魔法騎士レイアース 【カオテックハーレム】  
 〈第5夜 中編〉  
 
 
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    XX[◆脱衣  
 
 
毒蛇たちが陋悪な妄想を巡らしている一方で、  
更衣室の女たちはようやく脅威が去ったのを確認し、着替えを再開しようとしていた。  
 
だが、科学の発達した現代社会に育ち、  
盗撮という卑劣な行為の存在を知っている風は違った。  
彼女は先刻の兵士たちの好色な薄ら笑いが気になったため、  
念のため周囲の女たちに一旦着替えを中止させると、  
盗撮用のピンホールカメラが仕掛けられていはいないか、  
光や海とともに、壁面一帯や積み重なった衣服の束の中を  
手分けして調べはじめる。  
 
壁一面を覆う巨大な鏡についても、定番のマジックミラーでないかと第一に疑ったが、  
近づいて暗がりを作ったり、指先をくっつけて、壁と映像の間に  
ガラス板による僅かな隙間が生じている事から本物の鏡と断定し、  
その他の調査からも、壁に穴が無い事や、室内に疑わしきものがない事を確認した。  
 
「問題ないようですわ。着替えに入っても宜しくってよ、みなさん」  
「良かったぁ」  
「光、ウチと一緒に着替えへんか」  
「うん、いいよカルディナ」  
「こら、光!」  
 
面倒見のいいカルディナと甘え上手な光は気が合うようで、  
さっそく一緒に和気藹々と衣服を脱ぎ始める。  
そんな光に対して海は、嫌われ者のカルディナとは  
付き合わないようにと強く釘を刺そうとしたが、  
風に肩を掴まれ、そっと耳打ちされた。  
 
(海さん、きっとカルディナさんには何か考えがおありなんですわ。  
 単なる保身のためだけにあんな事をしたのではないと思います)  
 
どうだか、と海は肩を竦めた。  
 
(あいつは本来脳味噌に行くべき栄養が、全部乳に行っちゃったような奴じゃない。  
 今にして思えば最初に逢った時からずっと、やたらと露出の高い服着てたし、  
 生まれつき淫乱なだけなんじゃないの。  
 連中に股を開いたのも自分の性欲を満たすためだけに決まってるわ)  
 
だいたいどうしてあんな奴の肩を持つのよ、と柳眉を逆立てて問い詰めたが  
 
(この狭い鳥籠の中で、情報網は広いに越した事はありませんもの)  
 
と風は、感情を優先して行動しがちな海をたしなめた。  
 
(私たちは原則不干渉の姿勢を取りますが、  
 光さんにはカルディナさんへの架け橋役になって貰いたいのですわ。  
 そうして、カルディナさんが枕営業を通じて占領軍の上層部から得た情報を、  
 できる限りこちらも流して貰おうと思っています)  
(にこにこしてる癖に、相変わらず食えない子ね、風。  
 でも、あいつが本当の事を言うかしら?)  
 
そう毒づきはしたものの諄々とした説得に渋々折れ、  
海は光を放置する事にして着替えに戻っていった。  
それを見て風も、周囲の女たち同様  
衣服を脱ぐべく白蝶貝のボタンに指をかける。  
 
 
海の通う超お嬢様校は、一定以上の収入や社会的に高い地位を持つ  
名士の子女のみに門戸が開かれる、限られたエリート層のための学校であり、  
制服もイタリアの超一流ブランドの手によるもので、  
並の名門私立のそれとは比較にならないほどの非常に高価なものとなっていた。  
 
対して風の通う国内最高レベルの秀才校は、  
優れた頭脳の持ち主という点に於いては共通しているものの、  
生徒の出自は様々で、主として中流以上の庶民層が多かった。  
 
そのため制服もあまり高級という事はなかったが、  
古くからの名家で資産家の娘である風の纏うそれは、  
見る人が見ればすぐにそれとわかる、一流の職人に作らせたオートクチュールだった。  
 
デザインや材質は学校指定の制服のそれと同じであるが、  
生地の原産地は全く別の最高級品で、職人の手による立体的な縫製は  
彼女のボディラインに合わせて完璧に仕立てられ、まるで存在しないかのような一体感を与えている。  
 
制服とは本来個性を主張するためにある衣服とは対照的に  
集団の中に個性を埋没させるためにある見えざる檻のごときものではあったが、  
風のそれは奇抜なアレンジをしているわけではなく、  
この上もなく見本通りに着こなしているにも関わらず、  
外見は周囲が纏う制服そっくりであっても、その実中身はまるで違うという  
慎ましやかながらも高貴な空気を纏っている、彼女そのものを主張する特別性の服なのだった。  
 
その特注の制服をゆっくりと脱ぎ、丁寧に畳んで籠に仕舞いこむ風。  
こちらもオーダーメイドである清潔なカッターシャツを脱ぐとともに、  
やわらかなミントグリーンの下着姿になる。  
 
「あら、変わった下着してるわね、貴方たち」  
「ほんと、カッワイー?」  
「ウフフッ、わたくしたちの世界のものなんですのよ、これ」  
 
風から見ればセフィーロの服飾は古拙、奇抜、装飾過多ではあるが  
同時に地球の衣服に見慣れた目には新鮮に映るように、  
こちらの人間にとっても地球の衣装は珍しいらしく、  
繊細な刺繍の施されたブラとショーツに目をつけて  
周囲の女たちが風のまわりに群がってきた。  
 
どうやって外すの、これ? と訊かれ、  
ここをこうするんですのよ…と、風は背後のホックを外してブラを手渡す。  
同時に中学生とは思えないほど豊かな双乳が、弾むようにばるんとこぼれ落ちた。  
 
やや陥没ぎみの、胸の大きさに比例するような大粒の乳首に、  
普通の少女よりも一回り大きな、ほんのりとオレンジがかった乳暈。  
談笑する風がくすくすと身体を揺らすたび、  
双つの乳果実が作りたてのゼリーのようにぷるぷると震える。  
 
(まったく、同い歳なのに  
 風ったらどうしてあんなに胸が大きいのかしら…)  
 
ぼやきつつ海も、高級感漂うデザインのアイスブルーのブラを外す。  
すらりとしたモデル体型のため決して大きいわけではなかったが、  
つんと上を向いた張りのある美乳が下から姿を現した。  
風に較べると乳首は小さめだが、乳暈は咲きそめの薔薇のように淡く美くしい。  
フェンシングや水泳で鍛えられた腹部も尻も、  
神殿の門を守る戦女神の彫像のような、無駄肉のない整った形をしていた。  
 
「相変わらず胸おっきーね、カルディナ」  
「まぁな。光がウチくらいになるにはあと100年はかかるかもしれへんなぁ」  
 
一方カルディナの傍で、光もまた飾り気の無いストロベリーピンクのスポーツブラを外す。  
下から現れたのは芯の硬そうな未成熟な乳房で、  
膨らみかけとはいえ形が良く、発展途上のために将来の造形が楽しみだった。  
彼女の乳暈は淡いピンク色の海やオレンジがかった風のそれに比べ、  
日に灼けた肌に合わせるように色が濃く、やや赤みがかっていた。  
 
