油断なく辺りに目を配る。守るのは気が強く、きれいな髪をもつお嬢様。いまは洗面所でうがい中である。 
中世の騎士のように恭しく奉仕しているが、貴婦人を白く汚したのは騎士本人だった。  
 
 約五分前  
「 海ちゃん、大丈夫? 」  
 聞いてみるが、海は何度も咳き込み、口の中の白濁液を吐き出そうとするが、ねばつく液は吐き出す 
ことができず、口をモゴモゴさせて少しずつ飲み下すしかなかった。  
そんな海の、精液をあびた顔をハンカチで拭きつつも、若さゆえか下半身に血が集まってくる。  
 ……俺って、最低だな〜 ごめんね……  
 心の中で海に詫びつつ、きれいに淫らな化粧を落としていく。海も涙目だが落ち着いてきたようだ。  
翔の視線が下半身にいくと…  
「 そ、そっちは自分でやるから! 」  
「 そお? 」  
「 ……… 」  
 以外な素直さで翔の手が離れる。ほっとしたようながっかりしたような。  
「 ……… 」  
「 ……… 」  
妙な間で気恥ずかしくなった二人は、後ろを向きこそこそと後始末を始めた。  
 
「 おまたせ… 」  
 海がずいぶんアンニュイな顔で出てくる。  
「 もう平気? 」  
 優しい声、聞くだけでいまは頬が火照る。  
「 もう、こういうことやめてよね… 」  
 照れ隠しで言った言葉が、以外なほど冷たい響きを帯びてしまった。自分でもシマッタと思い、翔を 
窺うと、“ガ〜〜ン”効果音が聞こえるほどショックを受けたようだ。  
「 ご、ごめん… 」  
「 あの、そうじゃなくて! 場所を考えててことで…あの、えっと… 」  
 海は自分でもなにを言ってるのかわからない。それでも翔にはなんとか伝わった。  
「 うん これからは、場所をかんがえるよ 」  
 言いたい事は伝わったが、伝わったが……  
「 信じらんない!! だからデリカシーがないて言うのよ!! 」  
 赤い顔をさらに赤くして、海は先にトイレを後にする。一人残された翔は、  
「 わからん 」  
 だれにともなく呟いた。  
 
 海から遅れること5,6分 店に戻ってくると、海は光や風と楽しそうに話していた。  
さっきまでトイレであんな事やこんな事をしていたとは、二人には想像もできないだろう。屋上から戻 
って来たときの風もそうだが、女は演技力というより度胸が座ってるんだろう。  
こういうときは男のほうがだらしがない。笑顔で席に着こうとするが、海と風、二人の顔を見ると  
いまさらながら“二股”その言葉がズシリッと圧し掛かってくる。  
そのプレッシャーから逃げるように救いの天使 光 を見ると、まだケーキをパクついていた。  
 …ずっと食っていたのか、光 太るぞ…  
そんな妹の食欲と愛らしさに救われ、ホッとしていると。  
「 なにモノ欲しそうに見てんのよ 」  
 トイレでの甘い声はどこにいったんだと思うようなそっけない態度。ネコを被るとよく言うが、海は 
ネコの上からなにかを被ってるようだ。  
「 …おいしそうだと思って 」  
 そんな海のネコ被りカブリに対応できない翔に、風が助け舟を出してくれた。  
「 あの、口を付けてませんので、よかったらどうぞ 」  
 柔らかく微笑み、翔の前にケーキの皿を出す。  
もともと海もあんなキツイ言い方をする気はなかったのでこれは助かった。“ホッ”ひそかに息をついていた。  
「 あ、じゃあ いただきます 」  
 なぜか風に対して敬語になってしまう。  
「 めしあがれ 」  
 
