夏だし、たまには海にでも行こうかと口にしたのはどちらだったか。  
気がつけば南の島までのんびりバカンスに向かう用意は整っていた。潜伏生活が多いせいか、  
いざ思いついた後の段取りはとても手際が良い。  
そうして飛行機を乗り継ぎたどり着いたのは、まさにバカンスにはうってつけのリゾートアイランド。  
用意されていたのは、余計な喧騒などに煩わされないプライベートビーチだ。  
どれほどの範囲が確保されているのか、少なくとも見渡せる範囲に彼ら以外の人間の姿は無い。  
そもそもこの島に滞在している人間の数自体が限られているのだ。貴重なバカンスの時間を他人の目を気にせず  
存分に楽しめるよう、他の客とは滞在中に一切顔を合わせることはないようになっているのが、  
この島の売りの一つでもあった。  
目に痛いくらいに白い砂浜。どこまでも広がる青く澄んだ海。空には一片の陰りもなく、  
照りつける太陽は常夏の花たちを色鮮やかに際立たせる。  
まさに絵に描いたようなバカンスだ。  
隣り合わせたデッキチェアには、見事なスタイルを深い藍色のビキニで覆ったクロームと、  
珍しくショートパンツに白いパーカーを素肌に羽織ったラフな格好の骸が、それぞれに横になっている。  
パラソルの作った日陰の下、砂浜に合わせたような真っ白いデッキチェアに体を預け、きらきらと輝く海を  
のんびりと眺める。  
デッキチェアのすぐ横にちらりと視線を動かせば、滑らかな白い柔肌と深い藍色のコントラストが目に飛び込んでくる。  
たわわに実った乳房は、今にも零れ落ちてしまいそうだ。そこから更に視線を下げていけば、  
すらりと伸びた美しい足がなんとも目に眩しく映る。何もかもを骸一人だけが独占している。  
なんと素晴らしいバカンスなのだろう、と口元を緩める。  
このままずっと眺めていても飽きないのだが、それだけで留めておくのは少々勿体ない。  
折角なのだから、見て、触れて、感じてみなければ。  
「クローム。さっき海に入ってしまったでしょう。日焼け止めを塗りなおしてあげましょう」  
つい先ほどまでクロームは青い海にはしゃぎ、楽しげに波と戯れるその様子も骸は眺めていた。  
クロームが喜んでいるのなら、思いつきとはいえ、ここまで足を伸ばした甲斐があるというものだ。  
とはいえ、ここから先はこちらも楽しませてもらうことにしよう。  
 
「ほら、背中を向けて」  
促せば疑う素振りも見せることなく、クロームは素直にうつ伏せに姿勢を変え、白く滑らかな背中がさらけ出される。  
「大人しくしていてくださいね」  
手を伸ばし、背中で結ばれたビキニの紐を引っ張る。案外簡単にするりとほどけた紐は、両脇に落とされ、  
胸元を隠す意味を無くしてしまう。  
身を覆う布がなくなってしまっても恥ずかしがることもなく、それがごく当たり前のように身を任せている。  
相手の前で肌を露わにすることに慣れているのか、それともそれだけの信頼を寄せているのか。  
とろり、と零された白濁色の日焼け止めが、太陽の下、やけに淫靡な艶をかもしだしているように見えるのは、  
暑さのせいだろうか。  
マッサージをする要領で、両手でその液体を塗り広げていく。さらりとしてはいるものの、それなりに粘度のある液体は、  
ぬめりと共に白い背中に広がる。広がると同時に液体の白さは肌に馴染み、すぐにわからなくなる。  
滑らかな背中は触れているだけでも十分に心地良い。  
ここまでは言葉通りの行為に過ぎなかったのだが、夏と海とバカンスという条件は、  
随分と気持ちを開放的にさせる。  
それだけではもちろん収まるはずもなく。  
「しっかり塗っておかないと、後が大変ですからね」  
言いながら手は、ぬめりの助けを借りるかのように、するりと脇から胸元へと滑りこんだ。脇の間から見え隠れしている、  
押し潰された柔らかそうな乳房へ向け、潜り込むように日焼け止めを塗り込んでいく。  
本来そこは、きちんと水着をつけてしまえばビキニの布地に覆われてしまう場所だ。  
特別日焼け止めを塗っておかなければいけない場所でもない。が、当然それはわかった上での行為だ。  
「……ん……」  
まるで乳房を揉みしだこうとするかのような手の動きに、クロームは微かに吐息を漏らした。  
その滑らかな白い背中を舐めるように見つめながら、骸は楽しげに笑みを浮かべた。  
漏れる甘い吐息にはわざと気がつかないふりをして、やんわりとあくまでも優しく肌に触れる。  
吸いつくような滑らかな肌は、こうして触れているだけでも十分に心地良い。  
だが、本当の目的はただ触れることだけにあるわけがない。  
マッサージにしては必要以上に執拗に触れていれば、次第に行為に被せていたオブラートも溶けてしまうというものだ。  
ただ触れているだけのやんわりとした刺激ではあったが、長い時間をかけて背中と乳房に近い箇所に触れられていれば、  
どうしてもある感覚を呼び起こされずにはいられない。  
日頃から骸の愛撫を受けている体は、例えそれが弱い刺激であっても、長く与えられ続けていれば自然と昂ってしまうのだ。  
 