対して、いかにも苦しそうに豹柄のブラを外したカルディナの乳房は  
光とは比較にならないほどの圧倒的な量感を誇り、  
下の服を外すため身体を揺らすたび、まるで牛のように大仰に左右に揺れる。  
ロケットのように挑発的に突き出した健康的な小麦色の乳房と、  
チョコレート色をした大粒の乳頭が、ふるいつきたくなるほどの妍艶さを醸し出していた。  
離れたところで脱衣するチゼータ姉妹の胸も、カルディナに匹敵するほど豊饒だった。  
 
「うんしょ」  
 
脱ぐのは上だけではなかった。光は今度は腰に手をかけてショーツをずり下ろす。  
同時に、なめらかな下腹部とまだ子供のような性器が露になった。  
彼女の秘部は、年齢の割には発育の遅い生え出したばかりの恥毛に包まれていたが、  
それは赤子の頭髪のように細くまばらで柔らかく、  
左右から性器を押しはさむ肉ビラの翳りを殆ど隠してはいない。  
 
対して恥じらいをこめてショーツをずり下ろした風の股間は、  
髪の毛と同じく癖のついた亜麻色の陰毛が、  
フサフサと密生して幅広く股間を覆い隠していた。  
対照的に隣でショーツを脱いだ海の恥毛は、あまり癖が無く艶やかで  
逆三角形に整った分布をしている。  
 
着替えのためとはいえ全裸になって  
鏡の前に美しい裸体を晒す三人の元魔法騎士。  
他の美女や美少女たちも半裸となり、辺りを見回すと、どちらを向いても  
大きさも形も張りも先端の色も、実に様々な乳房の数々と、  
色とりどりの下着の花園によって隈なく彩られていた。  
 
その、男たちにとっては夢のような光景の中で、  
異性の目が無い事に安堵し、警戒心のかけらもなくなった女たちは  
壁の鏡を気にかける事もなく着替えを続け、  
或いは豊かに実った乳果実も露に、鏡の前に立ってポーズを取り、  
他者と比較しての自らのプロポーションを確認したりしている。  
 
彼女たちはメルセデスの科学技術が想像以上に発達しているがゆえ、  
壁に設えられた、一見普通のものに見える巨大な鏡が、  
その実先端技術で作られた映像記録装置となっており、  
光学的に映し出したデータをそのままディジタル変換し、  
現在進行形でネットワークを介して無線で流している事など、  
まったく気づいてはいないのだった。  
 
 
「ウッヘッヘ。ガキのくせにい〜い乳をしてやがる?」  
「ひ、ひ、光ちゃん、カワイイおまんこしてるんだな」  
 
更衣室の外では、三悪党らが更衣室内の鏡の映像にチャンネルを合わせ、  
光たちの脱衣の様子を、まるで本人がそこにいるかのような  
超高画質動画でリアルタイム鑑賞していた。  
 
先刻待合室の壁際で室内を監視していた兵士たちも、  
実はと言えば仕事の合間合間に、  
ポータブルディスプレイを使って現在着替え中の班の女の脱衣姿や  
他の位置に仕掛けた隠しカメラを通じて、検査中の女たちの裸体を鑑賞し、  
本人らの与り知りえぬところでその盗撮映像にニヤついていたのだった。  
 
不特定多数の兵士たちに裸体を見られながらもいっこうにそれに気づかず、  
女たちは今度は貫頭衣のような青灰色のケープに頭を通し、  
脇を紐で縛って検診用の格好になる。  
全員が着替えを終えたところで扉の鍵を開け、  
群れをなして更衣室の外へと出て行った。  
 
列の最後尾にいた海は、扉の外に待機していたダイキチらの姿を見つけると  
すぐに目を逸らして無視したが、「どれ、言いつけは守ったんだろうな?」と言われて  
後ろからケープの裾を掴み上げられる。  
 
「きゃあっ!?」  
 
下布をつけていないほの白い臀部が露になり、海は慌てて裾を押さえて尻を隠すと、  
相手のたるんだ頬へと強烈なスパンクをお見舞いした。  
ヘッヘッヘ…と頬をさすりながら薄気味悪い笑みを浮かべ、  
ダイキチは小走りに遠ざかりゆく海の後姿を、満足げに見送ったのだった。  
 
 
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    XX\◆検尿  
 
 
更衣室を出て別の兵士に中央回廊へ案内される。  
そこでは写真撮影、レントゲン、身体測定、血液検査、  
性器の視触診、問診、高周波超音波検査、検尿などの貼り紙がなされ、  
検査項目別に分かれた部屋に、それぞれ女性たちが列をなして並んでいた。  
 
性器の視触診と聞いて嫌な予感がしたのみならず、  
これ全部受けなければならないのかと思い、光たちは頭が痛くなって立ち尽くす。  
対して風は、本来なら当たり前のようにあるべき筈の  
視力、聴力、血圧検査ほか、内視鏡検査、胃バリウム検査、  
肝機能や腎機能検査をはじめとする様々な項目が  
なぜかごっそり抜けている事に気づいて、その恣意的な偏りが  
何に基づいたものであるのか静かに思いを巡らせた。  
 
先に入った班の女たちがあちこちの部屋を行き交っている中で、  
年長者のカルディナがリーダーぶって提案する。  
 
「ひと塊になってみんな同じところに並んどったら混んでまうわ。  
 みんなバラけて空いたところに行くのがええと思うで」  
「あらあら、敵の企画した健康診断について  
 ずいぶん協力的ですこと、この裏切り者の踊り子さんは」  
 
冷ややかに海が揶揄する。  
しかしカルディナは大人の余裕を見せて  
 
「うちらの仕事は体が資本や。どの仕事でもそうやけど、  
 大切な商売道具にはきちんとしたメンテナンスが必要やろ」  
「商売道具ねぇ…」  
 
なおも軽蔑しきった目を向ける海をよそに、  
「わたくしたちはあちらに参りますわ」と告げてチゼータ姉妹が離れ、  
「性病検査」の列へと移っていった。  
 
これまで何百人もの不特定多数の女たちと、  
交わってきたと豪語するサムスンに散々に犯されたのだから、  
おかしな病に感染していないか気になるのは当然の事であった。  
 
カルディナが積極的に健康診断を受けようとしている理由もそこで、  
これまでの長い放浪の旅の中で、春を鬻いで日銭を稼いできたものの、  
梅毒やエイズなどで身を持ち崩した娼婦たちの末路を嫌というほど見てきたからだ。  
 
そのため、カルディナも第一に性病検査を受けようとしていたが  
込んでいたため最も空いている部屋を見つけて移動する。  
 
「私たちは最初どこにする? 光」  
「う、海ちゃん、私、オシッコ行きたい〜」  
「はいはい、まずはそれからにしましょうね」  
 
元魔法騎士の三人は、「検尿」の部屋の入口に置かれた  
空の紙コップを取ると、一緒にトイレへと向かった。  
それぞれ個室に入り、鍵をかけ、腰を下ろして尿意が訪れるのを待つ。  
 
