『あれ』から何日も経った。  
はずかしくて、なさけなかった事件も、すこしずつ思い出となっていく。  
犬と柿Pの態度を見る限り、骸はあのことを誰にも口外していないようだった。  
依頼されている仕事である ボンゴレファミリーの移行を追う毎日である。  
骸は何も言ってこない。  
平和だ。  
 
仕事の合間に、私はいつも決まったカフェに寄る。  
忙しない町並みのまんなかに建てられたそれは 私のオアシス。  
今日も窓際の席に腰掛け、スフレをウエイターに頼む。  
この場所は骸たちの元拠としている廃墟からはほど遠いので まさに私だけの秘密のスポットだ。  
注文を済ますと余裕ができ、窓の外を見渡す。  
ふと見慣れた陰が横切った…あれは…犬?  
 
犬とは、意見の食い違いなどで激しい喧嘩をなんどもした。  
喧嘩仲間というか、まあそんな関係であった。  
騒がしく馬鹿だが気を使わなくていい犬に、私は多少の信用を寄せている。  
 
「あー…MM…」  
「あら、奇遇ね。まさかこんな場所で会うなんて」  
大きく開いたガラス窓の外で、犬は柄にもなくおとなしく突っ立っている。  
まるで怒られてしょげているようにも見えた。  
何かまた馬鹿なことをして、柿Pに怒られたのだろうか。  
私に用なの?そう聞くと、話があるから廃墟に戻って欲しいと言う。  
 
「話ならここでできるじゃない。こっちに来なさいよ」  
「…そーする」  
言われるままに、犬は私の前の席に座った。  
腰を下ろしてからも、犬はじっと座ったままで眼球だけをぐるぐる動かしている。  
 
「で、話って何?」  
単刀直入に言う。休暇を邪魔されるのは嫌いだ。  
「…仕事のはなし」  
「仕事?」  
「…骸さんが仕事、依頼したいってゆってた」  
「…骸ちゃんが?」  
嫌な予感がよぎり、指間に汗がにじんだ。  
思い出す前夜の記憶に 焦りと緊迫が入り乱れる。  
何の仕事なのかと聞くと覚えてないと答えて犬はそのままカフェを出ていってしまった。  
いつもなら何か食わせろと騒ぐはずなのに、何も口にせずにだ。  
私のテーブルには、運ばれてきたチーズスフレが手付かずのまま乗っかっていた。  
 
結局、フォークでつついてぼろぼろになったスフレを残して私は街に戻る。  
おつりを受け取る気力も搾り出さないと出なかった。  
どうしよう、どうすればいいの?もし前みたいな…前みたいな『依頼』を頼まれたら?  
今度こそ、なにか危険なことになる気がする。  
しかし、もし『依頼』を断わればどうなるかは定かではない。  
骸の能力については詳しく知らないが、常人離れした力を持っているということは知っている。  
 
誰か助けてはくれないだろうか、街行く人々に目を配るものの  
どの人たちも幸せそうに笑い 健常に行き交い私のことなど目もくれていなかった。  
心をすさぶ孤独と不安にかられながら身体を引きずるようにして廃墟へと向かう。  
どうなるのかは分からないけれど…依頼を蹴ろうかとも思った。  
いっそ、犬や柿Pに助けを求めようかとも思った。  
しかし。  
助けを求めた後のあの三人の関係を案じて諦める。  
もはや、無力な自分を呪うことしかできなかった。  
 
・  
・  
・  
 
「待ってましたよ、MM」  
脚を組んでソファに腰掛ける骸。その横には、犬と柿Pまでもが待機していた。  
室内には異様な空気が漂っていて私を圧迫する。  
息苦しい。  
 
「依頼って、なんなの、?」  
心底聞きたくなかったが状況上聞くしかなかったので、問うた。  
骸は楽しそうに、首をかるく曲げ、私の様子を伺い見ている。  
「クフフ何だと思いますか」  
変な遊び心はいらない、焦る心情が苛つかせた。  
「…分かんないわよ」  
「犬が、筆下ろししてほしいそうですよ」  
「…は」  
 
頭がまっしろになる  
くらりと立ちくらみまでが私を襲ってよろめかせた。  
犬が?  
あの、よくくだらないことで喧嘩して、お互いに血をみるまで、喧嘩した犬が?  
女の子によく手を出せたわね、そう言うと、だってMMは喧嘩仲間だから、と笑っていた犬が?  
口に出したことは一度もないものの 少なからず友情を感じていたMMには相当なショックであった。  
 