骸の狙い通り、執拗なスキンシップに、クロームの体はゆっくりと変化を表していき、いつの間にか彼の手が動く度に明らかな甘い吐息を零していた。  
けれど骸の方からは、行為の意味が変わるような決定的な刺激は与えようとはしない。彼女の方から求めてくるまで、  
辛抱強く待つ。  
「むくろ……さま……」  
どれくらい経った頃だろうか。もう既に日焼け止めを塗る、などといった口実は意味をなさなくなっていた。  
うつ伏せた姿勢から背後の骸に顔を向け、何か言いたげにしている様子に、クロームの肌に触れていた手を離した。  
あ、と残念そうな声が零れたのをしっかりと耳にしながら。  
「どうしました?」  
と、下心などない風を装って微笑みかけると、欲求を正直に口にするのが恥ずかしいのだろう。ほんのりと顔を赤く染めて、  
しばらく視線を揺らして迷う様子をみせていた。だが結局は熱に浮かされ始めた体を抑えることなどできない。  
「……もっと、触ってください……」  
クロームの口から引き出した、吐息めいた甘い囁きに、いっそう笑みを深める。  
腰の辺りに腕を差し入れ、うつ伏せの状態から仰向けへと姿勢を変えてやると、隠すもののない豊かな乳房が、  
ふるりと揺れた。  
その先端は、既に明らかに固く凝ってしまっていた。  
クロームをまたぐような格好でデッキチェアの上に体を乗せる。  
二人分に増えた重みに、きしりとデッキチェアが悲鳴を上げた。  
そうして、眼前に曝け出された肢体を上から下までじっくりと見渡す。全く、なんと良い光景だろうか。  
早く快感を与えられたいのだと戦慄く赤い唇も、滑らかな白い肌も、豊かな乳房も、  
すらりと伸びた美しい脚も、何もかもが骸一人だけのものだ。  
十分に視線で彼女の体を楽しんでから、まるで白桃に齧りつくように、白く柔らかな乳房へ軽く噛みつく。  
痛みは与えない程度の甘噛みのようなものだが、それでも刺激にびくりと腕の中の体が震えた。  
乳房の輪郭をなぞるようにゆっくりと舌を這わせ、時折吸いついては、赤い痕を残していく。  
「や……ぁん」  
乳房に触れられているとはいえ、満足のできる強い刺激が得られないのがじれったいのか、骸の下でクロームが、  
いやいやと身をよじる。  
その手首を掴んで動きを抑えつけ、ことさらゆっくりと舌を這わせた。  
海に入った名残か、白桃のような柔らかな感触とは裏腹に肌の上は塩辛い潮の味がした。  
波に洗われた部分を全て舐めとってしまうかのように、乳房から谷間、そして下腹部の方へと徐々に下りていく。  
どこもかしこも海の味がした。  
 