「ふぅ…」  
「きゃああっ!?」  
「えっ…どうしたの光!」  
「大変海ちゃん、手にかかっちゃったよ〜」  
「何やってんの、コップはちゃんと密着させて使いなさい!」  
 
壁ごしに隣室の光を叱りつける。  
まったくもう、いつまで経っても子供なんだから…  
とぼやくも  
 
「きゃああっ!?」  
「今度はどうしたんですの光さん!?」  
「大変風ちゃん、コップから溢れちゃったよ〜」  
「出しすぎですわ、光さん!」  
 
手を洗ってトイレを出ると、元魔法騎士たちは  
色合いも泡立ちも様々な尿をたたえた、ほかほかと湯気を立てる生暖かい紙コップを  
こぼさないよう注意しながら尿検査の部屋まで持ち帰った。  
 
自分の排泄物を検査台に置き、白衣を着た検査官にひとりひとり名前を確認される。  
光は特に気にした様子もなかったが、排泄したてのものを他者に見られる恥ずかしさに  
風は終始俯いたままで、海は検査室を出ると  
「何の羞恥プレイよ!」と、顔を真っ赤にしたまま激発したのだった。  
 
一方で最初の検査を終え、次に問診による  
自覚症状及び他覚症状の有無の検査も終えたカルディナは、  
今度は本来肺病変や腹腔の異常を調べるためのレントゲン検査の部屋に入っていた。  
 
だが内部で行われていたのは予想に反し、  
一人一人がレントゲン撮影室に入ってのX線撮影だけではなかった。  
その前にまるで本物の囚人でもあるかのように、  
服を全て脱いだ裸にさせられ、5センチごとに横線を引いた壁の前に立って  
直立している姿を正面と背後と真横からデジカメで撮影される。  
 
一度写真に撮られてしまえば半永久的に記録が残るので、  
当然ながら裸を撮られる事に難色を示す者や、公然と抗議をする者も少なくはなかった。  
だがそうした者たちは、部屋の隅に立って監視していた兵士たちに  
無理やり別室へと連れていかれ、  
バシン、ドシンと、こちらまで届くほどの荒々しく耳に痛い物音が響いた後に  
泣きながら皆の前に姿を現し、別人のような従順さで悄然と写真を撮影される。  
 
こちらの目の届かぬ所で一体何をされたのかは判然としなかったが、  
彼女たちのようになりたくはないと思い、他の女たちは自ら進んで脱衣し、  
粛々と兵士たちの指示に従っていた。  
 
自分の番が来るまでまだ時間があったため、カルディナは辺りを見回すと、  
検査に従事しているわけでも部屋を監視しているわけでもない、  
部屋の隅で机に向かいPCを操作している者の姿が属目された。  
興味を抱いてそっと背後から覗き込むと、その人物はここで撮影した写真を入力し、  
他の部署から送られてくる検査結果のデータと組み合わせて、  
後宮に登録された女たちの、一人一人のデータベースを作っているようであった。  
 
(ふーん。何やら、この不自然な健診の本当の理由がわかったような気がするわ…)  
 
勘のいい彼女は、一見慈善事業でもあるかのように見える今行われている行為が、  
ただの健康診断ではなく、後宮に囚われている女たちの  
今後の運命を大きく左右しかねない重大なものである事に気づいた。  
しかしそれが今更どうこうしようもない事であるのにも気づいたので、  
特に身構える事もなく、これからの保身と  
かねてから立てていた戦略の微修正へと思いを巡らす。  
 
丁度撮影を終えて退室しようとしていたチゼータ姉妹を見つけてつかまえると、  
そっと耳元に囁きかけた。  
 
「何ですの?」  
(クレフの探索と敵艦隊内の様子を探るため  
 偵察に出しとる精霊たちは、一体どうなったんや?)  
(まだ何も連絡は来ておりませんわ)  
(こちらから連絡する事はでけへんの?)  
(あまりにも遠すぎる場所にいるので無理でしてよ)  
 
だいたい煙に姿を変えていてさえ、あいつらをまっ昼間に  
庭に下ろすのは目立ちすぎるんだよ、とタータが口を挟む。  
 
(心配せずとも夜陰に乗じて、魔狼の刻限(午後11時頃)には  
 戻る算段になってるから、それまでのんびり報告を待ってりゃいい)  
(それならええんやけど…)  
 
上の方で不穏な動きは見られないか、  
この膠着した現状を打破するための、ごく小さなものでも良い、  
何か解決の糸口が見えはしないか、  
そして何より、早くラファーガの安否を知りたい、とカルディナは思った。  
 
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    XXX◆処女膜  
 
 
検査の半分以上を回り終え、つい先ほども  
身長、体重、スリーサイズや体脂肪率などを測って  
身体測定の部屋を辞した光たちは、  
今度は貼り紙も確認せずすぐ隣の部屋へと足を踏み入れた。  
しかしすぐにそこに展開するシュールな光景を見て後ずさりする。  
 
「きゃああっ!?」  
 
そこでは性器の視触診が行われていた。  
使い込まれてだらしなく撓み、肉ビラの肥大化した黒々とした股間部や、  
まだ子供のような幼さの残るワレメなど、様々な女性器が  
横並びになって晒されている様は一種異様な雰囲気を醸し出している。  
 
思春期に入ってすぐの頃、海は学校のトイレで携帯のカメラを、  
風は家族が寝静まった頃合に自室で手鏡を使って、  
こっそり自分の性器の様子を事細かく観察し、  
奥まで開いて内部を覗き込んだ事があったが、  
自分のものですらまだまともに見たこともない光は、  
剥き出しになったそのグロテスクな造形に思わず悲鳴を上げてしまった。  
 
女性器の形状の多様さはペニスの比ではなく、  
こうして並べて見較べてみるとその差がより顕著で、  
他にやる事もないので海と風は、とりあえず診察台に並ぶ開脚した女たちの秘部を  
端からひとつびとつ眺めやる。  
 
(あ…あら? あそこを綺麗に剃毛なさっているんですのね、あのお二人は)  
 
数分前に入室したばかりのタータとタトラに気づいて風が指摘する。  
二人は他の女たちに混じって分娩台の上に寝そべさせられ  
脚を大きく開いた状態で、隠すものとて無い性器を露にしていたが、  
色合いや毛質、分布や密度など、  
それぞれ個性的な陰毛を晒したこの場の女性たちの中にあって、  
成熟した作りとは裏腹の、人目を惹く無毛の恥丘を晒していた。  
 
(きゃあっ!? な…何であんな所にピアスなんかしてるのよ、あのヘンタイ姉妹は!)  
 
