魔法騎士レイアース 【カオテックハーレム】  
 〈第5夜 前編〉  
 
 
………………………………………………………………………………………………  
 
    XXI◆幼唇  
 
 
ドーナツ状に無数の艦隊に囲繞された浮遊島の、  
中心に聳立する水晶の巨城。  
俄に掻き曇り始める空の下で、その一室では、  
軍人と幼女という、あまりに体格差のありすぎる者同士による  
陵辱劇が幕開けようとしていた。  
 
 
ガタガタと怯えて震えるエモノを見下ろしながら、  
ヒュンダイは肉食獣の笑みを浮かべ、  
ゆっくりとボタンを外して軍服を脱ぎ捨てた。  
ベルトを外し、ふぁさりとズボンが落ちるとともに、  
高々と盛り上がって横チンが垣間見えるブリーフと、  
剛毛に覆われた鋼のような脚部が露になる。  
 
彼の眼前では、その臍にようやく届くかどうかといった小柄な幼女が  
目の前に立ちはだかる男の尋常ならざる雰囲気に怯え、  
じりじりと後退し、部屋の角にまで追いこまれていた。  
 
しかし唯一の出口である扉には鍵がかけられており、  
水晶製の窓は嵌め殺しで、どこを見ても逃げ場はない。  
それを知っているかがゆえ、ヒュンダイは悠揚迫らぬ様子でゆっくりと衣服を脱ぎ、  
脇下のホルスターを外してベッド上に放り投げると、  
ブリーフを脱ぎ捨て、おのが性器を幼女の眼前に余すところなく露にする。  
 
「ひっ…ひいいっ…!?」  
 
ブルン、と震えながら現れる、カチカチにエレクトした巨大な肉蛇。  
それは幼すぎるがため、性について何ひとつ知らぬ皇女にとって、  
初めて目にする男性自身だった。  
 
先端はキノコのように傘が開き、使い込まれて黒々と照り輝き、  
竿の部分には大量の真珠が埋め込まれ、  
嫌悪感を催さずにはいらぬれグロテスクな外見をしていた。  
中でも特筆すべきはその圧倒的な精力で、  
天を突く高さに反り返り、25p以上はあろうペニスの長さとあいまって、  
正面からは臍が見えないほどであった。  
 
「昨日テメーのパンツをずり下ろしてから、ずっとこの時を待ってたんだ。  
 もう辛抱たまんねぇぜ。  
 まずは挿れる前に一発口で抜いて貰おうか」  
「……!?」  
 
痛いほどに怒張したペニスを?んで無理やり下へ向けさせ、指を離す。  
とたん、押さえつけられていた反動で弾むように跳ね上がったペニスが  
ビッタンと音を立てて腹筋に打ち付けられた。  
それを繰り返し、幼女の前でビッタンビッタンと不快な音を立てながら  
肉でできたメトロノームをかき鳴らし、じりじりと距離を詰めていく  
変 質 者。  
アスカは恐怖のあまり涙目になっていた。  
 
「ひっ…ひいい…」  
「逃げ場はねぇぜ。わかってるな?」  
 
そして彼女の腕を捕らえて身元に引き寄せると、  
その顎に手を添えて無理やり口を開かせ、桜色の小さな唇の中に、  
熱く脈打つペニスの先端を捻じ込んだ。  
 
(うっ…むふぅ〜〜っ??!!)  
 
その余りの臭さと強烈な塩味に、  
アスカは眩暈がするほどの嘔吐感を覚えて目を白黒させる。  
 
ヒュンダイは今回の出征が決まってからというもの、  
占領地での陵辱行為を出陣前から心待ちにしており、  
その時から自分の一物を咥え込んで苦しむ捕虜の顔を見て楽しもうと  
一切ペニスを洗わないようにしていた。  
そのため先端には、何日分もの小便のニオイが染み付いた  
アンモニア臭い大量のマラカスがこびりつき、猛烈な発酵臭を放っている。  
 
「くっくっくっ、見込んだ通りの強烈なキツさだぜ…?」  
(うヴヴ〜〜〜〜〜〜っっっ!!!)  
 
顔を左右に振って逃れようとするアスカ。  
頭部の大きさに比例してその唇もまた小さく、  
それが処女の膣口部のように肉竿の周囲を締め付ける。  
口内は熱く塗れた泥のように心地よく、ざらざらした舌の感触を愉しみながら、  
ヒュンダイは嫌がる幼女に構わずグイグイと腰を押し出していく。  
 
アスカの口が小さいのと、ヒュンダイのペニスが並外れた極太なのとで、  
そのコントラストがカリカチュア的なまでの非現実感を生み出していた。  
かつて味わった事の無い凄まじい不味さと異物を排斥しようとする生理的反応から  
幼女の咽喉が蠕動して亀頭部分を締め付け、  
それがあたかも本物の膣のような錯覚を抱かせる。  
 
「あ…ああ〜っ、い…いいぜクソガキ」  
 
痺れるような快感電流が背筋を這い登り、唇の端から涎を垂らして喜悦する。  
 
更にヒュンダイはアスカの顔を真上に向けさせ、  
彼女の唇と気管を一直線に並べると、  
杭を打ち込むように真上からにペニスを挿入し、体重をかけて下へと押し込み、  
ついには幼女の咽喉の奥まで亀頭を到達させた。  
 
(お゛っ…お゛ぐううぅぅぅ〜〜〜!?)  
 