「んっ……ん……ぁ……」  
臍の辺りをぐるりと舐めてやれば、くすぐったいのか何なのか、ぴくぴくと小さく体が跳ねた。  
甘い声がなんとも耳に心地良い。臍の横に吸いついて所有の印をつけてから、もう一度顔を上げる。  
見上げれば彼を誘うようにふるりと白い胸元が揺れる。緩い刺激の連続に焦れた結果なのか、  
ぴん、と硬く立ちあがった乳首が、早く触れてくれと、なんともまた美味しそうに誘いをかけていた。  
今度は迷うことなく熟れた乳房の先に食らいつく。  
「ひゃ……ぁん!」  
突然与えられたはっきりとした強い刺激に、クロームの体が大きく跳ね、甘い悲鳴があがった。  
舌先で押し潰すようにぐねぐねと先端をつついてやれば、あ、あ、と短い悲鳴に似た嬌声があがる。  
ようやく許された快感がたまらないのか、もっともっとと言うように骸に向けて乳房を押しつけるようにして体をくねらせる。  
たったこれだけでこんなになってしまうのならば、きっともう一か所も良い具合に蕩けてしまっていることだろう。  
残されていたビキニの下も、横についている紐を引っ張ってほどいてしまう。  
腰を支え、はらりと落ちた布切れを取り去る。一瞬、ぬらりと光る糸を引いたのを、見逃しはしない。  
こちらも十二分に熟れてしまっているようだ。  
「気持ち良いですか?クローム」  
「は……ぁ……」  
頷いたような気配はあったが、きちんとした言葉での返事はない。  
すっかり荒く乱れた呼吸を繰り返し、快感に従順な嬌声を上げるのが精いっぱいのようだ。  
では、きちんと口で言えないのならば、と、露わになった秘所へと指を差し入れる。  
焦らされた上で快感を与えられたせいか、そこはすっかりぬめる愛液が溢れてしまっていた。  
入口の部分にそっと指を添えて擦るように指を動かすと、たったそれだけでも熱い吐息が零れた。  
けれどそれも、そんな些細な刺激に満足しているものではなく、もっと先で与えられる快感を待ち望んで焦れたものだ。  
望みに応えてやるように、そのまま指を一本差し入れると、根元まですんなりと呑みこまれていく。  
「あぁ……」  
埋め込まれていく指に、安堵にも似た声があがった。  
これならば十分だろうと、二本三本と更に指を差し入れていく。全ての指を呑みこんだそこは、ますます温度を上げ、  
熱く潤んでいく。  
試しに軽く抜き差しをしやると、くちゅくちゅと濡れたいやらしい音がはっきりと響いた。  
溢れる愛液が指を伝って手のひらまで汚してしまいそうだ。  
 