そのうえ、大きく開かれた股間にきらりと輝くものがあった事に、  
わが目を疑った元魔法騎士たちが目をこすり、再び目を凝らすと、  
タータはクリトリスに白銀の、タトラは大陰唇に黄金の  
ピアスを連ねている事に気づいて驚いて目を丸くする。  
 
「こら、何ジロジロ見とるんや。見世物やないでジャリ共!」  
 
気を悪くしたタータがチゼータ弁丸出しで怒声を飛ばす。  
気まずい思いをして一時的に目を逸らす光たち。  
そこへ眉から鼻の下までもを覆う、一体型の大きなグラスをつけた軍医たちが歩み寄り、  
姉妹に声をかけると、消毒したクスコを取って事務的に股間へと挿入した。  
 
「ううっ…!」  
 
敏感な粘膜を押しのけて挿入される冷たい金属の感触に、  
ぞくりと背中の産毛を逆立てるタトラ。  
嘴状の先端部が開かれるとともに膣穴が大きく割り拡げられ、  
テラテラと濡れ光る内壁の様子はおろか、奥部にひそやかに口を開く  
ピンク色の子宮頸部までも露になる。  
 
その隣で昨日まで処女だったタータは、人前に裸を晒すのも恥かしい性格ではあったが、  
サムスンに抱かれ、散々嬲られたた事で何かが吹っ切れてしまったらしく、  
耳朶までも紅潮しつつも、そっぽをむいて膣内を観察されるがままに任せていた。  
その間にも白衣の担当官たちはペンライトで双子の膣内を視診し、  
サイトピックで内部の細胞を採取して、それを助手に手渡して顕微鏡で観察させる。  
 
クスコが引き抜かれ、腹部の上から指で押して  
子宮や卵巣の形や硬さを確かめると、検査が終わり  
チゼータ姉妹は台から下りる事を許可された。  
かわって今度は光たちの番になる。  
 
「ええっ…私たちもあんな事されちゃうの…」  
 
最も恥かしい秘部を、軍医だけでなく監視の兵士や、  
受診に来た他の女たちも屯している、この衆人環視の中で晒さねばならない事に  
元魔法騎士の三人はいずれも恥ずかしがって台に上がるのを躊躇した。  
 
しかし声をかけられてもまごついているだけの彼女たちに対し  
まだ半分以上未診察の患者が残っているのに  
このままでは進行が滞って全体に影響が出る、  
あまりぐずぐずしていると首輪ごと頭を吹き飛ばすぞと医師に脅され、  
意を決して分娩台の上に身を横たえる。  
 
恥じらいながらゆっくりと足を開いてゆくにつれ、  
ぴっちりと閉じていた尻たぶが卑猥なほどに左右に割れてゆき、  
奥へ隠れていた、色素の僅かに沈着した肉皺の窄まりまでも露になる。  
やがて持ち上げるように設えられた足台の上に両のふくらはぎを載せるとともに、  
三人の美少女の無垢な秘部が、真下からのアングルで  
余すところなく医師たちの前に露になった。  
 
恥ずかしさのあまり顔を覆う光、唇を噛み締めて絶える海、  
不安げに軍医の方を窺う風。  
白衣の男たちは彼女たちの意思などに頓着せず、  
薔薇の花びらを外側からめくっていくように、  
幾重もの肉が折りたたまれた形状の性器をひとつびとつ伸ばし広げ、  
肉襞の裏側までも事細かに調べてゆく。  
 
そしてまだ何の色素沈着も見られない薄桜色の小陰唇を割り開き、  
鮮やかな性器粘膜と小さな尿道口、ヒクヒク蠢く膣穴と  
その内部をフリルのように取り巻く霞のような薄膜が露になった。  
 
ヒューと、同時刻、手元のポータブルディスプレイを覗き込んでいた  
各所の兵士たちがいっせいに口笛を吹く。  
 
軍医が装着している大型のグラスもまた、更衣室の鏡同様  
OSを有した光受容体となっており、光学的に捉えた映像を即座にディジタル化して  
無線によってリアルタイムでネット上に流していた。  
 
そのため今まで一度たりとも異性に見せた事のない光たちの初々しい秘唇は、  
本人たちの与り知り得ぬところで、  
チャンネルをこの局に合わせていたあまたの兵士たちの晒し物にされ、  
ライブ映像に被さるように、ブラウザ上でニコ○コ動画のように  
感想の文字が左から右へと流れてゆく。  
 
『ちょwwww キタコレ』  
『ヒョー、三匹とも処女かよ?』  
『キレーな膜だわ』  
『どいつもこいつも個性的な形してんなー』  
『カチューシャっ子は俺の嫁!』  
『俺はケツを頂くZE!』  
『解禁日マダ〜?(チンチン』  
『おまいら弾幕自重しろ』  
 
元魔法騎士の3人はいずれも男性経験が皆無らしく、  
膣口の入り口に綺麗な処女膜を有していた。  
そのためじろじろと観察されはしたものの、クスコを挿入される事はなく、  
手短に検査が終了する。  
 
ほっと胸を撫で下ろし、分娩台から降りる光たち。  
しかし今回撮影された画像は何度も再生や鑑賞が可能となり、  
光たちに異常な執心を抱いている三悪党らは、  
監視の仕事をサボり、その映像をオカズに舌なめずりしていた。  
 
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    XXXI◆盗撮  
 
 
「(*´Д`)'`ァ'`ァ  は…早く、光タンの処女膜をブチ破りたいんだな」  
「風ちゃんのケツ穴、皺が深くてとっても可愛いナリよ」  
「まじーぜ、今の生中継ですごい反響がきやがった。  
 こりゃボヤボヤしてると他の野郎どもに取られちまうぜ。  
 せっかく俺たちが最初に目をつけた、滅多にねぇ上玉をよ」  
 
三悪党らは光たちが着衣を脱ぎ捨てた更衣室に籠り、扉に鍵をかけると、  
予め5箇所設置されていた監視カメラ全てに女たちの衣服をかぶせ、  
他の兵士たちからは一切内部が見えないようにしていた。  
そしてまだうっすらと体温が残る、それぞれが目をつけた少女の下着に手を伸ばし、  
変質者そのものの卑猥な行為に耽りはじめる。  
 
「おおっ、あんな綺麗な顔しといて、  
 くせぇ、くせぇぜ海…?」  
 
ダイキチは海のブラやショーツを取って目の前で広げ、  
鼻に密着させてさも芳しそうにその匂いをクンカクンカと嗅ぐ。  
 
海は昨夜こっそり自慰に耽っただけでなく、思いのほか行為に熱中し、  
挙句目覚めてからまだ下着を換えていなかっため、  
クロッチ部分には大量におりものの汚れがつき、  
かつブラにも、ジョギングの際に染み付いた汗の匂いが残っていた。  
 
そうした生理的な汚れに対して興奮する変態的性癖らしく、  
頭がクラクラ来そうな特有の媚臭をひとしきり嗅ぎまわった後は、  
数刻前に柔らかい海の性器が押し付けられ、ぴっちりと尻たぶを包んでいたショーツを  
本人の性器の代用品として、鼻息を荒げながらベロベロと舐め回す。  
 
「クフフッ、風ちゃんのFカップブラ、このまま持ち帰って  
 我輩の美少女下着コレクションに加えるナリよ ( * ̄▽ ̄*)ノ」  
 
その傍らでデミオは、猫耳のように風の巨乳ブラをかぶり、  
ポータブルディスプレイを眺めながらせわしくペニスをしごいていた。  
 
“盗撮”が開始されたのはこの健康診断中の事ではなかった。  
財宝を略奪した後、この聖域を「後宮」へと作り変えるため  
様々な調度を運び込んで改装を行った際に、  
メルセデス軍は各所に巧妙に隠しカメラを設置していた。  
 