狭隘な気管を完全に塞がれ、息苦しさにアスカの顔が真っ赤になり、  
目尻からぼろぼろと涙が零れ落ちる。  
苦しげに呼吸しようと胸郭を上下させるが、  
どんなに努めても酸素の補給が全く出来ない。  
肉杭から頭を離そうと離そうともがくも、  
左右からがっしりと万力のような太股に挟まれてそれもできない。  
 
「ウ〜ッ! ウヴウゥ〜〜ッッ!!!!!」  
 
小さな手でばんばんと男の足を叩いて助けを請うも、  
そのうちにチアノーゼのため顔色が青く変わりはじめ、  
唇の端から白い泡が吹き出し、抵抗の力が徐々に弱くなっていく。  
 
ヒュンダイは彼女の咽喉奥の蠕動を  
根元近くまで埋めた肉棒粘膜で直接感じ取って媚悦に浸っていたが、  
このままでは相手が窒息死してしまうため、脚を開いてアスカを解放すると、  
渋々ながらゆっくりとペニスを引き抜いた。  
 
長く続いた咽喉責めから開放されたアスカは、ぼろぼろと涙をこぼしながら、  
床に突っ伏して息も絶え絶えに呼吸を繰り返し、それから思い出したように  
げぇげぇとマラカスの匂いの染み付いた口内の唾液を吐き散らしたのだった。  
 
 
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    XXII◆ 口淫  
 
「ヘッヘッ、苦しむザマも可愛いな、オイ」  
 
激しくえづくアスカの姿を見下ろしながら、  
下種そのものの笑みを浮かべて前後にペニスをしごくヒュンダイ。  
 
真性のロリコンである彼は、今回の侵略戦争においても  
自らの職権を濫用して、セフィーロの捕虜の中から特に美しい女児を集め、  
奴隷のように奉仕させようと企んでいた。  
だが、まさかそのセフィーロに親征中の他国の皇女を捕獲し、  
こうして専属の性奴隷にする事ができるとは夢にも思ってはいなかった。  
 
平民や貴族ならまだしも、本物の皇女を犯した事は一度もなく、  
それゆえに興奮が収まらず極太肉茎の勃起が止まらない。  
 
今すぐにでもアスカの幼い性器に挿入し、  
そのきつい締め付けと親に助けを請う無力な悲鳴、  
絶望に満ちた泣き顔を堪能したくてたまらなかった。  
だが、かつて戦地で無理やり幼女たちの未成熟な膣口に挿入し、  
激痛のあまり十人以上をショック死させてしまった経験から  
あまりにも早く「壊して」しまったのでは十分に楽しめないと思い、  
今はまだその慾望を抑えておく事にする。  
 
「オイコラ、いつまで泣いてやがんだ。今度はコイツを舐めろ!」  
 
涙を流して怯える幼牝の傍らに片膝を突くと、  
今度はその前髪をつかみこみ、頬にぐりぐりと  
唾液まみれになった肉槍を付き突きつける。  
 
「………!」  
 
嫌がってぶんぶんとかぶりを振るアスカ。  
明確な拒否ではあったが、それは今までヒュンダイが食べ散らかしてきた獲物たちと全く同じ、  
想定内の反応だった。  
彼は残忍な笑みを浮かべ、ホルスターから銃を引き抜いて幼女の額に突きつけると、  
ガチャリ、と冷たい金属音を立てて撃鉄を引く。  
 
「舐めろ」  
 
 
「うっ…うっ…」  
 
数分後、そこにはベッドの縁に悠然と腰掛けたヒュンダイと  
その股の間に顔を埋め、涙を流しながら  
真珠入りペニスをしゃぶるアスカの姿があった。  
 
ヒュンダイは猫が捕らえた鼠をいたぶるように、  
いとおしむようにアスカの黒髪を撫で、  
空いた方の手では、実弾を込めたままの拳銃をくるくると回して弄んでいる。  
 
大ファーレン帝国の皇女は、かつて目の前で目撃した侍女たちの惨劇のように、  
何の容赦もなく殺される事に対する圧倒的な恐怖から、  
言われるがままに奉仕する幼い性奴例となり、  
拙い舌使いで男の肉棹の側面をねぶるように舐め回していた。  
 
舌を何度も往復させ、どくどくと激しく静脈を脈打たせる側面を唾液まみれにすると、  
珊瑚色の唇で陰茎を甘噛みし、そのまま顔を動かして  
舌だけでなく唇によってペニス全体に心地良い刺激を与えてゆく。  
 
「ヘッ、い〜いザマだな、皇女様よォ」  
 
暴力によって言いなりにした女囚の惨めな姿を、  
ビデオに撮影して楽しむ陰惨な趣味の持ち主はサムスンだけではなかった。  
ヒュンダイもまた、ベッドの左右に  
暗がりでも鮮明に録画できるカメラを三脚で固定して設置し、  
ファーレン皇女のフェラチオを2アングルで遠景から撮影させるとともに、  
自らも極端に手ぶれに強いタイプのハンディカメラを用意して、  
彼女の泣き顔と口奉仕を至近から撮影していた。  
 
カメラのバックディスプレイには、  
数日前まで威張り散らしていた高慢ちきな幼女が、打って変わったような従順さで  
紅葉のような小さい手で上下に棹をしごきたてつつ、  
唇を亀頭に移し、懸命に舐め回しているいじましい姿が映し出されている。  
 
──ペチャッ・ペチャッ…レロレロ…  
 
(うっ…ううっ…臭いのじゃあ…)  
「オラ何やってんだ! 舌が止まってんじゃねぇか!」  
(ひいいっ!)  
 
こめかみに銃口を突きつけられ、  
躊躇いのため休みがちだった舌の回転速度を増すアスカ。  
舌を這わせるたびにボロボロと垢が剥がれ落ち、口内に大量に散らばったが、  
銃で脅されているために吐き出す事もできない。  
アスカは気絶しそうなほどの嘔吐感に苛まれながら、  
口内にたまった酸っぱい涎とともに、無理矢理それらを咽喉の奥へと流しこんだ。  
 
(おっ…おえっ…げぇええぇ…ッッ)  
 
更には嫌悪感に脳を髄から浸されつつも、  
腐ったチーズを尿に浸したような、猛烈な香を漂わせる亀頭部分を、  
贅沢な高級食材ばかりを味わう事で育まれてきた  
本物の高貴な舌を使って丹念に洗い清めてゆく。  
 
「うめぇだろ皇女様、俺様のチンカスの味はよ。ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ☆」  
 
帝室の権威と、そこで育まれてきた矜持をズタズタに引き裂き、  
踏み躙るかの如き哄笑を頭上から投げかけられ、嗚咽しそうになるのを堪えながらも、  
ブツブツと汚らしいフォアダイスが連なるカリ裏にまでも舌を沿わせていく。  
 
隅々まで舌を往復させて隈なく亀頭を舐め終えると、  
今度は男に命令されるがまま、口を大きく開いてペニスの先端を咥えこむ。  
 
「そう。そのまま奥まで飲み込めよ…  
 俺様のグングニルをよ」  
 
亀頭を口内に含み、自ら頭を上下させて棹をしごきたてるアスカ。  
ジュッポ、ジュッポと淫靡な音を立ててそれを繰り返し、  
やがて咽喉の奥までディープスロートして、頬を窪ませて強く吸引する。  
 
