ひなた荘のほの暗い廊下を、鶴子は音もなく滑るように歩いて行く。剣術、あるいは武道全般に共通する、すり足の技がこんなところにも表れている。剣士であり退魔師でもある彼女にとって、気を完全に緩めるということはありえず、何時でも常在戦場の構えを自然に取る。  
ましてや、今この建物は一種の魔窟であり、敵地と言ってもいい。本当に危険な仕事は、出来れば素子には任せたくない、と思う。  
 
(ふ……ウチもまだまだ甘いわなぁ)  
 
鶴子は、神鳴流の系譜を継ぐ者ではない。自分の結婚によって、目の中に入れても痛くないと思っている妹に、私はその重荷を押し付けてしまった。その負い目が、今でも消えない。多分、一生消えることはないだろう。いつか、素子に謝りたい。出来の悪い姉で、堪忍な……  
そんなことを考えながらも、気は最大限に研ぎ澄ませて歩く内に、彼女は目的の場所に辿り着いていた。管理人室、つまり景太郎の部屋である。  
 
「もし、浦島はん。おります?」  
 
そう呼びかけてみたが、返事がない。部屋には明かりが灯り、かすかに人の寝息が聞こえる。短い思案の後、鶴子はそっと戸を開ける。中では、景太郎が机にもたれかかってうたた寝をしていた。幸せそうな表情で、時折寝言らしきものを呟いている。  
側に寄って肩をそっと揺すぶってみたが、ムニャムニャ言うばかりで起きる気配もない。仕方がないので、彼女は勝手に例の妖刀を持って行くことにした。非礼ではあるが、事が事だけにやむを得ないだろう。  
 
「ふむ……」  
 
室内を見回すと、ほどなく妖刀のありかが察せられた。目に見える所に無い以上、あとは押入れしかないだろう。鶴子は、用心しながら近づき、戸を開ける。すると、すぐにそれと分かる刀が無造作に放り込んであった。それを慎重に手に取る。  
が、何も起こらなければ、邪気の欠片さえ感じられない。彼女はいぶかしんだ。いくら息を潜めていると言っても、ここまで何も感じられないというのは……?  
 
「……面妖な」  
 
念のため、鞘走らせてみることにした。それと同時に、破邪の気を妖刀に叩き込む。そうすれば、いかに隠れん坊が巧い妖と言っても、たまらず姿を現すだろう。息を吐き、意識を集中して頭の中で秒読みをする。一、二、三……喝!……しかし、何も起こらなかった。  
黒光りする刀身はただの鉄であり、それだけのものにしか見えない。もう一度気を送ってみても、結果は同じ。流石に拍子抜けした鶴子は、刀を鞘に収めた。後は、これに一応封印の儀を施して───と、そこまで彼女が考えた時。  
 
「……我に、何か用か?」  
「むっ!?……ううっ!」  
 
彼女にも隙があった。気の放射に意識を集中していた時の、ごく僅かな隙が。振り返ろうとした瞬間、首筋に感電したような痛みを感じた。勢いでそのまま飛び退ったが、身体から急速に力が抜けていくのが分かる。  
視線を転じると、景太郎が氷のような微笑をたたえて立っていた。その眼が、紅く光っている。  
 
「き……貴様が……」  
「ふふふ……そうだ。人間を操るというのは、これでなかなか面白いものでな。どれだけ巧妙に、奥の深い操り方が出来るか、それを追求する楽しみがある。しかし、お前はあの流派の中でも随一の手達れと思っておったが───」  
 
鶴子の前に屈み、そのあごをツイと持ち上げて顔を覗き込みながら言う。  
 
「我の、買い被りであったか」  
「くっ……ううっ……」  
 
自らの不甲斐無さを呪いながら、何か言い返そうとする彼女。だが視界の輪郭がぼやけ、身体はその力を失い、指先を動かす事さえままならない。薄れゆく意識の中で、鶴子は自分のほんの少しの油断を、運命が見逃してくれなかったことを知った。  
 
「不……覚……」  
 
床に倒れ込む彼女の聴覚に、妖の哄笑が微かに響いていた。  
 
 
「姉上……大丈夫かな……」  
 
素子は、自室で手持ち無沙汰だった。「ひな」に異常はないし、姉は中々帰ってこない。気を張り詰め続けるのも、疲れるものである。これも、自分の未熟さゆえかもしれない。そう思うと、またしっかりしなければならない、と思い直す。その繰り返しだった。  
 
「色即是空、色即是空……ん?」  
 
その時、部屋の外に気配がした。姉が戻ってきたのだろうか?  
 
