十年バズーカが目標を見誤って髑髏に直撃した。  
 悲鳴を上げる暇もなく、髑髏が煙幕に包まれる。  
 白い煙の中に人影が浮かび上がる。  
「……ドクロ?」  
 恐る恐る声をかける。  
 その姿をきちんと確認するよりも早く、彼女はツナのくびすじに勢いよく飛びついた。勢いがよすぎて背中を壁にぶつける。  
「ボス!」  
「え? ええ?」  
 密着した胸に触れる二つの柔らかいふくらみと、鼻腔をくすぐる甘い香りにドギマギする。  
「ボス、会いたかった……!」  
 髑髏は珍しく感情をあらわにした声音で言うと、両手でボールのようにツナの頬を掴んで口付ける。  
「んんーーー!?」  
 驚いて抗議の声を上げるが、彼女が離れる気配はない。  
 両腕で押し返してもなぜかびくともしない。  
 髑髏のくちびるから何か液体が流れ込んできた。  
 唾液にしては量が多すぎるそれを、ツナは思わず飲み込んでしまった。  
 ごくりと、嚥下の音が耳の奥で大きく響く。  
「時間がない」  
 くちびるを話した髑髏がすばやく呟くと、両手をベルトにかけてあろうことかカチャリと音を立てて外し始める。  
「な、なにやってんのさーー!」  
 慌てて腰を引いたがすぐに壁にぶち当たった。  
 髑髏が追い詰められたような表情でツナをじっと見つめながら口を開く。  
 その口調は低く、何か思いつめているようだ。  
「大人しくしてて。五分しかないの。抵抗するなら、」  
「……な、なに?」  
「縛る」  
 ひっと情けない声が漏れた。  
 ツナの抵抗が止んだとみた髑髏が床に跪いて、恐るべき手際でベルトを外しファスナーを下げ、下着ごとズボンを脱がせてしまう。  
 ふにゃりと情けない大きさでしかない自身に、髑髏は眉根をひそめる。  
 母親以外の女性に見られたことのないそれをまじまじと食い入るように見つめられ、ツナは泣き出したくなった。  
 
「あの、ちょっと……うわ!」  
 もうやめませんかと口にする前に、髑髏がぱくりとその形のいいくちびるにくわえ込んでしまう。  
 彼女の口の中は熱くてぬるりと湿っていて、これまで味わったことのない快感がツナを翻弄した。  
 彼女の白い頬に、綺麗な黒髪がさらりと落ちる。  
 赤いくちびるのなかに、収まる、自身。  
 扇情的な光景に息が上がる。  
 身体が、なぜかものすごく熱い。  
 膝も腰もがくがくと震え始めた。  
 快感を無理やり引き出すかのように亀頭を熱い舌がぐるりと嘗め回し、一気に硬度が増した。  
「ふ……」  
 ツナのものを咥えたまま髑髏は息を吐くと、それを吸いながら一気に顔を引き離す。  
 立ち上がってにっこりと儚げに微笑むと、自分のスカートの中に手を突っ込んで下着をすばやく床に落とした。  
「座って」  
 何故か言われるままに、ずるずると床に腰を下ろす。  
 胡坐をかいた膝の上に髑髏がまたがる。  
 もう一度彼女がスカートの中に手を入れて、自身の下肢を何か確かめるように弄った。  
 くちゃ、と湿った音が響いた。  
「…………ん、いける」  
 ポツリと呟くと、再びツナの硬くなったモノに手を添えて、ぐっと腰を落とした。  
「んあ! 待って! 何で……!」  
 悲鳴を上げた口を、髑髏の柔らかいくちびるが塞いだ。  
 割り入れられた舌の動きに意識を奪われている間に、すっかりと下肢は髑髏の中に埋まってしまった。  
 間髪入れずに、髑髏が腰を揺らし始める。  
 強烈な快感に、ツナの思考は白く濁った。  
 それでも、執拗に舌を絡ませる髑髏の顔をやっと引き離し、荒い呼吸の合間に疑問をぶつける。  
「……は、なんで、こんなこと……ッあ!」  
「…………ボンゴレの血、絶え……のっ、あっ、だから……お願い、んんっ」  
 腰を揺らしている髑髏の顔にも余裕がない。  
 甘い悲鳴を引き結んだくちびるの端から漏らしながら、懸命にツナの快感を誘うために律動を繰り返す。  
 
「……ボス、ボスっ!」  
「あっ、ドクロ、ああっ!」  
 あっけなくツナは果てた。  
 ついで、どくどくと脈打つツナを締め付けている髑髏の秘部もわずかに収縮を繰り返す。  
「ん、んん」  
 小さくあえいで、髑髏が熱い吐息を漏らした。  
 ツナは呆然と、目の前の髑髏を見つめた。  
 その視線に気づいた彼女が、悲しそうに小首をかしげる。  
「……ボス、ごめんね。でもありがとう」  
「ドクロ?」  
「さっき飲んだの、媚薬。でも副作用も依存性もないから」  
 言いながらずるりとツナを引き抜いて立ち上がると、目の前のミニスカートから伸びた太ももに、どろりと白いものが伝う。  
 ツナは思わず顔を背けた。  
「……あ……」  
 髑髏は小さく声をあげたものの、無表情で足首に絡まったままの下着を身に着けた。  
「ボス」  
 柔らかく呼ばれて顔を上げると、ふわりとくちびるが重なった。  
「本当に、ごめんなさい。守れなかった」  
 悲しげな髑髏の表情に、ずきんと胸が痛んだ。  
「それって、どういう……」  
 言い終わる前に、どかんと大きな爆音が響いてあたりに硝煙が再び立ち込めた。  
   
 
 

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