『イーピンはクールに見えるけど、意外と強引なヤツに弱かったり情に脆かったりするんだ』  
いつだったか誰かに言われた言葉が脳裡に浮かぶ。  
確かにその通り、私は興味を持てない人間に対してはかなり冷淡だし  
何かを望まれてもあっさり切り捨ててしまうくせに、  
一度好意を抱いてしまうと今度は逆に見捨てることができない。  
そんな私にとって、幼馴染のようなランボの存在。  
ランボの、捨てられた仔犬が拾ってくれ、と訴えかけてくるような視線を、  
無視することは相当難しかった。  
小さい頃から沢田家に関わりを持ち、いつも一緒に過ごしてきたけれど、  
恋なんて感情は持ち合わせいなかったし、好きになる事なんて一生無いと思っていた。  
だって、バカで自己中心で、周りに迷惑かけてばっかりで。  
理性ではそうわかっているのに、今のこの状況はどうだろう。  
あのランボが、こんな風に育つなんて夢にも思わなかった。しかもホテルに誘われるなんて。  
そんなことを考えていたせいで、ホテルの部屋の入口まで来ても、  
まだ私は往生際悪くためらっていた。  
そんな私をランボは困ったように見下ろして、  
それからいきなり身体を抱え上げると、部屋の中に強引に入れてしまう。  
靴を履いたままベッドの上に優しく降ろされた私の上に覆い被さるようにして、  
ランボは熱い囁きを耳に吹き込んできた。  
「ごめんなさい、イーピン。同情でもかまわない。  
俺のことを好きになれなくてもいいから、抱かせて」  
愛させて。そんな気障な囁きも、いかにも伊達男に育ったランボの口から出てくると  
突っ込みようがないくらい様になっていて、  
私は拒絶をすることもできずなされるがままに接吻けを受けた。  
触れるだけの接吻けが角度を変えて幾度も私の唇を奪う。  
唇が触れ合ってこすれ合うその感触が気持ちよくて目を閉じると、  
ランボの唇は私の瞼や頬にも触れてきた。  
膝から下をベッドの外へと投げ出した状態の私に、  
のしかかってくるランボの大きな身体の熱さと重みが心地いい。  
 
そのまま私の耳や首筋にまで接吻けてくるランボの大きな手が私の手を捕らえて、  
手首にも接吻けが落とされる。  
「ふぅ……んっ」  
皮膚が薄くなっている部分を唇で刺激されて、鼻にかかったような声が洩れてしまう。  
私のその反応に、そこが性感帯だと気づいたのだろう、  
ランボは、うっすらと血管の浮き出るその箇所を執拗に舌でなぞる。  
幾度も幾度も舌でなぶられてから軽く歯を立てられ、  
たまらず身を捩ろうとするのを逞しい腕が阻んだ。  
「イーピン、感じやすいんだね」  
「やっ…そんな風に言わないで」  
どうせここまで来てしまえば、何もせずに済ませることはできない。  
しかし、開き直って甘えることもすぐには出来なかった。  
そんな様子の私を見て、ランボは薄く微笑んだ。  
いつもの、人の良さそうな青年、という表現に相応しい表情とは全く違う、雄の貌にぞくっとした。  
私の上からその大きな身体をどけると、ランボは私の足元に跪いた。  
何をするのかと気になってベッドの上に身を起こした私の靴をそっと脱がせると、  
裸足の足の甲に唇を押し当てる。  
触れてくる唇は、火傷しそうなほど熱かった。  
甲の一番高い部分から足指の付け根まで、幾つも幾つも接吻けを落とされる。  
「ふぁっ……」  
不意に小指が生温い感触に包まれて、快感の吐息が私の唇から洩れた。  
ランボは口に含んだそれを犬歯で甘噛みしながら、熱い舌で口内を転がすように愛撫する。  
「ランボ……私、シャワーも浴びてないのに」  
「イーピンのだったら全然気にならないよ」  
汚いよ、そう言いかけた私の言葉を遮るように、  
私の足指を含んだままのランボの口からそんな台詞が零れ出る。  
その言葉の内容と、不規則な舌の動きが私の身体をいっそう熱くさせた。  
指の股を舌で嬲られると、身悶えしそうなほどの快感が爪先から頭頂部を駆け抜けていく。  
 