「こんなにしてしまって……。こんな昼間からいやらしい子ですね」  
わざと詰れば、さっと頬に赤みがさす。と、それに呼応するかのように、熱い粘膜がきゅっと指を締めつける。  
いやらしいも何も、こうなるように仕向けたのは骸の方だ。けれどそれを棚に上げ、  
快楽に従順な彼女の体を言葉でも嬲る。  
「ひっ……あああっ!や、あ……!」  
ついでに親指で入口の辺りにある小さな粒を潰すようにしてやれば、たまらず悲鳴があがる。焦らされて、指を与えられ、  
そこでこの刺激だ。ひとたまりもない。  
ひと際甘い嬌声は骸を喜ばせるものでしかなく、クロームの痴態に骸はただ笑う。  
太陽の下、異国でのバカンス、開放的な空気がクロームを積極的にさせているのだろうか。  
ただ快感に翻弄されるばかりではなく、クロームの方から骸を引きよせ、唇に熱く深い口づけを落とす。  
「ん、ふ……」  
自分の方から積極的に舌を伸ばし、骸のものと絡め合わせる。  
伸ばした舌先で舌の付け根の辺りをくすぐったり、軽く甘噛みをしてみたり、いつになく積極的だ。  
とはいえ太陽の下で煽られてしまっているのは骸も同じで、そろそろ下準備も終わりにさせたかった。  
熱い潤みに沈ませていた指を抜き去る。出ていく指に名残惜しそうに絡みつく粘膜は、  
同時に、その後にやってくる更なる快感の訪れを待ち望み、期待に震えていた。  
白く柔らかな太ももに手をかけ、足を割り開くような格好にさせる。  
明るい日の下で、夜のベッドの上でみるよりもはっきりとその場所を見ることができた。  
しとどに濡れてしまったクロームの女の場所は、ぱっくりと赤い口を開け、今か今かとひくつきながら骸を待っていた。  
興奮に思わずぺろりと舌を舐める。  
「本当に……いい眺めです、ね」  
たまらず猛った己で彼女を一気に貫く。  
押し入る勢いのはずが、すっかり蕩けてしまっていたその場所は、さしたる抵抗もみせずにすんなりと彼を受け入れ、喜んでみせた。  
「ふ、ぅ……」  
快感のためか、クロームの瞳からぽろりと涙が零れた。  
体も、受け入れている場所も何もかもがこれ以上なく熱い。  
「ほら、わかります?」  
クロームの手を取り、骸を全て呑みこんでいるその場所に導いてやる。  
微かに震える細い指先に根元をぐるりとなぞられて、今度は骸の方がたまらずに吐息を零した。  
 
「あ……ぜんぶ、はいって、る……」  
どこか嬉しそうに恍惚とした表情で呟くクロームに、普段とはまた違った淫靡さを感じ、煽られてしまう。  
導いた手を掴み、両手をデッキチェアへと押しつける。  
そして、自分の欲求の赴くまま、乱暴に腰を打ちつけた。  
「ああっ、ぁ!あ、む、くろ……さまっ……!」  
ピストン運動にあわせ、結合部からはぐちゅりぐちゅと、卑猥な効果音が響く。  
クロームの事を気遣うもなにも、ただひたすらこの太陽の下で快感を求めたかった。  
容赦なく体の中を貫く熱い昂りに与えられる快感に、当然クロームの方も体を震わせる。  
「あっ!ああっ!」  
ぐり、と中を抉るような動きに、ひと際大きな嬌声が上がる。少しも殺されることもなく、伸びやかで開放的なその甘い声は、  
更に骸を煽る。腰から背中の辺りがぞくぞくする。たまらない。  
「っ、く……」  
普段とは違うシチュエーションのせいなのだろうか、とにかくクロームの中に全てを出してしまいたい欲求にかられ、  
ただひたすらにゴールを目指して腰を動かす。  
骸を呑みこんでいる秘所からは、ひっきりなしに卑猥な水音が漏れ、その度にきゅんきゅんとクロームの中が  
骸を締めつけてたまらない。  
どうにも、いつもよりも興奮してしまう。だが冷静にそんな事を考えている余裕など、とうになくなってしまっていた。  
「むくろ、さ、ま……っ」  
「くろー、む……っ!」  
お互いに達する瞬間、きつく体を抱きしめ合う。  
きゅうう、とひと際きつくクロームの中が締まり、貯め込んだ精液を思う様、その中へと吐き出す。  
登り詰め、全てを解放する最高の快感に体を震わせ、じっくりと余韻を味わう。  
こぷり、と溢れた精液が静かにクロームの白い太ももを汚した。  
 
 
お互いに一息つき、呼吸も落ち着いた頃。  
一足先に身仕度まですっかり整えてしまった骸は、とにかく非常に機嫌がよろしかった。  
「たまにはこういうのも悪くはないですね」  
というのはバカンスの事なのか、それとも屋外での行為についてなのか、はっきりとは言葉は示さない。  
曖昧なニュアンスを残し、ただ満足げな笑みを浮かべるばかりだ。  
一方、クロームは日差しの下での行為に疲れてしまったのか、くったりとしどけなくデッキチェアに体を預けている。その額に、上機嫌で軽くキスを落とす。  
「冷たい飲み物を取ってきますね」  
まだ二人のバカンスは始まったばかりだった。  
 

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