「素子、いるかい?」  
「あ……はい。今開けます」  
 
戸の外には、茶菓子の盆を手にした浦島はるかが立っていた。きっと、姉と自分のために持って来てくれたのだろう。  
 
「おや、姉さんはいないのか」  
「ええ。ちょっと用事がありまして……でも、すぐ戻ると思います」  
「そうか……いや、それならいいんだが。素子、お前ら何だか妙な事やってないか?」  
 
素子はぎくりとして、慌てて手を振って誤魔化そうとする。  
 
「ちちち違います!別に妙な事なんて!」  
「ふう……あのな素子、態度でバレバレだぞ。お前や姉さんの、本当の仕事と関係があるんだろう?」  
「うっ……」  
 
仕方なく素子は口を割った。はるかになら、話しても構わないだろう……しかし、姉がいまどこで退魔の護法を行っているかは、話さないことにした。万一の用心のためである。そして大体の事情を聞いたはるかは、一応納得したようだった。  
 
「なるほどな……分かった。じゃあこれで行くけど、もし私で何か力になれることがあったら、遠慮なく言うんだぞ」  
「はい。ありがとうございます、はるかさん」  
「ん。じゃあな」  
 
はるかは、茶菓子を渡すと帰っていった。大きく息をついた素子は、再び「ひな」の前に戻り、精神を集中し始める。彼女にとって、事態は順調に進んでいるように思えた。もしこの時、はるかに鶴子の居場所を知らせていれば、その通りになったかもしれないが。  
……こうして、破局へと通じる門の、二つ目の扉が音もなく開かれた。  
 
 
その頃、景太郎の部屋では儀式が順調に進行中だった。もっとも、主体と客体が逆転しているものだったが。  
 
「ううっ……くう……ああうっ!」  
 
袴を脱がされた鶴子は、胸を机に押し付ける格好で半立ちにさせられていた。そして無防備にさらけ出された秘唇には、景太郎の肉棒が激しく突き入れられている。  
 
「いやあ、まさかモトコちゃんのお姉さんとこんなことが出来るなんて……」  
 
幸せそうに笑いながら、景太郎は腰を動かし続ける。それは、景太郎であって景太郎ではなかった。妖にとって、常に人の自意識を完全支配下に置く事は力の減衰と疲労に繋がる。そのため、もっと効率的な方法を採ることにした。  
人が誰でも持つ精神の暗黒面を刺激してやり、良心や理性のみを眠らせる。こうすれば最小限の労力で操る事が出来るし、邪気を察知されることもない。やがてその者は良心も理性も失って欲望のためにのみ動く奴隷となるだろう───  
その実験は、どうやら成功しつつあるようだった。  
 
「う、浦島はん……あかん、気を、気を確かに───んあうっ!」  
「はい?僕の気は確かですよ。それより、流石は美人で人妻の鶴子さん。ここのお味も格別ですねえ〜」  
「あっ!ああっ、んんっ……あああんっ!」  
 
手足を突っ張らせると、鶴子が力を抜いて机に突っ伏す。どうやら、一度絶頂に達したようだ。しかし、景太郎はそんな彼女の様子になど構わなかった。一旦膣から抜くと、鶴子の体を裏返す。  
そして両脚を抱え上げて足首を肩に乗せると、以前にも増した勢いで再び突き入れ始めた。  
パンッ、パンッ、パンッ、パンッ……弾け合う肉体が出すリズミカルな音が、二人の下半身の間から響いている。  
 
