「───えっと…。」  
 
この状況は一体どうしたものか。  
いつものように、自分の枕を持って骸の寝室にやってきたクロームは、部屋に入るなり絶句した。  
 
「どうしましたか?クローム。早くこちらに来なさい。」  
「待ちなさい、クロームは僕と寝るんです、さあこっちに来なさいクローム。」  
 
ベッドの縁に腰をかけて、ぽんぽんと膝を叩いてクロームを招く青年と、  
同じくベッドの縁に腰をかけて、隣の青年を威嚇するように睨んでいる少年。  
 
これは何かの幻覚なのだろうか。  
クロームの頭にはいくつもの「?」の文字が浮かんでいた。  
 
青年と少年、そのどちらもクロームの主である六道骸だったからだ。  
 
 
「どうして、骸様が、2人…?」  
「クフフフ、さあどうしてでしょうね…?」  
青年の骸はベッドからおもむろに立ち上がると、立ち尽くしているクロームの前までやってきた。  
幾分か背が伸び、身体つきも顔立ちもすっかり逞しくなった大人の骸に見つめられ、クロームは思わず頬を染めて俯く。  
「大人になったお前も十分魅力的ですが…こちらのクロームも初々しくて可愛いですよ。」  
「え…あ、あの…っ。」  
言うなり、青年の骸はふわりとクロームを抱き上げ、その柔らかい頬に軽く口付けた。  
耳まで真っ赤に染めて、茹でた蛸のような顔をしているクロームを見て、面白くないのは少年の骸だ。  
「ちょっと、僕のクロームから離れなさい、そこの僕。」  
「おやおや、男の嫉妬は見苦しいですよ、そこの僕。」  
同じ骸同士でありながら、激しい火花を散らして睨み合う。  
今にも三叉槍を取り出して人間道でも発動させそうな勢いに、居心地悪そうにしていたクロームがぽつりと呟いた。  
「…あの…私、部屋に戻ります…。」  
「君が「お前が出て行く事はありません。さあ、一緒に寝ましょうクローム」僕のクローム。」  
 
何故こうなったのかはわからないが、この2人は間違いなく骸だ…と、クロームはしみじみと思った。  
 
青年の骸は再びベッドの縁に腰をかけ、膝の上にクロームを座らせた。  
彼女の小柄な身体は、人形のように腕の中にすっぽりと納まってしまう。  
「少女の頃のお前は、こんなにも小さかったのですね。」  
ふわふわと頭を撫でてやりながら、青年の骸は懐かしそうに目を細めた。  
骸の前で骸に抱きしめられているという倒錯した状況に、クロームはどうして良いのか判らず、小さな身体を縮こませて  
困ったように少年の骸を見ると、彼と目が合った。  
「…いつまでクロームに纏わりついているのですか…彼女が困っているでしょう、離れなさい。」  
「ほう?」  
苛立ちを隠せない少年の骸に、青年の骸は何やら意味深な視線を投げかけた。  
「彼女が困っている、と?」  
クロームの頭を撫でていた手が、するりと彼女のうなじを撫で、背筋を辿り、小さいながらも肉付きの良い臀部を撫でる。  
「あっ…。」  
くすぐったさに驚き、思わず青年の骸にしがみついたクロームのパジャマのズボンを、慣れた手つきで脱がしていく。  
「む、骸様…!」  
「クフフ…大丈夫ですよクローム。そこの僕より慣れていますから。さあ、肩の力を抜いて…。」  
太腿の付け根の辺りをさわさわと撫でながら、青年の骸はクロームの顎を捉えて上を向かせ、唇を重ねた。  
「ふぅ…っ…ん…。」  
柔らかく重ねるだけの口付けは、湿った音を立てながら、次第に深い口付けへと変わっていく。  
その間も、彼の手は太腿を、腰を、柔らかな下腹のラインを辿るように弄り続けている。  
「…あ…んん…っ…ふ、ぁ…っ。」  
その続きを強請るように、薄く開いたクロームの唇をぺろりと舐めると、骸の唇は離れていった。  
「え…?ぁ…。」  
「もっと欲しいですか…?」  
とろんと瞳を蕩けさせながら、残念そうに見上げるクロームの額に軽く口付けると、青年の骸は不敵な笑みを浮かべて横目で少年の骸を見やる。  
先程からずっと無視され続けている上に、目の前で熱烈なキスを見せつけられ、面白くないのは少年の骸だ。  
「クローム、危険ですその男から離れなさい!」  
「きゃっ…!」  
強引に青年の骸からクロームを引き剥がすと、背中からぎゅっと抱きしめるようにして、足の間に彼女を座らせた。  
「ああもう…僕のかわいいクロームの唇が汚れてしまいます…!」  
袖でごしごしと彼女の唇を拭くと、キッと青年の骸を睨みつけ、奪うようにその唇を己の唇で塞いだ。  
「ん、ぅん…ッ…!」  
逃げようとするクロームの頬を押さえ、舌で彼女の唇を抉じ開け、侵入させる。  
少年の骸の舌は、クロームの上顎をなぞり、丹念に口腔を舐め、震える彼女の舌へと絡みついた。  
音を立てながら舌を吸い上げ、貪るように口付ける少年の骸を見ながら、青年の骸はおやおや、と肩を竦めてみせた。  
 
