魔法騎士3人のセフィーロでの戦いも終盤に入ろうとしていた時、鳳凰寺風は密かにフェリオを呼び出した。  
「風、何かあったのか?」  
「いえ、なにも。なにもありませんわ」  
 月が明るく二人を照らす。その二人の間に沈黙が流れる。  
「月がきれいですわね」  
「あ、あぁ」  
「多分、もうそんなにセフィーロにはいられませんわ」  
「そうだな。魔法騎士は役目を果たせば地球に帰れるんだろう。それまでがんばろう、風」  
「フェリオはそれでもいいのですか?」  
「……」  
「何だか私にはこれから次元の違う戦いが待っているような気がして、  
私も、そしてフェリオも生きていられる保証はないような気がしているんです」  
「よく分からないが俺もそう思う」  
 フェリオは勇気を振り絞り風を抱きしめた。風もそれに応えて優しく抱き返す。  
「だから……今夜だけは……」  
「あぁ・・・分かった」  
 
 フェリオは恥かしさと何かの入り混じった気持ちで風の服を脱がせようとした。  
だが、セフィーロにはボタンもファスナーもないのだ。風が手助けする。  
その脱いだ制服と下着をたたむと風は木の根元に置いた。  
「きれいだよ、風」  
「嬉しい、フェリオ」  
 裸のまま風はフェリオに抱きつく。それが男にとってはどういうものかは  
完全に分かっているわけではないのだが。だが、フェリオの股間はそんな状況に我慢出来なかった。  
「風、俺も脱ぐよ」  
「はい……」  
 フェリオが脱ぎ捨てるように衣服を脱ぐとまた風を抱きしめた。  
互いに裸になった二人は思いを確かめるように長い間抱きしめ合っていた。  
「風、でも・・・」  
「それならこれが……」  
 風が恥かしげに取り出した何かの透明な包み。フェリオはそれを見たことがなかったが  
二人の間にもう問題はないことだけはフェリオにも分かった。  
 
「風、冷たくないか?」  
 柔らかな草の上に寝かされた風にフェリオが問う。風は眼鏡を外した顔を振って答える。  
フェリオは風の体の上になり、愛撫を始めることにした。軽く風の唇にキスすると顔をずらして、  
胸に至る。膨らみを見せている両胸をフェリオが両手で撫でるように触る。  
頂点にある突起に舌を軽く這わす。それにだんだんこらえきれなくなった風は両足をもじもじと動かす。  
「風、痛いのか?」  
「いえ、何も言わずにそのまま……」  
 フェリオは愚かなことを聞いたと思い直し、風の両胸を力をこめて、だが優しく揉む。  
突起に血が集まり、膨らむ。フェリオは風にこうしているのが良いのか悪いのか分からなかった。  
だが、二人は求め合った。今はそれに従おうとフェリオは思った。  
 
「……あ、う」  
 風の口から少しづつ吐息が漏れ始めていた。フェリオは風の両足の間に取り掛かる。  
風は固く目を閉じて、フェリオを見ようとしない。そんな風の両足をフェリオが広げていく。  
フェリオは軽く風の両足を下から持ち上げて秘唇を上に向かせると舌を這わせた。  
「あっ、あっ、う」  
 風にとって始めての性交だった。そんな風を思いやるかのように長い間、秘唇と陰核をフェリオは  
舌で愛し続けていた。男としての本能が愛情と興味の間を行き来する。だが、風にとってはもう我慢出来なかった。  
「フェ、フェリオ、いいですか?」  
「ど、どうした?風?」  
「ちょっと待って下さい」  
 風は上半身を起こすと例の透明な袋を取り出した。  
「ちょっといいですか」  
「風・・・」  
 フェリオは急に恥かしくなっていた。風に自分の股間の屹立がはっきりと見られているのだ。  
だが、風は臆することなくその透明な袋から中身を取り出すとフェリオのものにはめてあげた。  
「これが地球の・・・」  
「すいません、途中で中断させてしまって……でも……それがあれば……」  
「・・・俺にも意味は分かるよ。挿れてもいいか?風?」  
 風は黙ってうなずいた。フェリオはコンドームをつけたものを風にあてがってゆっくりと挿れていく。  
少しずつだが風の中を押し広げて入っていった。フェリオは風の痛みを感じている顔を見ながら挿れていく。  
ついに奥まで入った。  
「風、どうだ」  
「入っているのを感じます。もう少しそのままでいて」  
「あぁ」  
 間に困ったフェリオが場をつなぐために風に聞いてみる。  
「これは何て言う道具なんだ?良かったら」  
「コンドームです…これがあれば避妊出来ます」  
「ヒニンか」  
 フェリオは自分のものを包みこむ風の肉壁がゆっくりと動くのを感じた。  
「風、どうだ?」  
「動いても…いいです」  
「そうか」  
 
