「アルシオーネ、首尾はどうだ?」  
 アルシオーネはザガードから呼び出しを受けて赴いていたが歓迎されるわけもなかった。  
今までの数々の失敗とザガートの性格を思えば無理からぬことであった。  
「……」  
 アルシオーネは膝をつき、臣下の礼を取り、無言で頭を垂れていた。  
「答えられぬか?まぁ、よい。魔法騎士を倒せぬなら他の者を使うまで」  
「……」  
 アルシオーネは思わず顔を上げかけたが即座にやめた。ザガートはそう簡単に  
部下を許すような男ではなかったからだ。ましてや失敗続きの部下を。  
 ザガートは背中をひるがえして、アルシオーネの方を向いた。それでもアルシオーネは  
頭を上げようとしない。  
「策を授けよう。それで魔法騎士を倒せぬならおまえもそれまでだ。いいな?」  
 アルシオーネは静かにうなづいた。ザガートがアルシオーネに授けた策はほとんど  
人の道を外れたものだったがアルシオーネはそれを聞くと深々と一礼して嬉々として  
この謁見の間を出て行った。  
(まぁ、いい)  
 ザガートはこの策でも魔法騎士が倒せるとは思っていなかった。アルシオーネがこの策を  
忠実に実行できる可能性も低いと思っていた。策の欠点というより  
アルシオーネはこの策の目的を理解出来ずに魔法騎士に敗れる、命を奪われることも分かっていた。  
だが、それでこそこの策は完成する。魔法騎士を直接倒すのでなく精神を暗闇へと追いこむこの策が。  
ザガートは次の策を練ることにした。セフィーロが滅びようと守らねばならぬものが彼にはあるからだった。  
 
 魔法騎士の3人、獅堂光、鳳凰寺風、龍咲海はザガートの城を目指して進んでいた。  
だが、目の前には山々が連なり、これを夕刻になった今から越えようというのは無理そうだった。  
「これはこの辺りで一晩過ごした方がよさそうですね」  
「そうね。あの山を越えようとしても夜になって危険ね」  
「じゃあ、適当な場所で一晩すごそうよ!海ちゃん、風ちゃん。あ、あれは!村だよ!  
あそこで泊めてもらおうよ!」  
 そう言うと獅堂光はもう走り出していた。龍咲海と鳳凰寺風は顔を見合わせると後を追うことにした。  
2人にしても人里で夜を越せるというのはありがたいことだった。  
 
「あなた方は魔法騎士ですかな」  
「そうです!獅堂光と言います」  
「龍咲海です」  
「鳳凰寺風です。ところで女の方の姿が見えませんが何かあったのですか?」  
 村の長老は静かに風の疑問に答えた。  
「いえ、祭りの準備でして。今日の夜には帰ると思います。さぁさぁ、こちらでお休み下さい」  
 長老は3人を長老の家の別宅へと案内した。すぐさまもてなしの料理が出され、  
3人はありがたく頂くことにした。  
「美味しいね」  
「そうね、光。風?」  
「いえ、女の方が一人もいないのはおかしいと思ったのですが気のせいのようです。食事を頂きましょうか」  
 食卓に出された食事を一通り食べた頃だった。光が目をこすりだした。  
「どうしたの?光?」  
「ううん、海ちゃん。何だか眠くなってきて」  
「そう言えば私も眠い、ふああぁぁっ〜風は?」  
「私も眠くなって、何だか眠くて」  
「風?光?私も何だか……」  
 魔法騎士の三人は食卓に突っ伏していた。それを隠れ見ていた村人が合図を出す。  
男の村人がぞろぞろと入り三人を運び出す。宴の準備は整いつつあった。  
 