女たちの逃亡監視のために、中庭周囲や出口となる2箇所の門へと、  
また卑猥な覗き趣味のために、全ての宿泊部屋や共用施設へと、  
至近で調べても全くそうとはわからぬ形で、  
壁や小物と一体化した最新式のカメラを無数に潜ませた。  
 
そのため昨夕から今日の午後に至るまで、  
この広壮な牢獄に囚われた女たちの生活の様子は  
いくつものアングルからその殆どの姿が記録され、  
娯楽品として兵士たちの間に出回っていた。  
 
「ククク…馬鹿な奴らナリなぁ。  
 生活の殆どが、全部筒抜けになってる事も知らないで」  
 
デミオが眺めるディスプレイの中では、  
ピンクの大理石貼りの明るく広壮な公共浴場で、  
沢山の女たちが裸で入浴している様子が表示されていた。  
 
通常の入浴とは異なり、全員が首輪をつけているため一種異様な光景ではあったが、  
心身ともに安らげる貴重なリクライゼーションタイムのため、  
概ね明るい表情で仲間同士藹々と戯れている。  
 
その中には元魔法騎士たちたちの姿もあり、  
少年のような体つきも露に、髪を下ろして椅子に座った光の頭を、  
後ろから指で泡立てた後、シャワーで洗い流してやる海の姿や、  
陥没乳首ぎみの豊かな胸を晒け出したまま、  
柔らかなスポンジでボディソープを全身に塗り広げる、  
眼鏡を外した風の姿が映し出される。  
 
プリメーラは光の側で、洗面器に湯を張った小さな浴槽に  
大きく足を投げ出したラフな姿勢で漬かっており、  
アスカは人ごみを離れた大浴槽の隅で、一人で首まで湯船に浸っていた。  
プレセアはサウナ室の中で、性器や陰毛も露に  
隠しカメラに大きなお尻を向けながらあちこちの壁を調べている。  
 
「ウフフッ、みんな、とってもカワイイナリよ…?」  
 
片手でポータブルディスプレイを操作し、  
浴室内で盗撮された動画コンテンツ一覧をフリップして次々に場面を切り替えながら、  
デミオはもう一方の手で猿のようにペニスをしごきたてる。  
 
単なる手淫ではなく、その手には  
クロッチの裏地に薄い黄色の染みのついた、  
ミントグレーンのショーツが握られていた。  
少し前まで風が穿いていた、ほのかに彼女の体温を宿した下着で  
ペニスを包み込む事により、まるで風の華奢な手が、  
自分のペニスをゆっくりとしごいてくれているかのような錯覚すら覚える。  
 
「ハァッハァッハアッ…ふ、風たん、とってもいいナリナリ〜?」  
 
そして陰茎をスライドする速度を次第に増しながら、鼻息を荒げ、  
笑顔の風が膝立ちになって自分に奉仕している都合の良い脳内妄想へとダイヴする。  
さらには彼は、風が口いっぱいに自分のペニスを頬張り、  
頭を前後させて甲斐甲斐しく口淫を行っている姿を思い描き  
ショーツでくるんだ肉棹をしごきながら、遂に極みに達して  
“風”の口内めがけて激しく慾望を解き放った。  
 
「うッ…! イクイク…イクなりよキテレツ〜〜〜!」  
 
──ビュクッ! ビュククッ!!   
 
脳内においてはペニスを頬張る風の口内に  
たちまちのうちに生臭い精液のプールが出来上がり、  
現実においては彼女の下着を強烈な香りを漂わせる白濁液でしとどに濡らしながら、  
痺れるような肉悦に身を浸したのだった。  
 
 
………………………………………………………………………………………………  
 
 
    XXXII◆排便  
 
 
「ウ…ウフフッ…、こ…こうして服を着ると、  
 し…締め付け具合で、光タンのちいさな体のサイズがよくわかるんだな」  
 
その隣で、全裸の上にきつきつのサイズの光のブラとパンツを身に着けたビーゴも、  
嬉々としてディスプレイを覗き込んでいた。  
だが、そこに映しだされているのは浴室ではない。  
先程光たちが検尿の際に駆け込んだのと同じ、  
ここエテルナ神殿の後宮共用女子トイレに6室設けられた個室の内部だった。  
 
通気を良くするため天井が高く設計された、清潔な白い個室の一角には、  
消臭のため匂いの強い花を活けた花瓶が置かれ、  
装飾に乏しいシンプルな内装に一点の華やかな彩りを添えている。  
セフィーロ国には洋式便器は存在していないらしく、  
床に設置されているのは和式に近い型式の便器だった。  
 
そして、女性にとって最も見られたくない忌避すべき姿である、  
トイレにおける排泄の様子までもが、全室に設置された  
無数のカメラによるマルチアングルで克明に記録されていた。  
 
「ウ…ウフッ、フッ。ひ、光タン、オシッコするところもカワイイんだな…?」  
 
変態根暗男がディスプレイの照り返しに眼鏡を輝かせて見詰める中で、  
画面の中ではトイレのドアが開き  
小走りに入ってきた光が素早く個室に鍵をかけた。  
 
(やばい、もれちゃう、もれちゃう)  
 
せかすようにショーツを下ろし、大きく脚を開いて便器に跨る。  
プックリと肉まんのように盛り上がった恥丘と  
綻びはじめた蕾のような発達途上の性器が  
暗所にも関わらず、便器内部に設置された最先端の赤外線投光カメラによって  
自然の色合いを損なう事無く鮮明に画面に大映しされる。  
 
──チョロッ…ジョロロロロ…  
 
ほどなくして、ピッタリと閉じた左右の肉扉の狭間から、  
湯気をたてて勢いよく尿が迸った。  
しかしそれは厚手の肉ビラに引っかかり、軌道が狂って  
斜めに抛物線を描きながら便器の端でチョロチョロと水音を立てる。  
肉唇に当たった分は性器を伝い流れてアナルにまで達し、  
ポタポタと尻の穴から滴り落ちていた。  
 
(良かったぁ…間に合ったよ)  
 
曲がった尿を飛ばし、尻までずぶ濡れにしながら安堵の吐息をつく光。  
スポーツによる新陳代謝の加速と発汗による水分低下で煮詰められた状態のため、  
彼女の尿は色が濃く、きつい匂いを漂わせており、  
大量に泡を纏いつかせて便器の中を黄色く染め上げていた。  
 
誰の目も届かない密室に安心しきっているためか、  
ややあって短い放尿を終えると、光は小さく息んで  
プッ、プスプスッ、と音を立ててニ、三度連続で放屁する。  
厳格な武門の家系でみっちり礼節を仕込まれて育ったため、  
人前では決して見せることはなく、常に我慢し続けているものの、  
誰もいない静かな空間で自分を解放できた時のみ見せる、はしたない姿。  
 
──ブホッ!  
 
(や、やだ。まさか誰も聞いていないよね?)  
 
