学校の近くの歩いていける空き地で体育祭が終わった気分のままで龍咲海のクラスの20人ほどが
ビールを飲んでいた。学校帰りだがもう着替えてしまっているので全員私服だ。若いだけあって
ビールでも量が過ぎれば酔っ払うことなど頭にはなかったし、何より高揚感から20人全体では
お酒はかなり進んでいた。そろそろお開きということになり、ある者は一人で家に帰り。
ある者は合意の上でカップルとなり、帰っていく。他の者は3,4人のグループとなり
次の行程に進む。龍咲海はそんなグループの一つにいた。
「海ちゃん大丈夫?」
「かなり酔っちゃったね?」
「そんなことないわよ!私の家で飲み直すわよ!」
男二人はそんな様子の龍咲海を見てあきれた顔で互いを見る。龍咲海はたしかに酔ってはいたが
それでも思考はしっかりしていた。両親は勝手に二人で旅行に出かけちゃうし、
私も家で好きにさせてもらうわよ。思考がしっかりしていると言ってもお酒と夏の暑さと
無関係という訳にはいかなかったが。
「家、ここだよね?」
「そうよ。お酒は冷蔵庫にあるし、二人には最後まで付き合ってもらうわよ」
「じゃあ、乾杯」
「乾杯」「かんぱ〜い!」
龍咲海の家の居間で男二人と女一人は飲み直していた。結局のところ男二人も
何だかんだ言って酔っていたし、何となく何かを期待していた。それは龍咲海も同じなのだが。
「ごめんね。家には冷房ないのよ」
「家に上がっておいてそこまで求めないよ」
「そうそう。扇風機も風流だよ」
龍咲海の両親は家を建てるのに苦労したせいか必要以上の贅沢を龍咲海にも自分たちにも
戒しめるところがあった。それゆえ龍咲海にとっては頼れる父と母ではあったがたまには
解放されたい時もある。丁度、旅行でいないのは好都合であった。もっとも両親は体育祭に
行けなくてすまないと何度も詫びて出て行ったのだが。
「それよりも飲みなさいよ?ははは」
「ビールはもういいや」
「そうだね。海ちゃん、お父さんがお酒を飲んだりしてない?」
「そうね。少し頂戴しましょうか」
龍咲海は台所の冷蔵庫に置いてある父の晩酌用のワインを取ってきた。
「もう開いてるし、これでいいでしょ?」
「いいよ」
「飲むか」
ワインを注いで酒の進む三人。だが、龍咲海は父の晩酌に付き合わされたりして、
酒の度数や強さなどは分かっていた。母はいい顔せずにいつも止めるのだが。
「俺も酔ってきちゃった」
「俺も何だかいい気分だよ」
「二人は女の子のどこがいいの?え?」
龍咲海は酔った勢いで猥談を始めた。自分から始めるところが彼女らしいと言えばそうだが
ともかく男二人で女一人の猥談は始まったのだ。
「俺なんて一日一回は抜かないと、ハハハ」
「俺もだよ。女はいいよな。ハハハ」
二人ともだいぶ酔いが回って来ていた。ワインなど飲んだことはなかったが
女の子の前で格好つけたい年頃だったのだ。
「女の何がいいのよ?」
「え?そりゃ、やりたいと思えば即じゃん」
「そうそう、そこまで行くのに男は回りくどくて、やってらんねぇよ」
「ふうん。女の子もそうだよ」
一瞬場が凍りつく。龍咲海はこの場に爆裂弾を投げたのも等しかった。男達の目の色が変わる。
だが、龍咲海の目の色はそれより前に変わっていたのだがそこに気づけないのも若さなら
異性を求めるのも若さだった。
「海ちゃんもそうなの?」
「相手に苦労なんかしたことないくせに」
「そういうもんじゃないわよ。特にこうやっていい女を目に前にしているのに手も出せない
男二人を見ているともどかしいわよね」
龍咲海の言葉と酔った色気に男達はもう勃起していたが
ここまで挑発されるとさすがに黙っていられなかった。
「じゃあ、三人でやっちゃおうか?」
「そこまで言われたらもう俺の息子が黙ってないよ」
「いいわよ。来なさいよ」
男二人は龍咲海に取りついた。龍咲海は男のするに任せる。服を脱がされ
全裸になった龍咲海に興奮した二人はさっそく自分の服も脱ぎ出し裸になった。
「思いっきり満足させてね……」
「うん」「おぅ」
裸になった男二人の股間はいきり立っていた。一人が龍咲海の股間に取りつき、
一人は胸に取りついた。酔いと暑さが三人を駆り立てていた。
「ううぅん」
両胸に荒い愛撫を受け、股間を探られ、体を舐め回される龍咲海。感じない訳はなかった。
居間に龍咲海の低い喘ぎ声が満ちる。それ以上に男二人は興奮状態にあった。