「ひぁうっ!やあっ……あっ、あっ、あっ、はぁんっ!!」  
「おやおや。あんなに凛々しいのに、ずいぶん可愛い声で鳴くんですねえ。気に入りましたよ」  
 
景太郎の休みない責めに、鶴子は自分の意識が侵蝕されていくのを感じている。焼けつく様な鉄の棒に貫かれ、炉の中で回されながら炙られているような感覚。これが妖の魔操術であることは解っていたが、それを跳ね返す手段が無い事も解っていた。  
退魔師としての全ての力を封じられ、景太郎に組み伏せられた自分は、今や男の腕の中で快楽に喘ぐ一人の女に過ぎない。  
 
そう自覚した時、彼女の心に急速に闇が垂れ込めた感じがした。  
 
「んっ、そろそろかな?いくよ、鶴子さん!それっ」  
「ああっ……モトコ、堪忍して……ウチ、もう……あ、あはぁんんっっ!」  
 
景太郎は崩折れた鶴子の膣から素早く抜くと、その身体を抱き上げて床に座らせ、握った肉棒を顔に向けて一気に放射した。吐き出される白濁液で、鶴子の顔がさらに白く染め上げられる。  
 
「ふうっ……いやあ、最高でしたよ。さて、これからどうしたいかな?鶴子さんの自由に任せますよ」  
 
しばらく虚ろな目で景太郎を見ていた彼女は、自分を支配した“それ”を再び迎え入れるべく、床に手を突いてゆっくりと腰を上げる。  
 
「ご、ご主人様……お願い、します……」  
 
中天に昇った月までが、不気味に紅く輝いていた。  
 
 
夜明けを迎えて、素子は暗澹たる気分だった。昨晩、遂に鶴子は帰って来なかった。「ひな」には何の変化もなく、ひなた荘のどこからも、異常な気配は感じられなかった。と言っても、自分はまだ姉ほどに邪気を鋭敏に感じ取ることは出来ないのだが。  
 
「くっ……情けないぞ、素子!」  
 
昨夜から不安を抱え、緊張と眠気に悩まされ続けた素子は、姉の帰りを一日千秋の思いで待っている自分を恥じた。こんなことでは、いつまで経っても一流の退魔師として認めてもらえない……  
そんな焦慮がいつも堂々巡りしている中、ふと背後に気配を感じて振り返る。と、そこには姉が立っていた。  
 
「うわっ!?……あ、ああ姉上、ご苦労様でした。儀式の方は……」  
「お早うさん、モトコ。全部終わったさかい、安心しいや」  
 
そう言って微笑む鶴子の姿は、素子の目にいつになく艶めいて映る。そしてその口元には、妖しい笑みが……  
 
「?……そうですか、流石は姉上。それでは、後は皆の除霊だけですね」  
「そうやね。これは簡単やから、モトコにも手伝ってもらうわ」  
「はい。分かりました」  
 
それから、その日は不思議がる住人達を一人一人呼び出しての除霊の儀が行われた。が、誰もそれに引っ掛った者はいない。鶴子は、どうやら妖は完全に封じられたようだ、と結論づける。素子もそれに納得した。  
いつしか、彼女の心は嘘のように穏やかになっている。心配の種だった妖刀の件が片付いたのだから当然とも言えるが、姉の表情から一切の険しさが消えた事もその一因だっただろう。それに、姉はこうも言ってくれた。  
 
「今回の一件、モトコはんがいてくれたから、これだけ早く片付いたんや。もう一流の退魔師と言うてもええやろ。何ぞ、ご褒美あげんとあかんなあ」  
「そんな、私はまだまだで……」  
「謙遜せんでもええよ。そうやな、今晩にでもお祝いしたろ。夕餉の後にウチに付いてきいや」  
 
何やら姉の一方的なペースで話が進んでしまったことに戸惑いつつも、素子はそれを受けることにした。元々、彼女はそういう人だったし、好意は素直に受けておこう……そして夜。素子が夕食後、鶴子と共に食堂を去った後、入れ違いにはるかがやって来た。  
 
