クリスマスの夜の中を龍咲海は男と歩いていた。男は龍咲海の彼氏である。  
食事を済ませた2人はホテルへと向かっていた。他愛もないと言ってしまえば他愛もない2人の会話。  
だが、龍咲海はそこに幸せを見出していた。セフィーロでの戦いからはもう3年も過ぎていたのだ。  
 鍵を受け取り、部屋へと歩く。彼氏が龍咲海に聞いてきた。  
「ここぐらいしか取れなかったんだ。ごめんね?」  
「いいです。先輩といられるだけで」  
 彼氏は龍咲海よりも1年先輩であった。同じ高校の先輩。先輩は今、受験に精を出している。  
2人の間で大学を合格するまではあまり会わないことにしていた。でも、クリスマスだけは  
2人で過ごす約束だった。その日が今日だった。  
 龍咲海の彼が部屋の鍵を開ける。2人は部屋の中に入った。  
「じゃあ、私が先にシャワーを浴びてきます」  
「うん、待っているよ」  
 白を基調とした落ち着いた部屋の中で曇りガラス越しに龍咲海がシャワーを浴びているのが彼氏には見えた。  
高校生になってからさらにその体は洗練さを増したようで龍咲海のスタイルは高校でも頭抜けていた。  
「お風呂、お先に」  
「うん、じゃあ自分が入ってくるよ」  
 彼氏がシャワーを浴びに浴室へと入っていく。龍咲海は体にバスタオルを巻いていた。  
それでも胸の盛り上がりは隠せない。ゆっくりと歩いてベッドの中のシーツの中に体を入れる。  
龍咲海にとっては彼との初めての行為ではなかった。それでもいつも先輩とすると思うと  
何だか落ち着けないのだった。  
 
「上がったよ」  
 龍咲海に一声かけて、照明を幾分か落とした。そのままベッドに入る。  
「また緊張しているの?」  
「はい・・・先輩とこれからすると思うと・・・」  
「そんなに体を硬くしないで」  
 そう言うとシーツをそっとはぎ、龍咲海の体を隠すバスタオルを取る。それから龍咲海の上になった。  
「もう濡らしているんだね?」  
「はい・・・」  
 龍咲海は勝気で活発な性格ではあったがそれとベッドの中での態度となると別であった。  
「じゃあ」  
 龍咲海と軽くキスすると首筋に下を這わす。両手では胸を円を描くように揉む。龍咲海は体を硬くしている。  
恥ずかしさの方が今は勝ってしまっている。そんな龍咲海の体に手を優しく這わせた。  
「・・・う」  
 龍咲海は硬く目を閉じ、なすがままになっている。そんな中、指を龍咲海の秘部へと入れていく。  
すぐに入り口を探り当て、愛液を分泌するその中を進ませる。  
「あっ、う、う」  
 龍咲海の体は愛撫に緊張して弛緩するそれを繰り返している。  
龍咲海の中から恥ずかしさが消えていき、もう行為へと入れそうだと思った。  
「じゃあ、挿れるよ?」  
「は、はい・・・」  
 龍咲海の両脚を開くと自分の股間を滑りこませる。そのまま入り口に亀頭を突き当て、ゆっくり挿入していく。  
「あぁ、は、は」  
 奥まで届くとまた外へ、そして奥へ。ゆっくりとした行為を続け、肉壁の収縮を味わう。  
つい乱暴にその盛り上がった双丘に手を這わせる。  
「あ、う、は、あ」  
 龍咲海は固く目を閉じ、両手はシーツを握り締めている。自分の物に射精が近づくのを感じた。  
もう欲望のままに腰を振って、射精感は頂点に達した。精液が龍咲海の中へと放たれる。  
龍咲海の背中が反り返った。出し終えた時、自分の体重を軽く龍咲海にかける。  
彼女の体の温かさと柔らかさが伝わってくる。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ」  
 龍咲海も荒く息を吐きながら奥に出された余韻に浸っていた。  
感じやすい体と恥ずかしがる様子が普段とのギャップが激しく。  
自分から見ておかしなところだとも思っていた。ただ、それが自分を好きだからだというのも分かっていた。  
 しばらくして龍咲海が落ち着いたところで声をかけた。  
「これで止めようか?」  
「・・・意地悪」  
 龍咲海は自分で体を起こすと四つん這いになり、腰を向けてきた。  
「挿れて下さい・・・」  
 龍咲海が顔を下に向けて恥ずかしさで顔を赤らめて彼に言った。まだ恥ずかしさは少し残っているようだ。  
「いいよ」  
 彼は龍咲海の腰をつかむと自分のものを突き挿れた。  
龍咲海の中から恥じらいは消えたようだ、素直に行為の中に身を委ねている。  
「あ、あ、は、あ」  
 腰を動かしながら海の中のその温かさに浸る。手を前に回して、背後から両胸を揉んだ。  
柔らかい感触を楽しむ。龍咲海も腰を自ら動かしてきた。  
「う、は、あ、あ、うぁ」  
 龍咲海の頭から胸の部分までがベットに倒れこんでいた。肩も着いている。上半身の力が抜けたようだ。  
手を龍咲海の股間へと伸ばすと陰核を軽くいじった。その度に声が上がり、締めつけてくる。  
それでも腰を動かし続ける。  
「だ、出すよ」  
「は、はい」  
 自分も龍咲海も体を互いに動かす。自分の方が耐えられなくなった。  
激しく龍咲海に腰をたたきつけて、また精液を中に放つ。  
「あ、あ、い、は、あぁ」  
 龍咲海の中で2回目の射精が終わろうとしていた。自分から全てを搾り取ろうとするかのように  
龍咲海の肉壁は放すまいとする。出し終わった時に龍咲海も自分もベッドに倒れこんでいた。  
龍咲海はうつ伏せで余韻に浸るかのようにベットに寝ていた。自分はあお向けに天井を見るように寝ている。  
 
「もう一度、したいな」  
「もう一度か」  
 起き上がると座ったまま龍咲海を抱きかかえるように挿入する。龍咲海の腰をつかんで激しく動かす。  
今までの空白を埋めようとするように自分が突き上げるなら龍咲海も腰を激しく動かず。  
たまらなくなり龍咲海の体を思いっきり抱きしめる。龍咲海も抱き返してくる。  
「気持ちいい」  
「俺も」  
 龍咲海の中がけいれんするように収縮する。たまらなくり、つかんだ腰を滅茶苦茶に動かす。  
「もう我慢できない」  
「わ、私も」  
 また思いっきり中に出した。その龍咲海の体を思いっきり抱きしめる。  
それからも互いに何度も求め合った。そのまま夜が深まり、そして朝が来た。  
 
 2人はシャワーを浴びて、私服に着替え直した。もう朝だった。  
「今日は晴れるかしら?」  
「晴れるといいね。帰ろうか?」  
「はい。また会えるのを楽しみにしてるから」  
 龍咲海が元気なようでいて、しんみりと言う。  
「会えるよ。春休みは2人でどこかに行こう」  
「うん、それまで待ってるから」  
 2人は雑踏の中へと入っていく。2人にとっての冬が終わるまでは龍咲海の彼は受験に専念するだろう。  
それを少し寂しさを抱きながら待ち、毎日の生活を過ごす龍咲海がいた。  
 

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