可愛らしい幼女に自分のペニスをしゃぶらせている背徳的なヴィジュアルと、  
それに伴って齎される肉悦の強烈な相乗効果。  
大人の女のフェラでは味わえないほどきつい幼女の口内で  
激しい吸い上げのため真空パックされたキュウリのようにペニスが充血する。  
脳内に電流が走り、目の前が白く霞むほどの快楽を覚え、  
イきそうになるのを懸命に堪えるとともに、全身に汗の玉が浮かび上がり、  
その感覚から、ヒュンダイはおのが我慢の限界が近づいてきているのを肌で感じ取っていた。  
 
「くううっ…初めてにしちゃ上出来じゃねぇかメスガキ。  
 ご褒美に、もうすぐ俺様の特濃コンデンスミルクを腹いっぱいご馳走してやるぜ」  
「………?」  
 
何の事かわからず、恐怖に震えながらも一心にペニスをしゃぶり続けるアスカ。  
今度は言われるがまま亀頭だけを口に含み、  
棹の部分を激しく上下にしごきながら、暖かく湿った口内で舌をちろちろとうごめかせる。  
舌先で飴のように亀頭をねぶり回し、さらに尿道の奥まで捻じ込うとするかのように、  
小さな舌を鈴口に押し当てて先端で内部を舐め回す。  
 
「うっ…!!」  
 
──ドピュブッ…!  
 
「………!?」  
 
手と口と舌を使っての三点責めに加え、尿道内部を刺激されたのが引き金となり、  
遂に快楽のきわみに達したヒュンダイは、  
次の瞬間、堤防が決壊したかのように、  
ありったけの慾望をアスカの口内に噴出していた。  
 
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    XXV◆ 折檻  
 
 
──ドピュッ! ビュクッ! ビュクッ…!  
 
蛇口の壊れた水道のように、数週間分の精液が連続して噴出する。  
それは元々狭隘であったアスカの口内を瞬く間に満たし、  
口の端から白い泡を吹いて溢れ出してきた。  
 
(お゛ええっ!? な…っ、何なのじゃ、このひどい味は…っっ)  
 
男のペニスから精液というものが噴出するという事さえ知らぬアスカは、  
突如口内に生じた青臭い香りと、腐ったジャムのようなねばつく液体とに、  
驚いて反射的に口を閉じ、ヒュンダイのペニスに歯を立ててしまった。  
 
「痛(つ)ッッ!」  
 
火傷したかのようにびくんと撥ね、慌ててペニスを引き抜くヒュンダイ。  
先端部には小さな歯型がついていたが、  
亀頭と幼女の唇との間に唾液と精液の橋を架けて姿を現した巨砲は、  
噛み付きの痛みの中でもなおも斉射を止める事なく、  
次々にアスカの顔に白濁を命中させて  
その可愛らしい幼貌を淫靡な精液まみれに染め上げていく。  
 
──ビュルッ! ビュルル…ッ!  
 
「ひゃああっ!?」  
 
その中の一発がもろに眼球に飛び込み、  
アスカは滲みるような痛みを覚えて反射的に顔を反らした。  
しかしそれによって今度は顔の側面にザーメンが降りかかり、  
しばらくして射精が済んだ頃には、アスカは髪の毛から瞳、鼻頭から口内、  
唇から咽喉と、頭部の大半が精液まみれに染め上げられ、  
それらは衣服を伝って腰にまで垂れ落ちていた。  
 
両の瞼までも粘液まみれであるため、目をつぶったまま手さぐりでシーツを掴むと、  
顔に押し当ててごしごしと汚れを拭う。  
時折ゴホッゴホッと咽せながらも、  
更にぺっぺっと口内の「得体の知れないドロドロ」を吐き捨てた。  
 
一方で数日間溜まりに溜まったものを一どきに放出したヒュンダイは  
しばらく眼前が白濁化して何も見えず、  
ハンディカメラと拳銃を手放し、脱力してベッドに倒れ伏していた。  
彼は今まで何十人もの幼女を強姦し、銃を突きつけて無理矢理奉仕を強いてきた  
重度の性犯罪者ではあったが、その彼にあってさえ  
これほどの快楽は4年ぶりの事であった。  
 
 
ややあって太い息を吐きつつ上体を起こすと、  
そろそろと跫音を忍ばせ、四つん這いになって逃げようとしていたアスカに手をさしのばし、  
素早くその裳裾を掴みこむ。  
そして、何かを掴み取ろうとするかのように空中に手をさしのばす彼女を強引に引き寄せ、  
再度ベッドの上へと投げ出した。  
 
往生際が悪く、なおももがいて逃げ出そうとする無力な仔兎。  
ヒュンダイは猛禽の鉤爪のような両手をもって彼女の服を掴みこみ、  
勢い良く左右に引き裂いた。  
 
──ビリリリリッ!  
 
ファーレンを出国したときより着ていた  
アスカのお気に入りの旗袍が紙のように破かれ、  
ベビードールのような絹製の下着が露になる。  
 
「え…? い…嫌っ…! 何をするのじゃぁあぁっ!!」  
 
あまりにも唐突な行為に目を瞠るアスカ。  
自分がこれから何をされるのかはわからなかったが、  
真っ赤に充血したギョロ目を向け、力ずくで服を引き裂いてゆく  
悪鬼のごときヒュンダイの形相に、形容しえないほどの恐怖を感じ、  
抵抗するのも忘れてガチガチと歯を鳴らす。  
 
その一方で完全に上着を引き裂き終えたヒュンダイは、  
今度は幼女のベビードールに噛み付き、喰いちぎるようにして穴を開けると、  
傷口を左右に押し開くようにして一気にそれを破り去った。  
残るは一枚を纏うのみとなったアスカの両足首を掴んで持ち上げ、  
恐怖のあまり濡れそぼって滲みのついたパンツに手をかけ、  
力づくでに引きずり下ろす。  
 
まだ蒙古斑の残る小さな尻と、生卵のようになめらかな下腹部、  
まるで赤子のように淫肉が抉れて食い込んだ、ぴっちりと閉じた性器が露になった。  
両手をかけられてパンツを一息に脚から引き抜かれ、  
アスカは首輪を除けば完全に生まれたままの姿となって、  
ベッド上に無防備な姿を晒け出される。  
 
「──!?」  
 
通常ならこのまま前戯を挟む事もせず慾望の赴くまま犯し抜くところであったが、  
ヒュンダイは彼女を後ろ向きに抱え上げると、  
やおら手首をひらめかせ、その尻に音高く強烈な一撃をお見舞いした。  
 
──スパァン!  
 