見ている。骸と、犬と、柿Pまでもが。  
私の反応を伺っている。  
こわい、六道骸が!  
前に「人間は玩具」などと言っていたが、それは私に対しても同じだったのか。  
この前の夜を境に、やはり仕事を蹴っていればよかったのか?  
後悔の念ばかりが頭をよぎり、私の身体は力なく床へと沈落した。  
 
「貴方は処女でもなんでもないんだから、いいでしょう?」  
「今まで何度も、売春行為をしてきたんですし いまさら何でもありませんよね」  
「仲間の頼みですよ、聞いてあげてください」  
 
悪態を突く言葉はすらすらと出た。  
どうして人間は、特に若い娘は、こうも純応なのだろうか?  
自分の吐く言葉のたびに辛傷する彼女のすがたが、とても愉快極まりない。  
ねっとりと暗い部屋の雰囲気にすらも、ぞくぞくと背筋が勃つ。  
 
ばかな犬  
MMと交わりたいだなんて口にするなんて  
暇つぶしに「どんな性行為が好きか」と冗談めいて聞いただけだったのに  
ばかな犬  
本能のままなんですね全くどちらかというと人間より獣に近いんじゃないのか  
それもそれで面白いかもしれないきっと獣のような乱れきり淫強な性行為を見せ付けてくれるにちがいない  
そのたびにMMは自分の無力さに打ちひしがれ許しを請うんでしょうね心の中ではやく犬何してるんですか  
早く犯しなさい目の前の雌をさぁそして僕を歓喜させてください今すぐに  
骸自身は、罪悪感などさらさらなかった。  
部下である犬を筆下ろしさせるため、派遣した女を使うことなど何て意識しなかった。  
メイドが主人に仕えるようなものだと思うのだ。むしろ男になれた部下に感謝されるであろうとも思った。  
 
僕の横で仁王立ちしている犬をちらと見ると 大粒の汗が浮いて口を詰むんでいる。  
罪の意識なんて感じなくていいんですよ、あとから彼女には多大な報酬を払うんですから。  
このままでは何時間でも呆然と立ち尽くしているだけになりそうだ。  
「犬」  
促すように名前を呼ぶ。  
すると 犬ははっと何かを思い出したかのように顔を上げ、猛飛した。  
目の前に屈んだ雌のもとへ。  
 
期待で冷たくなった首筋が、興奮の鼓動で熱くなる瞬間がいちばん、好きだ。  
僕は今から始まる光景を思い、眼をうすく閉じる。  
うう、  
未練に満ちゆく少女の呻く声が 僕の耳に届いた。  
 
ごめん、ごめんねと平謝りしながらも MMの服に手をかける犬。  
情欲する仲間の姿をメガネ越しの瞳にうつし、眼を瞑りたくなった。  
骸様は変わった…少し変わった趣向、いや、性癖を持っている。  
過去にも何度も、女をさらっては犯し 遊び 殺してきた。  
女の家族の前で、  
女の夫の前で、  
俺達の前で。  
はじめは恐ろしかった。  
仕事上何人もの人間を殺しはしたが、はじめて人間を弄んだのちに殺すのをみたときは恐ろしかった。  
そのたびに俺は見てみぬふりをしてきたのだ。巻き込まれたくないから。  
俺のいないところでしてくれとも心内で懇願したこともあったが それも叶わず、いつも情交を見せ付けられていた。  
骸様は、ただ弄んだり犯したりするのが愉しいんじゃない。  
その痛ましい情交を、他人に見せるのが愉しいんだ。  
羞恥と情けなさで朽ちる、人間の姿が面白いんだ。  
そう悟ったのは、至極最近のこと  
しかし、  
まさかその黒夢が、仲間である部下である犬にまでMMにまで及ぶなんて。  
本能に蹂躙されている犬のすがたを見たくなくて、俺はメガネを外そうとした。が、  
「千種、ほら」  
ちゃんと見なさい、こんなにたのしいステージなのに!もったいないですよ!  
そう言うように、骸様は俺に声をかけた。  
異質な空気のなか、薄汚れたフローリングの上で肌を晒すMM。  
ホコリやらゴミやらで黒ずんだフローリングの上だからか、彼女の肌はいっそう白く見える。  
MMには特別な感情など抱いたことはなかったが、標的を同じとして活動している身。  
不憫だと思った。  
 