 
そうこうしている中、再度お尻に力を込めるとともに、  
まるで喇叭を鳴らしたかのような予想外の高い音が上がってしまった。  
赤面するとともに蒼ざめるという器用な真似をしながら  
光は心音を高鳴らせて耳をそば立てる。  
 
しかし運悪く他の部屋には女たちが入っていたようで、  
流水音や蝶番の軋む音の後に、  
カツカツと音高い靴音が光の個室の前を通り過ぎ、  
手洗い場で小さく水音を立てた末にトイレを後にした。  
 
(うわぁぁ…やっちゃったよ…恥ずかしい…(ノ_<。))  
 
放屁音を聞かれてしまった事に、耳朶までも紅潮して顔を覆う光。  
その上相当匂いがキツかったらしく、ディスプレイの中で彼女は  
鼻をつまみながらスカートの端を持ってパタパタさせる。  
 
まさか行為の一部始終を撮影されているなどとは夢にも思わず、  
少女は大雑把に股間を清めて立ち上がると、水を流し早足で部屋を出て行った。  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
「こ…こ、今度は、  
 ほ…ほ、ほかの子のトイレも見てみるんだな」  
 
排泄マニアのビーゴが、このたった22時間内で撮影された  
100以上もの映像ファイルのうち一つを選択して開くとともに、  
新たに場面が切り替わる。  
 
そこに映し出されたのはやはりトイレの個室だった。  
しかし壁際に活けられた花の種類が異なる事から先刻とは別の部屋らしい。  
 
コンコン、と扉が叩かれ、しばらくして反応が無いのを確かめた後に  
扉を開けて新たに入室してきたのは風。  
彼女はすぐに腰を下ろそうとはせず、  
悠揚迫らぬ様子でいったん眼鏡を拭いて掛けなおすと、  
せかせかしていた光とは対照的に、落ち着いて緩やかにショーツを下ろし、  
密度の濃い陰毛に覆われた秘部を露にする。  
 
大きく股を開き、ゆっくりと腰を沈めるとともに、大陰唇がパックリと開き、  
光のそれより大分大人らしく形の整った性器と、  
肉ビラの間からかすか覗く鮮紅色の内部粘膜が  
便器前方の隠しカメラの真正面に至近距離から映し出された。  
 
(うんっ…!)  
 
風は放尿する様子もなく、下を覗きながら小さく息みはじめた。  
正面から見ると何も変化は見られなかったが、  
便器そのものと一体化し、傍目には見分けのつかない真下のカメラは  
彼女の尻たぶの狭間に息づく鳶色の肉皺が、ヒクヒクと煽情的にうごめき  
ゆっくりと肛肉が盛り上がっていく様を鮮明に捉えていた。  
 
──メキ…ッ パキパキ  
 
ややあってアナルを円形に押し広げ、  
ごつごつと溝を刻んだ茶色い塊が内側からその姿を現す。  
 
(ふっ…んん…っ)  
 
風が腹部に力をこめるとともに、それはゆっくりと押し出されるようにして伸びていき、  
拳を強く握り締めて何度も唸るうちに、  
やがて先端が便器の底に触れるか触れぬかの高さにまで垂れ下がる。  
 
それはお淑やかで清楚な普段の彼女の姿からは想像できないほどの、  
野太くたくましい巨大な便塊だった。  
ストレスで5日間の便秘になっていたものがようやく姿を現したのだが、  
あまりの太さに肛門を通過させる事ができず、  
桃尻から15pほども伸びたままピクリとも動かない。  
 
(うっ…う〜〜ん…硬いですわ…)  
 
下腹を直接手で押しながら、大きく息む風。  
その度に前の穴の括約筋も弛緩と緊張を繰り返し、  
膣口がヒクヒクと金魚の口のように痙攣する。  
 
彼女の尻穴から伸びた金塊はしばらく動きを止めたままであったが、  
両手で尻たぶを左右に割り開いて再び息むとともに、  
ようやく最も太いところを超えたようで、一気に残りの部分が噴出してきた。  
 
──ブブブッ…ブッ…ブブ…ッッ!  
 
メリメリ、モキモキと音を立て、脱肛するほどに裏返ったアナルから、  
雪崩のように滑り落ちていく茶褐色のくちなわ。  
全長30センチほどもある蛇のような一本糞が、  
前方と後方、側面と真下の4つのカメラの前に同時にその極太の姿を晒け出し、  
ぶちりと切れて水音とともに便器の中に横たわる。  
 
風は大の後に小を出すタイプらしく、腸内の圧迫感が去った事に  
安堵したかのように尿道を緩めると、まるでシャワーを振りまくようにして  
肉襞に当たって拡散した尿を飛ばしはじめた。  
ややあって彼女は全ての排泄を終えて大きく吐息する。  
 
(ふぅ…)  
 
便器の中を覗き込み、排泄に苦戦を強いられた便の大きさと形、  
現在の健康状態を知るための硬さや色艶、未消化物の有無を確認する。  
さらにトイレットペーパーを取って尻を拭い、それに対しても  
括約筋が切れて血がついていないかどうかを確かめる。  
 
几帳面な性格で、あらゆるものに対して  
観察癖と分析癖のある彼女らしい行為ではあったが、  
もし悪戯な誰かがこの記録映像をフェリオに見せようものなら、  
フェリオは風のひり出した固形物の信じられないほどの太さと長さにおのが目を疑い、  
彼女に対する印象をすっかり変えてしまっていた事だろう。  
 
(今日のウンチは凄かったですわ。お尻が切れるかと思いましたもの…)  
 
魔法機関を利用した装置で水を流すと、  
次に使う者の事を思ってトイレットペーパーを丁寧に三角に折り、下着を引き上げる。  
一度拡がりきった括約筋がまだ落ち着かぬ様子で  
やや腰を浮かしながらも、風は後を汚さず退室していった。  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
 
    XXXIII◆経血  
 
 
「ヘッヘッ、次はアイツがどんな面でどんな形のクソしてんのか  
 俺様がじっくりと見てやるとするか」  
 
ビーゴの横で、ダイキチもまた手元の装置で悪趣味なトイレの盗撮映像を鑑賞していた。  
彼女の目当ては海。  
見ると、ちょうど先刻の盗撮映像の少し前、風と一緒にトイレに入室してきた彼女は、  
何やら腹部を押さえ、苦しげに眉間に皺を寄せていた。  
そして風が一番奥の個室に入ったのを見届けると、  
風から見て最も離れた位置にある、入口側の個室に入って素早く鍵をかける。  
 
(ううっ…何だかお腹が痛いわ…  
 まったく、衛生管理も満足にできていないド田舎の食べ物はこれだから…)  
 
内心で毒を吐きつつ、急かした様子で下着を下ろし便器へと跨る海。  
用を足す音を聴かれぬよう、はじめに水を流して音を掻き消しながら盛大に放尿をはじめる。  
光のそれとは異なり色の薄い聖水が、綺麗なアーチを描いて勢い良く前方へ迸り、  
その流れに触れた陰毛がふるふると揺れ、  
放尿が終わるとともに、雫を纏いつかせた毛先が重たげに纏まって垂れ下がる。  
 