 “めしあがれ”あたまの中にクリームを塗りたくった裸の風がでてくる。今日はなんでもエロに直結だ。  
ケーキを前に頬が緩む翔を見て、海が“ムッ”とした顔をする。その視線に気づき、顔を引き締めるが 
横顔に海のジトッ目が絡みつく。食べずらい。  
風もニコニコこちらを見てる。だんだん胃の辺りが痛くなってきた。  
「 翔兄様 おいしいよ 」  
 いつものように可愛い妹がトドメを刺す。  
  …そんな光も好きだ……  
 わけのわからない感想と共にケーキを一口。苦みばしった味がした。  
「 おいしい? 兄様 」  
「 ああ… 大人の味がする 」  
 海と風は皿の上のケーキを見て。  
「 ショートケーキよねぇ 」  
「 ショートケーキですねぇ 」  
 翔の言ってる事がわからず首をひねる二人。そんななか…  
「 大人か…… 」  
 光の小さなささやきは、フォークを置く音に紛れて誰にも聞こえることはなかった。  
 
 
「 ふぅ 」  
 小さな肩からバッグを下ろし一息つく、もっともバッグの中は買ったばかりの下着が入ってるだけだ。  
制服のリボンをほどきブラウスを脱ぐと、スポーツタイプのブラに包まれたまだ薄い“オッパイ”と呼 
ぶのははばかられる幼い胸が露になる。自分の、同級生と比べて明らかに小さい胸を見て。  
「 わたし、やっぱり子供ぽっいのかなぁ… 」  
 光の身体のつくりは胸に限らず全体的に小さい、いや幼い。海と風に初めて会ったときは年下だと思われた。  
密かな悩みのタネだったが、今日買ってきたものは少しだけ悩みを解消してくれそうだ。  
いそいそとバックからおそろいのブラとショーツを取り出す。色は薄いイエロー、海は黒を薦めてくれ 
たが、さすがにそれは恥ずかしい。  
スポーツブラを外すと光のささやかな胸のふくらみがさらされる。コンプレックスの源を早く隠したいの 
か、すばやく新しいブラを付ける。スカートも脱ぎ、これまた飾りッ気のないショーツを足から抜き取る。  
「 ……… 」  
 下半身を目にするとさらに深いコンプレックスに襲われる。胸はささやかではあるが成長している。  
でも“女の子”のほうは。光のスリットはタテ線一本、そして毛がなかった。  
「 はぁ〜〜 」  
 最近は着替えるたびにため息がでる。胸が小さいのは海や風に相談できるが、毛はどうやって生える 
のかとは、いくら無邪気な光でも聞けない。諦めてショーツを履く。  
鏡に映る姿は、光の想像していた大人の女性ではなかったが、十分かわいい。  
一つ、一つチェックするように自分の格好に目を走らせる。どうもショーツのカットがハイレグ気味だ。 
少しくいこんでいる。水着のお尻を直すときのように、指を差し込む。  
“ピクンッ”一瞬なにかを感じ、差し込んでいた指をあわてて引っ込める。  
 …な、なに…いまの……  
 こわごわとショーツの中を覗いて見るが、なんともない。そ〜〜とショーツの中に手を入れてみる。  
“ピクンッ”またきた。いままで感じた事のない自分の身体のサインに光は怖くなった。光の乏しい性 
知識では身体がなにを訴えてるのかわからない。  
「 お、お風呂入ってこよ 」  
 わざわざ口にだして、逃げるように部屋を出た。  
 
