自分の部屋の中にユニはいた。  
眼前にあるのはバナナ一本とうっかり拾って持ってかえってしまったイケナイ漫画一冊である。  
漫画の女の子はその豊満な乳房で男性の象徴を包み、そして上下させている。  
本格的なことはできないが、これならγと……とおませな妄想を脳内で軽く展開する。バナナはその練習だ。  
期待を胸に、いそいそとユニは上だけ裸になり、仰向けになってバナナを胸の間にセットする。  
そして両方の乳房を外側からバナナ側へと押して、戦慄した。  
―――足りない!?  
足りない。ユニの乳房はバナナを包むにはどうしても足りなかった。  
そんなバナナ、いや馬鹿な、と思い力を込める。あと少しあればバナナを包み込めるのである。  
ぎゅうう、と力を入れて、右と左があと少しでくっつきそうになったそのとき、  
ブシャア  
 
「何を……やってるんですか……姫?」  
偶然部屋の中に入ってきたγが尋ねた。  
彼が見たのは上半身裸になってベッドに仰向けになり、胸や顔に粉砕したバナナを散らしたユニだった。遠目から見ればもしかしたらエロいかもしれないが、近くから見たら……なんだかよく分からない。  
γを見たユニは混乱してその体勢のまま一言、  
 
「……保守です」  
 

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