3人は街へと着こうとしていた。炭鉱と鉄鉱の盛んな街。四方を豊かな鉱山に囲まれたこの街はセフィーロの荒廃もあり、
にぎわっていた。各地に金属製の武器を輸出することで街としての地位を高め、富を集め続けていたのだ。
その表の顔はきわめて活気のある、明るい街に見えた。
「あれ見てよ風ちゃん!」
「えぇ、大きな教会ですね」
「あんなに大きな大聖堂があるなんて」
「海ちゃん。そんなに大きいの?」
「大きいわよ、光。それにあんなに大きな大聖堂があるってことは安定した街だと思っていいんじゃない?風?」
「そうですね。久しぶりに落ちついて寝れそうですわね」
鳳凰寺風の目にもしっかりして見える街並み。だが、目に見えないセフィーロの荒廃はこんな街にまでも迫っていたのだ。
「3人でいくらですか?」
「お金はいらないですよ。この街で滞在するならですが」
「そうなんですか?」
「はい、この街の大司教様のお達しでこの街に御滞在の方からは滞在費は取らないことになっております」
「ふぅーん」
「狭い部屋ですがご案内します」
「じゃあ、3人別々の部屋だけど明日の朝またね?」
「光、ちゃんと寝るのよ?風?何かあったの?」
「いえ、私の勘違いだと思います。では、お休みなさい」
こうして3人はそれぞれの部屋で眠りに就くこととなった。
「ひかり、ひかり」
「うぅーん?ふうちゃん?」
「大きな声は出さずに。とりあえず街の外に全力で出て下さい」
「え?」
「しぃーっ。とりあえず街の外で合流しましょう。私は自分の部屋に戻ります。でも、光さんもここを出て下さい」
「分かった。じゃあね。風ちゃん?」
獅堂光にもただならぬ事態だと分かった。
「はい、光さん」
龍咲海は目を覚まそうとしていた。そこは街の中心地であった。
(なんだかうるさいわね。なんなのかしら?)
目覚めた龍咲海の目にとんでもない光景が飛びこんできた。
(な、なんなのこれ!?)
龍咲海が視界を動かすとそこにはとんでもない光景があった。
(ら、乱交!?)
そう。視界の中では街の住民が男も女も裸になり、性交していた。その激しさは言うに及ばず、
複数人に責められる女も珍しくなかった。
(ど、どうなっているの!?)
だが、答えはすぐに出た。
「異界の少女様、お目覚めのようで」
「なんなの?一体?」
「それはあなた様が生け贄として選ばれたのでございます」
「な、なに!?」
女神官二人が壷を持ち、龍咲海に迫る。壷から取り出した油のようなものを龍咲海に塗りつける。
「な、なによ!?」
「お名前は?」
「龍咲、龍咲海よ」
「龍咲海様ですか?龍咲海様には生け贄になってもらいます」
「生け贄?なによ?それ?」
そういう間にも全裸にされた龍咲海の体は塗られた油によってぬめ光っていく。龍咲海は気づかぬうちに全裸にされ、
祭壇の上にハリツケにされていたのだ。
「龍咲海様のお体は清らかなようで」
大司教が全く邪気のない顔で笑うように言う。そう言う間にも女神官によって油のようなものがどんどん塗りつけられていく。
龍咲海にはまだ事態がどうなっているのかつかめていない。だが、龍咲海の生け贄としての夜はこれからだった。
(危なかった)
宿屋からの脱出行を思い出しながら獅堂光は思っていた。風ちゃんに事前に言われていなければ
全く脱出のチャンスはなかっただろう。持ち前の野性味を駆使して、街の外まで逃げ出してきたのだ。
その時、背後に誰かがいるのを感じた。驚いて後ろを見る。
「風ちゃん」
「光さん、良かったです」
「それよりも海ちゃんは!海ちゃんは!」
「きっとあそこに」