「スゥ、ちょっといいか?」  
「ん、なんやー?」  
 
はるかはスゥをロビーに連れ出すと、その耳元で何事か囁いた。  
 
「……そりゃ、おもろいなあ。でも何でや?」  
「ああ、ちょっと気になるんでね。それと、もう一つ頼みがあるんだが……」  
 
しばらく話を聞いた後、カオラはこっくりと頷く。そして、手を振ると自分の部屋に走っていった。  
 
「ふう……取り越し苦労だったらいいんだけどな」  
 
煙草をくわえ直すと、はるかは頭を掻いてロビーを出て行った。  
 
「それで姉上、お祝いというのは……」  
「ああ、もうすぐ着くさかい、待っとき」  
 
食後、素子の部屋にて。何事も無さそうにお茶をすする鶴子を、素子は奇妙な思いで見つめる。その“ご褒美”というのが何なのか、全く分からなかった。ただ、時々こちらを見てクスリと笑う姉の顔から察するに、いいものであるのは予想できたのだが。  
 
「ああ、来たようどすな」  
 
鶴子がそう言うと、戸が開いて景太郎が入ってきた。照れたように一礼する。  
 
「どうも、遅くなりました。待ちました?」  
「いえいえ、おいでやす浦島はん。よう来て下さいましたなあ」  
「浦島……なぜここに?」  
 
いぶかしむ素子に対して、鶴子は返事の代わりに立ち上がって彼女の後ろに回ると、両肩に手を置いて厳かに言った。  
 
「モトコ。今宵、アンタは浦島はんに女にしてもらうんやで」  
 
その言葉が終わるやいなや、鶴子の手が着物の襟を広げ、さらしを緩めてするりと下ろしてしまった。  
 
「なっ!……何を!?……んむっ」  
 
抗議しようとして振り向いた素子の口を、鶴子の唇が捕らえた。柔らかい唇の間から、熱い舌が素子の口に侵入して踊る。動転する彼女の胸を、姉の両手が優しく揉んでいた。  
 
「はむっ……んっ、んんっ」  
 
五分ほどもそうしていただろうか。空を掴んでいた素子の両腕が垂れ下がり、身体から力が抜けてきたのを見計らって、鶴子はようやく唇を離す。  
 
「あ……姉上、あの……」  
「うふふ……ほら、モトコ」  
 
前を指差されて、素子は視線を転じた。すると、目の前にあったのは───景太郎の、肥大化した肉棒だった。あまりにも信じられない光景に呆然とし、何をどうしたらいいのか分からないでいる彼女に、鶴子は苦笑して耳打ちする。その説明を聞いて、素子は顔を真っ赤にした。  
 
「そっ……そんなことを!?」  
「モトコ、これも儀式の一環やと思うんや。何事も経験やで」  
「そうなんだよ、モトコちゃん。よろしくね」  
 
妖艶に微笑む姉の言葉にしばらく俯いていた素子だが、やがて夢を見ているような表情で、ためらいがちにそれを口に含む。  
 
ちゅぱっ……ぴちゃっ……  
 
震える両手でそっと支えながら、亀頭から裏筋にかけて恐る恐る舌を這わせる。舐めるほどに、張り詰めた海綿体が血液の熱さを加速させて素子を威圧するようだった。  
 
(これが、男……浦島の、男……)  
 
常に抱いている男に対する嫌悪感が、部屋に茫漠と漂う得体の知れない霧に包まれ、一時的に麻痺しているように感じられた。ぴったりと背中に寄り添った姉が、そっと妹の袴の紐を解いていることにも気付かない。突然、男根がびくんと跳ね、素子は怯えて手を離した。  
 
「モトコ、怖いことあらへん。男はんのコレは、こんな風に扱うんやで……」  
 
いつの間にか裸になっていた鶴子は、淫靡とも言える含み笑いを漏らして景太郎の前に進み出る。彼女は微妙に揺れる肉棒を、舌先だけで弄ぶように転がして見せた。そして自分の胸を両手で抱えると、乳房の谷間でそれを挟み込む。  
上下に動き出した豊満な姉の双乳から、埋もれた景太郎の男性自身が時折僅かに顔を覗かせる光景を、素子は食い入るように見ていた。  
 
