「ふっ…。あ、ん…」  
ゲームや漫画で散らかった、いかにも中学生男子の自室といった部屋。  
そこで右目に眼帯をした少女が小さな体を震わせていた。  
頬は赤く染まり、唇からは幼い容姿からかけ離れた艶かしい吐息が零れている。  
クローム髑髏は混濁する意識の中でぼんやりと今日のことを思い返していた。  
ホワイトデーのお返しを渡したいから家に来てほしいと連絡を受け、沢田家にやってきた。  
ツナはまだ帰っておらず出てきた奈々(のコスプレをしたリボーン)に勧められるままツナの部屋で待っていたのだが――。  
出された紅茶を半分ほど飲んだ所で体が熱くてたまらなくなった。  
最初は風邪だと思った。  
立ち上がろうとしても足元がおぼつかず、部屋から出ることさえ叶わない。  
ぐったりとカーペットの上に横になって、これは風邪ではないと髑髏は気づいた。  
肌が驚くほど敏感になって、短いスカートから剥き出しの脚がカーペットに擦れるだけで感じてしまうのだ。  
(どう、して…)  
今までこんなことはなかった。  
なぜ突然こんな体になってしまったのか分からず髑髏は困惑したままじっと耐えていた。  
早く鎮まってほしいと思っても体は言うことを聞いてくれない。  
おまけにいつまで経ってもツナはやって来ない。  
助けを求めることも出来ず髑髏は熱を持て余していた。  
(あっ…?)  
脚の間に違和感を覚えて、髑髏はそっと下着に手をやった。  
触れた部分はひんやりと冷たい。  
(うそ、濡れてる…)  
恐る恐る下着の上から指を這わせると腰に甘い痺れが走る。  
「ふぁっ!」  
もうかなりの時間を耐えていた髑髏にそれは起爆剤となった。  
下着を降ろし、柔らかい秘肉に直接触れる。  
(ダメ、人の家でこんなこと…)  
頭では分かっているのに止められない。  
(ボスや家族の人が入って来るかもしれない…)  
この姿を見られたらと考えただけで恐ろしい。  
驚愕と軽蔑の目で見られることだろう。  
しかしこれ以上耐えられそうもないのも事実だ。  
とにかく早く体の熱を解き放たなければいけない。  
だが性の知識が乏しい髑髏にはどこをどう弄ればいいのか適切なやり方が分からなかった。  
 
闇雲に指を動かしても中途半端な刺激はいたずらに体を疼かせるだけでなかなか決定的な快感に繋がらない。  
髑髏の左目に涙が滲んだその時、部屋のドアが開かれた。  
 
ドアを開き中を覗いたツナは固まってしまった。  
自分が普段リボーンに絞られたりランボ達とゲームしている部屋で、  
下着を膝まで降ろした少女が自らの秘所に指を這わせているのだから。  
あまりに非日常的で扇情的な光景に目眩がしそうだ。  
髑髏はツナには気付くとビクッと体を起こしスカートで下を隠した。  
「ボス…!」  
「あ…」  
目のやり場に困り顔を背けるツナ。  
「え、えっと…」  
何と言ったものかと悩みながらツナは口を開きかけたが、  
「ボス、ごめんなさい!」  
「え?」  
「私、こんないやらしいことして…」  
そこまで言うと髑髏は下を向いてしまった。  
(そっか、まさか媚薬飲まされたなんて思わないもんな)  
わけも分からず自分の意志に反して欲情する体に長時間耐えていた髑髏のことを考えツナは不憫に思った。  
(媚薬入れたのはリボーンとはいえ俺も悪いんだもんな…)  
肩を震わせる髑髏の前にしゃがみこむ。  
「謝ることないよ。クロームは悪くないんだから」  
「でも人の家で突然…。今までこんなことなかったのに」  
「それはえーとホラ、体の調子がおかしかったんじゃないかな」  
媚薬のせいとも言えずツナはごまかした。  
「そう、かな…?」  
「そうだよ。俺もたまにあるし!」  
「本当に?」  
少しホッとした髑髏だったが、またすぐに表情を曇らせた。  
「でも、どうしようボス…」  
もじもじと太腿を擦り合わせる。  
「全然体の熱が治まらないの。どうしたらいい…?」  
救いを求めるように見上げてくる髑髏をつい可愛いと思ってしまう。  
それに彼女をこんな目に合わせた責任は自分にもあるのだから助けてあげたい。  
「大丈夫、何とかなるよ。クロームは俺の言う通りにして」  
意を決して言ったツナに髑髏は頷いた。  
「うん、私ボスに従う…」  
(…とは言ったもののどうしよう)  
自分だって先ほど初体験を済ませたばかりの初心者である。  
初な女の子に手解き出来るか疑わしい。  
 