「海ちゃん入れていい?」
「俺も・・・」
「もうちょっと・・・もっと感じさせてくれないと・・・」
二人はまた龍咲海の体に取り掛かる。体中を舐め回し、口の中に舌を入れて
お互い酒臭い口を絡ませる。股間をきれいな長い脚を舐め回し、
触り続けていた男がついに立ち上がった。
「ごめん。もう我慢出来ない」
もう一人の男は龍咲海の体からどいた。
「いいわよ……」
「じゃあ」
男は龍咲海の上になるように挿入を開始した。だが
「ここら辺?」
「ここ…」
男は龍咲海に握られただけでいきそうになったがこらえると龍咲海の手に導かれるままに秘唇を貫いた。
「あぁ」
男は挿入感にいきそうになりながらグッとこらえた。それから往復運動を始める。
だが、若さとこれまでの我慢にそれもそんなにもつ訳がなかった。
「うう、い、いく」
精液を龍咲海の体の中に出しながら往復運動を繰り返し、出し切ってからようやく
運動を止めると龍咲海の中から自分のものを抜き取る。初めて味わう心地よさと酒の酔いに床に横になる。
「じゃ、じゃあ、俺も」
「こ、今度は満足させてね」
「う、うん」
龍咲海は自分で体を裏返すと四つん這いになって男を誘う。そんな格好を見ただけで
男はもう出そうだったが何とか我慢して、後ろから突き入れた。
「入って来る……」
「あぁ」
龍咲海の中に後ろから突き入れた男は奥まで入れて、中を味わうと本能のままに
激しく往復運動を繰り返す。でも、こちらもそんなにもつ訳はなかった。
焦らされてもう行く寸前だったのだ。
「あぁ、出る出る」
「ま、まだ」
「うっ」
男は自分のものを激しく出し入れしながら縮むのを感じてようやく動きを止めて
やはり前の男のように床に横になり、射精感と女の中に出した征服感に浸っている。
(やっぱり年上がいいわね)
自分が散々飲ませたことは棚に上げて、龍咲海は心の中で愚痴をもらした。
出すだけ出して満足している二人に不満はあったがとにかくシャワーでも浴びることにした。
あぁ、暑いわね。シャワーが龍咲海の体を洗い流していく。そこへ
「海ちゃん、そりゃないよ」
「まだまだでしょ、夜は」
(げっ、完全に酔ってる・・・)
二人の目は完全に酔いと解放された性欲に支配されていた。そして、龍咲海の体を手放す気はもちろん毛頭なかった。
「ボディーソープある?」
「ここにあるぜ」
「あぁ、これか。洗っちゃおう」
二人はボディソープを手に出して、龍咲海の体を洗い、撫で回し始めた。
「ちょ、ちょっとお風呂ぐらい」
だが、二人の目にはもう龍咲海の体しか見えていない。ボディソープの泡だった手で体中を撫で回す。
なめらかなおしりを、張り出した両胸を、腰から伸びる両脚を。今の二人にとって龍咲海は玩具に等しかった。
一方、不完全に終わった行為で不完全燃焼だった龍咲海にとっては体全体を泡立った
4つの手で撫で回されて再び体に火がつき始めていた。
「ふ、二人とも……」
二人とも執拗で不必要なほど体中を撫で回している。4つの手が自分のなめらかな肌を
撫で回し続ける快感に龍咲海は変になりそうだった。
「ふはっ、は、は、あ、うぅ」
龍咲海は素直に吐息を漏らした。裸の男女三人は風呂場で絡み合っていた。
「海ちゃん感じているの?」
「もっとやってやろうぜ」
「だめ、これ以上されたら……」
それは事実だった。龍咲海の体は撫で回される快感にいきそうになりかけていた。
「こんなのどうかな?」
「おっ、いいね。俺も」
散々、龍咲海を撫で回し、その体を泡だらけにした二人は今度は自分達の体全体を
前後から龍咲海にこすりつけていた。
「あぁ、女の子の体って柔らかいよな」
「いいよなぁ、いい」
「ふ、二人とも……ふぁっ、あ」
男二人に体を挟まれるように体全体を刺激される。龍咲海はこらえてもいきそうになっていた。
「こ、こんなのいや」
「気持ちいい」
「風俗もこんなんじゃねぇ」
「だねぇ」
男二人は龍咲海の体をボディソープを潤滑剤にしてこすり上げる。龍咲海は屈辱的ないき方を強いられた。
「も、もう。あ、あぁ」
龍咲海がお風呂場に崩れ落ちる。目を閉じ、必死に快感をこらえる。
「海ちゃん、いっちゃったのか」
「どうする?」
「泡を洗い流してあげようよ」
「そうだね」
シャワーで丁寧に寝崩れた龍咲海の体の泡を洗い落としていく。
「でもさぁ、また中で出したくねぇか?」