(上手くいってるようね)  
 村からかなり離れた洞窟で村の女達を監禁していたアルシオーネは水晶球の光景を見て安心していた。  
ザガート様の策通りに村人は動き、宴の準備を始めている。  
(ふふ、これでさしもの魔法騎士も……)  
 アルシオーネは笑いをこらえて後ろで縛られている村の女たちを見た。  
この人質がいる限り村人は逆らえない。今度はためらわずに笑った。  
アルシオーネのかん高い笑い声が洞窟に響いた。それを村の女たちは心配そうに見つめるばかりだった。  
 
「うんっ?」  
 意識の戻った獅堂光は自分の両手首が拘束されているのに気がついた。  
急いで足を動かそうとする。両足も拘束されているようだった。視界が戻ると目の前には  
龍咲海と鳳凰寺風がいた。それもとんでもない姿で。  
「海ちゃん!風ちゃん!」  
「ひ、光?」  
「な、なにが」  
 龍咲海と鳳凰寺風は顔を向かい合わせるように四つん這いの姿勢を取らされていた。  
その両手足は地面に深く打ち込まれた銀色の金属棒に固く縛りつけられている。  
二人に体を動かす余裕はなかった。  
 そして、その3人の体を照らすのは広場を囲むように立てられた何本もの松明だった。  
パチパチと音を立てる松明が赤く龍咲海、鳳凰寺風と獅堂光を照らし出している。  
「海さん……」  
「風……もしかして……」  
 二人は肌に感じる風と何とか目を動かして気づいた。自分達はただ四つん這いで  
拘束されているのではなく、全裸にされているのだと。そして、獅堂光は制服を着たまま  
脚を開く形で十字架状のものに手を広げて拘束されていた。一体この状態に何の意味が三人が  
考える間もなく長老が声をかけてきた。  
 
「気づきなさったか。これも村のため悪く思わんでくれ、無理な話じゃろうが」  
 村の若い男が長老の肩をつかんだ。振り向いた長老に男が首を振る。長老もうなづいた。  
村の若い男もうなづき返し、他の村の男に指示を出した。  
「よし。男は二列になってこの青い髪の女と黄色い髪の女を犯し続けろ!いいか?  
自分達の精力がある限り順番で犯し続けるんだ!俺が手本を見せてやる!」  
 男は龍咲海の後ろに回ると下半身の着衣を降ろして、性器を露出させる。  
そのまま龍咲海の腰をつかみいきり立ったものを突き入れた。  
「い、痛い!なぜなの?なんでこんなこと!」  
「言い訳したくない。村のためだ」  
「や、やめてよ!」  
 まだ準備も出来ていない穴に肉棒を突き入れられて龍咲海が痛さで泣く。  
「そっちもだ!そっちの黄色い髪の女もだ!」  
「な、なにを!や、やめて下さい!」  
 鳳凰寺風側の列の男が進み出て肉棒を挿入する。こちらも準備が出来ているわけもなく、  
強引に肉棒を出し入れする。獅堂光はたまらくなり、魔法を発動させようとした。  
「こ、こんなこと続けるなら!炎の矢!」  
 だが、何も起こらなかった。  
「ふ、風。もしかして魔力が……」  
「そ、そうらしいですね。多分……私達の魔力も……」  
「あぁ、そうだ。諦めて楽になれ」  
 光をはりつけた十字架状のものと海、風の両手と両足を固定している銀色の金属の杭が  
3人の魔力を奪っていたのだった。  
 龍咲海に2人目の男が取り掛かった。精液を吐き出された秘唇に強引に肉棒をねじこむ。  
だが、前の男の精液と無理矢理に分泌された愛液に抽送はスムーズになっていった。  
 