すすり泣きながらも抵抗できずにいる彼女の衣類をすべて剥ぎ、  
ちいさい下着までも乱暴に千切るように放ったあと、  
犬は待ちわびていたように裸体に抱きついた。  
大きな手の平で形を変え、歪む乳房。  
居場所を無くし、放り出された二本の脚。  
骸様は愉しそうにその様子を眺めていた。  
早く終われ、はやく…  
虚しいその光景を俺に無理矢理見せようとしているのか、骸様は銀色の小箱を俺に手渡した。  
「これで記録しなさい、千種」  
そのデジタルカメラは、幾つも手にしてきた銃機器よりも冷かった。  
 
 
はじめて触れる女の肉体、  
それは、男のものとは比べ物にならないくらいに白くて柔らかかった。  
なによりその少女特有の芳香は犬を滾らせ、とまらない。  
はじめはMMを気遣ってやさしくそっと触れていた手も 荒々しくまさぐるような手つきに変わっていく。  
小ぶりだが温かな乳房の先端に、ぷくりとふくれた桜色の突起。  
誘われるようにそれに口付け、吸う。  
 
ちゅっ…  
固くしこった突起は、味もないのになぜか口に含んでいたくなった。  
その感触をこりこりと唇で味わい、犬は何度も何度も吸い上げる。  
荒れた唇に愛撫され、MMは顔を赤くして涙を零す、なんつぶもなんつぶも…  
ごめん、ごめんね。  
心の中ではさっきから幾度も謝っているが、とてもじゃないが制御できるほどの理性は、ない。  
空いた手で剥きだしの太股を撫でる。  
柔らかく張った肌  
犬は酔った。初めてである女に。  
 
抱き包めたMMの身体は、犬の胸にすべて収まるくらいに小さくて細かったが、  
その小さな身体のもつ温かさと、柔らかさはなぜか安堵をもたらせた。  
俺はこんなに満たされているのに、結果としては彼女は涙を溢れさせている。  
溢れる欲の裏で、犬は若干心を痛くさせたが、  
煮えきったそれを抑えられるわけもなく、ただただ荒い愛撫を重ねた。  
 
熱い息を吐き続けているMMの赤いくちびるを舌でなぞる。  
前に、骸と柿Pと俺、三人で観たテレビドラマで俳優たちがそうしていたように。  
ブラウン管ごしに観たそのシーンに、俺はなんだか気恥ずかしくて、後ろを向いたんだっけ。  
そしたら骸さん、おもしろがって、「犬は可愛いですね、まだ経験したことないんですか」そう言った。  
俺は馬鹿正直にハイと答え、となりの柿Pの失笑をかったんだ、たしか。  
 
「ううう…」  
いくらいっしょうけんめいに愛撫を添わせても、彼女は泣き続けてた。  
挿れたい。  
女の身体に触れているだけで、犬のそれは雄雄しく熱を持っていた。  
今すぐに挿入してしまいたい。  
しかし、このままではまるで、ただのレイプじゃないのか?  
最後の罪悪感が犬をかどわかす。  
ひしひしと視線を感じる背に視線をよこすと、骸は犬たちから眼を離さずにじっと目視している。  
MMのことどころか、俺のことすらも玩具にしているのだと、本能的に悟った。  
 
「どうしたんです犬、愛し方が分かりませんか」  
手を止めた俺に眉をひそめ、骸さんがソファを立つ。  
何かいやなものを感じ、俺は裸のままのMMを抱きしめた。  
 
 
犬の、異常なまでにあつい体温を感じながら  
互いの汗のにおいに嗅覚を刺されながら  
私はただ涙を流していた。  
同情をひこうなどと思っていたんじゃない、そんな計算が通用するとは思ってもいない。  
ただただ涙があふれたのだ 恥ずかしさと情けなさで。  
汚いフローリングをステージとして、淫ら極まりない行為に身をゆさぶ男女ふたり。  
たどたどしい犬の手つきに、業を煮やしたのだろうか?骸が席を立ったのがみえた。  
恐怖で身を縮めたわたしを、犬は強く抱きしめてくる。  
 
「仕方ないですね、犬は」  
まるでペットをなだめるように、犬の頭を撫でている。  
犬も抗う素振りもみせずされるがままに。  
「すみませんMM。彼、なんせ童貞なものですから」  
不気味な笑いに涙も枯れた。  
代わりに犬は、情けなさと虚しさのためか眼を潤ませる。  
 