「ぎゃひぃいいいい…っ!!!」  
 
尻が爆発したような痛みに、現ファーレン皇女は舌を突き出して悶える。  
 
「てめぇ、さっきは良くも俺のチンポに歯を立てやがったなぁ!?」  
 
──バシン! バシンッッ!  
 
「い゛ぎゃあぁぁああ゛ぁぁぁっ!?」  
 
痛みに苦しむ彼女をよそに、ヒュンダイは力づくで  
次々に尻にスパンクを食らわせ続ける。  
 
「肉奴隷の分際で、ご主人様に歯向かったらどうなるか、  
 思い知らせてやんよ!」  
 
──パァン! パァン!  
 
「いだぃっ…いがああぁぁぁ…!」  
 
乳母日傘の環境で育てられたため、一度も折檻された事のないなめらかな臀部へ、  
まるで太鼓か何かのように連続して激しく掌を打ち付けられる。  
そのたびにアスカは足をバタバタさせて悶え、怪鳥のような悲鳴を上げていたが、  
次第に抵抗が弱まり、その声は湿った嗚咽にまぎれていく。  
 
20回ほども折檻を繰り返した頃には、尻が真っ赤に腫れ上がり、  
アスカはえぐっ…えぐっと、咽喉を引き攣らせて激しく泣き出していた。  
ヒュンダイは手を離し、どさり、と獲物をベッドに投げ出したが、  
自由になったにも関わらず、幼女は腹這いになったまま  
滂沱の涙でシーツを濡らし、痛みのあまり立ち上がる事すらできない。  
 
(はあっ…はぁっ…  
 こいつ…泣き顔も泣き声も、今まで食ってきたガキの中で最高だ。  
 ビンビン俺のチンポに訴えてきやがる。  
 予想より遥かに優れた肉人形になりそうだぜ…)  
 
ヒュンダイは、アスカに対する評価を改める事にした。  
当初の予定では、口で一発抜いた後に一気に処女膜を貫通し、  
激痛に悶え苦しむ姿を堪能してその姿をカメラに収めるつもりであったが、  
彼女が容貌の面でも血筋の面でもあまりにも上玉のため、  
これほどの極上の料理をすぐに平らげてしまっては勿体無いとの事から、  
別の方向へと計画をシフトする事にした。  
 
何かを決意したかのように立ち上がると、  
おもむろに机の抽斗を開けてゴソゴソと中身を物色し始める。  
 
やがて怪訝に思ったアスカがシーツから顔を上げた時には、  
涙で歪んだ視界の中に、注射器を持って  
邪悪な笑みを浮かべるヒュンダイの姿があった。  
 
「さあ皇女様、“洗脳”のお時間でちゅよ…?」  
「や…っ、やあぁぁぁぁぁっ!!!」  
 
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    XXW◆睥睨  
 
崩壊により極端に領土が縮小したセフィーロを、  
明々と照らし出す恒星は中天を過ぎ、  
一角獣の刻を指す大鐘が、朗々と中庭に鳴り響いていた。  
尖塔の一室でアスカがヒュンダイによって辱められているその一方で、  
後宮の女たちは、食堂や公共浴場、共用トイレがあるのと同じ  
中庭で最も大きな建物であるエテルナ神殿の入口ホールに集められていた。  
 
それは昨夕のうちに全員に通告されていた「健康診断」のためであった。  
ただ、本来なら正午に行われる筈であったそれは、  
予定を大幅に遅れ、昼食の時間を過ぎてかなり経ってからようやく開催された。  
 
元魔法騎士たちもその場に来ていたが、現場で尿検査を行うとの事で、  
朝方から尿意を我慢している光は落ち着かずに、  
ホールの片隅で立ったり座ったりを繰り返している。  
 
「う…海ちゃん、風ちゃん、おトイレに行きたいよー」  
「我慢しなさい光、もうちょっとだから!  
 それにしてもホント迷惑だわ、予定から3時間もずれ込んでるじゃない」  
「“上”の方で何かあったのか知れませんわね」  
 
こちらも尿意をこらえ、内股をすり合わせてモジモジしながら風は言った。  
 
「どういう事なの?」  
「メルセデスはセフィーロの全面占領に成功し、  
 軍事支配や捕虜の管理も今のところ軌道に乗っているため、  
 本来ならば何も懸案が生じる事もなく予定通りスムーズに事を運べる筈です。  
 けれどこうも大幅に予定に齟齬を来たしてしまったところを見ると、  
 昨日の夕から今日の午前にかけて、何か予想外の事が起こり、  
 そちらに労力と人員を割かれてしまったれたため、  
 スケジュールに破綻を来たしてしまったのかも知れませんわ」  
「…それが、いきなりプリメーラを捕まえに来たのと、何か関係があるのかな?」  
「考えすぎでしょ。単に機材の搬入と、会場の準備に手間取っただけなんじゃないの?  
 先方はプロの医療機関じゃなくて野蛮な兵士たちなんだし」  
「どちらにせよ捕虜の私たちには確かめる術も無いですわね」  
「……」  
 
プリメーラの名を出され、ついで一緒に拉致されたアスカの事を思い出し、  
光は彼女たちが今頃何をされているのか、  
今後の運命を思い陰鬱な気分になって項垂れる。  
 
不安を覆い隠せないのは光たちだけでなかった。  
メルヘンやファンタジーの世界そのままに、  
背が高く眉目秀麗な男、透けるように白い肌とほっそりした美女の多い  
他民族国家のセフィーロではあったが、この広間に集められているのは、  
監視の兵士たちを除けば、その中から更に選りすぐられた、  
プロポーションも容貌も並外れた美女や美少女ばかりであった。  
 
しかしそのいずれもが、健康診断の名目を借りて  
これからいったい何をされるのかと不安気な様子を隠せないでいた。  
 
女たちはだいたい20人ごとに、一時間ほど前から順次右側の扉を潜らされていたが、  
先に入った者がまた出てきていないため、  
別室で男たちに乱暴されているのではないかと疑念を抱いていたのだ。  
 