「出したい。出したい」
「まぁ、連続は酷だから手を借りてみないか?」
「手こきかよ?それもいいか?海ちゃん起きてる?」
「な、なによ?」
「手でぬいてよ?」
「そのしなやかな手でいかせてよ?」
「・・・もう、いいわよ・・・」
龍咲海はだるく体を起こすと立っている二人の股間に手を伸ばす。握ると上下動を開始する。
「あぁ、いいねぇ」
「AVみたいだねぇ」
男二人は生まれて初めて他人の手こきを味わっていた。注文も出る。
「海ちゃん、もっと強く。あぁ、そうそう」
「海ちゃん、その上あたり頼む。そこそこ、そこを重点的に」
「もう、さっさといきなさいよ!」
龍咲海は勝手な二人に怒り、男のツボを刺激し、さっさといかせることにする。
「うわ、だめ、だめだよ」
「お、俺も、海ちゃん、うまいね。おぉ」
二人のものが同時に収縮と律動を開始し、たまっていた精液を吐き出す。勢いよく吐き出された
白い体液は龍咲海の美しい顔と長い髪に大量に飛んで粘りつく。
「な、なによ、二人とも。なんのつもりなの?」
「ごめん、ごめん。でも、もう中の準備いいだろ?」
「もう中に出せるよね?」
二人が龍咲海の股間をまさぐり出す。
「ちょ、ちょっと止めてよ!」
「大丈夫、大丈夫、入れられるのを待っているよ、ここが」
「じゃあ、おまえ先な」
「おぅ、駅弁してみたかったんだよね」
一人が龍咲海に挿入するとそのまま両太ももを抱え上げて駅弁の体勢に入る。
「あぁ、奥にいくね・・・」
「ひゃぁあ」
男は両腕で龍咲海を揺り動かす。その度に体の奥を突き上げられて龍咲海は感じていた。
「あぁ、は、は、う、はぁ」
「あぁ、いいなぁ」
それを見ている男が漏らす。そう、龍咲海が相手にしなければならないのは一人だけではないのだった。
「うぉ、きつい。締め上げてくる。で、出る」
「あ、あ、う、うぁ、は、うあぁぁ」
男が両腕を静かに止める。その結合部分からは今、男が出した精液も含めて
お互いの白い体液が流れ出している。男は龍咲海を風呂場に静かに降ろした。
「俺の番。俺の番」
「ここはもういや!部屋で!ベッドでして!」
必死の声と形相に顔を見合わせた男二人は
「分かったよ」
「部屋まで連れて行くから」
今度入れる番の男が龍咲海を抱え上げて風呂場を出た。廊下を歩き出す。
「どこ?」
「2階の右奥よ・・・」
龍咲海はこれ以上風呂場で犯されるのに耐えられなかった。
「電気はこれかな?」
電気がつけられ、龍咲海の部屋を照らす。
「女の子の部屋だね」
「そんなことよりさっさと入れたらいいでしょ!」
「あぁ、ごめん・・・」
龍咲海を抱え上げてきた男は龍咲海をベッドに降ろした。
「電気を消そうか?」
龍咲海は横を向いて頷く。だが、電気を消すことが逆に龍咲海をより淫猥な時間に誘うことに
なってしまうのだった。この時点ではこの3人の誰も思いもよらぬことだが。
自分の番の男が横たわった龍咲海の股を開き、静かに挿入する。
「うぅ」
男は腰を細かく動かし、龍咲海の中を突く。もう一人の男も何もしない訳ではなかった。
龍咲海の両胸に取りつき今度は優しく揉みしだき、口を吸う。
男二人に今までされてきた屈辱感も電気が消され何も見えない中ではスリルとともに快感になる。
龍咲海の体に再び火はつけられた。
「うはぁ、はぁ、うぁ、あ、あ」
男二人も心得たのか、全く声を出さない。入れている男がフィニッシュに入った。
龍咲海の腰を激しく打つ音が響くと、それがじょじょに止んでいく。
「うあぁ、はあぁ」
龍咲海の体を巡る神経戦のようだった。再び龍咲海の中に一物が挿入される。
「だれ?だれなの?気持ちいい、気持ちいいの」
龍咲海は相手が見えない、相手の言葉のない環境において初めてその高いプライドを捨てられたのかもしれない。
男を下女のように求め、男のなすがまま喘ぎまくる。
「あ、あは、あは、あははは、いい、いい」
龍咲海の下僕のようになった男達二人とその主の龍咲海はいつの間にか疲れ果て、酔い果てて眠りについていた。
龍咲海の股間からは犯された証の白い体液が静かに流れ出ていた。
翌日、三人は別々に風呂に入り直した。龍咲海も男二人も言葉少なげに玄関で別れる。
あまりにおのれの欲望に忠実になりすぎた3人はそれからしばらく口数が少なくなってしまうのだった。
それが完全に直るのは3ヶ月もすぎた冬の始まりの頃だった。