「少し脚を開いていただけますか」  
私の返事を待たず、犬を退かせた骸は強引に私の両脚を開く。  
少しどころではなく、思い切りに開かされた両足の筋肉が痛んだ。  
全開になった両脚の付け根は、きっと柿Pが立っている場所からでも鮮明にみえるのだろう。  
「こうやって見るのもはじめてですよね、いいですか犬」  
「…あい…?」  
「ここが小陰唇、ここが大陰唇、ここが」  
淡々と、しかし軽快に部位の説明を聞かせる骸。  
部位を差すたびに逐一犬に触らせ、私の羞恥心を煽った。  
「まあ、陰唇なんて挿入してしまえばめくれますし説明不要ですかね、クフフ」  
あまりの、あまりの情けなさに身体が震える。  
しかしそんな私に構いなどしない骸は、説明を続けた。  
ほんとうは説明なんかどうでもいい、私を辱めるためだけに。  
「犬、ここがクリトリスです、女が最も感じるところですよ」  
「…ヤッ」  
急に陰核をつままれ、か細い声を漏らしてしまう。  
閉じていた目をわずかに開くと、犬が驚いたような表情を見せていた。  
そして。骸の口の端が、意地悪く上がる…  
最後の恥じらいに耐えようと視線をそらした先には、柿Pの構えているレンズが私を捕らえていた。  
 
「人間なんて、所詮は煩悩の生き物ですからね」  
そう犬に告げ、中指でぱちんと陰核をはじいてやると、  
呻くような悲鳴と共に、無防備にふるえる身体が跳ねた。  
 
「ほら、触ってあげなさい」  
「うわ…ここ、まっか…れす、ね」  
「でしょう。欲情しているんですよ、彼女も」  
はじめて目にする女の恥部と、MMの新たな反応に興味を示した犬が、おそるおそる陰核にふれる。  
犬が荒くれた二本の指でぐりぐりと擦り合わせるたび、彼女の切ない鳴き声がこだました。  
金のためにと、友情を感じていた仲間に犯されるMMのきもちと、  
仲間である女で筆下ろしする犬のきもちと、  
その光景を撮影している千種のきもちを考えると、僕までもが情熱に駆られていく。  
浅ましくずきずきと疼く片方の眼球を、撫でるように指で押さえる。  
 
くり、ぐりっ、ぐり  
「あ、ア、アッ…」  
「すごい…かたく、なってる」  
乱暴な刺激に勃起しきったクリトリス。女の一番無垢な場所。  
普段からひとりで弄んでいるのだろうか?  
敏感すぎるその反応に、犬もすっかり息を上げている。  
まるで自分がオナニーするときのようにクリトリスを扱き、快感を促す。  
男の指の間にはさまれた小さい陰粒は、愛液に濡れてぐちゃぐちゃだ。  
「MM、これ、いい…?」  
「うっ…ん…うぅぅ…」  
 
いよいよ耐え切れなくなったのか、  
罪悪感に負けた犬がチャックを下ろすと、太い血管の浮いたその肉棒があられもなく晒された。  
はあはあと息をあげ、MMの身体を易々と持ち上げ、後ろ向きにさせる。  
細身な彼女の身体はかんたんに、犬に背を向けた。  
興奮と羞恥で震え続ける彼女の身体を押さえつけるように、腰を抱き、そして。  
 
ぐちっ…  
「!う、う…あぁぁ…」  
「…いや…だ…っ」  
粘膜を裂く肉音と、ふたりの嗚咽。  
いままでMMの様子を見ながらの行為に及んでた犬もその快楽に堕ちきり、ハイスピードで恥部を打ちはじめる。  
 
ズチ、ズチ、ズチッ  
彼女のアンダーヘアは薄く、犬のペニスが出たり入ったりするところ、そして陰唇がめくれるところまでもはっきりと見れた。  
粒状の愛液がヘアを飾り、きらきら輝いていた。  
犬の酔いしれる声、  
荒々しく打ち込まれるペニス、  
MMの泣き声に近い声色、  
抵抗などできるよしもない細い身体。  
小さい秘穴に雄芯がむりやりに犯されている。  
千種、撮ってますか?鮮明に、映すんですよ、この被写体を。  
僕は瞬きするのも惜しく、二人の情景と、二人の心情を見続けた。  
涙の乾ききった眼がひりひりと少し痛んだが、それでも眼を離す事はできなかった。  
 
すっげーきもちいい。何これ、すげーまじで  
沸騰しそうな劣情のなかで、オナニーなんてただの一人遊びに過ぎなかったんだと思った。  
熱い膣口はぬるぬると絡みつき、犬のペニスを圧迫する。  
もっともっと味わいたくて、射精を堪えながら腰を打ちつけ続けた。  
逃げるMMの腰を抱きとめ、己の欲望のままに欲する。  
MMがかわいそうだとか、仲間のみてる前なんだとか、そんなことはすっかり忘れてしまった。  
いや、忘れようとしていたのかもしれない。快感の前ではそんな道徳心は邪魔なだけなんだ、きっと。  
 