何しろ腰に警棒を差し、部屋の隅に立って女たちを監視する兵士たちの目が、  
サムスンやヒュンダイが列席し、きびきびと任務をこなしていた  
昨日とは明らかに異なっていた。  
光たちの世界で言うところのPSPのような形をした、  
3つ折りになったポータブルのディプレイを取り出して継ぎ目なく展開すると、  
タッチパネル方式で操作し、そこに映し出された何かを見てニタニタと笑っていたり、  
かと思えば、この場にいる一人一人を品定めするような目で眺め回し、  
舐めるようにその胸や股間へと、粘質的な、あるいは嘲笑うかのような  
不快な視線を頻繁に注いでいた。  
 
(海ちゃん、何だかさっきからあの人ずっとこっちを見てるよー)  
(無視しなさいよ光。視線を合わせちゃ駄目)  
(私も、さっきからずっと見られておりますわ…)  
 
兵士たちの中でも、クッチャクッチャとガムを噛んでいる  
豚のように肥った天然パーマの男と、  
顔中に痘痕の生じたエラの張ったノッポの男、  
それから眼鏡をかけて無精髭を生やした根暗そうな男が、  
先刻からずっと光たち3人を見つめ、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべていた。  
 
それだけでなく、視線が合うと大きく舌を突き出し、  
親指と人差し指で作った穴の中に、  
もう片手の指を入れて前後させる卑猥なサインまで見せつける。  
何の事かわからず質問してきた光を叱責して、  
兵士たちの低俗な視線から身を隠すように海たちは背を向けた。  
 
「はぁ…終わった終わった」  
「プレセア!」  
 
そうした中、これまで閉ざされていた左側の扉が開き、  
右側の扉に最初に入った班の女たちがぞろぞろと現れた。  
ホールで待機していた女たちは、いっせいに彼女たちに群がって  
中の様子はどうだっかのかと問い詰める。  
 
風もまた、扉から出てきたプレセアに状況を訊ねたが、  
幸い恐れていたような事はなく、検査のため裸にさせられたりはするものの  
概ね普通の健康診断だったとの事で、光も海もほっと胸を撫で下ろした。  
それは他の女たちも同様で、  
緊迫していたホール全体に穏やかな空気が広がっていく。  
 
「──よう、光たちやないか。元気しとるか?」  
 
と、背後から場違いに陽気な声がかけられた。  
振り返ると、新たにホールに入ってきたカルディナと  
チゼータ王女姉妹の姿がそこにあった。  
 
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    XXV◆対峙  
 
 
カルディナは昨日までとうってかわった豪奢な毛皮の衣装に身を包み、  
うまそうに純金の煙管を吹かしていた。  
彼女たち三人の姿を見留めるとともに、それまで賑やいだ会話の交わされていたホールの空気が、  
ふいに真冬のように凍りつく。  
同時に、敵意をこめた無数の視線が一斉にカルディナたちへと突きつけられた。  
 
「カルディ…」  
 
一日ぶりの挨拶を交わそうとした光を、後ろから海が押さえつけて口を塞ぐ。  
それほど周囲に漂う空気が異様で、ぴりぴりと不快にささくれ立っていた。  
 
「…何しに来たのよ」  
 
しばらく存在そのものを無視するかのような敵意に満ちた沈黙が  
濃密なゼラチンのように室内を満たしていたが、  
相手が動じた様子も無く平然と立ち尽くしている事にしびれを切らし、  
吐き捨てるようにプレセアが問いかけた。  
 
「何しに…って、健康診断のために決まっとるやないの」  
「そういう意味じゃないわよ!  
 セフィーロを侵略した悪人どもにまっさきに寝返って、  
 大股開いて連中をたらし込んだ、汚らしい売女のアンタが、  
 いまさらどの面下げてこんな所に来たのかって聞いてるのよ!」  
「なんやて?」  
 
憎々しげに視線の槍を突き刺しながら、ツカツカと黒き舞姫に詰め寄るプレセア。  
 
「この、厚顔無恥な裏切り者!」  
「誰が裏切り者や」  
「セフィーロの全てを裏切った、アンタ以外に誰がいるってのよ!」  
 
国土を侵略して略奪の限りを尽くしたメルセデスを激しく憎んでいる彼女は、  
何の葛藤も無くその敵に身売りし、保身を図ったカルディナの生き様が、  
どうしても我慢ならないようであった。  
 
「ラファーガも悲しんでいるわ」  
 
「………!」  
 
感情の昂ぶりを抑えきれず、声を震わせながら告げる。  
 
「だいたいアンタにはラファーガという素敵な人がいるでしょう?  
 無口だけど優しい彼が、アンタにだけは  
 心から気を許した無防備な笑みを投げかけているのを見て  
 みんな影ながらあんたたちの未来を祝福していたのよ。  
 …なのに、なのに、どうしてラファーガがいながらあんな豚になんかすり寄ったのよ!」  
 
「はん、昔の話や」  
 
だが、恋人の名を持ち出す事で動揺すると思われた娼婦は  
案に相違し、冷徹に鼻でせせら笑っただけであった。  
 
「サムスン様のお力にあっさりと屈してしまった、役立たずのあんなヘタレ、もう用はあらへん。  
 何が元親衛隊長や。ただの負け犬やないか。  
 うちが好きなのはゼニと“強い”男だけや。  
 朴念仁なだけでゼニの稼ぎ方も知へらんあんな雑魚に、用などあらへん」  
「この──!」  
「おっと」  
 
その頬に渾身のスパンクを叩き込むべくプレセアが掌を閃かせたが、  
カルディナは紙一重で躱してのけた。  
軽く一服して相手の顔に煙管の煙を吐きかける。  
 
「ゲホッ、ケホッ」  
「それよりええやろ? この服。サムスン様に賜ったんや。  
 あんたもあの時サムスン様に抵抗なんかせず、黙って乳のひとつぐらい揉ませていれば  
 今頃お目にかけて頂けたものを、つまらんプライドに拘って実にアホな事をしたもんや」  
 
見せびらかすように、豊かなファーに包まれたプラチナタイガーの襟巻きをひらひらさせる。  
対かるプレセアは、怒りに拳を震わせていた。  
 
「…アンタにはう、セフィーロの一員としての誇りも何もないのね。  
 よーく解ったわ。  
 卑劣な蛮人どもがセフィーロから奪った大切な財宝の分け前にありつく事と、  
 どれだけ他人が犠牲になろうとも、自分の保身しか頭にないってわけね」  
「ちょっと、ちょっとプレセア」  
 