(…いったい何が悪かったのかしら。お昼に食べたアレかしら…)  
 
膀胱を空にした海は、今度は腹部に力を込めてアナルを裏返しはじめた。  
やがて風のそれに比して黄色みの強い直腸の内容物が、  
彫像のように美しい少女の股間部から、  
容器を圧迫されたチューブ入りチョコレートのように細長くひねり出される。  
 
(痛っ…いたたた…)  
 
乗馬などの一部訓練を除けば幼少より無菌室のような環境で育てられてきたため、  
海は光や風に較べて格段に胃腸が弱かった。  
そのためセフィーロに来てからというものたびたび腹痛に苦しめられてきたうえ、  
この日もまた奥歯を噛み締めて必死に苦痛の大波に耐え続ける。  
排泄中にも関わらず腹部がまだパンパンに膨れ上がっている事から  
長丁場になると判断したらしく、海は折り畳み式の手鏡とコームを取り出すと、  
角度を変えて自分の顔を覗き込みつつ、排泄中の余暇を利用して繊細な直髪を整えはじめる。  
 
(痛い痛い痛い…。その上お腹だけでなく髪の方も痛んでるわね…  
 は…早く東京に帰って入念にお手入れしたいわ…)  
 
いつ何時も美貌の手入れを欠かさぬ性格らしく、  
鼻筋が通り顔立ちの整った自らの鏡像を眺めながら、  
前髪の乱れを手直しし、ファンデーションの乗りを確かめる。  
その真下で彼女の下半身は、ボトボトと柔らかめの便を間歇的に吐き出していた。  
便が切り落とされるたびにポチャン、ボチャンと、重量に比例して高低する水音が響き、  
ミチミチ、プリプリとなおも休む事なく便が吐き出される。  
 
顔、股間、横、後、下、上と、6つのカメラを切り替え  
様々な角度から海の排便姿を鑑賞しながら、  
ダイキチはペットを見るような蔑んだ目でモニタを眺め、ニタニタと微笑んでいた。  
古今東西、年齢や身分の別無くどれほど美しい女性であっても、  
生きている以上は必ず排泄せねばならず、  
さらに狭い密室の中で汚らしい便を吐き出しているその姿は  
畢竟檻の中で自若として糞をひり落とす、  
下等な小動物と何もえらぶところが無いからだ。  
 
 
──ビッ…ビビビビビ…ッ ビチビチビチ…!  
 
(くっ…くうぅぅぅぅ〜〜〜っっ)  
 
排泄が進むにつれ海の便は  
次第に柔らかく液状になっていき、それを受け止め続ける便器の中は  
排泄された固形物がこんもりと堆積し、尿や下痢が混ざって汚泥色に濁っていた。  
海の強さと美貌、清潔感、それに異世界から来た神秘性に、  
淡い憧れと強い恋心を抱いている純朴なアスコットが、  
もしこの場にいてその匂いを嗅いでしまおうものなら  
イメージとのあまりの落差も相俟って、即座に失神してしまっていた事だろう。  
それほどの猛烈な悪臭だった。  
 
海はレースのハンカチで鼻を塞ぎ、下痢が途絶えてからもしばらく踏ん張っていたが、  
30分以上も続いた死闘の末にいつの間にか腹痛が去った事で、ようやく長かった排泄を終える。  
尻を拭いた紙を投げ捨てると、彼女は排泄物にも紙にも一瞥もくれずに手早く水を流し、  
そそくさと部屋から立ち去ってしまった。  
 
彼女は風のように下を覗き込みながら用を足すような真似はしない。  
彼女にとって排泄物など一切の例外なく心底忌避すべき厭わしい存在であり、  
醜いものは一切目に入れたくないという、潔癖な性格の現れでもあった。  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
「最後に少し年増だが、あの金髪ポニテでも見てみるとするか…」  
 
目当ての少女の排泄が終わり、ディスプレイを操作して場面を切り替える。  
新たにクローズアップされたのはプレセア。  
彼女は生理の真っ只中のようで、苛立ちを全身で表しながらトイレに乗り込むと、  
苦しげに下腹部を押さえつつサニタリーボックスにタンポンを廃棄し、  
便器に跨って股間から腥い経血を垂れ流していた。  
 
あまりにも長すぎてしゃがみこむと先端がトイレの床に触れてしまうため、  
彼女はトレードマークのポニーテールをマフラーのように首の周りに巻きつけていたが、  
その毛筋を指先でつまんで摺り合せながら、ブツブツと何かを口走り始める。  
 
(まったく…カルデ…ナ…たら……  
 それに…メルセ……の蛮族め……な…わ…  
 …くに……ムスン……許………  
 でも…幸い…僅かなが……  
 ……づかれず……スクード…手元……まだ…  
 …………)  
 
ふいに黙り込むと、便器が真っ赤に染まるほどの血を流しながら  
イライラと爪先を震わして物思いに耽り、  
そのうちにぎり、と親指の爪を噛んで再度呟く。  
 
(それにしても……困…たわ…  
 魔神は…3体…撃墜……  
 主だった…全員……捕縛…  
 ……いいえ…確か……  
 ………れど…太古の……に…された……4体目……まだ……。  
 …でも……よ…によって……ルセデ……帝都…  
 せめて……なら……のに…)  
 
声が低く、途切れ途切れにしか音声を拾えなかったため  
彼女が何を言っているのかは判然としなかった。  
やがて辛いところを超えたのか、プレセアは新しいタンポンを挿入し  
肩を怒らせながら個室を出て行った。  
 
「ケッ。どいつもこいつも、臭そうなモンひり出しやがって 」  
「き…き…綺麗に装って、お…お…お高く止まっていても…  
 じ、実態はこんなもんなんだな」  
「風ちゃん、拙者よりはるかにウンコが太いナリナリ〜(つД`)」  
 
ディスプレイに映る悪辣な盗撮映像を眺めつつ、  
光たちの生下着を使ってオナニーに耽る三悪党。  
 
彼らは汗や秘部のほのかに酸い香りを漂わせる下着を  
嗅いだりしゃぶったり、ペニスをくるんだり絡み付けて縛ったり、  
かぶったり自分で穿いたりと、ありとあらゆる変態行為に使っていたが、  
そのうちに元魔法騎士たちのものだけでは満足できなくなったのか、  
手荒に衣装籠を蹴飛ばし、散乱した中から他の女の下着までも漁りはじめた。  
 
しかしその犯罪行為の最中、ドンドンドンと、  
更衣室の扉を叩く強い音が響き渡り我に返る。  
 
ディスプレイの映像を廊下の監視カメラに切り替えると、  
扉の裏側では、検査を終えた女たちが列をなして群がっていた。  
この状況をどうするべきか短く考え込むも、列の先頭に海たちの姿があるのを認めて、  
ダイキチはニタリと笑う。  
 
