「・・・俺、ハルのこと女として見れないんだ」
「はひっ」
「・・・俺、ちゅわんでないと駄目なんだ」
「ツ、ツナさん・・・・・・」
「・・・じゃあ、行くから」
「待ってください・・・・・・・・・待ってください、ツナさん」
「・・・・・・・・・」
「ハルは・・・ハルは・・・たとえツナさんが他の女の子を好きになったとしても、
たとえツナさんがハルのことを憎くて嫌いになっちゃったとしても、・・・ハルの
・・・ハルの気持ちは変わりませんから。ツナさんを好きな気持ちは・・・・・・
・・・変わりませんから」
「ハル・・・・・・・・・ありがとう・・・でも・・・ごめん」
「・・・いいんです。ハルはいつまでもツナさんのこと待っていますから」
(完)
数日後・・・
「ちょっと遊びに行ってくる」と言って、家を出るツナ。
そこへ・・・
「ちょっと!そこのあんた」
「うん?」
「あんたよ、あんた」
「えっ、俺?・・・何か入り用でしょうか」
バチンッ☆
いきなり張り手で頬を張られるツナ。
ショックで腰が砕け、道路に尻餅。
「入り用もご用もあったもんじゃないわよ。」
「へっ?(俺は何でいきなり見知らぬ女の子に顔を叩かれてるんだ?)」
「あんた、ホンット最低のクズ男ね」
「ええっ?」
「聞けば本命がいるっていうじゃないの。同じ学校の同じクラスに」
「はあっ?」
「それが、片手間でうちの三浦にまで手ぇ回して・・・」
「三浦?」
「気のある振りして手篭めにして最後はバッサリと縁を切るってかぁ」
「ちょっ、ちょっと待って。全く話が見えてこな・・・」
「ぁか・・・・・・・・・あかねちゃ〜ん」
「うん?」(2人)
ハル現る!!!
「あかねちゃん、ここで何してるんですか。ツ・・・」
倒れているツナを見て、ハルの顔がカーッと紅潮する。
「ツ、ツナさん、大丈夫ですか。」
「う、んあ、大丈夫だけど」
「三浦、こんな奴にかまうな」
「三浦?・・・ハル・・・ハルか!」
「すみません、ツナさん。あかねちゃん何か乱暴なことしましたか?」
「ん・・・いや、別に大丈夫」
「三浦、ほっとけって、かまうなって言ってるだろう。おまえを捨てた奴なんだぞ」
「あかねちゃんは少し黙っててください」
「・・・・・・・・・ふんっ」
ツナの部屋に戻って
「こちらは海燕あかねちゃん。ハルの新体操部仲間です」
「はあ、どうも」
「・・・・・・・・・」
「あかねちゃん」
「はい、・・・どうも」
「ツナさん、勘違いしないでくださいね。普段はすごくいい子なんですよ」
「はあ・・・」
「あんた」
「はいっ?」
「わたしと三浦の付き合いは結構長いんだ。」
「小学生からの付き合いなんですよ〜」
「・・・・・・・・・」
「そんなわけでまあ、わたしと三浦は親友同士って間柄なわけなんだ。」
「(何か恐ろしいオーラが背後に見える!?)」
「だから親友が泣いているのを見過ごすっていうわけには行かないんだ。
特にあんたのような優柔不断男、二股かけても平気な顔してのほほんと生活しているような
ちゃらい男、・・・・・・・・・わたしはぜ・つ・た・い・に許さない!!!」
「(ひいっ)」
「あかねちゃん」
「なら、どうだ」
「誰!?」
「リボーン(ちゃん)」(ツナ&ハル)
「ツナが優柔不断の軟弱男かどうか試してみるか?」
「リボーン!?」
「リボーンちゃん、そんな・・・」
「・・・・・・・・・分かったわ」
並盛神社に場所を変えて、
「あそこに、高校生が見えるだろ」
見れば、体格のいい制服姿の男達6,7人が境内の奥まったところで何やら群れを成している。
「あいつらは今、いたいけな中学生を脅して金をせしめようとしている連中だ」
「ええっ!?」(3人)
「ツナ、あいつらをぶっ倒してこい」
「なにいっ!?」
「これが試練だ」
「ええっ!? そんなのできっこないよ」
「はひっ そうですよリボーンちゃん。いくら何でも高校生は・・・」
「んっ?」
すたすた高校生の群れに向かっていくあかね。
「あかねちゃん!?」
「わたしは見てられない。高校生が中学生からカツアゲしようとする現場、見過ごせないよ」
「海燕さん」
「あんたはそこで待ってて。これは試験以前に問題があるから」
「あかねちゃん・・・」
「ちょっとあんたたち!!!こんなところで何してるの・・・って、キャッ」
「うん?」
6,7人の屈強な高校生たちが立ったまま失神している・・・・・・・・・
「やあ」
「雲雀さん!?」
「ほえっ」
「えっ、何、この状況・・・」
「君、どうしたの。こんなところに来て?」
「えっ、一体どうなってる・・・」