あまりに苛烈で敵意に満ちた空気に、このままでは双方  
互いの間に取り返しのつかない溝を刻んでしまう事になると思い、  
横合いから光が止めに入る。  
しかしプレセアは彼女を無視して言い放った。  
 
「しょせんよそ者の、卑しい旅芸人だったというわけね。この淫売!」  
 
それに迎合するように、他の女たちからも「裏切り者!」「帰れ!」「ブス!」「チゼータ人!」などと  
突き刺すような罵声が上がる。  
 
カルディナは平然として佇立し、昂然と胸を逸らして辺りに視線を払っていたが、  
その態度が気に入らなかったらしく、女の一人が  
壁際に飾られていた花瓶を取って投げつけた。  
 
「おっと」  
 
カルディナはろくに見もせずにそれを躱し、甲高い音とともに床に落ちた陶器が砕け散る。  
メルセデスに対する鬱屈した怒りを、武装した兵士たちにぶつける事のできないか弱い女たちにとって、  
何の武器も持たず、この後宮で孤立しているチゼータの三人は格好のストレスの捌け口だった。  
耳飾りやペンダントが投げつけられ、なおも憎々しげに彼女に何かをぶつけようと、  
手近にある物を握りこんだ腕を振り上げる。  
 
「──やめんか! アホンダラが!!」  
 
それまで黙って事のなりゆきを見守っていたカルディナが、  
やおら雌獅子のように吼えた。  
その迫力に気圧されたかのように女たちの動きが止まる。  
 
「うちを誰やと思っとるんや。  
 高級将校の方々に目をかけてすら貰えへん、  
 お前たち下っ端の性奴隷予備軍どもとは格が違う。  
 メルセデス遠征軍総司令官、ランボルギーニ・エラントラ・サムスン上級大将閣下の  
 いちの愛人のカルディナ様やで!  
 うちに手を出したらどうなるかわかっとるんか!?」  
 
「二号のタータですわ。爾後お見知りおきを」  
「さ…三号のタータだ…」  
 
何やら勢いに乗って、背後でタータとタトラも  
ぺこりと頭を下げて自己紹介する。  
 
「な…」  
「何よこのメスブタ!」  
「股ぐらで掴んイヤらしい立場を、さも偉そうに!」  
「この、豚の威を借る女狐が!」  
 
怒りのあまり蒼白になった女たちが大挙して詰め寄り、カルディナの襟首を掴み上げた。  
タータとタトラも多勢に無勢で取り押さえられ、  
髪の毛を引きつかまれ、首を締め上げられる。  
しかしなおも余裕を崩さないその小憎らしい表情に痺れを切らして、  
女の一人が銀ラメのマニキュアを施した長い爪で  
顔面をズタズタに掻き裂くべく手を振り上げた。  
 
「止めろ!」  
 
それまで静観していた兵士たちが、やにわ大挙して割り込み、  
タトラの顔を傷つけようとしていた女を後ろから羽交い絞めにして引き離す。  
更に華奢な女たちなど比較にならない圧倒的な力と熟達した格闘技術とで、  
三人の高級寵妃に群がっていた女たちをあっという間に押さえ込んでしまった。  
 
「…わかったか? あんたら。“身分”の違いが」  
 
カルディナは乱れた衣服を悠然と整え直すと、  
繊細なファーの生えた襟巻きで口元を隠し、嘲笑うように言った。  
 
「うちらはサムスン様の大切な愛人や。  
 そのうちらに傷をつけようとする事は、即ち  
 サムスン様の大切な財産を損なおうとする事に他ならへん。  
 もしうちに傷ひとつでもつけてみぃ。  
 …その時はあんたらの首が飛ぶで」  
 
嫣然と咽喉を逸らして驕慢に笑う。  
 
女たちは手足の関節を極められて身じろぎだにできなかったが、  
視線で人を殺せるのなら即死させられるのではないかというほどの敵意をこめて  
カルディナたち三人を睨み据えたまま、ぎりぎりと悔しそうに歯軋りしたのだった。  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
    XXVI◆毒蛇  
 
騒動が一段落した後、さらに別のグループが検診を終えてホールに戻り、  
次の番が訪れため、光たちを含む20余名が右側の扉を潜る事となった。  
後から来たカルディナたちも、待たされるのは嫌という理由から、  
サムスンの愛人という立場を利用し、先に並んでいた者たちを押しのけて  
ちゃっかり光たちと同じグループに入り込む。  
 
その占領軍の威光を嵩に着た横柄な態度は、当然周囲の女たちの  
強い反感と顰蹙を買ったが、先刻のカルディナの警告が功を奏したようで、  
誰も彼女たちに表立って意見を述べる者はなく、示し合わせて徹底無視していた。  
 
「よろしくな、光」  
「うん、よろしくカルディナ」  
「シッ! 光、こんなのと話しかけては駄目よ!」  
「こんなのとは何や、こんなのとは」  
 
仲間と看做され、他の女たちから敵視されるのを恐れて、  
海は光の手を引いて慌ててカルディナから引き離す。  
 
ややあって最初に兵士たちに案内されたのは更衣室で、  
この中でパンツを除いた全ての衣服を脱いで、  
滅菌されたケープに着替えろという。  
 
更衣室に入ると、現在検診中のグループが個別に脱いだ服を収めた籠とは別に、  
折りたたまれたケープの入った空の衣装籠が並べられていた。  
 
メルセデスの文化は光たちが来た現代地球のそれに近いらしく、  
ここまではごくありふれた普通の健康診断の範疇ですわね…と言って、  
風はタイを外し、壁際に設えられた巨大な鏡の前で、さらに制服のボタンをはずしにかかる。  
対する光は下から先に脱ぐタイプのようで、いきなりサイドファスナを下ろして  
短いスカートを脱ぎ捨てた。  
 
──バタン!  
 
