「ちょっ、マズイですよ。エルフィさん」
だが彼女は止まる様子も見せず、ベッドの上に押し倒した彼の上に馬乗りになると、TERRAエンブレム入りの航空部制服を乱暴に脱ぎ捨てた。
黒の長袖も脱ぎ捨て、黒のスポーツブラだけが上半身を隠した姿になると、彼の体を覆う様に困惑した顔を覗きこむ。
「流石にマズイですって」
押し退けようとするも、最近まで素人だった彼が適度に鍛えられた彼女を排除する事は出来ない。
「安心しろ、カミナ。殺しやしないから」
「そーゆーことじゃ・・・」
だが彼の言葉が終わるよりも早く彼女の唇が押し付けられ、侵攻部隊が彼の唇を強引に開き内部への突入を敢行する。
彼も応戦するが一方的に弄ばれ、蹂躙され、絡み付いたまま抵抗を愉しんでいるかのように口の中を暴れ回る。
「んーんーんー!」
十分に愉しんだのか、彼女の唇が糸を引きながら離されると、侵攻部隊を務めた赤い舌が口の周りを一周する。
「ゲームだよ、カミナ。ただのゲーム」
残っていたブラジャーを脱ぐと背後へ投げ捨て、形の良い胸を揺らしながら今度は彼の上着に手をかけた。
体を起こさせ青と白のシャツを強引に脱がし同じように投げ捨てると、彼の体に胸を押し付けながら再びベッドの上に押し倒す。
昔から女性は猫で比喩される事が多いが、彼からすれば今の彼女は黒豹の様に妖しく艶やかに見えるだろう。
「ゲーム?」
「模擬戦闘と一緒だ。ただ楽しめれば良い」
彼女の手が彼の首に回され、彼の手は彼女の背後に回される。
「なんだったらヤル気が出るように景品でもつけよう。先に気を失った方が命令を聞くってのはどうだ?」
「・・・・気を失うまでヤルんですか?」
更に強く胸が押し付けられ、彼女は挑発する様に彼の頬に舌を這わせる。
「ま、自信が無いなら止めても良いぞ」
「・・・・んっ・・・知りませんよ。自信無くしても」
今度は彼の唇が彼女の唇へと押し付けられ舌が侵攻を開始、当然の様に彼女の舌が迎撃に出る。
だが、今度は彼女が焦る番だった。
侵入した彼の舌は彼女の防御網を潜りぬけ最深部まで到達、彼女の抵抗を潜りぬけながら縦横無尽に動き回る。
必死に彼女の舌も追撃するが、彼の素早い動きに翻弄され、捕まえる事が出来ない。
さらに事態は悪化、隙を突き上下を入れ替えられると、背後の左手が彼女の胸を押し潰し、右手は力強く彼女を抱きしめる。
「!!」
早い動きに対応できず反撃の糸口が掴めないまま、彼の打つ手は確実に彼女を追い詰めていく。
唇が口から耳元へと移動、その隙に左手が彼女の右胸を力強く揉みしだく。
「んっ!」
「我慢しなくて良いんですよ」
耳元で彼の暖かい息が彼女の体を硬くさせ、逆襲の意味も含めて彼女の耳に噛みつく。
「・・・・エルフィさんも、可愛い所あるんですね」
唇は首筋へと移り、左手は緩急をつけて張りのある胸を開放しようとはせず、彼の攻撃は更に強力な物へ。
手ではなく指毎にペースを変え、力の加え具合も一本ずつバラバラにし、弱い所を確実に捉え時間差をつけて力を加える。
「ぁああっ!」
「大丈夫、・・・」
彼の手は休むどころか更に速度を上げていく一方、完全にペースを乱された彼女に抵抗する様な気力も力も無い。
ただ彼の技の中に溺れていく事しか出来なかった。
「・・・殺したりしませんから」
「カミナ君、エルフィー見なかった?」
「見てませんよ。どうかしたんですか?」
「ちょっとね。待ち合わせしてたのに・・・」
「そうですか・・・どうしたでんしょうね」
誰にも見られないように、彼の口元は卑しく歪んだ。