 
“ザバ〜〜アァ”  
 流し湯をした後、ゆっくりと小さな身体を浴槽に浸す。温かさがすみずみまで満たしていく至福の時間。 
いつもならお湯に溶けるように身を委ねることができる。  
でもいまは、湯船の中からたよりない肩をチョコンと出し思案中だ。“悩んでます”と顔に出てる。  
 …さっきの…なんだったのかな?……  
 いままでは悩み事があれば、海や風に相談した。もしかしたら病気かもしれない。 
でもこれは、なにかはわからないがスゴく恥ずかしいことのような気がする。  
ひとしきり考えたがいい案は出そうにない。のぼせてきたせいもあり、あきらめて身体を洗う為浴槽をでる。  
檜の椅子にお尻を下ろし、石鹸を泡立てる。まずは左腕から、右腕、左足、右足、順番に洗っていく。  
スポンジがささやかな胸の頂にふれたとき、“ピクンッ”光を悩ませている感覚が背筋を走った。  
 …え!?…い、いまの…む、胸でも……  
 あわてて胸を見るとかすかに、淡い桜色の乳首が起立している。いままでにも乳首が立ったことはあ 
るが、それは寒かったり服が擦れたりしたときだけだ。でもいまは身体がなにかを訴えてる。  
起立した乳首をどうしたらいいかわからず見つめていると、ふれてないはずの右の乳首が……  
 “ぷくっ”ゆっくりとふくらんでいく。自分の身体の変化をつぶさに見せられなにか妙な気持ちになる。 
股の辺りがムズムズしてきた。  
光はすごくイケナイことをしてるような気がして、振り払うように姿見に目を移す。 
そこには切ない顔をした、いままで会ったことのない自分がいた。    
姿見の中の光は意志をもったように、勝手に足を開いていく。光は目をそらしたいはずなのに、鏡に映 
った自分の股間から目が離せなくなっていた。         
光の秘裂はお湯に浸かったからか、それとも興奮しているのか少しほころんでいた。  
「 ああ… 」  
 指が魅入られたように秘裂に伸びる。光は切ない声を出すだけで止めることはできない。  
指先がほころびはじめた秘裂をすぅ―ッとなぞりあげる。  
 
「 ん…… 」  
 指はそのまま秘裂を割り開く。入り口はピクピクとひくつき透明な涙を流している。 
おっかなびっくり中指をわれめに食い込ませた。  
オナニーなど一度もしたことがないのに、オンナの本能がどうすればいいか教えてくれた。  
奥まで入れるのは怖いのか、濡れた指先を無毛のわれ目に沈み込ませるが、入り口の浅い部分を控えめ 
にかきまわすだけだ。  
それでもオナニー初心者の光には味わったことのない感覚が襲ってきた。  
「 んぅッ 」  
 獅堂家の湯殿に末娘の初々しい喘ぎ声が響く。  
「 あぁッ…んあッ…… 」  
 経験したことのない感覚に翻弄される少女は、“もっともっと”とねだる指を抑えることができない。  
“くちゅくちゅ”とまるで光に聞かせるようにかきまわす。  
貪欲な指は可憐な秘裂だけではあきたらず、震えている乳首にも食指をのばす。  
 “きゅッ” 乳首をつまむと秘裂とは違う、痛みにも似た感覚が先っぽからじんじん身体中に伝わっていく。  
「 あ…んふッ…うぅンッ…グスッ……んンッ…あぁッ… 」  
 光は泣きながら乳首をつまみ、秘裂をまさぐっていた。本当はこんなことしたくないのに、奔放な指 
はまったく言う事を聞いてくれない。  
「 ひんッ 」  
 指は嘘をつくなと抗議するように、脅える処女の真珠をすりあげた。背筋を走り抜ける快感に可愛い 
お尻が浮き上がり、椅子から転げ落ちそうになる。一瞬、紅い稲妻が閃いた。  
 
強すぎる快楽パルスに指を引っ込めたが、好奇心と気持ちよさには勝てず、慎重に真珠にふれる。  
 “ちょんッ”  
「 んあッ 」  
 やはり強すぎる刺激にお尻が跳ねるが、その刺激すら快感なのか流れる蜜をぬり真珠を嬲る。  
「 ン…ふぁッ……くッ…あはッ…… 」  
 指を“くちゅくちゅ”と動かし、昇っていく感覚とともに深いところからなにかがやってくる。  
その感覚に操られるように、真珠をひねりあげた。  
「 はひッ…ひッ…んあぁッ……… 」  
 “ぺちゃん”ぎりぎり椅子に乗っていたお尻が快楽に震え、蜜でできた水溜りに放り出される。  
 床の冷たさが伝わったのか、それとも緊張が切れたのか“チョロチョロ”股の部分から愛液とは違う 
生暖かい黄色い放物線が描かれる。  
「 う…うううッ…グスッ…ううッ…… 」  
 大人に一歩近付いたのだが、オモラシをしてしまった少女にその自覚はなかった。  
 
 
                                      光編その一 終わり  
 
 
 

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