夕暮れの見慣れない町を、隣の娘に合わせてゆっくり歩く。  
普通に歩いても男のほうが歩幅が大きいのに、女の子は“ひょこひょこ”と怪我でもしているのか、 
歩きにくそうだ。  
男は気を抜くと女の子を追い抜いてしまい、その度に心配そうに足を止める。  
だが女の子に、いまも”ズキズキ”とうずく傷を付けたのは男だった。  
 
 出すものを出し、理性の戻ってきた翔は目の前に横たわる風を覗き込む。  
キスマークと白い精が、首筋から、背中、お尻にまで付けられ、男のつまらない征服欲を満たしていく。  
しかし、目線が血と精で汚された、風の大事にしてきた“女の子”を見ると良心が痛んだ。  
同意の上での行為なのだから悪い事をしたわけではない。したわけではないが、このままでは可哀そうだ。  
ポケットからティシュを取り出し、汚された首筋、背中、お尻、そして“女の子”を丁寧に拭いてやる。  
“女の子”は特に優しく拭いている積もりだったが、やはり痛むのか“ピクリッ”と風は目を覚ます。  
痛む部分を見て、そこに翔の手を見つけると、  
「 きゃあっ! 」  
 可愛い声を上げて、翔の手から逃げてしまう。  
「 血が出てるし、拭かないと… 」  
「 大丈夫ですから! 自分でやりますから! 後ろを向いてください 」  
 そう言って胸と股間を隠し、少しでも見える範囲を減らそうと丸くなる。  
 
散々見られたのに、まだ恥ずかしいのかと思ったが、自分もこれから後始末をするのだ。  
盛り上がってるいるときはいいが、行為が終わって冷静になれば羞恥心のほうが先にでる。ティシュで股間を拭いてる姿は、相当情けない。  
丸くなっても発育のいい身体は隠しきれず、見えそうで見えないチラリズムに“クラッ”と来るがそれは耐え、大人しく風にティシュを渡し、後ろを向く。  
  …本当はシャワーを使わせてやりたたいけど、いつ誰が来るかわからない弓道場じゃあなぁ…  
 いつ誰が来るかわからない神聖な弓道場で、不埒な行為をしといて翔は勝手な事を考えた。  
  …この間もそうだったけど、もっと落ち着けるところでしたいなぁ……  
 さっきはヘコんでいたのに、もう次の事。以外とポジティブな 獅堂 翔 であった。  
 
「 本当にここまででいいの? 」  
 風の学校から二駅ほど電車に乗り、そろそろ家が近いというところで、ここまででいいと言われた。  
「 はい ありがとうございました 」  
「 本当に大丈夫? 家まで送るよ? 」  
 その言葉が嬉しかったのか、笑顔を返すが、  
「 あの…男のかたが一緒だと逆に家のものが心配するので…… 」  
 まあ娘がいきなり男を連れて、それも“ひょこひょこ”しながら帰ってきたら心配しない親はいないだろう。  
ヘタをしたら翔は殺されるかもしれない。  
「 そう…だね… 」  
 翔が未来に起こるかもしれなかった不幸を回避したとき。  
「 あら、風さん♪ 」  
「 空(くう) お姉様!? 」  
 未来がむこうからやって来た。  
 
「 今日はずいぶんゆっくりだったのねぇ 」  
「 …ええ 」  
 見た感じは、翔と同い年か少し年上だろう。長い髪に聡明そうな瞳は風と似ているが、第一印象は、  
オチャメな“お蝶夫人”  
「 こちらのかたは? 彼氏? 」  
「 お姉様!? 」  
 人と話していて、エッチのとき以外でこんなに余裕のない風を見るのは初めてだ。お蝶夫人は翔のほうを  
向いて“にやりっ”(“にこりっ”ではない)と笑うと。  
「 わたくし、風の姉で 鳳凰寺 空 と申します。妹がズイブンとお世話になったようで♪ 」  
「 え!? あ、はい! 」  
 自己紹介にも流石に風の姉、一分も隙がない。  
ズイブンのところにチカラが入ってたのは気のせいじゃあないだろう。怒ってはいないようだが…  
「 失礼ですがお名前は? 」  
「 獅堂 翔 です… 」  
「 獅堂…… 」  
「 なにか? 」  
「 あ、いえ 珍しい名字だと思って。 ごめんなさいね 」  
 獅堂という名字は確かに珍しいが、一瞬驚いた顔をしたのはそれだけだろうか?  
「 風さん♪ わたし、翔さんの顔を見ていたら“ひよこまんじゅう”が食べたくなってきちゃた♪ 」  
「 こ、今度買っておきます… 」  
 風の顔も引きつている。  
 