ぐち、ぐぽっ、ぐちっ  
「あ゛ーーー…すげー、すっげーいい!」  
「うっ、うんんっ、んっ…!!」  
「さいこぉ…」  
 
そんなにいいですか、そう骸が聞いた気がした。  
しかし、答える余裕などさらさらない犬に、骸は二回と言わずに黙ってしまう。  
後ろから何度も何度も突かれ、MMのそこからは二人の粘液がぼたぼたとこぼれ床に落ちた。  
犬のペニスが膣内にはまるたび、その粘液は溢れた。  
四つんばいになった格好の彼女の膝は、激しい衝撃のせいで砂や土でよごれて少し血がにじんでいる。  
 
(まじ旨そー…)  
雌穴をえぐりつつも、そのにじんだ赤くて新鮮な血液に眼を奪われてしまう。  
射精し終えたら噛みたい、舐めたい、本能的にそう感じた。  
偶然にも眼に入ったその血液に、犬のボルテージは一気に上りつめ、MMに覆いかぶさるように自身の身体を添わせる。  
 
ぬちっ、ぬち、ぐちっ  
身体を退けつつも、しっかりと俺のものを飲み込むMMのそこ。  
もしかして、ほんとうは、MMもきもちいいんじゃない、の?  
そんな事まで思わせるほど、肉壁は犬を締め付ける。  
「でるっ、あ、あ゛あ゛あぁあ…」  
「いやっ!出さないで、中は…っ!!」  
脳内でなにかが弾け飛んだような、いちばん大きな快感の渦。  
その格好、その絶叫、ふたりの情交はまるで獣のようにみえた。  
犬本人はまったく意識していないのだけれど…  
 
MMの中で放出されていく欲求  
きもちいい。すごく、すごくきもちいい。  
半開き、というより全開になった口からは、舌を伝って涎が垂れた。  
どくどくと注ぎ込む精液を、膣奥はすべて飲み込んでいく。  
自らの放った精が犬のペニスにまとわり付き、更なる快感に導いた。  
永い射精の末、中に入りきらなかった子種は、どろどろとペニスを伝って零れてしまう。  
もったいない、ぜんぶおまんこにいれたかったのに、薄れ掛けていた意識のなかで思った。  
 
・  
・  
・  
 
俺は、あのあと気絶してしまったので(ただ寝てしまっただけかもしれない)、  
そのあとのみんなはどう話したのか分からなかった。  
気付いたらソファで横になっていた俺。  
MMはどこへ行ったんだろう?  
まさかクビとか、クビとかになってたらどうしよう、もしかしたら殺されているかもしれない…  
いやな想像が 犬の小さな脳みそを不安にさせた。  
わるいことをしてしまった…  
絶頂を終え、理性を取り戻した犬は、一体何と謝ればいいのか考える。  
なんてあやまっても絶交だろうな、あんなはじをかかせてしまったんだ。  
落胆してひどく落ち込んだ風貌で広間に戻った犬に、骸は声をかける。  
その横には、背を向けた柿Pが本を読んでいた。  
あんなことがあったのにいつもの風景、いつもの対話。いつもどおりの光景。  
さきほどのは夢だったのかと思うくらい、広間はしずかだった。  
 
「犬、MMは今回の仕事は最後まで参加するそうですよ」  
「今回のしごと、だけれすか」  
「多分。ボンゴレファミリーを壊滅させたら、お別れかもしれません」  
 
MMから別れを切り出したのか、骸が解雇したのかはわからなかったが、  
犬はすこしだけ元気を取り戻した。  
もう一回だけでも、会えるんだ。  
お金がすきな彼女に謝るため、なにかプレゼントを買おうと少しのお金を握って街に飛び出した犬、  
公園の池の前でひとりで座っていた彼女をみつけ、声をかけるなり顔面にパンチをくらった  
パンチを浴びせたあと、すこし黙ったMMは、今度はハイキックを食らわせてきた。  
両鼻から鼻血が出てしまい、頭に血が上りついでに怒鳴る。  
するとMMも負けじと、ありとあらゆる罵声をあびせてきた。  
響き渡るふたりの大声に、公園にいたハトは飛び散り、空へと去って行った。  
 
友達を犯すなんて最低!!  
渾身の力をこめて振るわれた拳が、もういちど犬の顔面に命中した。  
ふつうの女の子だったら、喧嘩や絶交どころですまないことも、MMなら怒って許してくれる。  
たくましく生きる殺し屋の彼女を、すこし、異性として意識してしまった…かもしれない。  
 
---終---  
 

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