「ママ〜ン!!ボク死んじゃうかも!!」
ツッくんが出掛けているうちにお部屋に掃除機かけちゃおうかな、
とツナの部屋のドアを開けかけた奈々に中から飛び出してきたランキングフゥ太が叫んだ。
「あら、あらどうしたの?リュークでも現れたの、フゥちゃん?」
相変わらずボケボケの奈々。
「ぼく、ぼくのおちんちんが、おちんちんが、変なんだよ!」
訴えるフゥ太の瞳は溢れ出しそうな涙でいっぱいだ。さすがの奈々もびっくりした。
「変って…どうしちゃったのかな?痛いのかな?」
「ツナ兄の、えっちな、本見てたらっ、おちんちんがムズムズしてきて、触ったら気持ち良かったから、ずっと、触ってたのっ…」
余程不安なのか遂に瞳からはぽろぽろと涙が溢れ出た。奈々はフゥ太と同じ目線までしゃがみ、エプロンで涙を拭いてあげた。
「…そしたら、おちんちんから白いのが出てきて…ママン、ぼく病気なのかなぁ!?」
奈々はツナがエロ本を隠し持っている事にツナの成長を感じ、ある種の感激を覚えた。
「フゥちゃん、それは病気じゃないわよ。あのね、それはフゥちゃんがひとつ大人になったということなの」
「とりあえずフゥちゃんが見たそのご本を見せてくれるかな?」
「これだよ、ママン」
気分も落ち着き涙も治まったフゥ太が差し出したのは、やはりエロ本の類だった。受け取ると奈々は興味津々でページをめくる。
(これ…けっこうカゲキ〜!!!きゃ〜)
中学生が読む程度なので水着などを想像していたのだが、ずばり男女が行為をしている写真などエロ本を超えた‘どエロ本’だった。
「…ママン…?」
本を凝視したまま黙ってしまった奈々をフゥ太が心配そうにのぞき込む。
そして奈々の視線を追うとそこには絡み合う男女の写真が。すると先程感じたムズムズがまたフゥ太を襲った。
「マ、ママン…!!またおかしくなっちゃったよ!どうしよう!?」
奈々がハッと顔をあげるとフゥ太が頬を染め、ふるふる震えていた。息もわずかに荒く、瞳も潤んでいる。
そしてその右手は自らのモノを、無意識だろうか、ズボンの上から擦っていた。
「あっ…っ、マ、ママン…助け、…て、はぁっ、あぁっ…」
「フゥちゃん!」
奈々はどこにいるのかわからないフゥ太の両親に代わり、きっちりフゥ太の面倒を見るつもりで現在一緒に暮らしている。
「フゥちゃんがこんなに辛そうにしてるんだから、助けてあげなくちゃ…保護者として…」