「 ありがとう♪ 翔さん、よかったら夕食をご一緒に如何ですか? 」  
「 え!? い、いや今日はやめときます 」  
 その返事に、翔のほうではなく風の腰の辺りを見て、  
「 そうねぇ♪ 今日はやめといたほうがいいかもね♪ 」  
 そう言って、“にやりっ”と微笑む。真っ赤になる二人を見て、  
「 青春ねぇ♪ 」  
「 し、失礼しました! 」  
 その場から脱兎の如く走って逃げる。後ろからは、“オ〜〜ホホホ”空の心底可笑しそうな笑い声と、  
“申し訳ありません”風のすまなそうな声が聞こえた。  
 
 もしタイムを計っていれば日本記録を塗り替えるような勢いで駅まで一気に駆け抜ける。心臓の鼓動が 
やけに大きく聞こえるが、走ったせいばかりではないだろう。  
「 ふぅ〜〜  とんでもない姉ちゃんだなぁ 」  
 妹も鋭いものを持っているが、姉はそれ以上だ。今度“ひよこまんじゅう”を持参して…などと考えているとポケットから“ら・ら・ば・い”のメロディが鳴る。メールだ。  
『今度買い物に付き合って欲しい』絵文字もなにもない、ずいぶんと簡潔な文章。それだけなら驚かないが、 送ってきた人物に驚いた。返事はメールではなく直接TEL。  
「 もしもし 海ちゃん!  」  
「 ………………………… 」  
着信はすぐ、まるで待っていたようにされたが、そこからは沈黙しか聞こえてこなかった。  
「 海ちゃん? 」  
「 なんで、メールじゃないのよ… 」  
 ぶっきらぼうな返事が電話口から聞こえる。  
「 ごめん じゃあ、いまからメールで 」  
「 もういい それよりも付き合ってくれるの? 」  
「 あ、ああ うん 」  
 海は自分の声が上ずってるのを悟られたくないのか、どうしても聞き方が事務的になってしまう。本当は  
こんな言い方はしたくないのに…  
 
「 明日は? 」   
「 いいよ 」  
「 10時 〇〇駅でどう? 」  
「 わかった 」  
「 遅れないでね わたし、待たされるのは嫌いだから 絶対に遅れないでね! 」  
「 10分前には行くよ 」  
 事務的な会話、しかしその声からは戸惑いや不安、そして期待などが入り混じってだんだんトーンが上がってきている。もっとも翔に気がつけというのは無理だ。  
「 ………………………… 」   
「 ………………………… 」   
 もう用件は言い終えたはずだが、海はまだ電話を切らない。なにかあるのかと辛抱強く待つが何も言って  
こない。音を上げた翔が口を開こうとすると。  
「 あの…………………ありがとう… 」  
 小さな声でお礼を言うと、あわてて電話を切ってしまった。“プゥーーーーゥ”携帯からは、もう海の声は聞こえない。残されたのはニヤつく翔だけ。  
「 やっぱり、兎は二羽にかぎるよなぁ 」  
 兎達にバレたら修羅場になる事を平気で口にするほど翔はウカレていた。  
 
 
 AM 8:50 獅堂家の玄関には、ニヤケた顔の三男坊が靴の紐を結んでいた。  
  …これはどう考えても“デート”だよなぁ〜〜…  
ウカレまくって玄関を出ると、光が犬語をしゃべる家族“閃光(ひかり)”と散歩から帰って来たところだ。  
「 あ! 翔兄様出掛けるの 」  
「 ああ、まあ… 」  
 昨日、光の秘密を“偶然”立ち聞きしてしまってから、どうも恥ずかしいと言うか後ろめたいと言うか、 
光の目を見て話せない。  
「 いってらしゃい! 気をつけてね!! 」  
「 うん… いってきます 」  
 そんなことは露とも知らない光は兄を元気に送り出す。愛する妹に心の中で詫びつつも、今日の事を考えると顔がニヤケるのを堪える事が出来なかった。  
 