「きゃあっ!?」  
「痴漢よ痴漢!!」  
 
だが、突然扉が開かれる音とともに、背後で女たちのけたたましい悲鳴がしたため、  
脱衣する手を止めて振り返る。  
 
見ると、男子禁制の筈のこの部屋に三人の兵士が勝手に上がりこんできていた。  
その嫌らしい面構えは、見間違えようもない、  
先刻ホールにおいて光たちに異様な視線を投げかけてきたあの兵士たちだった。  
 
彼らは卑猥な言葉で着替え中の女たちを冷やかし、  
辺りに視線を払って光たちの姿を確認すると、  
ニタニタと嫌らしい笑みを浮かべて近づいてきた。  
 
「いたナリ、いたナリ」  
「ウフフッ、ち、近くで見てもカワイイんだな。エヘッエヘッ」  
「な…何なのよいったい!?」  
 
既に上着を脱いでいた海は、ブレザーを胸元に当ててブラを覆い隠しながら、  
敵意を隠さず警戒した視線を投げつける。  
対して彼女の眼前に来た肥満体の兵士は、思いがけぬ事を口にした。  
 
「おい、健康診断の着替えはお前らだけ別だ。  
 パンツも脱いでここに置いていけ」  
「えっ? 何ですって」  
 
横柄な要求にとっさに耳を疑う。  
 
「聞こえなかったか? お前ら3人だけはパンツも置いてけって言ってんだよ」  
「ちょっと待って、他の人たちは無視して、どうして私たちにだけそんな事を命令するのよ。  
 ちゃんと上からの命令書あっての事なんでしょうね?」  
「うるせぇな。俺たちがやれと言ってるからやるんだよ。  
 胸も満足に育ってねぇガキの癖に、生意気に口答えするんじゃねぇ!」  
「な、何ですって!?」  
 
密かにコンプレックスを抱いていた胸の事を指摘され、海は羞恥と赫怒に頬を真っ赤にする。  
しかし強硬に出ては相手を怒らせてしまうだけだと思い、  
援護のためやんわりと風が横合いから口を挟んできた。  
 
「まぁまぁ海さん、落ち着いて。  
 …いずれにせよ、上からの正式な命令でない以上  
 お引き受けするわけにはいきませんわ。  
 何ならあなたがたの上司にかけあっても宜しいんでしてよ」  
「てめえ、我輩たちにそんな口利いといてただで済むとでも思ってるナリか?」  
 
顔中アバタだらけの男が、黄色く濁った乱杭歯を剥いて因縁をつける。  
                       . .  . . .  
「あんまりナメた態度を取っていると、明日か明後日には、  
 お前らの身の上がどうなるかわかんないナリぞ?」  
「そ…そうなんだな、フヒヒッ」  
 
先刻から光に粘質的な視線を注いでいた、猫背の眼鏡兵士が薄気味悪い笑い声を上げる。  
 
「────!?」  
 
明日か明後日、何かがあるというのだろうか。  
相手の得体の知れない薄ら笑いとこちらを見下しきった態度に、  
何か腑に落ちないものを感じて海と風は顔を見合わせた。  
 
サムスンにパイプを持つカルディナに助けを乞うて  
兵士たちを追い払おうとも思ったが、  
他の女たちの目があるこの場でそれを行ってしまえば、  
今後後宮という狭い社会の中で全員に村八分されかねない。  
渋々海と風は抵抗を諦め、この場だけは相手の要求を呑む事にした。  
無理やり手籠めにされるわけでもなし、下着の一枚くらい大した事でもないだろうと、  
この時はまだそう思っていたのだ。  
 
「オラアッどうした、脱ぐのか脱がねーのか?」  
 
分厚い唇を持った肥満の兵士が、好色な目を向けて囃し立て、  
海の胸元を隠すブレザーを力づくで引き剥がそうとする。  
しかし海は「離しなさいよ!」と、ありったけの力で男を突き放した。  
 
「あんたたちの前で脱ぐわけないでしょ。  
 出て行きなさい! さもないと上の人を呼ぶわ!」  
「そうですわ。この場だけは言うとおりにしてあげますから出て行ってください」  
 
出て行け、出て行けと他の女たちも合唱し、海は他の女たちと協力して、  
力づくで三人を室外に押し出すと、素早く扉に鍵をかけたのだった。  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
 
    XXZ◆鼎笑  
 
 
女たちに怒りをこめた目を向けられ、更衣室の外に追い出された3悪党は、  
だが不機嫌さは無く、ニタニタとしまらない笑みを浮かべていた。  
 
「ク〜ッ、あの気の強い所がたまんねーぜ」  
 
160pあるか無いかという矮躯なのに、体重90sほどもありそうな腹の出た兵士が、  
いつ撮影したものか、ポータブルディスプレイに海の画像を映し出し、  
ぺろりとその顔を舐めながら告げる。  
 
「俺はあのパッツン頭に決めた。  
 ああいう勝ち気なガキに限って屈服させ甲斐があるんだわ。  
 “解禁日”に初物を頂いて、たっぷり俺様の子種を子宮に注ぎ込んだら、  
 とりあえずまずは、あの長いキレーな髪をジョギジョギ切り落として  
 丸坊主にしてやる」  
 
ニマリと細められた目の中に、先刻突き飛ばされた事への  
子供じみた深讐の燠火を覗かせて言葉を続ける。  
 
「何年もかけて伸ばした自慢の長髪を、容赦なく全て切り落とされて泣き出したところへ、  
 更にナイフでズタズタに服を切り裂き、裸にひん剥いてやる。  
 そしてあの瑕ひとつない滑らかな白い肌に刃を突き立てて、  
 体中隅から隅まで俺様の名前を刻みこんでやんぜ…?」  
 
「あっ、あっ、相変わらずナイフで苛めるのが好きなんだな、ダイキチは」  
 
名前を呼ばれ、ならず者揃いの「オロチ」部隊の中でも、  
特に手癖の悪い事で知られる“猟斬剥”ダイキチ・マツダは、  
くつくつと分厚い体脂肪を揺らして笑った。  
 
「まぁな。キレーなアマほどテメーの容姿を異様なくらい大事にしてやがる。  
 だがな、キレイな物ってのは壊されるためにだけあるんだよ。  
 そして大切なものをブッ壊された女の悲鳴ほど楽しいものはねぇ」  
 
