオンはクララの耳元で囁いた。  
「クララ、……愛してる。……いいよな?」  
 クララはうれしさに涙を流しながら答えた。  
「私も……レオンさんのこと、愛してます……」  
「ありがとう」  
 レオンはクララの頭を撫でながら言った。  
「……とりあえず、洗わなきゃな」  
 立ち上がり、クララを抱き上げる。  
「さあお姫様、シャワーへお連れ致しましょう」  
「おねがいします……レオンさん」  
「『レオン』でいいぜ、クララ」  
 騎士レオンはクララ姫を抱きかかえ、ベッドを後にした。  
 
 シャワーから戻ったら。  
 シャワーから戻ったら、二人でクララの蒸しパンを堪能することにしよう。  
 そして、いろんな事を話そう。  
 
 ―――クララの事を、もっと知りたいから。  
 
(終)  
 
 

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