(女の人は一人エッチする時どうするんだっけ)  
ここでも役に立ったのは同級生の話だった。  
「クローム、まずベッドに座って脚開いてみてくれる?」  
「うん…」  
髑髏は言われた通りにベッドに腰を下ろし、下着を脚から抜いた。  
スカートを自分でめくり上げ膝を開く。  
(うわー…)  
座っているツナには大事な部分がドアップで見えてしまう。  
先ほど京子のを見たばかりと言っても刺激が強すぎる。  
「この後はどうしたらいいの?」  
「こうするんだよ」  
髑髏の小さな手を取って、蜜を溢れ出す入り口に導き、そのままクチュッと音を立てて髑髏の指を一本入れる。  
「あんっ!」  
「そのまま指を動かしてみて」  
髑髏は顔を真っ赤にしながら指を上下に動かす。  
そのうちに感じる部分を見つけて、そこを執拗に擦り上げる。  
指はいつの間にか二本に増えていた。  
「どう?気持ち良い?」  
「うん、ボスッ…!気持ち良い…!」  
見られていることにも構わず髑髏は更に指を入れて愛液を掻き出した。  
彼女の痴態を見て、もう媚薬の効果は切れたはずのツナも興奮していた。  
ついつい前屈みになってしまう。  
そんなツナの様子に気付き髑髏は手を止めた。  
「どうかした?」  
「ううん。別に…」  
膨らんだツナのズボンを見て髑髏はハッとした。  
「もしかしてボスも?」  
「う、うん…。でも平気だから」  
ぎこちない笑みでごまかそうとするが髑髏はベッドから降りた。  
ファスナーを開け、性器を取り出す。  
「え、えぇーっ!?」  
「私がしたように触ればボスもきっと気持ち良くなれるはずだよ」  
そう言って髑髏はツナの分身を優しく撫でた。  
(あ、気持ちいー。…じゃなくて!俺がクロームを気持ち良くしてあげなきゃ!)  
ツナは髑髏の華奢な腰を抱くと性器を彼女の中へ沈めた。  
「あぁっ…!」  
制服の隙間から手を入れ胸を愛撫し、額や頬、首筋に口付ける。  
粘膜の擦れ合う音が部屋を満たした。  
ツナは髑髏の膣底を突き上げながら彼女の顔を見つめた。  
普段表情の変化の少ない彼女は今、潤んだ瞳をして淫らな顔で喘いでいる。  
もっとその顔が見たくてツナは激しく動いた。  
やがて髑髏が達しツナも欲望を放った。  
 
帰り際白い薔薇の花束を渡すと髑髏は  
「ありがとう。黒曜ヘルシーランド殺風景だからこれ飾ったら華やかになると思う」  
と嬉しそうに微笑んだ。  
「クローム今日のことは…」  
言いかけると髑髏は恥ずかしそうに頬を染め  
「私とボスの秘密だから誰にも言わないよ」  
とツナの頬にキスしたのだった。  
夕暮れの中を仲間の元へ帰る少女の姿を見送って、ツナは家へ入った。  
リビングではリボーンがモカを飲んでいる。  
「大分髑髏と仲良くなったみてーだな」  
「リボーン!いくら何でもやりすぎだぞ!何も知らない京子ちゃんやクロームに媚薬を飲ませるなんて」  
「悦ばせてやれたんだからいいじゃねーか」  
「やり方が問題なんだって!もう媚薬なんて使わせないからな!」  
ツナの叫びにリボーンは冷静に返す。  
「お前もう一人お返しする相手がいること忘れてねーだろうな?」  
「え、ハルのこと?そう言えば遅いな…。ってえぇー!!もしかしてハルにも!?」  
「そりゃそうだろ。ハルもチョコをくれたんだからお返しは平等にしなきゃな。  
最もお前が媚薬を使わずにハルを悦ばせてやれるなら俺はもう何も手出しはしねーから安心しろ。  
ただしハルに白い薔薇渡すだけで済ませたら殺すぞ」  
非道なことを表情一つ変えずに言い放つ殺し屋にツナは青ざめた。  
(媚薬を使わずにハルを!?そんなの無理だってー!!)  
ツナはハルが訪れたらどうしようかと頭を悩ませるのだった。  
 

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