腰の警棒を引き抜き、ナイフに見立てて掌の中でくるくると回転させる。  
 
「だから俺は、これ以上ないってくらいキレイな海の身体を、  
 およそ刃を立てない場所はないってくらい隅々まで切り刻んで、  
 耳を削ぎ、鼻を落とし、唇を取り除き、ついでに乳首とメスチンポも切り落として…  
 あいつが目玉以外何もなくなったマヌケな禿頭を向けて、  
 俺様に泣き喚いて許しを請うザマが、今から心底楽しみだぜ。  
 ヒッヒッ♪」  
 
ディスプレイの中の海へ、ぶちゅりとタラコ唇を押し付ける。  
 
「我輩はあの猫っ毛のメガネっ子ちゃんを貰うナリよ。  
 ああいう大人しそうなお嬢様は、昔から我輩の大好物ナリ〜。キタコレ☆」  
 
ダイキチに続くように、風の画像が映ったディスプレイを見せつけ、  
爬虫類の鱗のごとく汚ならしい噴き出物に覆われたノッポの男が言った。  
 
「何よりあのたわわなオッパイに惚れたナリ。  
 全裸に剥いて、たっぷり揉んで、  
 シャブってシャブってシャブり尽くすナリよ〜 ヌホホホ ヽ(´∇`)ノ」  
「オイオイデミオ、まーたお前馬乗りになって、ボコボコに殴りながら犯すのか?  
 そーいや前の戦争で犯したデコのお嬢様は、お前がようやくイった頃には  
 顔面が三倍くらいに膨れ上がって失神してたなァ。ヒャヒャヒャ?」  
 
デミオと呼ばれたニキビ男は、ポケットからカイザーナックルを取り出して握り込み、  
やにわファイティングポーズを取ると、  
ヒュッヒュッと空を切って縦横に鋭いジャブや重たげなストレートを放つ。  
 
「ボッコボコにするのは愛情の証ナリよ。  
 風ちゃんは両手を縛って天井から吊るして、全身生肉サンドバックにして、  
 体中の骨をバキバキ叩き折りながら、  
 時間をかけてジックリ犯すナリナリ〜(o゜▽゜)ゝ〜♪」  
「ヒャッヒャッヒャ、相変わらず好き物だな、おめぇはよ」  
 
風の今後の運命を思って陰湿な笑みを浮かべ、  
いかにも愉快そうにグフグフと蝦蟇のような声を上げる。  
 
「そして我輩の精子を一滴残らず注ぎ込んであげた後は、  
 仕上げにあの気取った口調で小難しい事をまくしたてるお利口な口へと  
 渾身のパンチをお見舞いしてあげるナリ〜(*^ー゚)ノ」  
「歯がまるでポップコーンみてえに一発で全部吹き飛んで、  
 口ん中が真っ赤なプールになるとこはいつ見ても傑作だよな。  
 相手美少女だと尚更よ」  
「ノンノンノン、風ちゃんは本当にカワイイからそれだけでは許してあげないナリ。  
 歯が全部無くなってから、更に口の中に全体重を乗せた右ストレートを打ち込んで、  
 咽喉の奥まで握り拳を突き込み、グリグリしてあげるナリよ〜(*^-^*)ゞ」  
 
脳裏にその光景をありありと思い浮かべ、ビンビンに巨根を勃起させ、  
股間に特大のテントを張るデミオ。  
迎合するようにダイキチもひとつ提案する。  
 
「あいつに飽きて“始末”する時ゃ俺に任せろ。  
 ああいうインテリ系のガキは俺の一番嫌いなタイプなんだわ。  
 計算高そうなあいつのツラに向かって、金属バットをフルスイングしてやる」  
「ヒャヒャヒャ、風ちゃんの優秀な脳漿が、まるで花火みたいに飛び散るナリね。  
 見物ナリナリ〜(* ̄▽ ̄*)」  
 
二人ともその時の凄惨な光景を思い描き、嗜虐に満ちた笑みを浮かべて舌なめずりする。  
 
「ビーゴ、お前はどいつが好みだ?」  
「ボ、ボ、ボクは、あのお小さな下げの子がいいんだな」  
 
最後の一人である、根暗そうなメガネの兵士がボソリと言った。  
彼の持つディスプレイには光の姿が映し出されている。  
 
「き、き、局部麻酔をかけて、い、い、意識のあるまま、  
 ひ、ひ、光タンの手足を、チ、チ、チェーンソーでを切り落として、だ、達磨にして、  
 ボ、ボ、ボクの部屋で、た、た、たっぷり可愛がってあげるんだな」  
 
ニコニコと猿のような笑みを浮かべながら陰惨きわまりない事を口にする。  
 
「そうして生肉ダッチワイフとして、連日連夜散々ヤりまくるナリね?」  
「飽きた後はまーた生きたままハラワタ引きずりだして、  
 内臓をひとつひとつ摘出して、キレーに並べて楽しむんだろ?」  
「相変わらず変態野郎ナリなぁ」  
「お、お、女の子にとって、ホ、ホ、ホントに大事なのは、  
 う、う、うわっ面の、カ、カ、カワイらしさでも性格でもなく、  
 な、な、内面の美しさなんだな…?」  
「そういう意味じゃねぇだろ、その言葉はよ」  
 
まるで面白いジョークでもあるかのように、ゲラゲラと濁声で爆笑する。  
 
「こ、こ、今回は、い、い、生きたままま、く、く、首を引っこ抜いてみるんだな。  
 だ、だ、達磨になった光タンを、か、か、壁に固定して、  
 あ、頭をクレーンで押さえ込み、い、い、一気に上昇させるんだな。  
 そ、そ、そうすると、く、首が脊椎ごと、ど、胴体からすっぽ抜けて、  
 と、とってもキレイなんだな」   
 
そうして出来上がった光の脊椎つき生首を、自分の新たなコレクションに加えるのだと言って  
ビーゴは魔に魅入られた者だけが見せる、倒錯と頽廃に満ちたほの昏い笑みを浮かべる。  
 
それぞれの予定を語った人の皮をかぶった3匹の外道たち。  
 
「いずれにせよ、“解禁日”が楽しみだぜ」  
 
リーダー格のダイキチが告げたその言葉に、他の二人も頷き、  
いずれも唇を吊り上げて鄙賤な笑みを交わし合う。  
 
三人の元魔法騎士たちは壁一枚隔てた隣の更衣室でのんびりと着替えており、  
想像を遥かに超える邪悪の手がすぐそこまで迫っている事に、  
いまだまるで気づいていないのだった。  
 
 
                                               〈続〉  
 

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