 AM 9:38 待ち合わせの〇〇駅前。少し早く来すぎたかと思ったが、海はもうちゃんと来ていた。  
交差点の向かい側、声を掛けようと手を上げるとなにやらオトコと言い争っている。  
「 しつこい! いいかげんにしてよ!! 」  
「 待ち合わせの相手まだ来ないんでしょ? その間だけでもいいからさ ね! 」  
「 わたしが、何分何時間待たされようとアナタと話すのはイヤ!! 」  
 翔だったら一日憂鬱になる様な事を言われてもオトコはへコたれない。  
「 でもさ、もう20分以上待ってるじゃん 」  
 それを聞いて翔は驚いた。そうすると海はいつからいたんだ?  
「 わたしがいつまで待とうがアナタには関係ないでしょ! 」  
 いいかげんイライラしてきたのか足元を“トントン”しだした。イラついたときリズムをとるのは癖なの  
かもしれない。  
「 ね! 待ってんの“オトコ”それとも“オンナ”それだけ教えて 」  
「 いいかげんに…… 」  
「 オトコだよ 」  
 そろそろ止めないと海の右手が飛ぶし、いいかげん出るタイミングを失ってしまう。  
翔の登場にはオトコも、そして海も驚いた。  
 
「 なんだぁ〜 オトコ付きかぁ 」  
 男連れだとわかると、あっさりあきらめて去っていく。オトコの切り替えの早さに感心しながら見送ると、  
「 …ありがとう 」  
 小さな声に振り向くと、今のやり取りを見られたのが恥ずかしいのか頬は少し赤かった。  
「 どういたしまして 」  
 ことさら気取って言い海を見る。薄い水色のブラウスに黄色いネクタイ、デニムのミニスカート、  
肩にトートバッグを引っ掛け、結構オシャレをしてきたようだ。  
「 その服、似合ってるね 」  
 誉める翔は色の落ちたジーンズに長袖のTシャツ、そのまま普段着だった。  
「 普段着よ… いきましょ 」  
 顔を隠すように後ろを向き、海は逃げるように歩き出した。  
 
海に連れられて入ったのは時計やアクセサリーなどが売っているショッピングモール。だがどちらかと言えば男物が多い。  
「 キーケースにしようと思うんだけど、どんなのがいい? 」  
「 へ? 」  
「 プレゼントよ 」  
 海の家は多分金持ちなんだろうが、初めてのデートで物を買ってやるというのはどうだろう。  
ここは年上としてちゃんと注意せねば。  
「 海ちゃん 俺達他人じゃあないけど、こういうのはよくないよ 」  
「 な、なに言ってんのよ! プレゼント選んでもらうだけでしょ!! 」  
「 だれの? 」  
「 パパのよ!」  
 海はあせったようにまくし立てる。この場合のパパはやっぱり血の繋がったパパだろう。  
「 お父さんの? 」  
「 そうよ! パパのだから男の人に選んでもらったほうがイイと思ったの! 」  
「 ああ そう言うことか 」  
 納得はしたが、心の中の“ルンルン”気分はスキップをやめていた。  
「 なによ 」  
「 いや、まあいいかぁ 」  
 二人きりという状況はデートじゃなくても変わらない。朝のナンパ君を見習って頭を切り替える。  
「 で、お父さんはどんな人… 」  
 翔の頭には“照れ隠し”という言葉は浮かんでこなかった。  
 
 その後、あれだこれだと歩き回り、やっと満足するものが買えた。  
「 うん! なかなかイイのが買えたわ 」  
「 役に立ててうれしいよ 」  
 なんだかんだで女の子と二人で歩くのは楽しく、翔もご満悦だ。  
「 なにかお礼しなきゃね 」  
「 お礼? 」  
「 美味しいお茶を出す、知り合いのお店があるの 」  
「 へ〜 いいねぇ 」  
 “買い物をして女の子とお茶を飲む”清く正しいデートの定番コースだ。翔の頬が緩む。  
「 じゃあ、早くいきましょう! 」  
 海のほうも気のせいかスキップしているように見えた。  
 
「 ここが私の知り合いのお店“エテルナ”よ! 」  
 海の知り合いの店“喫茶エテルナ”は黒を基調としたモダンな造りだった。  
“カラン”鈴の下がったドアを開くと、カウンターの向こうから長い栗色の髪をポニーテールにした女性が  
笑顔で迎えてくれる。  
「 いらっしゃい 海 」  
「 こんにちは“プレセア” 」  
 年齢は22,3歳だろうか、第一印象は“隣のお姉さん”。なんでも許してくれそうな、包み込むような  
優しい雰囲気を持った女の人だ。  
「 あら、彼氏? 」  
 プレセアはチラリッと翔を見ると海に訪ねた。翔は昨日もそんな事を聞かれた気がする。  
「 ち、ちがうわよ 光のお兄さん、翔 」  
 そんなチカラいっぱい否定しなくてもいいのに。ちょっぴり翔は傷ついた。  
「 あら、それじゃあ光のお兄さんと付き合ってるの? 」  
「 ちが〜〜う 」  
 ニコニコしながらプレセアは海と話す。大人の女性から見れば海のあわてぶりは可愛く見えるのだろう。  
「 翔君、はじめまして 」  
「 はじめまして 」  
「 光からよく話しは聞いてるわ、ゆっくりしていってね 」  
「 プレセア、いつものね 」  
「 ええ 翔君は? 」  
「 じゃあ、いっしょで 」  
 出てきた紅茶は文句なく美味しかった。(茶葉は“エスクード”というらしい)自分の大切なものを  
思い出す不思議な味がする。  
 