鳳凰寺風の指差す方向には街の中心部に立つ大聖堂があった。夜で他の地区が真っ暗なのを考えても
そこだけが怪しく光を発し、何かが行われているのは明らかだった。
「光さん、これに着替えて下さい。制服は脱いで」
「これは・・・」
「怪しまれないためです。ちょっと・・・奪ってきました。時間がありません、早く」
「うん。分かった」
獅堂光と鳳凰寺風は制服を脱ぐとこの街で一般的な衣服に着替えた。その上から外套をかぶる。
「準備出来ましたか?」
「出来た」
「じゃあ、海さんを助けに行きましょう」
「うん」
獅堂光と鳳凰寺風は街の外の森から再び街の中へ入るために歩き出した。さっき、街の門を通ったが警備の人員はいなかった。
鳳凰寺風はあの暗闇の中でただ一つ光る大聖堂への疑惑と疑問への回答を求めてみた。
だが、一体この街の裏の顔は何なのか。答えは出なかった。
「くぅ、はぁ」
龍咲海は女神官の陰部にまで及ぶ油の塗りこめに声を上げ始めていた。
「龍咲海様もそろそろ準備が出来てきたようで」
この街の大司教にして事実上の統治者はあくまでにこやかに笑う。龍咲海から見れば全く気に入らない。
「な、なによ?ハゲが?私に何させようって言うのよ?」
「質問する元気があるとはいいことです。生け贄だと言ったはずです。
あなたは神への生け贄として体を清めて頂いているのです」
「神への生け贄?いただいている?ふ、ふざけてるの?セフィーロには光の柱が」
「私は光の柱制度でも救えない人心を救うために新たな神を呼び出したのです。
その神によりご覧の通り街の皆さんは不安からも心配からも救われ、こうして生を楽しんでいらっしゃる」
「・・・」
龍咲海の目がはりつけにされた祭壇の上から下へと向く。一大乱交の場と化したそこでは裸の男女が無数に絡み合っていた。
女の喘ぎ声から男の唸り声まで破廉恥と言うべき光景であった。
「ま、まともな行為にも儀式にも見えないわね。なにが目的なの?」
「そこまで我慢されずとも龍咲海様も快楽に溺れて頂いた方が楽だと思いますが」
「こ、答えなさいよ?神ってなに?」
「直にここに降臨されます。そして、あなたが生け贄でございます。ほう、そろそろ現われるお時間です。皆に知らせなさない」
命を受けた女神官達が鐘を打ち鳴らしながら大聖堂の中を歩き回る。街の男女の狂乱は収まり、
教壇に立つ大司教の方を静かに見つめ出していく。頃合を見計らい大司教が天上に響くかのような声を上げる。
「皆さん!神が降臨されます!一心に祈ってください!そして、迎えるべく神の名を唱えなさい!アズバルエブブ様!」
「アズバルエブブ様!」「アズバルエブブ様!」「アズバルエブブ様!」
教壇の下の街の人々が神の名を叫び出した。それは神への崇拝と言うよりも熱狂的な歓呼であった。
「うっ」
龍咲海の目は信じられない物を目にしていた。教壇の奥に当たる扉が開き、何かが霧のように集まっていく。
それがじょじょに形を成していく。高さは3メートルはあるだろうか。ごつごつした灰色の皮膚に背中から生えた4枚の翼、
そして二本の角を外側に突き出した山羊のような顔。どう考えても龍咲海には神というより悪魔の類いにしか見えない。
「アズバルエブブ様!」「アズバルエブブ様!」「アズバルエブブ様!」
街の人々はさらに熱狂的に自分達の神の名を連呼する。そこへまたも鐘の音が響く。女神官達が打ち鳴らすようにたたき、
次第にスピードが落ちていく。それにつられるように熱狂もおさまっていく。
「今日、生け贄になるのはこの娘!青い髪を持った処女!神への捧げ物としてこれ以上のものはない美貌!