ランボは全ての指を丁寧にしゃぶってから、再び足の甲を唇で辿って、  
踝に到達するとそこに浮き出た骨を軽く噛む。  
そのまま舌で骨をなぞられた。  
ランボの唾液に濡れた皮膚の上で、立てた歯をゆるゆると動かされる。  
くすぐったいような心地よいような、何ともいえない感覚に私は酔い痴れた。  
ふくらはぎや膝を辿って、スカートを捲り上げて露わになった腿まで到達したランボの唇が、  
内腿の付け根で動きを止める。  
ランボの唇が触れている部分から、皮膚を薄く抓られたような感覚が生じた。  
唇が離れたその場所を見ると、花びらのような、薄い桜色の痕が残されていた。  
顔を上げたランボと視線が合うと、薄く微笑まれる。  
「何日か経てば消えてしまうと思うんだけど……」  
確かにランボの言う通り、この程度の痕であれば一週間とかからずに消えてしまうことだろう。  
寂しそうな微笑が、何故か胸に突き刺さる。  
「今だけ、イーピンが俺のものだって、そう思わせて」  
「ランボ……、…うん…」  
私の返事に嬉しそうな表情になると、ランボは少しだけ顔を移動させて、  
私の秘部に下着の上から接吻けてきた。  
「ひぁ…!やっ…ん…!」  
ランボが指を伸ばして下着を横にずらすと、叢をゆっくりと舌先で掻き分け、  
その下に隠れていた突起を見つけ出して舌で皮を剥くように舐め上げてくる。  
痺れるような刺激に身体を震わせると、  
小さく尖らせた唇でちゅっと音を立てて吸い上げられた。  
「ね、……ランボのもさせて?」  
ランボに任せてばっかりでは悪いと思い、意を決した口調で言うと、  
ランボは照れくさそうに笑いながらも立ち上がって服を脱いでいく。  
同じように私の服も脱がせ、目の前にさらされたランボの裸体は、驚くほど逞しかった。  
衣服を取り去ったランボはベッドに座っている私の目の前に立つと、  
その大きな身体を屈めてキスをしてくる。  
それから自分もベッドに腰を下ろして、優しく私の身体を押し倒した。  
 
目の前にあるランボの分身にそっと手を宛てると先端を軽く舐めてみる。  
既に硬くなっているその先端からは僅かに先走りの液が滲み出ていて、  
口の中に苦いようなしょっぱいような味が広がった。  
舐め取りきれなかった分が、舌を引っ込める際に糸を引いて、  
私の口とランボの分身の間に透明な掛け橋を作る。  
今度は大きく口を開くと、一気に根元まで咥え込んだ。  
思った以上に長いランボのモノは喉の奥まで簡単に届いて、  
喉を突かれて喉輪で亀頭を絞めてしまうと、それは更に大きさを増した。  
予想以上の大きさに、むせそうになるのをこらえて舌を這わせると、耳に微かな喘ぎ声が届く。  
「…ふ、ぅ…っ…」  
快感を堪えるように低く掠れたその艶のある声に、自分の性欲が煽られるのがわかった。  
私の中に指を挿れて刺激してくるランボに負けないように、  
頬を窄めて顔を前後に激しく動かすと、ランボのモノが一気に硬く張り詰めた。  
その様子に、苦しい、と思ったところで口の中から抜き出されてしまう。  
身を起こして、同じように身体を起こしたランボを見上げると、  
よほど私がキツそうな顔をしていたのか、苦笑されてしまった。  
「イーピンと一緒にイきたいから……」  
はにかみながら言う様子がいかにもランボらしくて、  
こっちまで恥ずかしいような気持ちになってしまう。  
『イーピン、あそぼ!』  
なぜか、不意に幼い頃のランボを思い出す。  
向かい合って座ったまま何となく見つめ合っていると、  
私の両肩にランボの手が置かれて、真剣な声がかけられる。  
「……いい?」  
もう挿れてもいいのか、と訊かれているようにも聴こえるし、  
本当にいいのか、と訊かれているようにも思える。  
どちらの意味にしても今更なのだけれど、  
わざわざ言葉にして確認を取ってしまうあたりがランボらしい。  
頷くと、肩にかけた手に力が込められて、ゆっくりと押し倒された。  
 