「 昔この店は“沈黙の森”と言って… 」  
 そんなことを話しているとカウンターの電話が鳴った。  
「 ごめんなさいね はい、エテルナです。 え?いきなりそんな、カルディ…… 」  
 どうやら相手は用件だけを言い切ってしまったようだが、しばらくプレセアは固まっていた。  
ゆっくりと受話器を戻し“にっこり”海に微笑む。 …怖いんですけど  
「 海、悪いんだけどしばらくお店任せてもいいかしら? 」  
「 い、いいけど 」  
 答える海は少しビビッていた。  
「 一応休憩中のプレート出しておくから、2,3時間でカタをつけるわ 」  
「 ほ、ほどほどにね 」  
 それには答えず、またまた“にっこり”笑うと店を出て行った。  
「 大丈夫なの? 」  
「 まあ、私達以外はお客さんもいないし… 」  
 “キャクガイナイ”つまり…二人きり。  
「 紅茶、冷めたみたいだから新しいの淹れようか 」  
 海はカウンターの中に入り茶葉を探しているが、それを飲んでも落ち着く事はないだろう。  
狙ってやっているわけじゃないだろうが、屈みこんだ海のお尻が突き出され、翔を挑発する。  
“ソッ”と足音を立てずに忍び寄る。  
海はいまキッチンの上の収納棚に爪先立って手を伸ばしヨチヨチしているところだ。  
真後ろに立っても海は気がつかない。翔はいきなり海の腰に抱きついた。  
「 きゃっ!? 」  
「 手伝ってあげる 」  
 海をそのまま手の届くところまで抱え上げてやる。  
「 あった? 」  
「 ない…みたい… 」  
 “ストッ”その答えに海を下ろすが、腰にまわした手は離さない。股間の猛っている“男性自身”を  
“グリグリ”と海のお尻に擦り付けると、翔の“男”を感じて海のお尻も“ピクリ”と震える。  
 
海はお尻の震えを悟られまいとするが、擦り付けられる“男”を感じるたびに切ない震えを堪える事が  
できなかった。  
海が切なさを堪えている間に、翔の手は“スルスル”と這い上がり、柔らかな手触りの奥にもまだ硬さの残る若い乳肉を好きに弄る。  
「 おねがい…ここじゃあ…んぅッ 」  
 耳の後に熱い吐息を吹きかけられ海の言葉は遮られた。。背中を“ゾクゾク”としたものが走る。  
間髪入れずに翔は耳をねぶり、耳タブに軽く歯を立てた。  
「 あンッ…んふッ…… 」  
 翔の腕の中で、海の身体の力が抜けてくる。ネクタイをほどき、ブラウスのボタンをはずして胸をはだけさせても抵抗しなかった。興奮した翔はホックを外すのも煩わしそうに、水色のブラをずり下げる。  
盛り上がった胸は歳相応に大きく、その白さといい、綺麗なお椀型の形といい、息を飲むほど美しかった。  
小さな乳輪の中心にちょこんと載っている乳首も、色素の沈着などまるで見られない。  
翔は指をいっぱいに広げて、海の乳房をわしずかみにした。  
形のいい乳房は、まだ少し硬い。しかし、その手触りは申し分なかった。手の平に吸い付くような感触だ。  
「 んッ……ふぁ……あ……やン… 」  
 乳首を指先で軽く摘み反応を見ると、白い乳房の頂点で息づいている桜色の乳首が、恥ずかしげに軽く  
勃起してきている。  
「 気持ちいい? 」  
“きゅいッ” 乳首を少し強く摘む。  
「 ひんッ 」  
 海の口から甲高い声が漏れる。  
「 気持ちよかった? じゃあここは? 」  
 太股を押し割って、翔の右手がミニスカートの中に入ってきた。ショーツ越しに“女の子”にふれると、  
そこはちゃんと湿っていた。  
 