「ううっ……凄いですよ、鶴子さん。やっぱりお姉さんは最高です……うっ」  
「あら、嬉しいわあ。なんやったら、妹よりもウチの体でもっと楽しんでみる?……ふふ」  
 
戯れ合う二人の様子に、素子の女としてのプライドが急激に沸騰した。……姉上、あなたには夫君がいるではありませんか!それに、これは私のお祝いじゃなかったんですか!?  
拳を震わせる彼女の目に映ったのは、今しも床に寝せられた景太郎の男根が、姉の女陰に呑みこまれようとする光景。素子は、その時決断した。  
 
「姉上っ、どいてください!」  
「ん?……あっ」  
 
景太郎の上にのしかかっていた鶴子を押しのけると、素子は肉棒に貪りついた。喉の奥に亀頭が当たって嘔吐感を憶えるのにもめげず、さっきとは別人のような勢いでそれをしゃぶる。景太郎や姉が何か言っているようだったが、耳にも入らなかった。  
呼吸が困難になるまで口を動きを止めず、やっと離した時に思わずむせてしまった。が、間を置かずに今度は自分の胸を掴み、さっき姉がしていたように乳房で肉棒を咥え込んだ。……私にだって、出来るんだ!  
 
「くっ!あ、モ、モトコちゃん……いいよ……イキそうだ」  
「浦島……浦島ぁっ!」  
 
私は、どうなってしまったんだろう……?こんなことをしているなんて……と、彼女が微かに不審に思った瞬間、胸の谷間から白い液体がほとばしり、顔と胸を濡らした。驚いた素子が身を引くと、鶴子が寄ってきて肉棒の先から出たその液体を舐め取っている。  
素子も真似をして舐めてみたが、何だか生臭いような、妙な味がした。こちらを振り返った姉が、挑発的に笑う。  
 
「なんや、モトコはんもまだまだネンネかと思うとったのに、なかなかやりますなあ。流石は我が妹ちゅうことですやろか。……それはそうと、浦島はん?あんさん、まさかウチよりモトコの方がええなんて言わしまへんやろなぁ?……浮気もんは、堪忍せえへんで!?」  
「ひぃっ!?い、いやそのそんなことは……」  
「姉上、浦島が困っているではないですか!」  
 
そう言うなり素子は景太郎に抱きつき、姉から守るような構えを見せた。対して鶴子は、指をポキポキと鳴らして糸切り歯の間から太い息を漏らす。  
 
「ほほう……そうでっか。ウチに楯突こういうんやね?上等や素子。ほんなら、アンタとウチで、どっちが浦島はんを満足させられるか、勝負やで!」  
「受けて立ちましょう!姉上!」  
「あ、あの〜……?」  
 
それから二人の姉妹は、対抗心剥き出しで景太郎に奉仕した。いや、むしろ奉仕させたと言うべきか。素子が屈み込んで肉棒をしゃぶっていると、鶴子は素子の花園を弄って妨害しようとする。  
また鶴子が秘唇でそれを咥え込み腰を動かしていると、素子は後ろから姉の乳房を揉みしだいて早く絶頂に達させようとした。  
 
「んんっ。モトコ、あ、あかん……胸を、そないに弄ったら……あふっ」  
「それは私のものです、姉上……」  
「ああっん!あっいい、ウチ、もう……あううっ!」  
 
やがて昇天して倒れた鶴子を脇へ退けると、素子もまた景太郎の上に馬乗りになった。自分も、姉のようにこれを挿れなくては浦島を悦ばせられない……覚悟を決めると、ゆっくりと腰を落とす。  
 
