ボンゴレリングなるものを賭けた勝負の背後。
素人目にも高級なのだと分かる家具にエンジ色のカーペットの敷き詰められた部屋に、フゥ太は拘束されていた。
床に大の字になって両手両足を縛られ-それも衣類はとっくに剥ぎ捨てられていた。
明々と灯りのともされた部屋で、全裸での拘束。
身体的にまだ成長しきっていないものの、相当な羞恥心を煽られ続けていたのだ。
「離して…離してよーっ」
なんとか逃れようと両手両足をがむしゃらに動かすものの、拘束具はがっちりと食いつき、がちゃがちゃと音を鳴らすだけ。
そんなフゥ太を取り囲む、褐色の肌の女達・チェルベッロは、まるで生物観察でもしているかのように平静とした表情を向ける。
人形のようで、何を考えているのか分からなくて、ただただ恐ろしかった。
「抵抗はやめてください」
「貴方はもう逃げられません」
「全てのボンゴレリングを沢田様が取得するまでは」
皆同じ顔をした女達が、つぎつぎとそう告げる。
泣き出しそうなのを堪え、やっとのことで口を開く。
「なんで俺を捕まえるの…」
自分を捕らえて、ツナ達の弱点でも聞き出すつもりなのだろうか?
しかし、女達の答えは予想を覆すほど単純で、意味のないものだった。
「ザンザス様が好きにしていいとおっしゃいましたので」
「貴方を好きにするようにと申し付かっております」
好きにだって?人体実験とか、拷問とか?そんなの絶対嫌だ。
あるだけの力を振り絞り、フゥ太は再び助けを呼ぶ。
「ツナ兄ーーーーーーーーー!助けて!!」
「この部屋は防音個室なので声が漏れるということはございません」
「傷つけることはしません」
「その点は安心なさってください」
自分はこのまま、この女達の暇つぶしに、遊びに付き合わされるしかないのだろうか。
絶望的だった。
一人の女が、透明のチューブを持って来た。
何をするつもりなのかと目を見開いていると、女はチューブをしぼり、ブチュブチュとひり出たジェルのようなものを指先に取り、フゥ太の細く萎縮したペニスに塗りたくった。
「っひゃぁ…何すんの、やめてよ!」
冷たい感触に腰をのけぞらすも、両手両足を拘束されているのではどうにもならない。
女は黙ってジェルをペニスに擦り付けた。
その初めての感覚についつい身体の芯が火照り…違う。この、ペニスの異常な疼き、熱さ。
ジェルの正体は媚薬かなにかなのだろうとすぐに分かった。
しかし分かったところでどうにかなるものでもなく、フゥ太の小さなペニスは天井を向いてびくびくと震えている。
これでもかというくらい硬くなっているのに、雄雄しさは全く感じさせない。
「はあっ…はあっ…」
息が跳ねる。粒のような汗が連なって額を伝う。
「貴方は精通を済ませましたか?」
「…な、なにそれ…っ?」
嘘だった。
実のところ、フゥ太は一ヶ月ほど前に精通を済ませていた。
ペニスをいじっていたら気持ちよくなってそのまま射精してしまっただけなのだが、今この状態で、一体どうすれば楽になれるのかは自分で分かっている。
(出したい…白いおしっこ…全部ぅ…)
しかし、敵に向かってそんなことは言えるはずもなく。
意地でも黙っていようと思い、どうしようもない疼きを堪えながらフゥ太は唇を噛んだ。
一人の女の指先が、フゥ太のペニスに伸びる。
添えられた指先は、亀頭のあたりを摘むと、ゆっくりと下部にスライドさせた。
ジェルと先走り汁のぬめりを借り、包茎はずるずると剥かれて行く。
「ふぁぁァあっ!!」
「大量のカウパー…この分では既に精液は溜まっているはずですが」
ピンク色の亀頭がむき出しになり、敏感なそこは外気に触れるだけで快感になった。
(だめ…我慢できなくなる…)
「貴方、セックスという行為は知っていますか?」
「し、しらない…知らないよ…」
これは本当だった。
Hなことなのだろうということは漠然と分かっていたが、具体的にはまだ知らない。
女が何の抵抗もなく自らの下着を下ろしたかと思うと、横になったフゥ太の目前にしゃがみこんだ。
見たことのない女性器を目の前に押し付けられ、独特の女の匂いとその形状にフゥ太はたじろぐ。
女は恥らう様子なく性器を指で広げ、「ここの穴ー膣に、貴方のペニスを挿入することです」と淡々と言った。
愛液で光るそこはきゅっきゅっと伸縮運動を繰り返しており、オナニーなんかよりよっぽど気持ちよさそうだ。
しかし、ここで降参するわけにはいかない。
「したくない…セックスなんかしたくないっ…!」
「そうですか。それならより欲求を膨張させる必要があるようですね」
一人の女が(部屋には同じ風貌の女が6.7人いて判別がつかない)、ゴム製の輪っかのようなものをペニスの根元にはめた。
うっかり射精してしまわないようにするためらしい。
さらに、部屋の後ろのほうで様子を見ていた女が何やらチクワ?のようなものを持ってきた。
女は毒々しい紫色のそれに指を出し入れする様子をフゥ太に見せつけ、説明する。
「男性の自慰用の玩具です。オナニーホールとも呼びます」
「な、なにそれ…っやめてよ…」
「ローションで濡らしてありますし、人肌に暖めているので女性器と酷似した快感を得られるはずです」
「やだ、やだ…」
「耐えてくださいね。まあ根元を拘束しているので射精はできませんが」
「あ…あ…」
玩具がピンク色の亀頭にあてがわれたかと思うと、ゆっくり、ゆっくりとフゥ太のペニスを飲み込んでった。
初めての感覚に腰を浮かして声を漏らすフゥ太の様子を、何人もの女が平然とした表情で眺めている異様な光景ー…。
玩具の壁の細かいヒダが射精を促すように絡み付いてくる。
「あァァァァっ!!」
(出したい、出したいっ…!)
「どうですか。射精しそうではないですか?」
「だめっ、やめて、離して…〜〜っ!」
そんなやりとりの最中も、女は玩具越しにフゥ太のペニスをしごき立てる。
もう我慢ができない。狂ってしまう。
「…たい…っ」
「は?」
「セックス、したいっ…!!」
「かしこまりました」
いとも簡単な会話、そして承諾。
ペニスはもう赤く充血し、情けないくらいにいきり立っていた。
一番手前に居た女が自ら下着を下ろし、フゥ太の股間にしゃがみこむ。
褐色の肌とブロンドのアンダーヘアが不思議な感じで、余計にいやらしく思えた。
女は自ら性器を広げ、入り口を先端にあてがう。
横になったままのフゥ太からは、これから起こる情景が丸見えだ。
(あ…あ…ごめんねツナ兄、敵に寝返っちゃって…でももう…)