「…ッ…ふぅ…っ…ん、んん…っ…!」  
舌と舌が絡み合い、湿った音と息遣いが部屋の中に響き渡る。  
含みきれなかった唾液が溢れ、クロームの顎を濡らす。彼女の抵抗が弱くなったのを見計らい、  
少年の骸はパジャマの上からクロームの乳房を掬い上げるように揉む。  
そして布越しに乳首を摘まみ、くりくりと弄ってやると、小さな乳頭は次第に硬さを持ち始める。  
「ん、ふ…っ…!」  
布越しのもどかしい愛撫と激しい口付けに耐えきれず、訴えるように彼のシャツを握りしめたのを合図に、  
少年の骸は唇を離した。  
荒い息を整えるクロームの左目は潤み、羞恥心からか淡く色づいた肌が艶めかしい。  
「むく、ろ…さま…。」  
「どうして欲しいですか?」  
きゅ、と乳首を摘まみ上げると小さな悲鳴を上げてクロームが少年の骸の首にしがみつく。  
「どうして欲しいのかちゃんと言わないと、あげませんよ?」  
「もっと…、触って欲しいです…っ…。」  
応えるように、クロームの頬に口付けると、少年の骸は彼女のパジャマの上着を脱がした。  
パジャマの下にブラジャーは着けておらず、可愛らしいレースをあしらった白いパンティ一枚だけの姿になった。  
「白ですか。クロームには黒が似合うというのに…。」  
「可愛い僕のクロームには清純な白が似合うんです!」  
「クフフフ…まだまだ青いですねぇ。黒の魅力が理解できませんか?」  
「貴方の趣味なんてどうてもいいです。」  
残念そうな顔をする青年の骸に対して、少年の骸がぴしゃりと言い放った。  
 
同じ骸なのに、大人になったら趣味が変わるものなのか。  
熱に浮かされ、ぼんやりとした頭でクロームはそんな事を考えていた。  
 
「あん…っ…。」  
少年の骸の手が、包みこむようにクロームの乳房を揉みしだく。  
まだまだ未成熟ながら、女性らしい柔らかな乳房は、骸の手の中でいやらしく形を歪ませる。  
「あ…っ、あん…っ……ひゃ…っ!」  
人差し指で下から持ち上げた乳首を親指で押さえ込み、優しく摘んでやる。  
時折くりっと強く摘まむと、可愛らしい悲鳴を上げ、クロームの身体がびくびくと震えた。  
その間も、少年の骸は彼女の耳たぶを柔らかく食み、音を立てて耳元に舌を這わせる。  
「気持ちいいですか、僕のクローム?」  
「骸、さまぁ…っ…。」  
腕を骸の首に回し、身体を摺り寄せるように甘えるクロームに、少年の骸は満足そうに微笑む。  
そして、そのやりとりをずっと傍観していた青年の骸を、嘲笑するように横目で見やる。  
「フ…子供の遊戯ですねぇ。触る所はまだまだあるでしょうに。」  
少年の骸を一瞥すると、青年の骸は黒の皮手袋を外し、すらりと伸びたクロームの膝を割る。  
すでに身体に力の入らなくなっている彼女の足は、青年の骸にされるがままに足を開いた。  
その秘部は濡れており、パンティにうっすらと染みを作っている。  
薄い布の上から指先で秘裂をなぞり、擦るように指を動かすとクロームの足がふるりと震えた。  
「やぁ…っ…!」  
「もっと気持ち良くしてあげますよ、僕の可愛いクローム。」  
パンティを脱がすと、青年の骸は蜜を溢れさせている花弁に舌を這わせ始めた。  
犬が水を飲むようにぴちゃぴちゃと音を立てて舐め、掻き出すように蜜口に舌を抜き差しし、  
溢れ出す愛液を啜る。  
 