すでに神の子を宿す準備は出来ている!神の子種を注がれる器としての祝福を!」
「うわああぁあぁぁぁぁぁ!!!」
またも熱狂が起こるがそれはすぐに止んでいく。
「これから神がこの捧げ物を受け取られる。神への忠誠の証、それがこの娘。
我は神に選ばれ、神に従う者としてこの儀式を執り行なう」
大司教も教壇を降りる。アズバルエブブと呼ばれた神と崇められるものは龍咲海へと近づく。龍咲海は絶句した。
その股間には人間の男のものと変わらない性器が生えて、垂れ下がっている。アズバルエブブは祭壇に
はりつけられた龍咲海の上に上体を屈みこませる。両手が伸び、口から長い舌が伸びる。
「ううぅん」
意識していなければ大きな声を上げてしまいそうな感覚。女神官が龍咲海の陰部にまで塗りこめた油は
異形の神からの強姦さえ甘美に変えてしまいそうな錯覚へとおちいらせる。たしかに降伏してしまった方が楽そうだった。
ごつごつとした手が豊かな両胸に伸び、長い舌が体中を這いずり回る。その行為だけでこの異形の神も興奮したのか。
股間の性器のようなものが垂れ下がった状態から直立していく。
(なんなのこれ)
龍咲海の中で葛藤が起きていた。胸から伝わる感覚は快感でしかなかった。犯されているというよりも
愛撫をされているかのような錯覚。そして、人間の舌とは比べ物にならないぐらい長く、意外となめらかな舌が
龍咲海の体を這うようにうごめく。
「はぁ、はぁ、はぁ、ひぃぁ、はぁ、はぁ」
異形の神は生け贄の様子を確かめると直立した自分の生殖器を龍咲海の陰部にあてがう。
硬さと柔軟性を持った生殖器は蛇のようにうねりながら龍咲海の中へと侵入を開始した。
「へぁ、あ、ふぁ、あ、あ、あ、あ」
大聖堂の中を龍咲海の喘ぎ声が響く。観衆と化した街の人々、中には手を胸のところで組んでいる者もいる。
それに女の中には神への生け贄の栄誉を手に入れた龍咲海への憧憬と嫉妬の眼差しを持つ者も数多くいた。
「あ、あ、あ、う、あぁ、あ、あ」
龍咲海の体は体奥へと入ってくる生殖器を迎え入れ、牝の本能で精子を絞り取ろうと収縮する。
それが快感となり、快感が相手の生殖器を締めつける。人の手では決して味わえない感覚に耐えに耐えてきた
龍咲海の理性はもろくも崩れ去る。
「あぁ、いい!もっと!もっと奥を!」
目をつぶり、異形の神との性行為にすっかりひたる龍咲海。異形の神にも異変が起きていた。
挿入が早くなり、素早い往復運動へと変わっていく。異形の神はその生殖器の先端から子種を大量にほとばしらせた。
「ふわあぁぁ!いい!」
龍咲海が快感に叫ぶ。その声が大聖堂に響き渡る。異形の神は自分の生殖器から垂れている子種に注意もくれず、
龍咲海から生殖器を抜くと奥へと下がっていく。それと入れ替わるように大司教が教壇へと上がる。
「神は種付けなされた!この娘に子が宿るなら!それは神と人間とに祝福された子となるであろう!この娘に祝福を!」
街の人々は神への祝福の言葉を口々に唱える。それは本来、セフィーロの光の柱へのものだったが
光の柱の恩恵が得られない今となってはあの異形の神こそがこの街を守護する神に他ならなかった。
そして、龍咲海は快楽の海を漂っていた。体奥をすみずみまで掘り返されるような感覚がいつまでも現われ消えしていた。
「風ちゃん、海ちゃんが・・・」
「まだダメです。待ちましょう」
「そ、そんな・・・もう我慢出来ない!」
「光さん!」
獅堂光は大聖堂の入り口から外套を羽織ったまま教壇へと突進して行く。その姿が全裸の男女の中で
目立つのは当然でそれはすぐさま大司教の目にも入る。