いきなり振り下ろされた雲雀のトンファーに頭部を殴られ崩れ落ちるあかね。
「あかねちゃん!?」
「海燕さん!?」
「僕の質問に答えなよ、君」
「うっ・・・っ痛・・・・・・・・・」
「なんで殴るんですか!!!あかねちゃんを何で殴るんですか!?」
「んっ?」
「ひっ」
「ああ、赤ん坊とキミか」
「ちょっと聞いてます? どうしてあかねちゃんを殴ったんですか」
「・・・・・・うるさいな、君は」
「はひっ」
ハルに振り下ろされる雲雀のトンファー。刹那、
「ぐはっ」
「ほへっ」
「ッ痛・・・」
「ツ、ツナさん・・・」
ハルを庇い頭部にトンファーの直撃を喰らってしまったツナ。
額からツツツッと血が滴り落ち、ハルの頬に伝い落ちる。
「ハル、大丈夫か」
「ツナさん、ツナさん、血が・・・・・・・・・落ちてきます」
ウルウルな瞳でツナを労るハル。
「・・・ああ、良かった」
ツナが笑う。ツナの笑顔に、ハルの瞳からは涙が筋を描いて頬を伝う。
「こんなところで庇い合いかい」
2撃目のトンファーを装填する雲雀。
そのとき雲雀の足下がぐらつく。
「やめろ・・・この・・・」
雲雀の足首を握りしめるあかね。
「海燕さん・・・」
「あかねちゃん・・・」
「そろそろ、お開きだぞ。」
神木の枝木で様子を眺めていたリボーンの銃口が火を噴いた。
「復活━━━━━━ ハルとあかねを救う!!!」
「はひっ!?」
「うわっ!?」
死ぬ気ツナはハルとあかねを小脇に抱えて思いっきりジャンプ!!!
・・・・・・ズサッ
「そこで待ってろ。レオン来い」
飛んできたレオンが団扇に形を変えていく。
「くっ あんた!そんなのじゃあ・・・・・・・・・モゴモゴ・・・」
「あかねちゃん、大丈夫です。」
「プハッ・・・大丈夫たって、あいつ・・・」
「あかねちゃん! ツナさんはそれは普段ちょっと優柔不断なところもあったり、
頼りないなと思ったりすることもあるけど、でも、こういうときのツナさんは
ハルにとって世界一頼もしいツナさんなんです」
「三浦・・・」
「やあ、また楽しい時間が始まりそうだね」
「・・・・・・・・・」
「僕はキミのこと結構好きなんだ」
━━━━━━ガキンッ━━━━━━
「ふー」
━━━ガキッ━━━ガキンッ━━━ガキンッ━━━
「さすがにしぶといね・・・・・・・・・でも」
━━━━━━ガキンッ━━━━━━
「キミが強いのは、5分程度なんだよね」
「・・・・・・・・・」
「この拮抗、キミはこのままでいいのかい?」
━━━ガキッ━━━ガキンッ━━━ガキンッ━━━
━━━タッタッタッタッ━━━
「リボーンちゃん・・・」
━━━タッタッタッタッ━━━
「そろそろだな」
「ふー、階段登りはさすがにしんどいぜ」「山本さん!?」
「極限!!!トレーニング」「京子ちゃんのお兄さん」
「ちっ、まったく付き合ってらんねえぜ・・・・・・って、おい!?」「獄寺さん!?」
「十代目!!!」「ツナ!!!」「沢田!!!」
「3人とも。ツナさんを助けてあげてください」
雲雀とツナの戦いを目にした3人が各々表情を険しいものにし駈けだす。
「ああ、これじゃさすがに裁ききれないな」
━━━━━━ガキンッ
「・・・・・・・・・」
「僕はこれで消えるよ。キミと赤ん坊とはまたいつか決着つけたいね」
雲雀はトンファーを腰に収めると、そのまま何食わぬ顔で階段を下りていった。
「暴力女、10代目の凄さが目に染みただろ。えっ、何とか言えよコラァ」
「・・・・・・・・・」
「けっ」
「まあ、そう言うなって獄寺。海燕だって十分わかってんだから、な」
「・・・・・・・・・」
「沢田とあいつとの試合を見て、俺の心の中は今、燃えている。極限のさらに極限だ」
「ツナさん、ホントに格好良かったんですから。ハルはもうツナさんにベタベタです」
「ハル、 抱きつくなって」
「・・・・・・・・・あのっ」
「うんっ?」
「ツ、ツナさん、あの〜先程のご無礼お許しください」
「いやいやいや、俺なんて別に・・・」
「そうだ。敬え敬え」
「獄寺くん・・・」
「わたし、思いっきり勘違いしてました。優柔不断とか優男とか、ありもしないことを捲し立ててしまって・・・」
「いやぁ・・・」
「ツナさんのハートの熱さ、力強さ、男気・・・・・・ツナさんに触れて、初めて男の人の・・・」
「へっ?」
「はひっ?」
「うん?」
「おお?」
「極限!!!」
「ツ、ツナさんに惚れました。」
「はひいっ」
「何?」
「わたしもツナさんをゲットできるように頑張ります」
「ええっ!!!」(全員)
「ツナも幸せ者だな」(ニヤリ)