 フェリオは風の両脇に手を置くと欲望を抑えて往復を始めた。  
最初は気遣っている感じであったがこらえきれずに動きが早くなる。  
フェリオは風としていることに興奮して、必死になって腰を動かす。  
「風・・・いいよ」  
「フェリオ…わたしもです…」  
 互いに恥かしさを隠し切れない性交はフェリオが激しく腰を風に突き始めて変わり始めた。  
「あ、あ、うっ、あ、う」  
 風は挿入に合わせて声を上げ、その声を聞いてフェリオがさらに欲情をかき立てられる。  
フェリオはさらに興奮状態に入ると射精の体勢に入った。  
「で、出るよ。風」  
 フェリオの精液がコンドームの中に出される。風はじょじょにゆっくりになっていく挿入で  
フェリオが射精したことを知った。フェリオはいとおしげに風の体に半分体重を乗せてきた。  
風もそんなフェリオの体をいとおしく思う。  
「フェリオ、そろそろ抜かないと」  
「そ、そうなのか?すまない」  
 慌てて風から引き抜くフェリオを見て、風が笑った。  
「これを取らないと」  
 いったん射精して縮こまったフェリオの股間のからコンドームを抜き取る。  
「何回もは使えないのか?」  
「何回もしたいんですか?」  
「・・・」  
 顔を赤くするフェリオを見て、風がまた笑う。  
「でも、まだありますから」  
 風はもう一つの透明な袋をフェリオに見せるとフェリオの股間に取りかかる。  
「風、何を」  
「地球ではこういうのもありなんですよ」  
 風がフェリオのものから残った精液を口と舌で拭い取るとさらに唇で圧迫し、舌で亀頭を愛撫する。  
フェリオが唐突な展開に戸惑う。そんな様子が普段からは想像できずに風はおかしく思ったが  
もう顔には出さなかった。じょじょに屹立していくのを確認すると風は二枚目のコンドームを  
フェリオのものに被せた。  
「横になって」  
「あぁ」  
 
 風に言われるままに横になるフェリオ。風はそんなフェリオの腰の上にまたがると  
自分の秘唇へとフェリオを導く。そんな大胆な風の行動にフェリオがどぎまぎするのだった。  
「フェリオ、こういうのはどうですか?」  
「想像出来ないから興奮するよ」  
「ありがとう」  
 秘唇にフェリオのものを咥えて風が上下動を始める。そんな風にいたずらしたくて  
フェリオは風のおしりに手を回して撫でる。  
 風の裸眼ではフェリオの顔は良く分からない。だが、今はこうしてフェリオと交わっているだけで充分だった。  
充血した秘唇と秘所はフェリオからさらに精液を絞り取ろうと締めつけとゆるみを繰り返す。  
フェリオは自分ではどうにも出来ない状態になぜか興奮していた。  
「風」  
 風の胸に手を伸ばすフェリオ、風はそれでも動きを止めずに上下動を繰り返す。その動きが激しくなる。  
風はフェリオの上で腰を振っている恥かしさに耐えられずにいってしまった。  
 風の動きが止まった。  
「風、いったのか?」  
「先にいってしまいました……」  
「なら、今度は俺の頼みを聞いてくれるか?」  
「な、何ですか?」  
 
 風は四つん這いにされて後ろからフェリオに突かれていた。風は喘ぎ声を上げている。  
もうそこにあるのは男と女の交わりだった。フェリオは風の細い腰をつかみ、腰を叩きつける。  
「風、いいか?」  
「あ、あ、い、いぃ、あ」  
 風も素直に答える。だが、恥かしさは増していた。フェリオはそんな風に容赦せずに腰を突きつける。  
分泌される愛液とフェリオのものとがこすれる音がいやらしく響く。フェリオは何もかも忘れて風に腰を入れこんでいく。  
「もう出そうだよ・・・」  
 フェリオが言う。  
「なら…今度は一緒に……」  
「あぁ」  
 フェリオはさらに激しく腰を動かすと二度目の射精に入った。風もそれを感じ取り、自らも腰を動かす。  
「ああぁ」  
 二人は同時に声を上げていった。  
 
「風、ありがとう・・・」  
「いえ、私のわがままに付き合ってもらって……」  
 風とフェリオはセフィーロのどこか暖かい夜風に当たりながら  
いつまでも余韻にひたるように二人で星空を眺めていた。  
 

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