「うあっ!」  
 
途端に、焼けつくような痛みが陰部に走ったが、それでも歯を食いしばって体重をかけて行く。すると、濡れていた素子の秘奥はずぶずぶと音を立てながら、景太郎の男性自身を完全に呑み込んでしまった。  
そこからは姉の見よう見まねで、慎重に腰を上下させる。まだ、膣内が擦れる度に痛い。  
 
「あっ……くうっ……んっ」  
「ああ、いいよモトコちゃん……凄く締め付けてくる」  
 
そうして少しずつ動かしている内に、段々と苦痛以外の感覚が芽生えてくる。今はまだ、それが性的な快感であるということに素子は気付いていなかった。ただ、時々子宮を叩く男根の衝撃が、彼女の脳髄を直撃して割れ鐘のように騒がしかった。  
 
「うう……モトコちゃん……ま、またいく、よ……」  
「ああっ……浦島……来てくれ……」  
 
不意に景太郎が力を抜くと、素子は自分の膣内が熱くなったような気がした。しばらくしてそっと抜いてみると、陰唇から半透明の液体が垂れる。どっと力が抜けて座り込んだ彼女は、ふと姉の方に目を留めた。  
這うようにして近づいて顔を覗き込むと、仰向けになった顔から安らかな寝息が聞こえた。その無防備な顔に、素子は心中優越感を抱く。私が、勝ったのだ───  
 
「!?」  
 
と、腰に手の感覚を感じて首だけで振り返ると、そこには景太郎が膝立ちになっていた。何か言おうとする間もなく、その花園を蹴散らして肉棒が刺し入れられる。素子は、声にならない声で叫んでいた。  
そして景太郎の腰に押されるようにして、姉の体の上に倒れ込む。鶴子は、目を覚ました。  
 
「はいはい。浦島景太郎、ご期待に応えて復活で〜す」  
「ああっ……う、浦島、やめろっ……んあっ」  
 
驚いたように目をしばたたいた鶴子だが、自分の上で喘いでいる妹を見て即座に状況を把握した。薄く笑うとその首筋にキスをし、下から素子の胸を愛撫した。その間にも景太郎の腰の動きは止まず、素子は切なげな鳴き声を漏らしている。  
 
「ああっ、ひゃうっ、ん、んんっ、ああ───っ!」  
「ああ……モトコ、もうこんなになってしもうて……いけずやわぁ、浦島はん。ウチにはもうしてくれはりまへんの?」  
「あ、ちょっと待ってくださいね……よっと」  
 
景太郎は素子の膣から抜くと、今度は鶴子の秘唇にそれを突き立てた。  
 
「あはぁっ……ウチの中に挿入って暴れてはる……ええわ、もっと、もっと中で掻き回してえっ!!」  
 
前よりも速度を増した景太郎の動きに、鶴子は身体をくねらせてよがり狂った。秘肉を打つ音が次第に早くなって彼女の声が切れ切れになってきた時、景太郎はすっとそれを抜く。濡れた瞳で、鶴子は恨めしそうに景太郎を見返した。  
 
「浦島はん、なんで止めますのん……?ここまでしといて、殺生やで。ちゃんと最後まで───」  
「まあまあ、最後はこういうことで」  
 
そう言って景太郎は姉妹の女陰の間に肉棒を挟むと、再びピストン運動を始めた。二人分の秘唇と肉芽が限界まで硬くなった男根に蹂躙され、愛液のぬめりを巻き込んでくぐもった淫音を立てる。素子と鶴子は、互いを抱きしめ合って叫んだ。  
 
「あっあっあっ、ああっ───!あねうえ、あねうええっ!!」  
「はぁんっ!もう、もうあかんっ!モトコ、一緒に、あ、あはうんっ!!」  
 
ようやく景太郎がその動きを止めると、もはや薄くなった精液が姉妹のそこに降り注がれた。快楽のあまり抱き合ったまま失神した二人の様子を確かめながら、景太郎は立ち上がる。そして、満足げに呟いた。  
 
「ふふ……これで、もう俺に逆らえる女はいなくなったね……後は、やりたい放題だ」  
 
その両眼は、もはや紅く光ってはいなかった。  
 

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