「その者は邪教徒!犯して罪を償わせるのです!」
男が群がり、獅堂光から服をはぎ取ろうとする。
「やめろ!やめて!」
男どもにそれが伝わる訳もなく、獅堂光は次々と服を破られ、脱がされていく。
(光さん・・・)
鳳凰寺風は微妙な立場に置かれた。だが、龍咲海の方が気になる。ここで出て行っても光は助けられない。
鳳凰寺風は大胆にも外套を脱ぎ、服も脱いで全裸になると大聖堂の入り口から外周を伝うように龍咲海の元を目指した。
「な、なにをするんだ!?」
「邪教徒を犯すんだよ」
「邪教徒は犯して清めるんだ」
ここの教義らしいが獅堂光に分かる訳もなかったし、相手にも分かってもらおうなどという気はなかった。
その実はただ欲望のおもむくままに獅堂光の体を求めているだけであった。
「全部、脱がせたぞ」
「早く挿れたい!早く!」
「な、なに!?」
獅堂光はあっさりと全裸にされてしまった。無数の手が伸びて来る。一人が強引に獅堂光に突き入れた。
「俺が一番だ」
「じゃあ、俺は後ろだ」
「そ、そこは」
獅堂光は前後から犯される形になっていた。無数の手はそれでも獅堂光を触ろうとする。
(う、海ちゃん・・・ごめん・・・)
獅堂光は心の中で呟いたが周りを固める男どもにはやめようとする気配は全くない。それどころか獅堂光の反応を見て、
ますますいきり立つ者達であふれ返っていた。
「胸がないな」
「こういう女はいい味だ」
男達は獅堂光の体を品評し始めた。
「あぁ、俺達の子を孕ませよう」
「これできれいな顔の子が産まれるな」
獅堂光の体は前後から激しく上下動を強いられる。体の自由はすっかり失われてしまった。獅堂光への陵辱はまだ続く……
鳳凰寺風は全裸のまま大聖堂の外周を回りきると女神官の服を奪っていた。まず、龍咲海を助ける。
それが当面の目的だった。女神官らしくゆっくりと歩く。すれ違えば会釈する。鳳凰寺風は大聖堂の中心に至ろうとしていた。
何かの喘ぎ声が聞こえる。鳳凰寺風は声の聞こえる扉を少し開けてみた。
「ははは、もっと腰を振らんか?」
「こ、こうですか?」
「もっと強くだ」
あの大司教が裸になった女神官相手に後背位で挿れていた。しかも相手は一人だけではない。
全裸の女神官五人を相手に大司教は楽しんでいた。
これでは役に立つ話を聞けそうもない。立ち去ろうとしたその時、大司教が話した。
「邪神様が目覚めるにはもっと処女の女を捧げないとな」
「はい、街に来る処女らしき女は全て把握しております、あぁ」
「それで良い。邪神様は処女がお好きだ。それ以上に年端も行かぬ若い少女がな」
どうやらただでこの街に泊まれたのはこういう事情があったかららしい。鳳凰寺風は先へ進むことにした。
(あ、あれは?)
目の前には大きな鉄の両開きの扉がある。多分、私一人の力では開けられない。そう思った。
鳳凰寺風だが覗き窓があるのに気づき、覗いてみることにした。
(うっ)
それは身の毛もよだつ光景であった。あの邪神に裸の女達が群がり、性的な奉仕をしている。ある者は胸をなすりつけ、
ある者は邪神の肌を舐めまくり、ある者は自ら邪神にまたがり腰を振っている。邪神に指を挿入されている者までいる。
(海さんは?)
邪神に群れた女の中に龍咲海はいた。海も全裸となり、恍惚とした目で邪神の体にまとわりつき、
立派な胸をこすりつけて声を上げている。その時だった。
「そんなに珍しいですか?」
振り返った鳳凰寺風は慌ててその女神官に一礼した。
「まぁ、良いでしょう。この女も入れるので手伝いなさい」
(光さん!)