「おまえも挿れろ」  
「はい」  
 少年にしか見えない男の子が鳳凰寺風の後ろに立った。勃起していた肉棒を、  
収縮し白い精液を吐き出し続ける淫靡な割れ目にあてがい、一気に突き入れた。  
「あっ」  
 少年にとっては初めての挿入となった。肉壁にこすられ、締めつけられる生温かい感覚と  
この異常な舞台は少年にとっては理解しがたいものだった。だが、男の本能のまま腰を振り続け、  
快楽へと少年はひた走っていた。  
「あ、あ、や、止めて、止めて下さい」  
「うっ」  
 少年は鳳凰寺風の中に勢いよく精液を吐き出した。たまっていた精液は何度も吐き出されて、  
鳳凰寺風の中を満たし、こぼれ出る。  
 龍咲海は3人目の成年の男に挿れられていた。男は狂ったように腰を動かし続けていた。  
男の腰が龍咲海のおしりを激しくたたく、その音が響いていた。  
「出る。出すぞ」  
 男はフィニッシュへと入り、激しく動いた後ゆっくりと腰の動きを止めた。龍咲海の秘唇からも  
大量の精液に加えて自らの愛液が混ざってあふれ出ていた。  
「や、やめてよ!もう見たくない!」  
 目を閉じ、首を振る獅堂光。だが、目の前の宴はまだ序章でしかなかった。  
 
(いいわね、いいわ)  
 アルシオーネは水晶球を覗きこみながらそう思った。獅堂光を対象から外した理由は分からなかったが  
後の2人がこれからセフィーロのために戦えるとは思わなかった。ふふふ、いいわ、うまく行っている。  
自分が行って止めをさせば・・・しかし、まだだった。まだ宴は続くのだ。  
村人は気づかぬうちに暗示にかかり、女に欲情している。それに気づけるほど魔力の高い者は  
村にいなかった。実にいい。確実に魔法騎士3人のうちの2人はどす黒い復讐の感情に  
さいなまされることになるだろう。もう1人はもう1人で別の感情で。ふふふ、本当に実にいい。  
 
 村の男達は三順していた。龍咲海も鳳凰寺風も体奥にたっぷりと精液を出されて、  
今は目もうつろになり、ただ行為を受け入れている。その2人を下に見下ろすように  
はりつけられた獅堂光も下を見たままただ涙を流していた。  
それを水晶球で見ていたアルシオーネは功名心に勝てずに村に出向き3人の首を挙げることにした。  
 
 村人は龍咲海と鳳凰寺風に性欲をぶつけるがごとく腰を順番に振り続けていた。  
何かに操られるように。そこに上空からアルシオーネが来た。  
「ご苦労様。もういいわよ」  
「村の女は!村の女はどうした!」  
「3人が死んだらね?」  
「騙したか!おい!そこの赤毛の縄を斬れ!」  
 即座に獅堂光を十字架に縛っていた縄は斬られた。誰もが暗示にかかっていても、  
罪の意識から完全には逃れられなかったのだ。そして・・・  
 
 
「アルシオーネ様、討たれましてございます」  
「分かった」  
 やはり、その程度の駒だったか。ザガートは悲観も楽観もしていなかった。  
これは策の第1段階でしかないのだった。  
「カルディナとアスコットを呼んでこい」  
「はっ、カルディナ様とアスコット様を呼んで参ります」  
 少ししてカルディナとアスコットが謁見の間に現れた。  
「アルシオーネはんやられてしもうたか」  
「弱すぎるよね、アハハハ」  
「おまえ達2人に魔法騎士をより追いつめてもらいたい。出来るか?」  
「今さら何を言うてるの?やる気やで?うちは?」  
「僕もだよ。楽しみだな。僕の魔獣はみんな女に飢えているんだ、ハハハハハ、・・・・・」  
 カルディナにひじでこづかれたアスコットが黙った。ザガートは2人に策を言い渡した。  
カルディナとアスコットにとっては異世界の人間などどうでもいい存在だった。  
2人は魔法騎士を倒すための第2段階の策へと取りかかることになった。  
そして、ザガートはどこまでも自分の守るべきもののために手を汚し続ける気でいたが  
魔法騎士が勝つか、ザガートが勝つか。全てはまだ未来に属する事項だった。  
 

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