「なぁおめぇら、せっかくイイ気分になってきたんだし、  
            . . . .  
 いっそのこの場であいつらを食っちまわねぇか?」  
「で…で…でも、か…か…解禁日前に手を出してしまったら、  
 ぶ、部隊内軍規に触れてしまうんだな」  
「なぁに、構やしねぇよ。そんなもんいくらでもごまかしようが利く」  
「そうそう、ビーゴ。そんな事言ってグズグスしてたら  
 他の奴らに手をつけられてしまうナリよ。  
 滅多に無い上玉が勿体無いナリナリ〜( `∀´)=3」  
「バレねぇように口封じしときゃいいんだよ、なぁ?」  
 
視覚による豊富でどぎついオカズと、下着に染み付いたフェロモンの齎す嗅覚の性刺激。  
それらのシナジーによって射精寸前にまで昂った情慾の中、  
色に狂って理性を無くした目で互いに見交わす。  
それにより意見が一致したのか、三人は携帯機を置いて扉に歩み寄った。  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
 
    XXXW◆拘禁  
 
 
「ちょっと! 誰かいるの…きゃあっ!?」  
 
ダイキチが扉の横に立って鍵を外し、やにわドアを開くとともに、  
小さく悲鳴を上げ、後列に押し出されて  
つんのめるようにして海が室内に倒れこんできた。  
さらに開扉とともに露になった、下着を散々に荒らされた更衣室と、  
ブラやパンティを纏ってそこに立つ異様な風体の三人組を見て、  
室外の女たちが恐慌状態になって悲鳴を上げる。  
 
「ひ…ひぃいいいいいぃぃぃっ!!!」  
「な…何なのよコイツら!?」  
「変態! ホンモノの変態よぉぉぉっ!!!」  
 
反射的に後退り、あるいは蜘蛛の子を散らすように逃げ出す女たち。  
生理的嫌悪感から、それらに混じって慌てて身を退いた風と、  
変質者の許から連れ戻すべく咄嗟に室内の海の手を掴んだ光を、  
デミオとビーゴが素早く飛びついて押さえつける。  
 
「な…何するんだ!? 離せっ!」  
「きゃあああっ! こ…これ、わたくしの下着ですわ…っ!」  
 
男の手によって強引に室内に引きずり込まれた事もさることながら、  
相手が着ている下着が自分のものだという事に気づいて風は悲鳴を上げ、  
ついで男の股間がギンギンに盛り上がり、ショーツの端から  
勃起したペニスの先端がズル剥けになってはみ出しているのに気づいて、  
さらなる金切り声を上げた。  
 
「ウッ、ウフフッ…悲鳴もカワいいナリね、風ちゃん…?」  
「離せ、離せってば! このヘンタイ!」  
「生憎もう帰さねぇよ」  
 
三人ともバタバタともがくも、万力のような臂力で両手を押さえこまれ、  
さらに素早く位置を入れ替えられて後ろ手に関節を極められる。  
それぞれ目当ての獲物を捕まえた事を確認し、腰に電磁警棒を挿すと、  
悪党たちは少女の腕をひねり上げたまま廊下に出た。  
 
「いっ…痛たたっ!」  
「ホラ、キリキリ歩け!」  
「助けて! 誰か!」  
「お願い、誰か人を呼んできてください!」  
 
拘束された三人は周囲の女たちに助けを求めたが、  
遠巻きに見ているか視線を逸らすかするだけで、誰一人助けに入ろうとする者は無い。  
無関心や恐怖、無力感などが原因なのだろうが、  
元魔法騎士の三人は、女たちの冷淡さとよそよそしさに暗澹とならざるを得なかった。  
 
少女拉致の現行犯を咎めるどころか、誰もが葬式のように押し黙り、  
三悪党が前に歩を踏み出すとともに、女たちは自ら身を引いて道を空けてゆく。  
 
「い…い…いい子なんだな。チミたちはそのまま誰にも言ったりせず、  
 さっさと着替えに戻って、何食わぬ顔で次の班と交代するんだな」  
「わかってんな、コラ!?  
 外の奴らにこの事をチクリりやがったら、ただじゃおかねえぞ、てめえら!」  
 
凶悪な表情でダイキチが恫喝する。  
その荒々しい恣雎に近くにいた気の弱い少女が泣き出し、  
女たちは逃げるように更衣室の中に駆け込んでいった。  
 
騒ぎを聞きつけ、何事かと気の弱そうな二人の巡回兵が駆けつけてきたが、  
 
「な…何をしているんですか!」  
「ああ゛?」  
「あ…いや、ですから…何を…」  
「こ…こ…こいつらが、と…突如、  
 じ…自殺するとか喚いて、暴れ出しやがったんだな」  
「えっ?」  
 
しれっとしてビーゴが言い、ダイキチもそれに乗じて威迫する。  
 
「俺たちはそれを止めただけだ。  
 奴隷個人のくだらん理由で、部隊共用の財産である  
 貴重な性奴隷をむざむざ失うわけにはいかねぇ。  
 これから職務に従い、別室に拘禁して“説教”してくるだけだ。文句あっか!?」  
「で…ですが…」  
「嘘よ! こいつら、嘘をついているわ! …うぷっ」  
 
必死に弁明を試みる海。  
しかし後ろから口を塞がれ、かわってデミオが凄みを利かす。  
 
「フーガ! クレスタ!てめぇら、誰にクチ利いてるナリ。  
 また拙者にシメられて顔面ミートコロッケにされないナリか?Щ(?д?)艸」  
「ひいいいっ」  
 
彼はオロチ部隊内でも恐れられている存在らしく、  
巡回兵は反射的に敬礼すると、萎縮しつつ逃げるようにその場から去っていった。  
 
「わ…私たちをどうする心算なのよっ!」  
 
少しでも最悪の事態を先送りしようと、海が質問をぶつけて時間稼ぎを試みる。  
そうこうしている間にも、先刻の女たちの誰かが助けを呼んできてくれるかも知れないからだ。  
 
しかし男たちは焦った様子もなく、ギンギンに勃起したペニスを  
薄布を隔ててて後ろから尻の谷間に押し付けながら、  
余裕を持った口ぶりでそれに応える。  
 
「もちろん男と女でやる事と言えばひとつしかねぇだろ。なぁ?」  
「そうナリ、そうナリ。クフフフ(? ^??^?)? 」  
「ひ…ひ…光タン、ボ…ボ…ボクとひとつになるんだな。エヘッヘッヘッ」  
「いやぁっ!」  
 
さあ、とっとと歩くナリよ、と後ろから尻を蹴飛ばされ、  
魔法騎士たちはなおも道を歩かされる。  
 
「い、いやっ! 助けて! プレセア! カルディナ! …誰か!!」  
 
かつて戦場で抱いたどのようなそれとも異なる、深甚な恐怖に駆られて悲鳴を上げる光。  
しかし、魔法も武器もない彼女たちはあまりに無力で、その声はむなしく殷々と廊下に谺する。  
 
そして元魔法騎士たちは三悪党に押されながら、  
薄暗い廊下の影に溶けるようにしてその姿を消していったのだった。  
 
                                              〈続〉  
 
………………………………………………………………………………………………  
 
 
★次回、光たちがついに…?  
 一方、セフィーロの外側で新たな動きが。  
 そして後宮からの脱出経路とは…!?  
 
 

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