尖らせた舌先で赤く熟れた肉芽をつついてやると、クロームの身体が大きく戦慄いた。  
「あ、はぁ…ん…っ!ひゃぅ…っ…!そこ、駄目…っ…!」  
「駄目なんですか?こんなに濡らしておきながら…。」  
色づいた頬をさらに紅潮させ、涙を零しながらいやいやと首を振りながらクロームは  
青年の骸の頭を引き剥がそうとするが、力の入らない腕ではその先を強請るように押し付けているようにしかならない。  
「そんなものを触ったらクロームの手が汚くなりますよ、ほら…。」  
少年の骸はクロームの手を取ると、ちゅう、と音を立てて彼女の指を舐める、吸い付く。  
「はぁっ…!むく、ろさま…っ!」  
「そんなものとは何ですか、そんなものとは。」  
青年の骸は身体を起こすと、クロームの膝を押さえ、蜜口に指を一本侵入させた。  
唾液と愛液で濡れたそこは、骨ばった大人の骸の指を難なく飲み込んでいく。  
「ふあぁあっ…!」  
くちゅ、と湿った音を立てて肉壁を擦る青年の骸の指の動きに合わせるように、少年の骸の舌がクロームの耳腔に  
差し込まれる。  
 
「んぁぁあっ!だ、めぇ…っ…!おかし、く…なっちゃ…!」  
「「もっとおかしくなってください、可愛いクローム…。」」  
 
少年の骸の手がクロームの乳房を擦り合わせるように揉みしだき、  
青年の骸の指が二本に増え、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて激しく抜き差しされる。  
「あ、あぁ…っ、やぁ…っ!駄目…、で、ちゃ…ああぁあぁぁッ!!」  
クロームの身体が小刻みに震えて弓なりに反ると、秘部からぴゅ、ぴゅと愛液が勢い良く噴出し  
シーツに染み幾つもの染みを作った。  
「おやおや…。」  
「潮を吹くなんて、そんなに気持ち良かったのですか?」  
くつくつと喉の奥で楽しそうに笑いながら、青年の骸は愛液で濡れた指をクロームに見せびらかすように  
舐め取り、少年の骸は強い快楽に放心状態の彼女の目元に口付ける。  
 