獅堂光は全裸にされ、体中に白い体液をつけたまま両脇を抱え上げられ、女神官三人に連れて来られていた。
「はい」
鳳凰寺風は動揺する素振りを見せずに扉から退いた。女神官三人は獅堂光を降ろすと
壁にある大きなレバーのような物を下げようとする。
「あなたも手伝いなさい」
「すいません。すぐに」
女四人の力でやっとレバーはじょじょに下がり、扉も開いていく。完全に開くと女神官達は獅堂光を中にぶちこんだ。
「さぁ、扉を閉めましょうか。神の体液を飲めばどんな女ももう戻っては来られませんから」
「はい」
風も加わった四人の力でレバーが戻される。今度は楽に動かせた。
どうも開けるのに要る力と閉めるのに要る力では閉める方に要る力が軽い仕組みらしい。
「それでは私達も大司教様のもとで神に祈ろうではありませんか?」
「はい」
三人がこの場を立ち去ろうとする。鳳凰寺風は迷っていた。この三人が大司教に抱かれに行くのは間違いない。
それにそうなれば正体が露見するかもしれない。鳳凰寺風は決断した。
「戒めの風!」
三人の神官は体を渦巻く風に拘束されていた。
「そなたは一体何者だ?うっ!」
「喋ったりもがけばその風がより強くあなた方を締め付けます!」
鳳凰寺風は三人に警告した後、レバーにも戒めの風を唱えた。扉が開いていく。
その中に鳳凰寺風は入った。
「光さん!光さん!」
「ふ、ふうちゃん?また助けてもらっちゃったね?」
「光さん!今度は海さんを!」
「海ちゃん?海ちゃんが?」
「あ、あそこに?」
「海ちゃん!」
獅堂光が海を見て叫ぶ。それを見た邪神が喋った。
「下界の者が何しに来た?我に捧げた女は死ぬまで我の物という契約ぞ?」
(人語を解すのか・・・)
鳳凰寺風は交渉の可能性を探ってみることにした。
「大司教様の命令で。今入った一人とそこの一人持ち帰って来いとのことです」
風はもう光に喋らぬよう目で合図する。
「あの大司教も好き者らしいな。いいだろう。ただ、条件がある。おまえの口と手で我を慰めよ。
我は神官どもが全て大司教の女だと知っているのだ」
「はい、今すぐに」
鳳凰寺風は邪神の元へと歩み寄ると邪神の股間に膝まづく。嫌悪感をこらえて右手で生殖器をつかみ、
口に入れる。なぜだか甘い香りがした。
「大司教がこんな若い女に手を出すとは世も末だな」
鳳凰寺風は左手で茎にあたる部分をなだめ続ける。邪神の生殖器じょじょに屹立していく。
「おおう、さすが大司教の元でしつけられた女は違うな」
鳳凰寺風はなおも相手の生殖器をなだめすかす。先端部分と茎の間のくびれに性感があるらしく、
そこを責めると激しく生殖器が反応する。そこをすかさず責め立てた。一気に子種らしい体液が噴出する。
そのあまりの苦さに反射的に鳳凰寺風は口を離す。きれいな顔に残りのにごった白い液体が大量に飛び散った。
鳳凰寺風は口に出された体液を何度も床に吐き出す。
「さすがに女神官は我のものを飲めばどうなるか知っているようだ。いいだろう、二人を連れて行け」
鳳凰寺風は相手を斬り殺したい気持ちを抑えて、立ち上がり一礼すると龍咲海の手をつかむ。
「風?」
「大司教様がお呼びです」
「わ、分かった」
龍咲海は邪神への崇拝の洗脳から目覚めたらしく、獅堂光も連れてこの部屋から鳳凰寺風は外に出ることが出来のだった。
三人の力で邪神の部屋への扉は閉められた。鳳凰寺風は戒めの風で拘束していた女神官達を
魔力をこめてより締め上げ、気絶させると衣服を奪う。
「二人ともこれを着て下さい」
「うん」「ありがとう、風」
女神官の服を着た三人は大聖堂を抜けて邪教の教会を出ることが出来た。街の外れまでゆっくりと歩き出す。
その頃、夜は終わり朝が来ていた。街の門にはすでに見張りはいたが大司教の使いだと言うとあっさりと三人を通した。
どうやら大司教が街の実質的な支配者らしい。
「風、これからどうするの?」
「そうだよ、この街を放っては」
「今は旅を続けましょう。こういう街や村がセフィーロにごろごろしているのは間違いありません。
全ての根源、光の柱がいるザガートの城を今は目指すべきです」
「うん・・・」
「そうね・・・分かった・・・」
獅堂光と鳳凰寺風と龍咲海はまた制服へと着替え直した。
龍咲海の制服もあの大聖堂の中にあったのだ。そして、三人の旅はまだまだ続く。