内側をゆっくりと開かれる感触に鳥肌が立ちそうになる。  
ぞくぞくするような感覚が身体の奥底から湧き上がってきて、  
小さく身体を震わせる私の顔をランボが心配そうに見下ろしてきた。  
「痛い…?」  
「…っううん、大丈夫…」  
根元まで挿れるとランボはそこで小さく息をついて、それから動き始めた。  
私の顔の両脇に腕をついて、緩やかに腰を前後させる。  
「…はぁっ、ん…」  
優しく労わるようにゆっくりとしたその動きは、  
ぬるま湯に浸かっているような心地よさを全身に行き渡らせた。  
けれど、その穏やかな動きに次第にランボは苦しそうな声を上げる  
「イーピン……」  
「…何?」  
「もっと、激しくしてもいい…?…もっと、イーピンが欲しいんだ」  
 
ランボの言葉に私は驚いたように目を見開いた。  
その様子に、あからさまに要求した事を後悔したのか、  
ランボはまずかったという顔をする。  
けれど私がその顔に笑みを浮かべると、  
ランボが了解と受け取ったのか、激しく突き上げてきた。  
表情もさっきまでとは違う。  
あっという間に追い上げられて、気持ちいいのか苦しいのか、  
判断がつかないほどどうしようもない状態に、  
自分の口から途切れることのない嬌声が洩れているのを他人事のように感じていた。  
行為に溺れて気遣いを忘れ、ランボの背に回していた手に力がこもる。  
「ふぁ、んっ…ああっ…、ランボ…!」  
うっかり爪を立ててしまった瞬間、ランボの腕の力が抜けて、  
上半身が私の上に倒れこんでくる。  
「離したく、ない……! 」  
後頭部を抱きかかえられて広い胸に顔を押しつけられた私の耳に、熱い囁きが聴こえた。  
じわり、と胸の奥に何か熱いものが広がるのを感じた瞬間、達してしまう。  
 
直後にランボも私の中から自分のモノを抜き出して、  
私のお腹の上に熱い液体を吐き出した。  
まるで全力疾走したあとのように、  
ランボは荒い呼吸を繰り返してぐったりと私の上に身を伏せている。  
もっとも重さはほとんど感じないので、  
私の頭と首の下に置いた両腕で体重を支えているのだろう。  
「………………」  
「………………」  
「……ランボ?」  
まるで眠ってしまったのかと思うほど長いこと無言のままでランボがそうしているので、  
名前を呼んでみると、抱き締める腕にぎゅっと力をこめられた。  
「離したくないよ……」  
拗ねた子供のような口調に、思わず笑いが洩れそうになるのを一生懸命堪えたけれど、  
身体の微妙な振動でランボには伝わってしまったようだった。  
「馬鹿みたいだって、思ってる?」  
「思ってないよ」  
「そう思われたっていい」  
ゆっくりと、身体の奥底から響いてくるような声が私の耳を貫く。  
「イーピンが、俺のモノになってくれるなら、どう思われたってかまわない」  
「ランボ……」  
胸が苦しかった。どうして、私なんかをそこまで好きになれるんだろう。  
目の奥が熱くなるのを感じて瞼を閉じ、ランボの額に軽く口付けた。  
 
目を開くと、そこにはランボの驚いた顔があった。  
「イ、イーピン?」  
「ランボ…私、ランボが好き。気持ち誤魔化そうとしたけど…やっと分かった」  
そう言ってから、私は恥ずかしくて俯いてしまった。  
そんな私に、ランボはいたずらっぽく笑いかけて、ぎゅうと抱きしめる。  
「いつまでも、ブロッコリーのお化けって思われ続けたらどうしようかと思った」  
「それは、ランボが悪いんじゃない」  
「でも、もういい。今すっごく嬉しいから!このまま一緒に寝てくれる?」  
「……いいよ」  
「あ、それと一緒にお風呂も入りたい」  
「なんか…急にわがままになったね。別にいいけど…」  
私の返事に、尻尾があったら絶対に振っているだろう、  
と思えるような笑顔を見せるランボが、愛しくてしょうがない。  
浴室で互いの身体にこびりついた体液を洗い流し、  
大柄のランボと二人で入っても充分すぎるほど余裕のある広い浴槽に、  
ランボに抱き締められて浸かった。  
浴室を出るとランボは濡れた私の全身を拭いて髪の毛を乾かしてくれ、  
ベッドに寝転ぶと両腕を差し伸べてくる。  
「イーピン、来て?」  
広い胸に抱き締められて目を閉じると、瞼に軽く接吻けられる。  
「もう離さないからね、イーピン、大好き!」  
そんなランボの言葉に、可愛いと思う自分がどうしようもなく情けなく思えて、  
私はランボの身体に腕を回してしがみつくときつく目を閉じた。  
 

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