「 よかった…ちゃんと感じてくれて… 」  
“かぁ〜〜” 海は敏感すぎる自分の身体を呪いたくなった。  
「 こっちも触ってほしい? 」  
 その恥ずかしすぎる問いかけに、身体が勝手に顎を引く。翔は“ニンマリ”と満足したように微笑むと、  
ショーツの上から優しいタッチで撫でさする。  
「 はぁッ……あッ……んふッ…… 」  
「 ねぇ、海ちゃん キッチンに手ついて… 」  
 耳元で囁かれ、あたまに白いモヤのかかっている海は大人しく手をつく。そうすると必然的にお尻を  
突き出す形になる。  
「 動いちゃダメだよ 」  
 翔はしゃがみこむと、お尻を“そッ”と撫で、スカートを腰まで一気に捲り上げた。  
ブラとお揃いの水色のショーツに手を掛けると、ハッキリと目に見えるくらい腰を震わせる。  
「 動いちゃダメだよ 」  
 海の羞恥心を煽るようにゆっくりと、薄皮を剥くようにショーツをずり下ろす。海の白いお尻は  
少しずつ外気と翔の視線に晒されていく。視線を感じるのか、海はスレンダーなお尻を“プルプル”と  
震わせ、翔の目を楽しませた。  
「 足、開いて 」  
 お尻を愛でるように撫でてお願いすると、恥ずかしそうに顔を伏せ足を開いていく。  
あらわになった“女の子”は翔の視線に応えるように蜜を垂らし太股を濡らす。  
“ぬるん”中指を秘裂に忍び込ませると、えぐるように膣をかきまわす。居場所を失い零れた蜜はショーツにはしたないシミを幾つも作った。  
「 んッ……クッ……んンッ…… 」  
“ぬちゅ”抜き取った中指についた蜜を恥毛に擦り付け、海の耳元で囁く。  
 
「 パンツ…お漏らししたみたいだね 」  
 言い返したい。でも股間から聞こえるイヤラシイ音と太股を伝う感覚に口を固く結ぶことしかできない。  
そんな海を見て、翔は薄く笑うと“女の子”の蕾を軽く引っかいた。  
「 はひッ 」  
 ささやかな抵抗は、指先一つで蹂躙される。キッチンについた手は自分の体重と快感に小刻みに震えいまにも崩れ落ちそうだ。  
「 うぁッ……んッ…んぅッ……ひッ!? 」  
 不意に指とは違う、もっと熱くて太いモノの感触に驚き自分の股間を見ると、女の子にはありえないものが生えている。  
赤く充血した“男性自身”は、自分の涎と、“女の子”の蜜を絡ませ“テラテラ””とイヤらしく光っていた。  
すっかり脱ぐのが巧くなった翔の“男性自身”は“くちゃッくちゃッ”とガムを噛むような音をさせ前後に  
動き、海の“女の子”を嬲る。  
「 海ちゃん、これ気持ちいい? 」  
 翔はこのまま本能に任せて海の処女を奪いたかったが、股間を押さえる海を見ればなにをしていたか  
プレセアはすぐに気がつくだろう。流石にそれはまずい。でも挿れたい。  
そのジレンマを解消するために閃いたのが素股だった。少し物足りないものがあるが、この快感を得るだけの行為は、まるで風俗店に入ったような錯覚を起こさせ未成年の性を刺激した。  
「 ああッ……あッ……ン……あふぁッ…… 」  
 処女にはこの遊びのような刺激が調度いいのか、海は一際高い声をあげ背を反らせる。  
「 あッ……ふぁッ……ああッ……やッ……んふぅ… 」  
 手が背中、肩、わき腹となぞるたびに声が上がり、髪が躍る。  
海の腰はいつのまにか、より強い快感を求めて前後に揺れている。それに応えるように海の腰を押さえ、  
翔からも動かす。  
二人の恥ずかしい液で擦れ合う股間ははしたない水音を立てる。  
 
海の内股になった足が“ガクガク”と震えていた。それでも必死に腰を振り、可愛い喘ぎ声を洩らす。  
快楽に翻弄される海の姿を見て、翔は限界が急速に近づいてくるのを感じた。  
「 ああッ……もうだめ……だめ……うぁッ…… 」  
 海も泣きそうな顔で告白する。  
「 一緒に… 」  
 こんなときじゃなかったら照れくさくて言えない言葉も海を絶頂に導いていく。翔の腰が快楽を貪るようによりいっそう激しさを増す。  
「 あッ、あッ、ああッ! 」  
 あられもない声を上げ、海が崩れ落ちるのと同時に翔も精を吐き出した。  
「 ハァハァ 」  
 翔は荒い息をつきながら前屈みになって倒れそうになる海を支えてやる。海は翔の腕に抱かれ、  
 
   ……エッチな子だって思われてないかなぁ?…… 余韻を味わいながらそんな心配をした。  
 
   
                                    海編その二 終わり  
 
 
 

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