骸が一人いるだけでも大変なのに、二人揃うととんでもない事になる。  
身体に力が入らず、目だけ動かして二人の骸を交互に見ながら、そんな事をクロームは考えていた。  
 
クロームの息が整ったのを確認すると、青年の骸はベルトを抜き、レザーパンツのジッパーを下ろして自身を取り出した。  
「や…。」  
すっかりと膨張しきったそれは、少年の骸のそれよりも太く、クロームは思わず身体を竦ませた。  
「こちらのクロームには少々きついかもしれませんね。その可愛らしい口で慰めてくれませんか?」  
青年の骸の指がふっくらとした唇をなぞると、クロームは小さく頷き、四つん這いになって彼の股間に顔を埋める。  
どくどくと熱く脈打ち、グロテスクともとれるそれを、おそるおそる両手で包みこみ、先端に柔らかく口付けた。  
「全部咥えなくてもいいですよ。まずは舐めて…そう、唾液を塗りつけるように下から…。」  
青年の骸に促されるままに、根元から先端に向かって舌でなぞる。裏筋を丹念に舐めながら、軽く吸い付く。  
「ん…あむ…、……ん、ちゅ……ちゅぷっ…。」  
高く腰を持ち上げ、誘うように揺れる白い尻たぶを少年の骸が鷲掴みにして開く。  
先程の名残か、熱を持ちひくひくと疼く花弁を開くと、愛液がとろりと溢れた。  
「ひゃぁんっ…!」  
「こちらは僕が可愛がってあげますよ、構わないでしょう?」  
「まあ良いでしょう…ほら、クローム、口が留守になっていますよ。」  
「ん、んんぅ…っ!」  
青年の骸に指摘され、再び口淫を始めるクロームの蜜口に、熱い塊が押し当てられる。  
馴染ませるように擦りつけた後、少年の骸はゆっくりとクロームの中に入ってきた。  
「ん、んむ…っ!は、ぁあああっ…!」  
「は…っ…。」  
ぴったりと纏わりつく柔らかな肉の締め付けに、少年の骸は息を吐いて耐える。  
侵入の快楽に身体を震わせていたクロームだが、それを振り払うかのように口淫に集中した。  
「ふ…っ…歯を立てないでください、クローム。そこを吸って…。」  
「ん…、ん…、ぴちゃ、ふっ…っ…ちゅる…っ。」  
「動きますよ、クローム…っ…。」  
青年の骸の大きな掌がクロームの頭を優しく撫で、汗で顔に張り付く髪を梳いてやる。  
一方で、少年の骸はクロームの腰を掴み、ゆるゆると腰を動かし始めた。  
 
ずずず、とゆっくり腰を引き抜いたかと思うと、濡れた音を立てて深く少年の骸が侵入してくる。  
その動きに合わせて、艶めかしくクロームの腰が揺らめく。  
「ん…、んぅ…、ふぁ…っ…あ…、ァ…あぅ…っ…!」  
青年の骸の先端を軽く口に含み、吸い上げようとするが、ざわざわと背筋を這い回る快楽に耐えられず、  
骸から口を離してすすり泣くように喘ぐ。  
「余所見をしてはいけませんよ、クローム。」  
青年の骸はクロームの頭を押さえると、口の中に男根を捻じ込むように腰を動かした。  
「んん……っ!」  
喉の奥まで突いてくる骸と、口の中に広がる先走りの液の苦渋に、ぽろぽろと涙を零しながらクロームが顔を顰める。  
「がっつきすぎですよ、そこの僕…くっ…。」  
クロームの肉壁が震え、射精を促すように収縮を繰り返しながら少年の骸を締め付ける。  
「仕方がありませんね…ッ…。」  
少年の骸はクロームの腰を掴み、叩き付けるように腰を動かす。  
「ん…ッ…!あ…っ!あむ…、ふっ…!んぅ…っ!」  
上の口と下の口両方を攻められ、強い快楽にクロームの意識は擦り切れる寸前だった。  
「ふぁ…ッ!ぁ…ッ…ん…!んん…っん…あっ…ぁあああぁぁッ…!」  
脳天まで貫くような強い刺激と、身体じゅうの神経が痺れるような感覚に、クロームの身体がびくびくと大きく震え、  
やがて絶頂を迎える。  
二人の骸もそれに合わせるように絶頂を向かえ、クロームの上の口と下の口から自身を引き抜くと、  
白濁を彼女の身体に顔に、髪に、背中に、尻にと吐き出した。  
二人の骸は荒い息を吐くクロームを仰向けに寝かせると、彼女の口元へと自身を向け、扱いて残滓を余すところなく  
放った。  
それぞれの先端を吸い、白濁を舐め取って綺麗にしてやると、クロームはぐったりとベッドに沈みこんだ。  
 
 
「すっかり汚れてしまいましたね…。気持ちよかったですよ、可愛いクローム。」  
「貴方が僕の可愛いクロームに無理をさせるから…。ああ、こんなに汚して…シャワーを浴びた方がいいかもしれません。」  
「ほう…?途中から貪りついていたのはそちらの僕でしょう?若いというのは時にとんでもない無茶をしますねぇ。」  
青年の骸と少年の骸のどうしようもない口論を聞きながら、クロームの意識はとろとろと眠りの淵に落ちていく。  
 
 
 
 
骸様は一人いれば十分です。  
 
 
 
 
そんな事を思いながら、クロームは深い眠りについた。  
 
 
どっとはらい。  
 
 
 
 

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